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清志郎が死んだ。昨日は、朝から終日出かけていてテレビもネットも見なかった。今朝になって、新聞の朝刊を開いて初めて清志郎の死を知った。昨年、癌の転移の話を聞いたときから、もう長くはないのだろうと覚悟はしていたけれど、不意にその日がやってくると、喪失感は予想以上に大きい。数年前に書いた日記を読み返してみたりもした。日記でも触れたとおり後年は疎遠になっていたが、やはり忌野清志郎という人は、ワタシ自身の人格や価値観の形成上おそらく多大な影響を受けたであろう「永遠の憧れ」であったことは間違いない。今夜は、名曲「ヒッピーに捧ぐ」 を聴こう。友人の「日隈くん」が死んだときの歌らしいけど、ボクはいつか清志郎が死んだ時にも聴こうと思っていましたよ。
2009年05月03日
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随分楽しみに待っていたインターポールの3rdアルバム『Our Love to Admire』が、ようやくリリースされた。インターポールのアルバムは、一度聴けば「良い!」のはわかるのだが、何がどう良いのかはすぐにはわからなくて、そこから繰り返し何度も聴いているうちにじわじわと色々な発見があり、結果的に「すごく良い」「すごく好き」に変わっていくのが不思議である。あいかわらず日本での人気はパッとしないが。今度のアルバムも、シングルカットされた代表曲「Heinrich Maneuver」なんかはとてもキャッチーでわかりやすく、確かにダントツでカッコイイのだが、それ以外の曲は正直なところ、「?」という印象のものが多かった。はっきり言って最初は「はずれか?」とも思ったのだが、しかし何度か聴いているうちに、徐々にアルバム全体としてレベルが高いことを感じる。少なくとも、2ndアルバム『Antics』よりも、こちらの方が好きだ。⇒「Heinrich Maneuver」のPVをみる※なんか退屈なビデオやなぁと思っていたら、最後のオチをみて、実は結構凝った作り(背景の時間軸が逆)だったことがわかる。詩の内容はシニカルで女々しくてモリッシーみたい。アルバム全体での好みで言うと、今のところはこんな感じかな(以下、曲順)。1. Pioneer To the Falls・・・よくまぁこんな暗い曲をオープニングに。2. No I In Threesome・・・いわゆるインターポール節全開。4. The Heinrich Maneuver・・・ソリッドなギターリフとリズム隊がしびれる。 8. Rest My Chemistry・・・もろ、ピクシーズ(笑)11. The Lighthouse・・・ラストのこの曲、相当やばい。⇒『Our Love to Admire』を試聴してみるそれにしてもあらためて思うのは、インターポールはバンドとしてのアンサンブルがホント絶妙である。それぞれのパートがストイックに(好き勝手に?)自分の演じる役割に徹していて、具体的に言うとボーカルを含む各楽器パートが明らかに別々のメロディーラインを奏でているので、それぞれのパートだけを取り出して聴くと単調なんだけど、全部を重ねたときに見事にひとつの完成された曲の形になっている。しかし、あまり計算づくでやっているとは思えないので、メンバーの構成として極めて運の良いバンドなんだろう。今回は、ジャケットもすごくいいね(笑)
2007年07月23日
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年明け早々、突発的にギターを買った。黒いアコースティックギターで、名前を「JJ Heart」という。随分以前に、飲み屋友達のアオミちゃんに教えてもらい、そこにあった現物を触らせてもらったのが最初の出会いだったのだが、サウンドホールが名前の通り「ハート型」であることにシビレてしまい、その場で一目惚れしてしまったのである。以来、ずっと気になってはいたものの、なかなか楽器屋に立ち寄るヒマもないまま月日が過ぎていったのだが、1月のとある平日の夜、たまたま比較的早めに帰宅できたその日、おおそうだそうだと思い出し、ここならば在庫があると事前に聞いていた楽器屋に閉店直前に駆け込み、ついに「JJ Heart」を手に入れたのであった。新しいギターを買うのは実に十年以上ぶりで、しかも考えてみればアコースティックギターを自分で買うのは初めてである(中学生時代に兄のお下がりを貰った事はあったが)。「JJ Heart」は、通常よりもややスケールの短いコンパクトサイズで、パッケージの写真を見ても、明らかに「女子用」である。しかしながら、上品に黒光りするボディに、ハート周りの貝模様のインレイも美しく、これはオトコが持っても全然問題ない。というかむしろその方がカッコイイぞ、とひとりでニヤニヤと悦に入る。肝心の音の方は、さすがに最高とは言えないが、まあ遊びで弾くには十分でしょう。ただちょっと、ペグの締まりが甘いのか、ややチューニングが狂いやすい気はするが。それにしても、驚異的なのはこの値段で、本体に専用のソフトケース、ストラップ、ピック、予備の弦、ステッカーなどが一式ついて、なんと8,800円(!)。ケタを間違えてはいけない。はっせんはっぴゃくえん、である。これを買わずにいられようか。カラーは、黒・桃色・水色・黄緑・黄色の五色あるが、ワタシの買った黒は人気なのか、常に品薄気味のようである。で、それでワタシが何を弾いてるかって、アコギだからといって音楽的嗜好が変わっていきなり「ゆず」なんて気が狂っても弾くわけはなく、生後9ヶ月のムスメ2号と一緒にお留守番の休日なんかには、この前郡山ハルジ氏に教わった、マリリン・マンソンの「Fight Song」なんかを全力で弾いて絶叫しながら、ムスメの子守唄代わりに聴かせてやるのが最高に幸せな今日この頃です。
2007年03月15日
