BLUE ODYSSEY

BLUE ODYSSEY

小話  屋台その2  VOL.148




そして、食事を取り始めました。
”小人”はどうどうとした感じで食べていました。
背筋をピンと伸ばし、王者の風格さえありました。

小人「パクパクパク!」

ミルキー「ホントに小人タンはすごいねえ!
まさかこんなに短い時間であそこまでできるとは思わなかったよ!」

由美「ホントにすごいですねえ!」

みんな”小人”をかこんで会話していました。
ヒーローは”小人”でした。もう”小人”中心の話題が多いです。


モグモグはテーブルまで行く元気がありませんでした。
いつもならミルキーが床にモグモグの食事を置いてくれて、それをミルキーの足元で食べるのが、モグモグの日課であり、また”喜び”でした。

モグモグ「……………………。」


そんなモグモグの気持ちにアリスは気付きました。

アリス「ミルキーさん!モグモグにまだエサをあげていませんが?」

”小人”の話に夢中のミルキーにアリスは注意しました。
その会話のやり取りがモグモグの耳にも入りました。
モグモグは期待しました。
何日かぶりにモグモグの元へミルキーがエサを運んで来てくれるのです。
”小人”が家に来てからというもの、ミルキーの気持ちはすっかりモグモグから離れて行ったようでした。

モグモグ 「(ピィーー!ピィーー!)」

しかし……、









ミルキー「アリスタン!代わりにモグモグにエサあげといて!」










モグモグ「Σ( ̄□ ̄;)







ガーーーーーーーーーーーーーーーン!!! 」









ああ、なんという……、
”無情”です。
モグモグはすっかり気落ちしてしまいました。







ところで……、
アリスのいる町内で”ゲーム大会”が開かれることになりました。それは毎回不定期で開催されていました。そのチラシをミルキーが持っていました。ミルキーは前回の“ゲーム大会”に参加していたのです。
この”ゲーム大会”は当然「子供大会」ですので、優勝者には新製品のゲーム機が贈られることになっていました。
そのゲーム機は……、みんなの憧れの的でした。

ミルキー「ミルキータン、”ゲーム大会”に出るよ!
あの”ポータブルゲーム機”が欲しいもの!」

ですが、この町には強敵が1人いました。
毎日ゲームばかりしている子供がいたのです。その少年は毎回”ゲーム大会”で高得点をたたき出します。

前回ニセアリスも”ゲーム大会”に挑戦して、良いところまで勝ち進んだのですが……、
最後にその少年に1位を奪われてしまいました。

ニセアリス「前回もうちょっとで”ポータブルゲーム機”が手に入ったのに!!」

ミルキーと由美、そして”小人”もその大会に参加することにしました。
それにニセアリスも!

ニセアリス「リベンジだ!今年こそ!”ポータブルゲーム機”を取る!」









そして、”小人”を買って来た日から9日が経ちました。








”小人”はゲームのジョイステックを握りしめ、ゲームと格闘していました。
”ゲーム大会”で使用されるゲームは新発売の『アンデッドモンスターハンテイング』の
最新バージョンの

『アンデッドモンスターハンテイング リミテッド』で行われます。

しかし、アリスの家ではその新しいゲームを買う余裕はありませんでした。

ミルキー「アリスタン!新しいゲームを買ってよ!
ミルキータンが勝ち進むためだよ!
勝てば最新”ポータブルゲーム機”が手に入るんだよ!」

アリス「でもミルキーさん、うちにはそんな余裕はありません。
ガマンして下さい!それにうちにはこの間買ってあげた『アンデッドモンスターハンテイング』があるじゃありませんか?」

ミルキーは首をブルンブルンと横に振りました。

ミルキー「ううん!あれは違うんだよ!
”ゲーム大会”は『アンデッドモンスターハンテイング』の
最新バージョンの『リミテッド』で行われるんだよ。
これじゃ勝てないよ!」

