世界で一番愛する人と国際結婚

冬のソナタ NY~ソウル 3


彼がソウルに戻るとき、

お互いの住所、電話番号は、何も教えあわないようにしようという

私の案に、彼は同意した。



遊びなどでは、もちろんない。



でも、将来の分からない21歳の韓国人大学生の彼のために、
日本にいる大人の彼と別れる決心はつかなかった。



彼の出発は、クリスマスの日に決定した。
延ばし延ばしにしてしまい、その日しかフライトが取れなかったのだ。



クリスマスイブの夜。


セントラルパーク近くのレストランで食事をした後、
公園を散歩し、最後の夜を一緒に過ごした。



「今夜はずっと起きていようよ。」



私達は、いつまでも、いつまでも、雪の舞う公園を歩き続けた。

『ある愛の詩』を、英語で繰り返し、唄った。



そして翌日、クリスマスの朝。


NYのグランドセントラル駅の前で、私たちは、別れた。


ブルーは、JFKの空港に向うバスに乗りこんだ。


私がNYで彼を見たのは、それが最後だった。


彼を乗せたバスが去った後、私は涙があふれて止まらなかった。


自分でも驚いた。


彼は弟でも単なる友達でもなかった。


やはり、私は彼のことを恋していた。


朝、外に出た時は、凍てつく寒さだったのに、
もう何も感じなくなっていた。


涙を流し、白い息をぜーぜーはきながら、よろよろと歩く私を見て、
相当具合が悪いのだと思われたのだと思う。


すれ違う中年のご婦人に


「Are you ok? 」


と何度も声をかけられた。


私は、あの時、どうやって自分の部屋に戻ったのか
全く覚えていない。


いつまでもいつまでも、
寒い街をさまよい歩いていたことは覚えている。



つづく


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