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毎年恒例、舞台音楽の選曲を担当しているモダンバレエのリサイタル本番。今年もまた、女先生の注文がきつくて何度も何度もやり直し作業でまいった。仕事がヒマならまだいいのだが、特にクソ忙しい最中の編集作業だったので殺人的に寝る時間がなくてホントにまいった。今年は音楽もかなり妥協して先方の要望をかなり飲んだので、まったくのボランティア気分である。ムスメ1号を連れて行ったのだが、夜の舞台だったので終わってから二人で寿司を食べて帰った。寿司屋が混んでいてかなり待たされたこともあって、すっかり遅くなってしまい、帰りの電車の中でムスメは完全に眠ってしまった。駅に着いてもどうやっても起きないので必死で担いで家まで帰ったが、いつのまにやらムスメ1号はめちゃくちゃ重くなっていて腕がちぎれるかと思った。ちぎれないけど。
2006年11月04日
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郡山ハルジさんへ。ホラ、こんなのもありましたよ。ロバオちゃん、やはり顔は気持ち悪いですね(笑)。でも名曲のアコースティック版の演奏は、超カッコイイ。<画像リンク参照>
2006年10月14日
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郡山ハルジさんへ。ホラ、こんなのもありましたよ。見よ、在りし日の大先生の勇姿(笑)。オーケストラをバックに、鬼畜の師匠ノミ先生の本領発揮ってカンジですね。<画像リンク参照>
2006年10月13日
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郡山ハルジさんへ。ホラ、こんなのもありましたよ。画質が悪くて見にくいったらありゃしない(笑)。でもこれ、相当貴重ですよね。<画像リンク参照>
2006年10月12日
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郡山ハルジさんへ。ホラ、こんなのもありましたよ。モーマスのプロモビデオですよ、懐かしいですよね(笑)。<画像リンク参照>
2006年10月11日
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郡山ハルジさんへ。ホラ、こんなのもありましたよ。冒頭のチューが情熱的ですごいですね(笑)。<画像リンク参照>
2006年10月10日
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郡山ハルジさんへ。ホラ、こんなのありましたよ。後半の「楽器紹介」が単調で、少し興醒めですけどね(笑)。<画像リンク参照>
2006年10月09日
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かつてインド行きの渡航資金を必死で稼ぐために働いていた日雇いのアルバイト先で、たまたま知り合った2つほど年上の他大学の学生と休憩中に話をしていたら、お互いの音楽的興味(世間的にはマイナーな、ニューウェーブ系ロック)領域の共通点に意気投合。後日、そのヒトがワタシのために編集して送ってくれたカセットテープの1曲目に入っていたのが、このアモン・デュール2という今まで聞いたこともないジャーマン・ロックグループの曲、「DEUTSCH NEPAL」であった。(画像リンク参照)目一杯ボリュームを上げたスピーカーから曲が流れ出した瞬間、あまりにも大仰なコケおどし的怪しさ漂うイントロに、脳天をかち割られたような衝撃を受けた。また同時にこれは、自由で狂った学生生活の幕開けにふさわしい「ワシの人生第二章の、オープニング・テーマソング」のような感じでとても気に入っていて、近所迷惑も顧みず、下宿先の窓を開け放ったまま繰り返し大音量で流していたものである。隣近所の住民は、さぞかし気味悪がっていたに違いない。すまぬすまぬ。そのテープには他に、AKSAK MABOUL、ARTBEARS、GURUGURU、HENRY COWなどなど、普通に生きているとまず出会うことのなさそうな、ただごとではないアーティストのオンパレードで、どれもその後のワタシの音楽生活に多大な影響を与えたものばかりであった。人の縁こそ、音楽の縁である。(それにしてもハルジさん、YouTubeはお宝映像の宝庫だねえ。)
2006年10月01日
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つい最近になって、ようやく生活のペースが落ち着いてきた。家庭にも仕事にも手がかかるのは相変わらずであるが、非日常的ドタバタ生活も、毎日のこととして繰り返しているうちに、いつしか日常のリズムとして定着してしまった感がある。我ながら、つくづく順応性あるなーと思う。先週までは、家庭のフォローのために早めに帰宅した日も、仕事の続きで真夜中までずっと企画書を打っていたりしたのだが、そういう時のBGMとして延々とヘビーローテーションで重宝していたのがコレ、小沢健二の4年ぶりの新譜『毎日の環境学:Ecology Of Everyday Life 』 である。最近では音楽シーンの表舞台にはほとんど登場することはないし、若い人にとってはもう「オザケンて誰?」という存在になりつつあると思うのだが、活動拠点をNYに移した現在もマイペースで質の良い作品を出している。今作もそう。すごく良い。全曲ボーカルなしの、ジャズ系のエレクトロニカという感じだが、これがなんというか深夜の仕事用BGMとして邪魔すぎず眠すぎず、脳の中が適度な緊張感で満たされ活性化されていく感じで、不思議なほど仕事がはかどる、はかどる。公私のスケジュールが入り乱れてのドタバタの中、集中力途切れずに仕事をこなせたのも、このBGMのお蔭によるところ大である。ワタシにとっての小沢健二の音楽の魅力は、なんといっても「ベースラインの格好良さ」なのだが、今作も、やはりベースとドラムのリズム隊がすごく心地良い。それに加えて、リズムの隙間を埋めて浮遊する音の粒々がものすごく凝った構成になっていて、今のところ何度聴いても全然飽きない。