アリス「不足分はミルキーさんの”腕”でおぎなって勝負してくださいな!」


ミルキー「そんな、買ってえええええええええええ!!アリスタン!」






小話  屋台その2  VOL.149


でももうゲーム大会まで日にちがありません。
ミルキーたちはしかたなくうちにある『アンデッドモンスターハンテイング』で練習しました。

ミルキー「なんとしても優勝して優勝賞品のゲーム機を手にいれるモン!」

ミルキーは意気込んでいました。
そして練習を続けました。

ニセアリス「はあ~~~~~、優勝候補のアタシが練習するんだ!そこを退けよ!」

パソコンで練習中のミルキーに向かってニセアリスが言いました。

ミルキー「今、ミルキータンが練習してるからダメ!」

ニセアリス「ヘタクソが練習してもムダなんだよ!
そこを退け!」

ミルキー「いやだよ!ミルキータンは絶対優勝するモン!」

ニセアリス「ムリムリムリ!ムダムダムダ!」




そして、ゲーム大会の日がやって来ました。
やって来たのはミルキー・由美・ニセアリス。
さらに……、”小人”がゲーム大会の会場にやって来ました。
そして”保護者”としてアリスも来ていました。そしてアリスがつれて来た”モグモグ”。

モグモグ「……………………。」

いつもならモグモグの背中に乗るミルキーなのですが、今日は乗らずに、自分の足で歩きました。
そしてなんと”小人”を入れたバッグを首にかけていました。
ミルキーは”小人”を運んで来たのです。

モグモグはそれをとても悲しんでいました。今日はまだミルキーはモグモグに声すらかけていませんでした。モグモグの方など見ていないのです。

モグモグ「……………………。」




会場には多くの人間の子供や動物の子供が集まっていました。300名ぐらいはいそうです。
みな新製品のゲーム機がお目当てです。
実際にプレイする参加者は130名ぐらいです。それとアリスのような”保護者”、それに応援の人達で会場はいっぱいでした。

ミルキー「うわあ!こんなにもいっぱいの参加者がいるなんて!」

前の大会よりさらに参加者が集まっていました。
ミルキーは少し自信がなくなって来ました。しかしニセアリスは……、

ニセアリス「くくくくく~~~~!!
”イモ”どもが集まっていやがる!」

とニセアリスは参加者を見て不敵に笑っていました。

ニセアリス「実力のない”イモ”どもなんて、何匹集まったっていっしょさあ~~~!
今回こそリベンジだ!
アタシが優勝する!
そして最新型ゲーム機はアタシの物になるんだあああああああ!!」

由美「……………………。」

ニセアリス「くくくく!!イモども!どっからでもかかってきな!」

そんなニセアリスにミルキーがワザと「エラそうな口調」で言いました。

ミルキー「今日はうちの『アンデッドモンスターハンテイング』の最高得点保持者の小人タンに来てもらってる。
だから、”ゾーキン”はいなくていいんだよ!」




ニセアリス「なっ、なんだとおおおおおおおおおおおおおお?!!」




ミルキー「小人タン、かる~~~~く相手してやってください!」

小人「はあ。」



すると、その時、由美が「あの人!」と言ってある人物を指さしました。

見るとそれは”前回の優勝者”でした。メガネをかけた小柄な少年です。
頭は良さそうですが、少し暗い感じもあります。

ミルキー「あーーーーーーーーーーーー!
あの人また来てる!また来てるよ~~~~!!

由美「これで今回も……、」

ミルキー「ううん!でも今回は小人タンがいるから大丈夫だよ!
小人タンならぜったい負けないモン!」

小人「……、」





ミルキーたちは参加受付のカウンターに行きました。

そして、いよいよゲーム大会が始まりました。
会場の正面に一段高くなった”仮設ステージ”があり、そこに司会進行役の人物がマイクを持って現れました。

司会進行「では2人ずつ対戦を行ってもらいます。
勝ち残り式トーナメントです。最後に残った方が優勝者となります。
対戦の勝敗は、

制限時間内に高得点を出した方が勝ちです。

ただしモンスターにやられてゲームオーバーとなった方はその場で”負け”となります。

対戦に勝てば、勝ち進むことが出来ます。次の試合に出られます。
今回は参加人数が多いのでAブロック・Bブロックに分けて同時進行します。
ではみなさん最後までがんばってください!

