BLUE ODYSSEY

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災害救助隊ストラグルホーク act1~14


災害救助隊ストラグルホーク [act.1]





時は23世紀。





 ここはイギリス諸島からやや離れた南太平洋に浮かぶ島、”オリンポス島”。
この島は”パクスビル・ホームズ”という人物が個人で所有していた。
だが、地図や海図には載っておらず、秘密の島とされた。
ここの領空や海域を航行または飛行する事はイギリス政府によって固く禁じられていた。
この島の存在はイギリス政府の手助けによって隠匿されていたのだ。


ここでホームズ氏は秘密組織【災害救助隊ストラグルホーク】を結成させた。
その組織は世界中どこへでも災害救助に駆けつける救助隊だ。
スーパー救助マシン「ストラグルホーク」でハイテク救助を行うのだ。
どんな危険な救助作業も見事にこなし、これまで失敗は無かった。






ここオリンポス島はストラグルホーク各機の発進基地になっていた。



【ストラグルホーク1】 スピード優先の機体。一番に災害現場に駆けつける。外観は可変翼戦闘機に似ている。

【ストラグルホーク2】 大型輸送機。クレーンアームやカーゴルーム等を装備する。大型の特殊装備や荷物を積載する事が出来る。

【ストラグルホーク3】 ホバリングを得意とする小型の機体。現場での小回りが利く。3機1組で出動する。そのうち2機は自動コントロール。



ここには機体を整備する整備場や格納庫があったが、それは全て島の内部に隠されていた。
離陸用のプラットフォーム等は普段は擬装され、一般人にはわからない。







ホームズ「やあ、みんな揃ったかね?」

ホームズ氏は、年齢54歳。
もともと災害救助専用の航空機のパイロットだった。
そして大富豪の息子でもある。両親とはすでに死別。現在、その巨額の財産を個人で所有している。

今、この島の中央に作られた居住用の建物の豪華なラウンジでは3人の若者が集まっていた。
ホームズの息子達3人だ。




【長男 スカーレット】 年齢26歳

背の高いイケメン。痩せ型。クールな男。
災害救助隊のチームリーダーでもある。
ストラグルホーク1のパイロット。




【次男 ジョニー】  年齢24歳

同じく背が高く、マッチョな体付き。ゴツイ男。顔は美男子。
体育会系。
ストラグルホーク2・3のパイロット。



【三男(養子) セブン】  年齢22歳

小柄な男。インテリ系。スポーツやマシンの操縦は苦手。
ストラグルホーク各機の整備担当。
また救助マシンの設計・開発も出来た。






 スカーレットとジョニーはイケメン&美男子だった。
筋肉質でもあり、今日も父親の前では胸を張った姿勢で手を後に組んでいた。
ホームズ氏自身が美男子で、現在も女性を惹き付けるに充分な魅力を持った男性だから、これは当然と言えた。しかし母親は既に他界して、もういない。さぞかし美人だった事だろう。

ホームズは勇敢な男で、しかも正義感に満ち溢れた人物だった。
その為、彼の父が築いた財産を惜しげもなく、この秘密組織設立の為に使った。

彼は純真に正義感からこの秘密組織を作った。
救助依頼さえ受ければ、世界中どこへでも救助に駆けつける。






災害救助隊ストラグルホーク [act.2]