また、随所で効果的に挿入される不協和音のアクセントが効いていて、こういうところにもセンスが冴える。今回は、なんでインストゥルメンタルなんだろうと思っていたら、どうやらドイツ文学者である彼の父親が発刊している童話雑誌に、最近小沢健二自身が童話小説の連載をしていて、このアルバムは「その童話のBGM」という趣であるらしい、という噂を聞いて、なるほどそうかと納得。彼の公式サイトでこの童話小説が読めるのだが、思ったより大人向けの話で、読んでみると意味深な内容でこちらも意外と面白い。それにしても、この小沢一族は、父親の兄が彫刻家、弟は世界的な指揮者(征爾ね )、オザケン本人も東大卒のミュージシャンということで、なんだかとても文化レベルの高いインテリ揃いで凄いなぁ。しかしどうでもよいのだが、父親の主催するサイトのこのプロフィール写真の表情、一瞬、冗談なのかと思ったのだが、ちょっとすごくないか。ウケを狙っているのだとしたら、親子揃ってセンス抜群である。
2006年07月25日
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シド・バレットが死んだ。ガーン。最近ただでさえ心身ともに憔悴しているというのに、追い討ちをかけるようなこの突然の訃報に、もうショックで寝込みそうである。※あれこれ書くヒマがないので、詳細はいつかまた後日。ちなみに、ウィキペディア参照。
2006年07月12日
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過日、仕事の合間を縫って夕方からちょっとオフィスを抜け出し、知人のライブを観に行ってきた。知人というのは、ワタシの日記にも時々出てくる、大阪梅田の裏通り「曽根崎デッドエンドストリート」にあるバー「ナチュラリー」のMさんである。以前、お店に寄ったとき既に前売チケットを買っていたので、この日は仕事が忙しくとも「モトを取らなきゃ」と思って出かけたのであった。会場は十三にあるライブハウス『ファンダンゴ』で、ここを訪れるのは、昔バンド仲間と一緒に来たとき以来十何年ぶりである。十三の駅で降りるのも数年ぶりだったが、飲食店や風俗店がひしめく猥雑な魅力と活気に満ちた街の中をすり抜け、開演時間ギリギリに店に到着して中に入ると、オールスタンディングの店内は既にほぼ満員で、熱気ムンムンであった。ステージは、昔見た時よりも随分小さくなったような印象だったのだが、長年の間に改装でもしたのだろうか。この日の出演は、Mさんのバンド「Less Than Zero」を含めて総勢6バンド共演というステージで、そのいずれもがこの「曽根崎デッドエンドストリート」に軒を連ねる店の関係者で構成されていた。Mさんのバンドは「次は、永遠のボクちゃんたちです」という紹介とともに、2番手で登場した。バンドは打ち込みドラムに、ボーカル&ギターのMさん、轟音ノイズギターが持ち味というS氏、あとワークブーツにオムツ姿のベーシスト、という3ピース編成であった。演奏は、打ち込みドラムにS氏の轟音ギシギシ系ギターとオムツ氏の弾むベースラインが絡み、そこへMさんの意外にエッジの効いたボイスと一瞬意味不明の歌詞が漂う、という構成で、全体的になかなか良いニューウェーブなドライブ感があって、思わずこちらも熱くなる。トレードマークのメガネを外したMさんはなかなか鋭いオトコマエなのだが、曲に合わせて時おり鳥のように手をパタパタさせながら白目を剥いて宙を睨みつけたかと思うと、喉の血管を浮き立たせてのけぞりながら痙攣性の動きで激しくシャウトする姿は、ほんま、シュールな気迫がみなぎっていて、あーなかなかこれはいいぞいいぞと滅法楽しくなってきた。中でも「海に砂を流し込む」という曲が詞的にも印象的であった。その次のツインベースのギャルバン「すっぽんぽん’ズ」も、これまた80年代的カルトがかったへたうまシュールなスタイルで非常に面白かったのだが、残念ながら時間がなかったので、すべてのバンドを見ることはできず途中で会場を後にした。久々のライブハウスの匂いに、ワシの胸はうずうず疼いていた。
2006年06月14日
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自分へのささやかな誕生日プレゼントとして、久しぶりに坂本龍一のアルバムを購入。去年の秋にリリースされたピアノ中心の作品「/05」。往年の名曲を、アレンジを変えてピアノで弾きなおしたものなので、内心「ちょっとマンネリかなあ」と思いつつ聴いてみると、これが意外に新鮮でなかなか良い。中でもお気に入りは「Amore」と「Thousand Knives」。「Amore」のピアノ版はもともと好きな曲だが、従来の激しく叙情的な雰囲気とは違って、かなり抑え気味なアレンジがお洒落な感じ。 一方の「Thousand Knives」は、メトロノームの音にあわせて軽快に跳ねるピアノの音がとても小気味良い。アルバム全体的に、教授が楽しんで弾いてるのが伝わってくるようで、こちらまでついついピアノに触りたくなる。楽譜も出ているようなので、探してみよう。なんだろうこの初々しい感じは。これはいいよ。ピアノ弾こう。
2006年03月10日
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絶対ずぇったい行こうと思って超楽しみにしていた Pixiesの再結成・来日ライブ公演(@ZEPP大阪)。今週だと思って余裕をかましてたら、日程を一週間勘違いしていて、完全に見逃した。ネットで調べ直してみたが、とっくに終わっていて後の祭り。あーバカバカ。行った人の感想だけでも知りたいと思って探すと、コチラの方のレポートとか、 コチラの方のレポートなどを発見。デブとハゲとオバサンによるライブは、最高に盛り上がったみたい。見たかったよー。Rock Me Joe!あぁガックリ。超ガックリ。ガックリ腰。
2005年12月13日
