BLUE ODYSSEY

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『アリスの大豪邸』第4部 ACT.136







『アリスの大豪邸』 第4部 お屋敷の中へ!編












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すると横からニセアリスが……、

ニセアリス「ダメだ!ダメだ!ダメだ!ダメだ!ダメだ!
売ってしまう!
チミは真に必要とされていない。
ここには”不用”の存在だ!あきらめろ!」

と言いました。

フォルクスワーゲン「そんな……!」

フォルクスワーゲンはすごく悲しそうな目をしました。
するとウサギさんは……、

ウサギ「コホン!まあーーーーその、”オーナー”は僕ですから。
僕の”一存”で決める事ができます。



売りません。



以上!」





それで話は終わったようです。
フォルクスワーゲンは安心しました。

フォルクスワーゲン「ああ、よかった。オイラはなんて幸せの星の下に産まれて来たんだろう!つくづく幸せだと思うなあ!」

フォルクスワーゲンはうっとりとした目になりました。

ニセアリス「フン!」

ニセアリスはおもしろくないようでした。
フォルクスワーゲンのことはあきらめ、それでまたモグモグに目をつけました。
モグモグはまだニセアリスから20メートル離れた所にいました。
けっしてニセアリスには近づきません。

ニセアリスはクイクイとモグモグに手招きしました。
そして笑いながら、

ニセアリス「こっちゃ来う!
くくく!仲良くしよう!アタシは”黄色”が大好きなんだ!」

しかしモグモグは用心して来ません。

ニセアリス「いいからこっちゃ来う!
なんにも心配する事はない!」

いかにも怪しそうなニセアリスの言葉でした。





アリス「……………………。
まあニセアリスさんのことはほっておきましょう!
それよりなんとかお屋敷の中に入れないものでしょうか?」

ウサギ「そうですね、建物の中に入らなくては!
いつまでもインターネットカフェで過ごすというのもなんですから。」





ACT.137 インターネットカフェまで! 『アリスの大豪邸』 第4部 お屋敷の中へ!編


アリス「では入れる所を探してみましょう!」

こうしてアリスたちは「入れる場所」を探し始めました。
すると玄関フロア部分をのぞくことが出来る「ガラス張り」を発見しました。
そこから中が見えます。しかし、それは一部しか見えません。
でも玄関スペースは広く、その奥にはホールのようなものが見えます。
ですがガラスの反射により奥ははっきりとは見えませんでした。

アリスが窓を一つ一つ調べましたが、入れるような所はありません。全て閉まっています。

しかし探してみますとその内一箇所開いている場所がありました。それは”小窓”です。
ですが開いてもその前の鉄製のパイプのような物があり、それにより窓は入れるほどには開きませんでした。

ウサギ「この手前のつっかえている物を外せば良いのですが……、とても外せそうにありません。」

アリス「……………………。」


それでアリスは他の部分を探しに行きました。
他の窓は「磨りガラス」になっていて中は見えません。

ウサギ「困りましたね。」




一方「草刈り」の方はだいぶ進んでいました。
もう大半は刈っていました。

ウサギ「また今晩インターネットカフェで過ごすことになりそうです。」

インターネットカフェは良い所なのですが、泊まり続けているとだんだん疲労が溜まっていくのがアリスにもわかりました。
インターネットカフェは飲み物も用意されていましたし、冬は暖房、夏は冷房もあります。室内の空気もいつもきれいですし、毛布もあります。トイレも完備されています。
ですが……、泊まり続けるとやはり疲れるのです。
”お家”で眠るのが一番の安らぎになります。
でもいちいちお家まで帰っていると時間もかかります。

アリス「困りましたね。」

ニセアリス「ガラスを割れば良いんじゃないの?」

ウサギ「ガラスを割ると後が高くつきます。けっこうガラスは高いのです。修理費用も高額になります。
できれば割りたくはないです。」

ニセアリス「じゃあ、”カギ”は?カギはどこに行った?」

ウサギ「今、タッキーさんが探してくれています。」









「草刈り作業」の方は本日でだいたい終了しました。

アリス「もう後は中のお掃除ですね。」

ウサギ「そのようです。」

ニセアリス「カギがないんじゃ、この後の作業が進まんよ!」

ウサギ「”インターネットカフェ”に向かいましょう。そこからタッキーさんに連絡を取ってみます。」

こうしてアリスはインターネットカフェに向かう事にしました。

アリスたちはフォルクスワーゲンに乗り込みます。
いままでは作業が終わってからの「歩き」がこたえていました。
ですが今日からは歩かなくてもいいです。

ウサギ「インターネットカフェまで行ってくれる?」

フォルクスワーゲン「はい!ひとっ飛びで向かいます!」





ACT.138 ムダ話 『アリスの大豪邸』 第4部 お屋敷の中へ!編 


みんなはフォルクスワーゲンに乗り込むことにしました。
その前に掃除道具を片付けました。
ミルキーはまだぐっすり寝っていました。
ニセアリスはアリスの目を盗んでそんなミルキーをつまみ上げ、掃除道具といっしょにその場に置いて行こうとしました。
アリスが怒りました。