ホームズ「さあ、では今日も……」 

息子達は全員稽古着に着替えていた。柔道着のようだ。
朝はラジオ体操から始まる。

ラジオ「はい、腕を前に伸ばしてーー、背伸びの運動から!!
はい!イチッ!ニッ!サン!シ!ゴーー!ロク!ヒチ!ハチ!…………」




軽く身体を解した後は……、

ホームズ「ではストラグルホークの3つの教訓を言ってもらおう!」 

スカーレット「ひとーーつ! 我々ストラグルホークは常に世界平和の為に、災害救助を行います!一切の邪心はありません!」

ジョニー「ふたーーつ! 我々ストラグルホークの組織は秘密厳守。民間人に、決して組織の事を明かしません!また隊員の身元も明かしません!」

セブン「みっつーー! 我々ストラグルホークは全ての救助活動を無料で行います!金銭は一切受け取りません!」



ホームズ「よろしい。では、次はいつものトレーニングメニュースタートだ!」

そう言われて、息子達はその場で”正拳突き”を始めた。

スカーレット・ジョニー・セブン「イチ!ニ!サン!シ!オイッチ!ニ!サン!シ!」

その後は腕立て50回、腹筋50回とハードなメニューが続く。




ホームズ「ようし!もういい!
では次は”今日の一問一答”の時間だ。
まずはスカーレット!
救助では何を一番大事にするかね?」

スカーレット「”人命”です!」

ホームズ「よろしい!
ではジョニー、お婆さんと若い女性がいたら、どちらを先に救い出すかね?」

ジョニー「もちろん、”お婆さん”です。弱い方から先に救出します。」

ホームズ「よしよし、いいぞ!」

ホームズ氏は満足気に微笑んだ。

……そこへ、三男セブンの作ったヒューマノイド(人型ロボット)が部屋の中に入って来た。

「旦那様、お電話です。英国首相から。」

ホームズ「ああ、そうかね。悪いが、君達、もう一度自主的にトレーニングメニューをやっていてくれ!すぐに戻るから。」

スカーレット「はい、パパ。」

そしてホームズ氏は秘密の通信室へと消えた。







災害救助隊ストラグルホーク [act.3]


 三男のセブンは自主的にトレーニングを始めたが……、スカーレットとジョニーは急に姿勢を崩した。

スカーレット「フーーーーーーーーーーー!

親父のヤツ、”もうろく”しやがって。何が”ラジオ体操”だ!」

ジョニー「まったくだ!やってらんないよ、こんなダサい訓練。なにが”一問一答”だよ。今どき、そんな事やってるヤツはいねえよ。」

スカーレット「たくっ!こんな事だから、ウチの組織はいつまでたってもイメージアップができないんだ。これじゃあ、若い女性ファンが付きにくいわけだ。いかにこの俺がイケメンであろうとも。」

そう言ってスカーレットは前髪の乱れをクシで直した。

ジョニー「おまけに”無料”で救助だと?
冗談もいいかげんにして欲しいねえ~~~。ストラグルホーク一機を出動するのにいったいどのくらいかかると思っているんだ?
まあ、イギリス政府から援助を受けているとしてもだ!今どき”無料”で割に合うか?
さらに俺達の給料はどうだ?もしこれがホントの会社なら………、俺達は高給取りの筈だぜ!」

スカーレット「まったくだ……。家族だからって、ほとんど”ただ働き”同然じゃねえか!
今どき”おこづかい”名目でシケた小銭をもらう方がおかしい。恥ずかしいぜ!」

ジョニー「ああ、同感だね。」

そう言って2人はトレーニングを止めてしまった。
しかしセブンの方はまだ真面目にトレーニングを続けていた。
セブンはあまり体力や運動神経は無いようで、腕立て伏せをするにも苦労している。

スカーレット「フッ!」

その様子を見てスカーレットはバカにするように笑った。

スカーレット「見ろよ、あれ!」

ジョニー「へへ!」

もともとはセブンは”養子”としてこのファミリーにもらわれて来た。
彼のたぐい稀なる頭脳を必要としたホームズ氏が彼をここに呼び寄せたのだ。
彼はインテリ系であり、体力勝負のスカーレットやジョニーとは違った。
実に知能的で、優秀。災害救助マシンの設計には特に天才的手腕を発揮した。
彼は航空機や特殊車輛など何でも設計出来たのだ。


だが今やセブンはスカーレットとジョニーのいい”うっぷん晴らし”の相手になっていた。

不意にスカーレットは腕立て伏せを続けているセブンの腕を足で引っ掛けた。

ドサッ!

セブン「痛ーーーーー!何するんですか?!!!」

床に倒れるセブン。そこに、にじり寄って上から見下ろすスカーレットとジョニー。

スカーレット「おい、なにやってるんだ?セーーブーーン。」

ジョニー「そんな事じゃ、いつまで経っても終わんないぜ、トレーニングメニュー。」

スカーレット「そうさ。腕立て伏せは後100回だからな。」

セブン「100回?確かホームズさんから言われたのは50回ですが?」

スカーレット「ああ、そうさ。でも、君だけ”体力無い”だろ?」

ジョニー「だから100回!」

セブン「そっ、そんな……!」

スカーレット「セーーーブーーーン。お前、俺達の言う事が聞けないってのかよ?
アン?俺達兄貴の言う事が。俺達の言う事は信用しないのかよ?」

ジョニー「俺達に逆らうのかよ~~~~~!!」

セブン「そっ、そんな……。」




その時、ホームズ氏が帰って来た。
すると、スカーレットとジョニーはすぐにシャキッとなり、姿勢を正した。
それを見たホームズ氏は、

「ウム。そうだ。男子はそうでなくては。常にシャキッとしていなくてはな!」

と言った。







災害救助隊ストラグルホーク [act.4]







