BLUE ODYSSEY

BLUE ODYSSEY

『桃ニセアリス』 前半のあらすじ



これまでのあらすじ





【誕生編】  


時代ははるか昔。
まだお侍が腰に刀を刺して都の警備にいそしんでいた頃……。

あるド田舎の山奥に、さびれた木造平屋の一軒屋が建っていました。
そこに[アリス]と言う名のお婆さんと[ジョセフ]と言う名のお爺さんが住んでいました。
2人はとても若く見え、どう見ても10代半ばにしか見えませんでした。

ある日の事、アリスが家のすぐ近くの川に洗濯に行くと、上流から大変大きな桃が流れて来ました。
アリスはその桃を果物好きのジョセフに食べさせようと思い、桃を川から引き上げる事にしました。
しかし、どうでしょう!
アリスが桃に手を伸ばすと、桃はまるで生き物の様にアリスの手をかわしました。
不思議な桃でした。
そこでアリスは投網を投げてその桃を捕らえ、手押し車に乗せて自分の家の中まで運び込みました。

桃があまりに大きいので不審に思ったジョセフは”パソコン”に接続した”ハンドスキャナー”で桃の内部を走査しました。
すると……、中に”人がいる”事がわかったのです。

それでその桃を真っ二つに切ってみますと、中からアリスとそっくりの顔をしていながら”やや目付きの悪い”10代の少女が出て来ました。
アリスとジョセフは大変仲が良かったのですが、実は本当の夫婦ではないので子供はいませんでした。そこでこの子を神様からの授かりものと考え、自分達の子供として育てる事にしました。

アリスはこの少女に”桃ニセアリス”と命名しようとしましたが………、

少女  「ちっ、なんだよ!今どき”桃ニセアリス”なんて誰が付けるんだよ。ダサいよ」

アリス 「じゃーーーー、どんなのがいいんですか?」

少女  「”ハーマイオニー・グレンジャー”!」

しかし、結局名前は無理矢理『桃ニセアリス』に決定しました。

桃ニセアリス「嫌じゃあーーーーーーーーーーーー!!!
アタシは”桃ニセアリス”じゃないわーーーーーー!!!」








【反抗期編】  


こうして桃ニセアリスを含めた、3人の生活が始まったのですが……。



桃ニセアリス「嫌じゃあーーーーーーーーーーーー!!!」



その山奥はド田舎でしたので、桃ニセアリスはさっそく不満をたらし始めました。

桃ニセアリス「おもろうないわーーーーーーー!こんなトコは嫌じゃ!
山奥に住んでる婆様は世間ズレしてて嫌じゃあーーー!!
早くも反抗期突入じゃな!」

そしてついに桃ニセアリスはこの家を出ると言い出しました。

桃ニセアリス「もう嫌じゃあーーーーーーーーーーーーーーー!!
アタシはこんな所に住むのは嫌じゃあーーーーーーーーーーーー!!!
もっと都会に出たいんじゃあーーーーーーーーーー!!!」

アリス  「都会に出て何をすると言うのですか?」

桃ニセアリス「アイドル歌手になる。いや、作家になる。
声優もしたいし、女子アナにもなりたい!
とにかく有名になるんじゃーーーーーーーーーーーーーー!!」

アリスは桃ニセアリスが都に出る事には反対しました。
都では今、恐ろしい”鬼”というモンスターが暴れているからです。
それは突然何の前触れもなく現れ、建物を壊し、人々に襲いかかるらしいのです。