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友人のWebディレクターKさんや楽天仲間のピーニョさんなどから「David Sylvianが新ユニットで新譜を出すよ」との情報を得てCDショップに走りゲットしたのがコレ、Sylvian、JansenとBurnt Friedmanというメンバーによる『Nine Horses』のアルバム『Snow Borne Sorrow』。主に就寝前の仮死状態の時間を中心にヘビーローテーションしていて、すでに30回以上は聴いている。このアルバムは、相変わらずのサカモト教授や、珍しいところではスウェーデンのササヤキ系歌姫Stina Nordenstam なども参加している。1曲目のスローでJAZZYなイントロには、思わず『ツインピークス』の赤いカーテンの部屋のシーンを連想して怖くなったが、まぁまぁ全体的にはいつものシルヴィアン節がわりとバリエーション豊かに随所に散りばめられている感じ。前作のソロアルバム『blemish 』はまるで“読経”のような展開に少し単調さというか退屈さが否めなかったが、比較すれば今回の方が耳馴染みもよく聴きやすい。◎試聴サイトはコチラから。しかしシルヴィアン先生の声だけは飽きない。あらゆる曲を何度繰り返し聴いても、自分でも呆れるほど飽きない。ワタシにとって、曲を聴くというよりもむしろ「声を聴きたい」という感覚で聴くアーティストなんて彼だけである。ま、正直なところここまでくると、もはや1作品ごとに良いとか良くないとかはあまり関係なくて、そこにシルヴィアン先生の新しい作品があるから聴く、という、まるで「そこに山があるから登る」という登山家の境地に近いものに、自分でもなってきている気がする。それにしても歌声の渋さにはますます磨きがかかってきたなぁ。備前焼の壷のような究極の渋みをめざして、世間から評価されようがされまいが、最低70歳ぐらいまでは現役で歌い続けて欲しいものである。合掌。
2005年12月05日
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毎年恒例、選曲を担当しているモダンバレエのリサイタルの日。今年はもう忙しいので選曲は遠慮したいなぁと思いながら結局断り切れず、しぶしぶ(表向きは笑顔で)引き受け、何度かのダメ出しとやり直しと打合せと手直しを経て、なんとか完成に漕ぎ着けた。「これで最終版ですから」とデータをCDに焼いたのを送りつけてから本番まで何のリアクションもなかったので「大丈夫なのか?」と少々心配にもなったが、そうこうしているうちに本番当日になった。少し早めに楽屋入りして「で、音楽どうでした?」と聴くと、代表である女先生は「んまー、心斎橋センセイ(ここでは何故か勘違いでセンセイと呼ばれている)、とっても素敵だわよ。ラストなんか感動して踊りながら涙が出そうになるわよ。本番が楽しみ。」と言うので、それはよかったよかった。音響の調整はもうホールの担当者にまかせることにして、全2,700席ある客席のちょうど中央付近に用意された招待席で舞台の開始を待つ。が、始まったとたんに猛烈な睡魔が襲ってきて船を漕ぐ。舞台は全部で3部構成になっていて、前の2部までは旧作の再演で、ワタシの担当した新作は3部目のトリなので、そこまでが長いのだ。1時間半ほど経ってようやく第3部に。オープニングは、「金属的な音で始めたい」という要望だったので、実際の製鉄工場でサンプリングした音を「ガコーン、ガコーン」と大音量で打ち鳴らすという変則プレイでスタート。そのあとはまぁ踊りの構成を考えながら現代音楽系からテクノ系まで緩急抑揚をつけて何曲かつなぎつつ今回は、終わったと見せかけて緞帳を一度下ろした後、意表をついて最後に隠し玉の1曲でもう一度緞帳を上げてフィナーレ、という構成にしてもらった。これが見事に反応があり、何年間もやってきて初めて観客席がどよめいたのにはこっちが驚いた。今年はダンス陣の技術もレベルアップしていて、あ、これはなかなかいいぞと感心もした。それにしても、これだけの規模のホールで自分の個人的に好きな曲をホールの大音響で全身に浴びながら客席で聴くなんてことは、やはりこの仕事でもしない限りあり得ないので、これだけは醍醐味であるなぁとつくづく思う。終演後しばらくして再び楽屋に行くと、「心斎橋センセイ、最後の新作が良かったって、さっきまでダンス雑誌の取材が2社ほど来てたのよ」と女先生も少々コーフン気味だったので、それはよかったよかった。 ほとんど毎回ボランティアではあるが、まぁこんな風に手応えがあると、結果としてはやって良かったなぁと思いつつ、ワシは「それじゃあ」と渋く呟き夜の街に消えていくのであった。30分後には生ビールおかわりであった。 ♪ちなみに終わりの曲はこれ、MOBYの「Hotel Intro」で崩れるように。
2005年11月05日
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数日前から気に入ってずっと聴いているのが、カナダ在住のAntoine Bedard という青年がひとりでやっているMONTAGというソロ・ユニットの新譜「Goodbye Fear」 。このユニットの作品は初めて聴いたのだが、どちらかというと音数も少なくてチープな雰囲気のエレクトロニカ系で、内省的なボーカルが耳に心地良い。新譜だというのに昔どこかで聴いたような妙に懐かしい音で、誰もいない寒い室内でヒーターなど入れながら、ひとり静かに聴くのにちょうど良い感じ。このアルバムでは2曲目「scrabble heart」がキャッチーで二重丸。ここのラリー・レーベルというところは、同じようなテイストでなかなか良質のアーティストが揃っているようで、サイトのリンクからあれこれ試聴してみると、ステレオラブ似という「au revoir simone」など、他にも気になるアーティストが数組いる。と思ってたら、来週、 2組揃って来日じゃないか。 残念ながら仕事なので観には行けないけど。◎MONTAG公式サイトはコチラ(音の仕掛けがお洒落)
2005年11月01日