 ある日、突然ロンドンに建つあるビルが火災になった。原因は今の所不明。
比較的大きな火災で、ビルの地上に近い部分から火の手が上がり、瞬く間にビル上部へと引火して行った。そして、ビル内部にいた人達はビルの屋上に向かって逃げた。

救助要請がホームズ氏のいる[コントロールルーム]に飛び込んで来た。
そこでホームズ氏自身が応答した。

ホームズ「はい、こちら【災害救助隊ストラグルホーク】です。ただいま救助要請を受け付けました。我々の救助マシン”ストラグルホーク”が直ちに現場に向かいます!」





 オリンポス島に隠された秘密の発進口から、ストラグルホークが発進した。

スカーレットの乗る「ストラグルホーク1」が現場に急行。ロケットのごとく空中を飛行した。
そしてアッと言う間に現場に到着。ビルに向かって消化弾を何発も撃ち込み、火災を消火した。

ジョニーの乗る「ストラグルホーク2」がビルの最上階の上空でホバリングをした。そこからゴンドラのような吊り下げ式のカーゴルームを降ろし、ビルの屋上にいた人達を一度に収容、現場から運び出した。そして、近くの大型病院にその人達を搬送した。




テレビ局レポーター「まったくもって、鮮やかな救助活動です。
今回の火災でも、死傷者はほとんどいないと思われます。
さすが災害救助隊ストラグルフォーク!!!!」




ジョニーは機体を着陸させ、カーゴルームの扉を開いた。そして自ら被災者を病院へと案内する。

スカーレットとジョニーは手際よく全ての人を機体から降ろした。大半の人は特に怪我も無く無事なようだ。その中の美しい女性2名がスカーレットとジョニーに近づいて来た。

女性「ありがとう!助かりました!」

女の子「本当にありがとうございました!」

1人の女性はスレンダーなプロポーション。ヘアースタイルはショートのブロンドで知的な感じの人だった。
もう1人は背の低い、年齢の若い女の子で、黒髪のショートカットだった。こちらは健康的なかわいらしさがあった。

スカーレットは巨大な救助マシンのカーゴルームに背もたれしてポーズを決めながら、

スカーレット「いやーーーー、なになに。気にしないで。
こんな事軽い軽い。俺達の腕は確かなんだ。いつも楽勝だよ。」

すると女性2名は胸元で両手を握り締めて、羨望の眼差しでスカーレットとジョニーを見た。
目が潤んでいた。
スカーレットはそれを見逃さない。

スカーレット「まあ、僕達はいつも”世界平和の為に少しでも貢献出来れば”と思ってね。
それで救助活動を続けているんだ!」

2人の女性はまるでテレビや映画のアイドルスターを見る目付きでスカーレットとジョニーを見つめていた。

スカーレット「あーーー、そうだ忘れてた。君たち、名前は?」

女性「ヘレンです。」

女の子「アンです。」

スカーレット「なるほど。ヘレンとアンか…。
あーーー、君たち、今度の日曜日開いてる?
いっしょに食事でも行かないか?」

ヘレン「えーーーー、ホントですかぁ?!私達なんかがごいっしょしてもいいんですか?」

スカーレット「モチロンだ。キミ達なら大歓迎だよ。」

アン「きゃーーーーー!!!うれしい!!!」

スカーレット「ロンドンの有名なホテルのディナーショウを予約しておく。
あっ、それから、これは僕らの連絡先だ。」

と言って、スカーレットはメモに電話番号などを書いて手渡した。
それを見たセブンは怒った。
ストラグルホークには『民間人に身元を明かしてはならない』という規則があったからだ。
だからこの組織には名刺さえ存在していない。
それに、”民間人に正体を明かした上での接触”は絶対にしてはならない。

セブン「あの……スカーレットさん!民間人に我々の情報を渡しては……、 あぐっ!

セブンは背後からジョニーに口を塞がれた。ジョニーは小声でセブンにだけ聞こえるようにこう言った。

ジョニー「よけいな事言うなよ……、ボーーーヤ。」




ヘレン・アン「では、かならず行きます!」

スカーレット「待ってるぜ!」

そう言ってスカーレットは指2本でピッと挨拶を返した。






ゴーーーーーーーーーーーーーー!!!




ストラグルホーク1と2は垂直離陸した。
巨大な機体が楽々と空中に浮き上がった。
そして、機首を反転し、大空のかなたへと飛び去った。




スカーレット「アフターバーナー全開!!」




ゴーーーーーーーーーーーーーー!!!