しかし一方、桃ニセアリスの都への憧れはつのるばかりです。
そんな中、家のパソコンでインターネットをしていた桃ニセアリスはある記事を見つけました。

桃ニセアリス「”鬼”を退治した者には賞金5000両とテレビのバラエティー番組へのレギュラー出演権1年分を与える。さらに高級マンションも一室提供!!」

桃ニセアリスはその記事を読んでブルブル震えました。

桃ニセアリス「これじゃ!これ、これ!
”鬼退治”じゃ!
鬼を退治すると、金と名声とテレビ出演のチャンス!そして高級マンションにも住める!」

こうして金にめがくらんだ桃ニセアリスは都へ”鬼退治”に行く事を決意したのです。







【旅立ち編】  


アリス  「行ってはいけません!都会は危険なところです」

桃ニセアリス「嫌じゃあーーーーーーーーーーーー!!!
こんな陸の孤島にいつまでもいられるかあ!」

アリスに止められたものの、やはり家を抜け出したい桃ニセアリスでした。

ある日の明け方、午前3時頃。
桃ニセアリスはこっそり家を出ようとしましたが……、アリスに見つかってしまいました。

桃ニセアリス「止めても無駄と言った筈だが?」

そこでアリスは桃ニセアリスに[きびだんご][携帯電話]等をせんべつとして渡しました。
そして見送る事にしました。

こうして桃ニセアリスは都へと旅立って行ったのです。



アリスの家は深い山の中にあり、そこからふもとに下りるのは一苦労でした。
そしてここは離れ島でした。船を使わなければ目的の都まで渡る事は出来ませんでした。
そこで桃ニセアリスは港に停泊していた船頭さんの船”ぷりんす・おぶ・うぇーるず”号で都へと渡る事にしました。

船は出港し、一路都を目指しましが……、都の港へ到着直前、鬼の襲撃にあい、船は沈没してしまいました。

船頭  「あーーーーーーーーーーーー!ワシの舟がぁぁぁ!!」

桃ニセアリスは海へ飛び込みました。そして命からがら泳いで岸までたどり着きました。

その後は憧れの都の中を初めて歩きます。その発展した都の姿に驚きます。
都心では大型電光かわら版がニュースを流していました。

大型電光かわら版「政府も近々手を打つそうだが、果たして効果があるのか?
我こそは鬼を退治できるというツワモノは”勇者ギルド”へ行こう!」

桃ニセアリス「”勇者ギルド”?」







【都編】  


桃ニセアリスは早速”勇者ギルド”を訪れます。ここで”鬼退治をする者”として登録するのです。登録しておかなければ鬼を倒しても賞金などの得点はついて来ません。

勇者ギルドの受付「鬼退治に行く者は”パーティー”を組む事が義務とされる。その方が安全だしね。最近流行の組み合わせはお供に犬・猿・きじを連れて歩く事だ」

こうして桃ニセアリスは仲間の犬・猿・キジを探す事にしました。









【猿編】


桃ニセアリスは犬・猿・キジを探すのにお金をかけたくありませんでした。
そこで野生の動物を捕まえる事にしたのです。
山の中に入り、ある所で桃ニセアリスはかごのワナに捕まった小さな人形のミルキーを見つけます。

ミルキー 「”猿”ではありません。私は”ミルキータン”です!」

桃ニセアリス「けけけ、こりゃあ、おもしろい”猿”だ!ストレス発散には持ってこいだ!」

こうしてミルキーはかごの中に入れられたまま、”ストレス発散用”として桃ニセアリスに連れて行かれる事になりました。ミルキーは3日も何も食べてないのでお腹がへっていたのですが、桃ニセアリスの持つきびだんごは食べさせてもらえませんでした。






【雉編】  


次に桃ニセアリスはキジを探しました。
するときびだんごにつられて”黄金のキジ”が現れました。しかしそれは本物のキジではなく”でっかいヒヨコ”が全身に夕陽を浴びたのがそう見えただけでした。
このでっかいヒヨコは桃ニセアリスの手からきびだんごを奪って食べました。
さらにミルキーを背中に乗せて逃げようとしましたが……、桃ニセアリスに捕まってしまいました。
こうして捉えられてこのでっかいヒヨコも仲間に……、いや、もとい、”緊急用の非常食”として連れて行かれる事になりました。