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野外コンサート関係の仕事で、万博公園に行った。大阪の万博会場跡にそびえるのは冷凍マンモスではなくて太陽の塔なのだが、久しぶりに間近で見る太陽の塔はやはり迫力があって格好良かった。コンサート会場は、その足元に広がる広大な芝生広場が客席になっていて、前方の指定ブロック以外の観客は、思い思いの場所にレジャーシートを広げて、大人も子供も座ったり寝転んだり飛んだり跳ねたりして、快晴の秋空の下、リラックスムードに溢れていた。仕事を手伝うふりをしながらフラフラと客席周辺を探索していると、飲食の屋台を発見。焼きソバ、たこ焼きといった定番ものから、トルコ料理、スリランカ料理などのエスニック系まで多彩なラインナップである。さすが万博公園(関係ないか)。そして、来場者の誘導をするふりなんかしつつ、密かにトルコ料理の屋台に並び、「ドネル・ケバブ」をゲット。ちなみに「ドネル=回転」「ケバブ=焼く」という意味で、専用のロースターでビーフ、チキン、マトンなどの肉をグルグル回転させながら炙り焼きにして、削ぎ落としたものである。ちなみにここの屋台はカレー風味のスパイスが効いたチキンで、千切りキャベツとともにピタパンに挟み、特製ソースをかけて食べるのだが、旨い。なかなかグッドだ。昔、ロンドンのアラブ人街で深夜に風に吹かれながら食べた屋台のケバブの味を思い出したよ。夕方から始まったコンサートは、やがて空が夕暮れから夕闇に変わり、音楽に合わせてスタンディングで踊り狂う人たちの傍らで、あまりの心地良さにシートに寝転んで爆睡する人も続出。この楽しみ方は、座席がステージに近いかどうかなんてほとんど関係ない。芝生に寝そべって星を見上げながらライブを聞くというのがこんなに気持ち良いとは知らなんだ。今回は季節と天候が絶妙のタイミングだったと思うが、遅ればせながら、この手の野外ライブには結構ハマりそうでごわす。ドネル・ケバブですが。これ撮ってたら、いつのまにかクライアント様がすぐ横に立っていて、不審そうにジッと見ていた。
2005年10月01日
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もうやるつもりはなかったのだが、どうしてもと頼まれて結局断り切れず、また舞台の選曲の裏仕事を個人的に引き受けてしまった。表の仕事が詰まっていてそれどころではないので、ズボラをして過去の持ちネタで適当に作ろうかと思っていたのだが、真面目に考え始めるとやはりイメージに合う曲がなく、仕方なく音源を仕入れにタワーレコードに立ち寄った。舞台の選曲に使うための、現代音楽、エレクトロニカ、ニューエイジ系などの棚を物色しているうちについついロックのコーナーにふらふらと行ってしまい、ふと気が付くと『良盤発掘隊・ニューウェイブ編』などという特集の売り場に出くわしてしまった。「ニューウェイブ=永遠の近未来POP」と題されたこの売場特集は、1.ニューウェイブ・ポップ、2.エレポップ、3.ゴシック、4.ニューウェイブ・ダンス、5.ニューヨーク・ノー・ウェイブ、6.ネオ・アコースティック、7.ジャーマン、8.アメリカン・アンダーグラウンド、9.ギター・バンドといった具合に、全部で9つのジャンルに分けられていて、売場を巡るだけで超楽しい。詳しくはコチラを。さすがタワーレコードはん、ほとんどすべてのジャンルに愛聴盤が含まれているが、中でもゴシックとジャーマンのピックアップは、かなりのヒット率ですな。てなわけで、帰宅して夜中に選曲作業をするハズが、途中から我が家のCD棚でニューウェイブ名盤発掘隊を始めてしまって全然作業が進みまへん。懐メロに浸っている場合ではないのに、なにをしてることやら。依然、混沌とする選曲作業。やめときゃよかった。
2005年08月22日
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いつも行くビデオ屋の店内を歩いていたら、隅っこの方に音楽DVDのコーナーがあり、その中に『ライブ帝国』というシリーズがあるのを発見した。これはテレビ神奈川(TVK)が開局30周年を記念して企画発売したもので、同局がかつて番組内で放映した「80年代に活躍した日本のミュージシャン」の幻のライブ映像を、DVDで復刻したものである。その中で見つけたのが、「RCサクセション 70'S」、「RCサクセション early 80's」の2本。中学~高校生時代にかけて、ワタシの音楽人生はただひたすらRCサクセションであった。なかでも、ロックバンドとしてブレイクする以前のトリオ編成(忌野清志郎、破廉ケンチ*1、小林和生*2)時代のハードフォークのRCがもう熱狂的に好きで、母親に「こんなお経のような歌、気持ち悪いからやめなさい」などと言われながらも、バンドスコアを入手してはギターやピアノを必至で練習したりと、当時はホントに寝ても覚めてもRC漬けの毎日だった。*1)はれんけんち・・・エレキバンドに移行する過程で精神的に行き詰まり、ステージでも完全にギターが弾けなくなり脱退。*2)リンコワッショー・・・RC結成時から90年の無期限活動休止まで、清志郎とともにバンドに在籍した唯一のメンバー。そんなワケで曲だけは擦り切れるほど聴いていたが、初期のRCの映像を実際に目にするのは初めてで、 「RCサクセション 70'S」の中で、マッシュルームカットに青白い顔で怨念を搾り出すようにステージ上で唄う清志郎の姿を見た瞬間、思わず「あぁ・・・」と声にならない思いが胸に広がり非常に感慨深いものがあった。別にノスタルジックな気分に浸るというのではないが、当時から20年以上も経てまさかそんな映像が存在していようとは思いもしなかったので、言わば昔の知人の知らなかった姿を見て新鮮な驚きを感じたというのに近い感覚かもしれない。初期のRCの曲は、皮肉に満ちた暗く激しい曲が多いが、気の利いた演出もMCもなくただ棒立ちで楽器を掻き鳴らして叫ぶ彼らの姿と曲のイメージが初めて重なり、妙に納得感があった。しかし、続けて観た「RCサクセション early 80's」ではロックバンドに転進したRCのメンバーが例の奇抜なメイクと衣装でステージに現れ、清志郎は髪の毛をおっ立てた「キヨシロー」という別人格になっていた。