それではさっそく”第一回戦”スタートです!」


ステージ手前から一段下がったところに何台もの対戦ブースが設置され、そこに大型モニターやパソコンやゲーム機が置かれていました。

ミルキーは毎日毎日練習していたのでもうこのゲームに慣れました。
それで少し自信がありました。
それにミルキーには強い意気込みがありました。どうしても「最新ゲーム機を手に入れたい」という意気込みが。
ミルキーの対戦相手はオウムの子供でした。

まず、ミルキーの対戦試合がスタート。
ミルキーは奮闘します。

ミルキー「ミルキータンは勝つ!ミルキータンは勝つ!」

相手もがんばっていました。接戦です。
結果、ミルキーは本当に少しの差で勝ちました。

ミルキー「はあはあはあ!」



由美が別のブースで対戦してました。由美はクールにプレイして勝ちました。
第一回戦では危なげなかったです。

同時にプレイが行われているブースの中でも一際うるさいブースがありました。




ニセアリス「ぐははははははは!!
おりゃ~~~~!」




ニセアリス「ぐおおおおおおおお!!!」




ニセアリスがうなっていました。




ニセアリス「どおりゃああああああああああああああ!!」




ニセアリス「とお!とお!」





ニセアリスも苦戦してやっと勝ちました。

そして……、”小人”の番です。
対戦相手の人間の少年が来ました。

ペコリ

対戦相手「よろしくお願いします。」

少年は丁寧におじきしました。

その後、ゲームがスタート、”小人”はその少年を完膚無きまでにたたきのめしました。






小話  屋台その2  VOL.150


ミルキー「みんな勝ち進めたね!」

由美「良かったですね!」

ミルキー「みんなこの調子で2回戦もがんばるんだよ!」

ニセアリス「チミががんばってどうするんだよ?!
ムダムダムダ!一回戦勝ち上がったのも奇跡なのに!」

ミルキーは怒りました。
そしてニセアリスを下からにらみつけました。

ニセアリス「その目はなんだよ?この世界は”実力”の世界なんだ。
それだけが物をいう!
チミはいらないんだよ!」

ミルキーは「今に見てろ!」と思いました。



そして2回戦目のスタートです。

ミルキーが対戦します。
ミルキーは苦戦しました。大変苦しい闘いです。

接戦の末、最後の最後で2点差でやっとミルキーは勝ちました!

ミルキー「ぜいぜい
はぁはぁはぁ……!」

ミルキーは目が血走っていました。
極度の興奮状態です。
本当に苦しい闘いでした。ミルキーはよくがんばりました。
でも、もうボロボロ状態です。

ミルキー「はぁはぁはぁ……!」



由美はけっこうクールに2回戦を終えました。
由美も勝ちました。



ニセアリスはけっこう苦戦していました。

ニセアリス「わわわわわわ!」

ニセアリスはまったく辛そうでした。

ニセアリス「はぁはぁはぁ………。」

それでも何とか勝ち進みました。

ニセアリス「ぜーーーーーーーーーーーー!!
ぜーーーーーーーーーーーー!!」

ニセアリスも気力をへらしていました。




しかし……、3回戦になってミルキーは強敵と当たりました。
なんとあの”前回の優勝者”です。

由美「ここで当たるの?」

ミルキーはブルってました。

ミルキー「ミルキータンは……、ミルキータンはぜったい優勝するんです!
そして”ゲーム機”をもらうんです!」

ミルキー、プレイする前から苦しそうです。

そして対戦が開始されました。
ミルキーは最初から負けムードです。
だんだん、点数が離されて行きます。

ミルキー「ううううう!」

ミルキーは泣いていました。
奇跡の大逆転を信じて戦い続けるミルキー、でも点差の方は開くばかりです。

ニセアリス「実力が違う!」

ミルキー「ううう!ミルキータンは……、ミルキータンはもう!」

ミルキーは負けてしまいました。

ミルキー 「ウエエエエエエ~~~~~ン!!ウエエエエエエ~~~~~ン!!」

ミルキーは泣きました。ミルキーはここで脱落です。


由美は3回戦をクリアしました。勝ちました。
そしてミルキーの所に来て慰めます。

由美「ミルキーちゃん……。」


ニセアリスも対戦が始まり、苦戦につぐ、苦戦をしていまいた。
しかし、奇跡的になんとか勝ちました。
でもニセアリスは目が血走っていました。

ニセアリス「はぁはぁはぁ………。」

そして、負けたミルキーをバカにしました。

ニセアリス「はははははは!
なんだ!やっぱりこんなところで負けたのか?
ああ!やっぱりチミは弱い!」

ミルキー「ミルキータンは ”前回の優勝者”と当たったんだよ!
ミルキータンのせいじゃないよ!」

ニセアリス「いいや!チミが弱いせいだ!」

ミルキー「違うモン!
ウエエエエエエ~~~~~ン!!ウエエエエエエ~~~~~ン!!」



一方”小人”は
なんなく勝ち進みました。

ミルキー「小人タン!まだまだよゆうだね?
ミルキータン、小人タンが勝ってうれしいよ!」

脱落したミルキーは”小人”を応援します。



そして4回戦。あれだけいた参加者もほとんどが負け、まだ生き残っている参加者は少なくなっていました。

4回戦で何と今度はニセアリスが”前回の優勝者”と当たりました。

ニセアリス「くくくくく!これを突破しないと優勝はない!
見せてやるぞ!アタシを実力を!