【犬編】 


こうして後は残りの”犬”を探す事になりました。ですが、なかなかみつかりません。
そんな中、桃ニセアリスの持っている携帯にアリスから電話がかかります。
ミルキーがその電話に無理矢理出て、アリスに助けを頼もうとしたのですが……、電話は桃ニセアリスによって途中で切られてしまいました。

ミルキー 「あああ……。」





その後、桃ニセアリス達が海岸にやって来ますと、砂浜で数人の子供たちが大きな亀のような物をいじめていました。
桃ニセアリスはお礼を見こして亀を助けようとしました。
すると子どもらに「すっこんでろ!”おっさん”!」と言われ、逆上して子供達を撃退しました。

子供がいなくなった後に、砂浜に残された亀を見てみますと、てっきり亀と思っていたのは……、実は最新式の亀型アクアラングスーツを身に着けた”ウサギさん”だったのです。

桃ニセアリス「言葉での礼等いらん!亀を助けると龍宮城へ招待してくれるそうじゃないか?うわさでは!
竜宮城へ連れて行ってもらえるな?」

ウサギ  「ですから……、それは知りません。」

桃ニセアリス「では、それなりの”パラダイス”へ案内しろ!」

こうして案内されたのは竜宮城ならぬ『うさぎの穴』という居酒屋でした。それは地下に作ってありました。
店内にはかわいいバニーガール達がたくさんいました。その中にウサギさんが想いを寄せる「ウサ子」と言ううさぎの女の子がいました。

ウサ子がステージに立ったその時、なんとその後ろの岩に穴が開けられて、そこから”赤鬼”が現れたのです。それはマッチョで身長が3メートルもありました。とても強そうでした。そして赤鬼はウサ子を連れ去ってしまうのです。

ウサギさんは連れ去られたウサ子の後を追うため、桃ニセアリスの”鬼退治”に加わえて欲しいと頼みました。
そこで桃ニセアリスはウサギさんを”犬”に見立てました。
とにかくこれによってウサギさんが仲間に……、いや、もとい、”犬の代用品”として桃ニセアリスのパーティーに加わる事になりました。






【パーティー誕生編】 


再び勇者ギルドへ戻った桃ニセアリス・ミルキー・モグモグ・ウサギさんの一行。  
これで一応形だけ犬・猿・キジがそろったので、”正式パーティー”として登録しようとしました。
勇者ギルドの受付の人に向かってミルキーを”猿”だと言い張り、モグモグを”キジ”、ウサギさんを”犬”だと言って登録しようとしましたが、ダメだと言われました。しかし受付の奥から”お侍”が現れ、桃ニセアリスたちは特別に正式にパーティーとして登録される事となりました。






【鬼たちの歌編】 


桃ニセアリス達は勇者ギルドの備え付けのパソコンから鬼達が書いているブログ『ぶらっでぃー通信』を閲覧しました。
そこには鬼たちの日記がつづられていました。鬼たちのこれまでのさまざまな悪行がそこに書かれていたのです。
ある日記では「『うさぎの穴』を襲い、”おつまみ”を捕まえて来た」と書かれていました。

レッド五分林「俺の”おつまみ”が見たい人はここへ!→”ミミコのときめきブログ”」

それを読んだウサギさんは言葉も出ませんでした。
[ミミコ」とはウサ子のハンドルネームです。この”おつまみ”とはウサ子の事だったのです。
ウサギさんが『ミミコのときめきブログ』に行くとそこのコメント欄が鬼たちによって荒されました。
ウサギさんは[ハートプリンス]というハンドルネームを使って、鬼とコメント書き込みで闘いますがやぶれてしまいます。
そこで桃ニセアリスが代わって鬼達と戦いました。桃ニセアリスの毒舌に鬼たちは激怒して悔しがりました。