足を前後に開いてステージ上でピョンピョンと飛び上がり、派手なマイク・パフォーマンスで客席を煽るキヨシローの姿がやけに滑稽で、比較して観てしまうとかなり違和感がある。前の映像からほんの数年の間にアンタらは一体どうなってしまったのよ、と思うぐらいの変貌ぶりである。勿論、このロックバンド時代のRCも好きだったし、音楽番組の生放送でTVカメラにガムをくっつけたりというキヨシローの暴挙なども痛快だったが、不遇のフォークトリオ末期時代を経て「売れなければ意味がない」と、確信犯的にキッチュなポップスターを演じていたキヨシローの姿は、今見るとなんだか少し痛々しい感じがした。あんなに熱狂したRCだったが、彼らがポップスターとして売れれば売れるほど、天邪鬼なワタシは次第にRCへの興味が薄れていき、結局、当時コンサート会場に足を運ぶことも一度もないまま、無期限活動休止(事実上の解散)となってしまった。ただ、2年程前、休日に偶然立ち寄った京都駅ビルのオープンスペース(大階段のステージ)で清志郎がFM番組主催のミニライブをやっているのに間近で遭遇したことがあった。それを観るまでは、「ピークを過ぎていつまでも老醜をさらして活動するのもどうだかなぁ」なんて思ったりしていたのだが、目の前でシャウトする清志郎の姿はやはりチャーミングで、生きてる間に生の清志郎に逢えて良かったなぁと、しみじみ思ったものであった。
2005年07月22日
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なんだかまたプレゼンが重なってかなり忙しくなってきたため、今週は3連休も返上で出勤である。日記を書くのが苦行になりつつある。しかし最近なぜか、世間ではまたもや「マイアヒ」が異常に盛り上がってきているようで、流れてくる音楽に合わせてワタシも一緒に「♪マイヤヒー、マイヤフー!」などと歌いながら無理やり自らを盛り上げて仕事に励むしかない今日この頃である。おわり。⇒音楽スタート(音量アップ)。
2005年07月16日
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最近、モービーの新作『HOTEL』を聴いている。モービーは3年前の前作『18』で初めて聴いてすごく気に入って以来、今でも割とよく仕事中のBGMでかけていたりする。年齢的にもほとんど同世代でもあり、モービー本人の音楽の嗜好が80年代ニューウェーブなので、以前New Orderをバックに歌ったJoy Divisionの名曲「New Dawn Fades」のカバーなんかはもう寒気がするほどカッコ良くて、シビレた。今作でもNew Orderのカバーあり、デヴィッド・ボウイに捧げる曲あり。海外ではアルバム出すごとに何百万枚も売れているのに、日本ではあまりパッとした評価がないのが不思議なぐらい。今回の『HOTEL』は、まだよく聴きこんではいないが、印象としては残念ながら前作よりもグッとくる曲が少ない感じ。輸入版はHMVで2枚組1800円とお買得だったのだが、どちらかと言うと、2枚目のインスト「AMBIENT」版の出来が良くて、寝るときのBGMになかなかグッドだ。それはさておき、今回のアルバムに関するインタビュー記事を読んでいてアルバムのタイトルについての考え方が面白くてナルホドなぁ、と思ったので以下に転載。ツアー中よくホテルに泊まるけれど、いつも不思議に思うのは、ホテルにチェックインして部屋に入ると、自動的に自分がその部屋に始めて入った人だと思い込んでしまう。 でも実は6時間前に同じベッドで誰かがセックスをしていたり、その前日には誰かが彼女と分かれ話をしていたり、またその前日はトイレを使ったりしていたことは分かっている。人と人との間の最も親密なことがホテルで起きているけれど、その人たちはとても遠い存在に感じてしまう。24時間毎、ホテルでの出来事は清算され、これは可笑しく聞こえてしまうかもしれないけれど、人間のありさまに似ていると思う。ホテルで僕らが過ごす時間はほんの一瞬で、自分達の行動、感情、そしてアイデンティティに関し意義を付与するが、死んでしまえば自分が全く存在しなかったようにこの世から自分が清算されてしまう。これは一方では重苦しいけれど、もう一方では、明日、一ヵ月後又は何年後には自分達が存在しなかったかのように全てが消されてしまうため、自分達に与えられた短い時間が更に貴重に思える。(以上・抜粋)日本語版オフィシャルサイトはこちら。『HOTEL』のコンセプトに沿って凝った作りになっていて、中に入るとちょっと楽しい。
2005年06月03日
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通勤のお供に、ワタシのipodでは相変わらず「Interpol」が流れている頻度が高いのだが、毎日毎日こればっかり聴いてるとホントにもう新興カルト宗教の洗脳プログラムのようになってしまうので、最近チョット違うのも聴くようにしている。で、ここのところ良く聴いているのがこれ、「キラーズ」。いや、こっち、「the KILLERS」のデビュー作、「HOT FUSS」である。ラスベガス出身で、昨年夏にアメリカとイギリスでの同時リリースでデビューした4ピースバンドなのだが、最初に聴いたときは、おいおい、これは80年代UKロック・モノマネ王者決定戦「The CURE」 の部ですか。と突っ込みたくなるぐらい、そこには(今は老いぼれて気持ち悪い)ロバヲちゃん(Vo.ロバート・スミス)の、全盛期の元気バリバリのボイスと、POPなキュアー・サウンドが炸裂しているではないか。モロキュア。実際の彼らのルックスはご覧の通り、年は若いがビミョーにダサい面々。しかし何が似てるって、やっぱボーカルの高音での「泣き」具合と、ちょっとキモいコーラスのハモり具合がなかなかいい味出している。最初、2~3回聴いた時点で「所詮はモノマネ王者やのう」、とすぐに飽きてしまったのだが、しばらく経つと、なんだかまた不思議と気になって、ちょくちょく聴いている今日この頃です。お父さんお元気ですか。 WEBの試聴ではもひとつピンとこないかもしれないが、アルバム1曲目と3曲目は、かなりキュアーしてます。特に1曲目は、イントロからして結構カッコイイぞ(CD聴かなきゃわかりませんが)。最後の11曲目も芝居がかった大袈裟な泣き泣きボーカルで、マル。そうですよね、お母さん。The CUREを知ってる人はそんな感じで。知らない人も、それなりに楽しめます。たぶん。