アリス「ニセアリスさん!!」






フォルクスワーゲン「それではみなさん乗り込みましたか?
エンジン始動します!
安全ベルトを装着してください!
ダッシュ時の振動に注意してください!」

ニセアリスは助手席に座り、ドカッとダッシュボードに足を置きました。

フォルクスワーゲン「あっ、あのう、汚れた靴のままで足を置くのは止めて頂けますか?」

ニセアリスはそれを無視しました。

ニセアリス「この車にテレビはついてないか?」

フォルクスワーゲン「付いてませんが……、アカペラで”漫才”ができます!」

ニセアリス「いらん! そんなものはいらん!

テレビが見たいな!
『シルシルシルル』が見たい!」

フォルクスワーゲン「『サキちゃんのブログ旅』観てますか?!
あれ、サキちゃんがすっごくかわいいんですよ!!」

ニセアリス「なんの話をしている?」

フォルクスワーゲン「それでもってあの旅の辛さ!
いいなあ、あの番組おもしろいですよ!」









ニセアリス「 ムダ話はいいからさっさと車を出さんかああああーー!









ウサギ「(ぼそっ!)ふだん”ムダ話ばかりしている人”って他人の話にうるさいんだよね。
他人の話が”つまらない”とか言い始めるし!
でもそんな人は今まで一度だっておもしろい話をしたことはないのに!」

ニセアリス「そこ!何か言ったか?」

ウサギ「いいえ!」






フォルクスワーゲン「それでは発進します!
みなさんショックに気を付けてください!

行きますよ~~~~~!」







ドルルルルルルルーー!






グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーー!!!





ACT.139 ポリケン??? 『アリスの大豪邸』 第4部 お屋敷の中へ!編 









ブオン!ブルルルルルーーー!!!








ビューーーーーーーーーーン!








フォルクスワーゲンは飛ばしました。









アリス「速いですねえ。」

アリスは感心しました。

フォルクスワーゲン「(芝居がかって)
お嬢さんの為ならオイラ……、

いつだって”最高速”さ!」







ニセアリス「プーーーーーーーーーーーーーー!」







ニセアリスは吹き出しました!

ニセアリス「ポリケン!ポリケン!ポリケン!ポリケン!ポリケン!ポリケン!」

フォルクスワーゲン「は?”ポリケン”?????」

ニセアリスはまたダッシュボードに足を乗せました。







ドカッ!







フォルクスワーゲン「(年気の入ったタクシーの運ちゃん風に)
お客さあ~~~~~~ん。
すみませんがダッシュボード上に足を置くのは止めて頂けますか?」

ニセアリス「うるせえ!」

フォルクスワーゲン「お客さあ~~~~~~~ん、
酔ってますね?」

ニセアリス「酔ってるワケねえだろ?!!」

ウサギ「(ぼそっ!)漫才をやっているワケじゃないのに自然と漫才になっている!」







あっと言う間にインターネットカフェの駐車場に着きました。

フォルクスワーゲン「着きました!」

ニセアリス「ウム、ごくろう!」

アリス「すごく早く着きましたね!」

アリスは喜びました。
今日はまったく疲れませんでした。いつもなら歩き疲れている所です。
しかしニセアリスが……、

ニセアリス「ふう!なんでこんなトコに連続で泊まらにゃならんのだ?
アタシは”ホテル”に行く!」

ウサギ「お金がありません!」






ニセアリス「こんなところに連続で泊まれるかあああああああああああああああああ!!!
”ホテル”に行く!」







ウサギ「でもお金がありません!」

フォルクスワーゲン「そうですよ!ホテルは高いです。
ささっ!早くインターネットカフェに入りましょう!
オイラ無料のソフトクリームが食べたいです!」

ニセアリス「はあ?なんだと?

車は駐車場で待つ!」

するとフォルクスワーゲンは一気に谷底に突き落とされたような表情になりました。

フォルクスワーゲン「オイラ、インターネットカフェに入れないのですか?」

ウサギ「……………………。」

ニセアリス「当たり前だろ?!
どこの世界に車が入れるインターネットカフェがある?」

フォルクスワーゲン「そっ、そんな……、」







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