ネット上で鬼をけちらした桃ニセアリスに対してウサギさん・ミルキー・モグモグの見方は変わりました。
ウサギさんは桃ニセアリスを剣士と慕ってついて行く事にしました。ウサ子救出の為でもあります。
ミルキーとモグモグも桃ニセアリスと共に鬼退治をする決心を固めました。

ウサギ  「今すぐ鬼退治の準備を整え、ブラッディー・カサンドラに参りましょう!」

桃ニセアリス「まず、別のパーティーに行かせるのじゃ!先にソイツラを鬼と闘わせて、鬼が弱りきった所へアタシ達が出撃するのじゃ!」

しかし、意外な事実が判明します。勇者ギルドで聞いた所によりますと、他の正式パーティーはすでに全滅したそうです。






【出撃編】


そんなおり、勇者ギルドの建物には多数の男達がつめかけていました。その中のリーダーは知った顔でした。桃ニセアリスが都へ渡る時に使った渡し舟”ぷりんす・おぶ・うぇーるず”号の”船頭さん”でした。  

船頭さんは巨大な戦艦『漁業組合の男たちの大和』を完成させていました。
それで鬼ガ島を攻撃しに行くと言うのです。
ウサギさん・ミルキー・モグモグもその船に乗せてもらう事にしました。桃ニセアリスもウサギさん達に無理矢理つれて行かれました。

そして”漁業組合の男たちの大和”は鬼ガ島『ブラッディー・カサンドラ』に接近、砲撃を加えたものの鬼達の反撃にあってあっけなく沈んでしまうのでした。
そこから命からがら逃げたのびた桃ニセアリス達。勇者ギルドが出していた船に救助されました。”漁業組合の男たちの大和”の乗組員も同じくその船に救助されました。






【戦闘、再び!編】 


救助舟に乗って都まで帰り着き、勇者ギルドに戻ってみると……、
そこには迷彩の軍服に身を固めたマッチョな兵隊達がたくさんいました。
それは中央政府の正規軍として派遣された”海兵隊員”だったのです。
ニャア少佐とサー・ジェームス軍曹がその部隊の指揮を取っていました。
こうして航空母艦、エアクッション型揚陸艇などが鬼が島[ブラッディー・カサンドラ]を目指しました。

その様子を桃ニセアリス達は勇者ギルド備え付けのモニターで見ていました。

ニャア少佐「それではこれより鬼ガ島ブラッディー・カサンドラ攻略作戦を開始する!作戦名は”クライシス・アイランド”だ!」

しかし発進したステルス機は鬼たちからの投石によって全て打ち落とされました。
F-15戦闘機も発進しましたが、相当な損害を出して帰艦しました。
次に揚陸艇2隻が鬼退治に上陸するため向かいましたが、これも撃沈されてしまいました。
ニャア少佐はやむなく撤退を決意しました。






【ラストパーティー編】


桃ニセアリス達は勇者ギルドで自分たちが「最後のパーティー」だと言われます。

お侍  「オホン!さようです!
先の33組のパーティーの全滅、
ならびに、”漁業組合の男たちの大和”の沈没、
海兵隊員とその機動部隊の全滅。

それ以来パーティーの募集に応じて来る応募者は1組もありません。」

それを聞いたニセアリスはパーティー登録を取り下げようとしましたが……、
勇者ギルドから「貴方は伝説の救世主の資格がある」と言われます。
いにしえより伝わる伝説を記した巻物には”男児”がその救世主になると書かれてありました。桃ニセアリスは「自分は”女の子”なので伝説の救世主ではない」と言い張りますが、桃ニセアリスが以前提出していた戸籍では”男児”になっている事が判明します。

そしてアリスに電話してその事を確かめると……、
「桃ニセアリスが桃から産まれた時、お役所へはやはり”男児”として登録した」との事。
さらに………、
その時、戸籍には、桃ニセアリスの正式な名前を『桃太郎』として申請していた事を聞かされます。




→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。
→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。





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