2005年02月09日
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以前、いつものように休日の深夜残業からの帰りに愛車で高速を飛ばしていると、FM802で邦楽インディーズを専門に紹介している番組をやっていた。普段聴くのは洋楽9割:邦楽1割のワタシだが、たまにはこんなのもいいかと思って聴いていると妙に気になるフレーズが流れてきた。ミドルテンポの静かだが小気味よい演奏に合わせて「♪ツベルクリンが反応すんのさ、はぁぁぁ~」てな具合の歌詞なのだ。なぜだか判らないが、そのフレーズにワタシの中の何かが妙に反応したのだ。そこから家に着くまで、ずっとそのフレーズが頭の中をぐるぐる廻り、家に着いてもまだ「ツベルクリンが、ツベルクリンが」と阿呆のように呟いていた。翌日ワタシは、思い余ってFM802のリスナーセンターに電話をした。「あのう、昨夜午前2時半頃にかかっていた曲で、ツベルクリンが反応するような歌なんですが、えとえと、あの、グループか曲名とか、わかりませんかねぇ」と訊いてみたのだ。電話口の女性は「はあ?つ、つべるくりん、ですか?うーん、そういった抽象的な情報ではわかりかねますけど」とやんわりと拒絶した。ただ、「番組でオンエアした曲名リストでしたら、後日HPにアップしますので」とだけは教えてくれた。で、その2週間後、番組HPにアクセスすると(しつこいなワシも)、なんとなくラジオで聞いたようなアーティスト名がいくつかあったので、片っ端からネットで検索し、ようやく目当ての「ツベルクリン反応」を探し当てた。それがこのグループ、「ベベチオ」だ。ラジオで流れた曲は、「12月の晴れの日」という曲で、曲のタイトルやボーカルの雰囲気などからも、「はっぴいえんど」へのオマージュであることが伺える。似ているといえば、キリンジ的な臭いも少しするが、あそこまでヒネった感じではなくもう少しピュアな歌詞と音作りだ。アルバムを買って全曲聞いたが、やはり1曲目に入っているこのツベルクリンの「12月の晴れの日」が最もキャチーで良い。※関西のグループなのね。かなり大手のCDショップでないと置いていないと思うが、こういった由緒正しきニッポンのほのぼのフォークロックがお好きなヒトには結構お薦めだ。春先の公園のベンチに座ってハトにエサでもやりながら、ひとりで聴くにはもってこいの1枚ですわ。◎試聴サイトはこちらから。
2005年01月29日
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正月休み中にタワーレコードに立ち寄った際、以前pinkoysterさんが絶賛していたのでずっと気になっていたバンド「Interpol」のCDを、デビュー作と新譜の両方買ってみた。正直なところ、元バンド仲間である郡山ハルジさんの日記ではさほど評価が高くなかったので、「2枚も買ってハズレだったら嫌だなぁ」と思いながらも、なんとなく使命感のようなものを感じたりして。ところがどうだ、まず1枚目の「Turn on the Bright Light」。ガーン!きたーッ!なんだこりゃ。おいしい。おいしすぎるぞ、このバンド。あぁニュー・ウェーブという言葉が死語になって10数年、待っていましたよオジサンは、こういうのを。ボーカルの声質もギターもベースラインも、まさにワタシの好みのバンドとしてこれ以上ないほどのドンズバです。中でも、ビデオクリップにもなっている2曲目の「Obstacle 1」は、群を抜く名曲だ。普通、1枚のアルバムに2曲ぐらい好みの曲があれば合格としているのだが、このアルバムはもう殆ど全編ハズレなし。巷で言われているように、確かに彼らの楽曲は、瞬時にアタマに浮かぶものだけでも、ざっと挙げるとJoy Division、Sonic Youth、Television、Smiths、Doors、Bauhaus、Sisters of mercy、Psychedelic Fursなどなど80年代NWを中心とするバンドのサウンドをモチーフにしている感は否めないが、しかしただの物真似バンドという感じはしない。それらのバンドの魅力的な要素を吸収しながらも、さらに新しいアイデアで曲作りをしているのが十分伝わってくる。しかし、1作目と比べると新譜の「ANTICS」は、全体的に少し洗練された感はあるのだが、曲の構成がやや単調でアイデアに乏しいのが残念。それでも、やはりボーカルの声質とギターの音が好みなのは変わらないので、まぁ許せるのだけど。けど、やはり比較するなら断然1枚目の方がクオリティが高い。さて、そんなこんなで今月は通勤やドライブ中に、もう毎日毎日このInterpolにドップリはまってヘビーローテで聴いていたのだが、まことにタイムリーなことに、1.25-26来日じゃないですか。そう、行ってきたのですよ、モチロン。仕事の合間を縫って、夜に2時間だけオフィスを抜けて心斎橋クアトロへ。会場はほぼ満員。どちらかというと割と地味目の若い女性が7割、20代男性が2割、欧米人カップル1割。この日は仕事の都合でダークスーツにネクタイというやや場違いな格好ながら「いぇコレはInterpolファッションということで」、と言い訳を考えている30代後半の男(ワタシ)約1名。ステージ最前列から5mほどの距離にある柱を背もたれに陣取る。ライブ開始。メンバーは全員ネクタイ姿で登場。ほーらね、みんなネクタイやね。お揃い、お揃い(妄想)。ボーカルのポールは、赤いVネックのニットにシャツ、ネクタイ(かわいい)。ギターのダニエルはワシとほぼ同じ、黒スーツに黒ネクタイだ。オープニングは、新譜の1曲目「Next Exit」からスタート。2曲目で、名曲「Obstacle 1」のイントロのギターカッティングが始まると、場内のボルテージはいきなり頂点までヒートアップし、もはや興奮のるつぼ。あとはもう、Vo.ポールの圧倒的に存在感のあるボーカルがグイグイ観客のテンションを引っぱり上げ、約1時間強のライブの最後まで一気に突っ走る感じだった。※しかし「NYC」の演奏が始まると、みんなライターの火をつけて頭の上に高くかざしていたが、あれは「Turn on the Bright Light」のお約束なのだろうか?いやぁ、しかし良かった!無理して来た甲斐があったぞ。久しぶりに音楽で鳥肌が立ちました。演奏のテクニックは決してレベルの高いものではなかったが、そんなことはどうだって良い。なんだか忘れかけていた音楽魂が、激しく揺さぶられたなぁ。火照った頭を冷やしつつオフィスまで御堂筋を歩いて戻る帰り道、「バンドメンバー募集」の文字がワタシの脳裏にチラチラしはじめた。うーん、音楽、ヤリタイなぁ。
