おとぼけ香港生活から脱皮

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中国美容院事情


と、何度となく言い放っただろう。

豊が髪の毛を切るついでに、私も切ってもらったりするのだが、
うまくいった試しがない。



中国の美容院は安い。15元で切れちゃったりするのだ。
だから、豊は中国でよく髪の毛を切るのだが、ついでに私も豊に
通訳してもらいながら切ってもらう。

店に入ったらまず、椅子に腰掛けシャンプーの銘柄を選ぶ。
選んだシャンプー液をそのまま頭のてっぺんにのっけて、蓋に穴を開けた
500mlのペットボトルの水を頭にジョボジョボとかけて徐々に泡立てていく。
水をかけては泡立て範囲を広めていく。この作業を繰り返す。

頭の全体に泡が行き届いたら、今度は店員の長い爪が頭皮を掻く。
指の腹を使わずに長い爪を使うのだ。これでもか!って程、時間をかけ、
爪を使って髪の毛を洗う。とても髪の毛に悪そうだ。
大量にできあがった泡を絞って捨てるのだが、この時点で客は鉄腕アトムか
サリーちゃんのパパになるであろう。

次には泡を流さずにマッサージに入る。こめかみ(店員の手は泡だらけ)、
首、(やっと手を拭き・・拭くだけ?)肩から腕、手へとマッサージを
する。この時、手首をつかんで血を止め、固めた指を交互に肘の方へ
上げてしばらくしてから手を離す。
この時にじわ~~~~~と血が待ってました言わんばかりに血が通い始め
る。これが意外に気持ちいい。

そうして、やっとこ今度は頭を流すのである。さっきの泡付き手で
マッサージしてくれたこめかみもちゃんと洗ってくれるのだから、
この時点で見事に眉毛が消えてしまう・・・


流し終えたら、多分免許はあるであろうスタイリストがカットをしていく。
豊が通訳してくれたのではあるが、自分が要望している髪型と徐々に
かけ離れていく。左右の長さが逆だったりするから、段々短くなったりもする。
次には梳きバサミを使って頭皮ギリギリの所を全体に梳いていった。

普通毛先じゃないの?

もう、きっと鏡に映った私の顔は憤懣やるかたない顔をしているだろう。
それすら、私は見るのも嫌になった。

スタイリストが「さぁ、できあがりました!」と満面な笑みを浮かべて、
満足している。

私は鏡を見て、更に愕然とし、手を当ててもっと驚く。

前髪はおでこに沿って切れ上がり、梳きバサミを使ったが故、オバケノQ太郎
になっているではないか!←(ツンツンしている)

そして、手で髪の毛の触ってみて、丸坊主になったように頭皮がジョリジョリ
している・・・・

坊主に付け毛。これが素直な表現なし方だろう。


そうして、私は「もう絶対に中国で切らない!!!」と発するのである。


パパさんに「かっぱみたい」と笑われてから、もう中国で切る事は
なくなった・・・


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