そこの”泥人形”!
よ~~~~~~く見ていろよ!」

ミルキー「はいはい。しっかりやりな!」



対戦が始まりました。ニセアリスは最初から苦戦です。
点数がドンドン離されて行きます

そして……、おそらくもう逆転は無理になりました。
ミルキーたちはニセアリスの背中で

ミルキー「あ~~~~~、やっぱりダメだな、ゾーーーーキンは!」






ニセアリス「ぐわーーーー!だまってろ!」






奇跡の逆転劇などなく、ニセアリスは負けてしまいました。





ニセアリス「ぐわーーーーーーーーーーーーーーー!!!
負けたのはオマエのせいだ!オマエのせいだ!
このやろう!!」






ニセアリスは逆上しました。

由美「やめてください!」






小話  屋台その2  VOL.151


由美も四回戦は勝ち進みました。


そして5回戦!いよいよ”準々決勝”です。
ここAブロックで残っているのは由美・”小人”・”前回の優勝者”を含めて4名です。
別のところで行われているBブロックも残り4名となりました。


5回戦目で今度は由美が”前回の優勝者”と当たりました。

由美「由美タン!がんばって!由美タン!」

ミルキーは祈るようにそう言いました。
しやはり”前回の優勝者”は強敵なのです。
あのニセアリスもあっさりと倒されてしまいました。
由美の実力は”未知数”です。でもここまで冷静な闘いを続け、勝ち進んで来れたのですから……、希望はあります。


いよいよ由美と”前回の優勝者”の対戦が始まりました。




ミルキー「行けえええ!由美タン!!」




由美はがんばって冷静に戦い続けています。
でもやはり最初から点数では負けていましたが。
そして点差が開き、ドンドン引き離されていきます。

ミルキー「あああ、由美タン!がんばって!
がんばって、由美タン!!」


ゲーム終盤、もうたぶん逆転は不可能ですが、それでも由美はあせりません。


制限時間が来て由美は負けてしまいました。

ミルキーはまた泣きました。

ミルキー「ウエエエエエエ~~~~~ン!!ウエエエエエエ~~~~~ン!!」

でも別のブースでは”小人”がまた勝ち上がり、これで残っているのは……、




そして6回戦!

これが”順決勝”となりました。
ここAブロックで残っているのは当然”小人”と”前回の優勝者”の2名です。
いよいよこの2人の対決が行われるのです。
別のところで行われているBブロックも残り2名です。



司会進行「これで戦って勝ち残った方が”決勝”に進みます。」




ミルキー「小人タン!がんばって!私たちの分まで!」

小人は「まかせて!」と言いました。


いよいよ”小人”と”前回の優勝者”の闘いが始まりました。

強いです。双方とも強いです。
この闘いの様子は大型スクリーンに投影され、会場は沸きました。
負けた人達も誰も帰ってません。みなこの決戦を見ていました。



ミルキー「行けえ!」



そしてついに、本当に少しの点差でなんと


司会進行「えーーーーーーーーーーーーーーー、
では、ただいの試合、ウイナーは……、」



なんと、どこからかドラムの音が流れて来ました。




司会進行「”小人”さんです!!!」



ミルキーは狂喜乱舞しました。

ミルキー「”小人タンはすごいよ!やっぱりすごい!
スカッとしたよ!
ホントに!」

ニセアリス「フン!」

ミルキー「やっぱり小人タンはヒーローだよ!」

ニセアリス「フン!」

ミルキー「次もがんばってね!