ヘレン・アン「きゃーーーーー!!かっこいいわ!」

スカーレット「決ったな!」

ジョニー 「ああ。」

セブン「あの………、不用意にアフターバーナーを使用しないでください。燃料の無駄使いです!」

ジョニー「セ~~~~~ブ~~~~~~ン~~~~~~。」

セブン「それに、災害救助隊の規則にこうあります。
”民間人に隊員の身元を明かす事は固く禁止する”。また交際等も固く禁止……」

ジョニー「黙ってろ!窓から放り出すぞ!」









こうしてストラグルホークは今回も救助活動に成功。基地のあるオリンポス島へと帰還した。








災害救助隊ストラグルホーク [act.5]





 オリンポス島内部、地下秘密格納庫。
ストラグルホークの修理、メンテナンスは全てセブン1人が行っていた。
実際の作業は50台ものヒューマノイド達を使って行う。
それだけの台数で、この巨大で精密なストラグルホークをなんとか日々メンテナンスしていた。今日はストラグルフォーク2の着陸脚部分を点検するために、セブンは床近くに顔を近づけていた……。
そこへスカーレットとジョニーがやって来た。

スカーレット「よう!セブン!精が出るな。」

ジョニー「ああ、まったくだ!まあ、セブンは”この為だけ”に雇われているからな。」

スカーレット「しっかり働けよ!!!」

セブン「………………。」

スカーレット「ところでセブン。お前にやってもらいたい事があるんだ。
車を2台用意しとけ。コンバーチブルの2シーターのヤツだ。モチロン、スポーツカーでな。」

セブン「へ?」

ジョニー「ダサいのはダメだぞ!いかしたヤツをだぞ!デート用なんだからな!」

セブン「いや、あのう…。」

スカーレット「それから、”俺”のストラグルホーク1をメタリックレッドに塗り替えておけ!」




セブン「 はあ~~~~~?そっ、そんな事はできません!!!




ジョニー「今どき”グレー”なんてカラー、ダサいんだよ。”俺”のストラグルホーク2はハデハデな”マジョーラ”にしとけや!」

セブン「この機体の表面には特殊な反射塗料が塗ってあるんです。安易に色を塗り替える事など出来ません!」

スカーレット「 (-_- ) セ~~~~~ブ~~~~~ン。カタい事言うなよ。このままじゃ、俺達が女にモテないジャンか?」

ジョニー「今週の週末、俺達はヘレンちゃんとアンちゃんとのダブルデートがあるんだ。それをぶち壊す気か?」

セブン「でも、あの……、塗り替えるだけでもかなりの費用がかかりますので。」


ポン!


ジョニーはセブンの肩に手を置き、力を込めた。

ミシミシミシ……。

セブン「あう!」

ジョニー「ペイント料ぐらい、オヤジの口座から引き落とせるだろう。
”メンテナンス費用名目”で!お前がそれを管理しているんだろ?」

スカーレット「ついでにスポーツカー2台も”部品名目”にしとけや。」

セブン「そっ、そんなそんな事がもしホームズさんにバレたら!!!」

そこへヒューマノイドが横を通った。ここのヒューマノイドは全てセブンが設計して作った。
セブンはこのヒューマノイド達を含め、自分が設計・製作した機械は全て大事にしていた。

スカーレット「ちょうどいい。この空のオイル缶をお前の作ったヒューマノイド達としよう。」

スカーレットはその缶を足で思いっきり蹴った!




バキッ!ドバッ!ゴキッ!ドガッ!




ジョニーも蹴りを入れた。




ドコッ!ドガッ!バキッ!ドガッ!ドコッ!ドガッ!バキッ!ドガッ!




そして缶は哀れにもグシャグシャに変形した。

スカーレットはそれを指先でつまみ上げ、ニッコリと微笑んだ。

スカーレット「わかったな。スポーツカー2台とオールペンだ!」

そう言って缶を放した。缶は大きな音を立てて床に落っこちた。



ガッシャーーーーーーン!!!

ガラガラガラ……。




スカーレット「くくくく………。」

ジョニー「ふはははは……!」

スカーレットとジョニーの2人は格納庫から去って行った。








災害救助隊ストラグルホーク [act.6]





 数日後……。


人々が街を行き来する週末の午後。
ロンドン郊外にある巨大なホテルの駐車場にストラグルホークが降りて来た。
オリンポス島から飛んで来たのだ。

民間人「おい、見ろ!あれを!ストラグルフォークじゃないか?!災害があったなんて聞いていないぞ?!」

人々は災害も無いのに飛来したストラグルフォークに驚いた。
こんな事は今まで無かったからだ。
この駐車場には多くの車が止まっていたが…、ストラグルフォークの着陸脚はうまい具合に車を避けて着陸した。
そして……、