2005年01月26日
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オザケンこと小沢健二のアルバム「Eclectic」を、発売後1年以上経って、今日聴いた。ずいぶん長いこと活動停止していて、久しぶりにリリースしたアルバムとのこと。なるほど、ずいぶん「オトナ」な作品になってますな。基本はR&Bなのかな、でもちょっとボサっぽかったりテクノっぽかったりもする感じ。予想以上に、悪くないデキ。これからの秋の夜のBGMとしては、結構重宝しそう。まぁ歌の方は相変わらずだけど。「歌がヘタ」とか「声が頼りない」とか、オザケンについては以前からいろいろ言われていたが、これはこれで良いのでしょう。この作品では、全然歌声が自己主張してないのも良い。しかし、オザケンといえば1stアルバムに入っている13分以上の大作「天使たちのシーン」が究極の名作だなぁ。何度聴いても、最後の方には涙が出そうになるもんなぁ。ちなみに大槻ケンヂによる同曲のカバー・バージョンも、三柴江戸蔵の狂気のピアノが唸りを上げるクライマックスが最高で、こちらも涙が出そうになる。
2003年10月19日
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とうとう最後の休日になってしまい、少々焦りつつ朝から選曲の修正作業にとりかかる。ラストに加える1曲がなかなか決まらず、さんざん悩んだ末にようやく「コレしかない!この曲でカンペキや!」と思ったら、その曲が収められたアルバムは「CCCD」じゃないか。某有名アンビエント系の新譜なのだが、そう、これが憎っくき「コピー・コントロールCD」なのだ。トホホ…。選曲の編集作業は、PCの中に取り込んで編集ソフトで行っているわけだけど、要するにこれじゃPCへの「読み込み不可」。ムカつきながらも、読み込みを可能にする「ある方法」を駆使して、相当な時間を費やした結果、どうにかこうにかデータの読み込みには成功。けど、ここまでで力尽きてしまう。この後、1年に一度あるかないかという猛烈な偏頭痛に襲われ、頭痛薬を飲んで寝込んでしまうという散々な日であった。
2003年09月28日
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神戸で夕方に打合せを終えてJRに乗り込み、自宅のある西宮を素通りし、次の打合せのために再び大阪に戻る。大阪に到着すると、次の打合せまでまだ若干時間があったので、気になっている選曲の音源を探しに大型CD店に向かう。だいたい普段、舞台音楽に使うのは、現代音楽・音響系テクノ・アンビエント系・ヒーリング系といったところ。試聴ブースを手当たり次第に聴きまくってみたが、これぞという曲は見当たらず、結局、ヒーリング系の無難そうなところを選んで数枚購入。でも、大先生のおっしゃる『ガガーン!と』系ではおそらくないので、使えるかどうか、わからんなぁこりゃ。しかし、純粋に自分の楽しみで聴く音楽を探す為なら、何時間店にいても飽きないのだが「仕事の資料」として必死で探していると、「このまま手ぶらで収穫なしじゃあ、おとうちゃん家に帰れないよ」てな感じで殺伐とした気分になってきてよろしくない。まぁ、明日から時期はずれの夏休みをとっているので、この期間でなんとか作業をするですよ。
2003年09月24日
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夕方から長引いていた社内の打合せをなんとか切り抜けてオフィスを出ると、電車を乗り継いで次の打合せ場所に急ぐ。向かった先は、日本の「現代舞踊=モダンダンス」界の大御所である某先生の研究所(スタジオ)。そもそもは、その息子さんである二代目の先生と懇意にさせてもらっていて、一昨年まで約8年間、公演の舞台音楽の選曲を任されていたのだが、二代目先生が突然亡くなってしまい、今年は大先生自身の年末公演の舞台音楽を依頼されたのだった。この大先生、90歳をとうに越えてまだ現役の舞踏家として舞台に立っているというスゴイ人で、紫綬褒章とか勲四等ナントカ綬章とかたくさん受けていて、事務所には歴代の総理大臣とのツーショットの写真がいっぱい飾ってあったりする。で、2ヶ月前から打合せと試作サンプルのプレゼンを繰り返しながら、この日が3度目の訪問。しかし、いくら現役の舞踏家とはいえさすがにお年は90ン歳。同じ事を15回ぐらい説明して、その都度「そうかわかった」とおっしゃるものの、5分後には「それで、なんだった?」とまた同じ事の繰り返しが延々と続く。挙句に、「アンタの音楽は力が無い、もっとガガーン!という感じにできんのか」と。「先生、失礼ですが、ガガーンではわかりません。」「なに!あんたもまだまだだな。そんなことではこの世界で成功できないぞ」(・・・いえ、あの、これ本業じゃなくて単に趣味でやってるだけなんだけど、なんて口が裂けても言えないよなぁ・・・。)てな感じで、大先生との夜が更けていくのであった。←年末公演の舞台はOSAKA FESTIVAL HALL、2700席!
2003年09月22日
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