ストラグルホーク1は光沢が美しいメタリックレッドに塗り替えられていた。

ストラグルホーク2はマジョーラに塗られ、太陽の光を受けていろんな色に変化していた。




パーティー用ドレスに着替えたヘレンとアンがホテルから出て来て、スカーレットとジョニーを出迎えた。
スカーレットとジョニーはストラグルホーク2に積んで来た2台の”車”を引き出した。

それは小型のスポーツカー。ストラグルホークの今のカラーに合わせて、一台は真っ赤なメタリックレッド、もう一台はマジョーラに塗られていた。
女性達が見ている前で、車のルーフのトップが電動でスライドして、後部トランクに収納された。

ヘレン「まあ、かっこいい!」

スカーレット「さあ、どうぞお嬢さん!」

スカーレットはヘレンの手を取った。

スカーレット「夕食前に少しドライブでも………。」

ヘレンはスカーレットの車に、アンはジョニーの車に乗った。

そして2台のスポーツカーはスピードを上げてその場から走り去った。





スカーレット「 いやっほーーーーーーーー!!!





その様子をモニターカメラを通じて自分のノートパソコンで見ていたセブン。

セブン「ああ、こんな事がもしホームズさんにバレたら……。」

セブンは1人[コントロールルーム]でブルブル震えていた……。
と、そこへ運悪くホームズ氏が入って来た。
パタンとノートパソコンのフタを閉じるセブン。

不意にホームズ氏が言った。



ホームズ「ストラグルホーク緊急出動だ!」



ロンドンに立つ超高層ビルが火災になっていた。屋上のヘリポートに向かって人々は逃げた。だがかなりの人数がまだビル内に残っていて、全員を救い出すにはヘリが何機も必要だった。また地上から134階の屋上まで往復で飛ぶにはへりでは時間がかかり過ぎた。

ホームズ「ストラグルホーク2なら一度に運べる!ジョニー!!ストラグルホーク2、直ちに発進!」

その無線はジョニーの携帯につながった。




プルルルルルルルルルーーーー!







災害救助隊ストラグルホーク [act.7]


ジョニー「でさでさ!その時兄貴がさーーー!」

スカーレットとジョニーはそれぞれの車で女性との会話が盛り上がっている真っ最中だった。



プルルルルルルルルルーーーー!



ジョニー「チェ、なんだよ、”親父”かよ!こんな時に。無視しちまおう!」

いまさらストラグルホークを停めてある駐車場に戻る気は無さそうである。

ホームズ「どうしたんだ?つながらない!
仕方ないな、スカーレットを……。」

そう言って今度はスカーレットの携帯を呼び出した。




プルルルルルルルルルーーーー!




スカーレット「それでさーーーー!!その時のアイツの顔ったらなかったぜ!

あれ?
なんだ、”親父”かよ!こんな時に!
シカトしよう!」

ホームズ「おい!どうしたんだ?!2人共連絡が取れないなんて!!おい、セブン!2人はどうした?」

セブン「そっ、それが………。
えー、私は知りません!
えーーーーと、でも一応私の方から2人の携帯にかけてみます。」

ホームズ「頼む!急いでくれ!

それにおかしいな……。
ストラグルホーク1・2が格納庫に無いようだが!」

セブン「はっ! Σ( ̄□ ̄;)  それはその……。」






そして……。


プルルルルルルルルルーーーー!


ジョニー「チッ!なんだよ。今度は”セブン”かよ。
しゃーーーねえな!
アン、ゴメンよ。ちょっと電話に出るから。」

そう言ってジョニーはアンを待たせておいて電話に出た。


プッ!


セブン「ジョニー!今大変なんだ!ロンドンの超高層ビルに火災発生!ただちに救助に向かってくれ!」

しかし、ジョニーは女の子の手前、

「あーーーー、なんだって?よく聞こえない。」と、言った。

セブン「……………………。 (;-_-)

ジョニー!ビル内には人が大勢取り残されているんだよ!かなりの人数なんだ!」

ジョニー「じゃあ、ヘリを使えよ。」

セブン「それじゃあ間に合わないんだ!」

ジョニー「じゃあ、”間に合うように”ヘリを使えよ。俺、今忙しいから。じゃ、切るぞ。」




プチッ!


ツーーーーーーーーーー!





セブン「 (;-_-) ……………………。」

ホームズ「なんだ?セブン。どうしたのかね?」

セブン「いっ、いえ、なんでもありません!!少し待ってください!」











続きます。

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