小人「まかせておけ!」

そしてBブロックを勝ち上がった対戦者と戦います。
さあ、後は決勝戦を残すのみです。






小話  屋台その2  VOL.152


ステージ上には特設マシンと大型液晶パネルがありました。
そしてその前で司会進行が、

司会進行「さていよいよ決勝戦です!
優勝賞品を受け取れるのはたったお一人!
すべてはこの最後の決戦で決まります。

そしてここからの闘いはステージ上の特設マシンで行われます!」

と説明しました。
ミルキーはこれから自分が戦うような緊張感を持っていました。

ミルキー「小人タン!あと一人だよ!あと一人!
がんばって!」


司会進行「ではAブロックを勝ち進んだ勝者をご紹介しましょう!
みなさん拍手でお迎えください!」

会場のみんなから拍手が来ました。
”小人”はステージ横に付いた階段を上がるのです。
”小人”は身体が小さいので階段を上がるのも苦労しましたが、なんとか全身を使って一歩一歩昇って行きました。
これまではミルキーがその身体を小ささをカバーしてきたのですが、さすがに勝者のみが行けるステージ上にはミルキーは行けませんでした。

やっと”小人”は登り切りました。
そして用意されていた”子供用の台”の上に上がりました。
司会進行は背をかがめて”小人”にマイクを向けました。

司会進行「えーーーと、それではお名前をどうぞ!」

名前は付けてもらってません。

小人「”小人”」

司会進行「ではAブロック勝者は……、











”小人”さんです!」











会場から拍手とどよめきが起こりました。

会場「いいぞーーーーー!小人ーーーーー!ニューヒーロー誕生だ!
さあ、決勝戦もがんばってくれ!」

会場「うらやましいぞーーーー!」

みんな本当は自分がステージに上がりたいようでした。だけどそこまでの実力や運がありませんでした。そこでみんなはステージ上の”小人”に憧れたのです。

そして会場に来ている女の子たちからは、

女の子「きゃーーーーーーーーーーー!かわいい!
かわいい!」

と”小人”に向かって黄色い声援が飛び交いました。



司会進行「では今度はBブロックです!
Bブロックから勝ち進んだ勝者を紹介しましょう!」

ミルキーはBブロックで行われている試合を全く見ていませんでした。
なのでBブロックの勝者がどんな人物だがまったく知りません。
その勝者がどんな人物か興味があります。

司会進行「えーーーではここでBブロックを勝ち進んだ方を紹介します!」

その人物がステージに駆け上がって来ました。


それは……、
なんだか黄色くて丸っこい……、






ミルキー「ああああああああああああああああああああああああ!!!」






由美「え?」





司会進行「えーーーー、こちらは”Bブロックを勝ち進んだ方”です。
お名前をお願いします。」

そう言って勝者にマイクを向けました。





モグモグ「ピピッ!」






司会進行「はい?
えーーーーー!
わかりました。
Bブロック勝者は……、








”ピピッ!”さんです!」









モグモグ「ピピ!ピピピピピ!ピピ!!
ピピーーーーーーーー!」



バッサッ!バッサッ!バッサッ!バッサッ!バッサッ!バッサッ!バッサッ!





司会進行「え?なんですか?
”ピピッ!”さんじゃなくて”ピピー”さん?」






小話  屋台その2  VOL.153









ミルキー「え~~~~~~~~~~~~~????モグモグぅ?」










ミルキーは驚いていました。なんとステージ上に現れたのは”モグモグ”ではありませんか?そういえば、今日はモグモグもこの会場に来ていたハズなのに、姿が見えませんでした。

ニセアリス「チキンナゲットのヤツ、姿が見えないと思っていたら……、あんなところに!」










モグモグ「”ピピー”!!ピィピィ~~!ピピピピピ!ピピ!!
ピピ~~~~~~~~~~~!!」









バッサッ!バッサッ!バッサッ!バッサッ!バッサッ!バッサッ!バッサッ!










司会進行「は?はあ?何を言ってるのかわかりませんが……?
とにかくAブロック勝者の”小人”さんと、こちらのBブロック勝者の”ピピー”さんとで今から決勝戦を行います。」

会場「うお~~~~~~~~~~~~~~~~!!!」

会場「ガンバレ!!!ピピー!」

会場「負けるな!ピピー!」









モグモグ「”ピピー”!”ピピー”!!ピッピィピィィィィ~~!
ピピ!ピピ!ピピ~~~!!
ピピ~~~~~~!ピピ~~~~~!!」









バッサッ!バッサッ!バッサッ!バッサッ!バッサッ!バッサッ!バッサッ!









どうやらモグモグは自分の名前は「ピピー」じゃないと言っているようです。
でもモグモグの言葉は誰もわかりません。わかるのはミルキーぐらいです。

会場に来ている女の子たちはモグモグに向かって、

女の子「きゃーーーーーーーーーーー!ピピーちゃん!かわいい!」

女の子「ピピーちゃん!がんばってえ!!」

と言いました。モグモグは”ヒヨコ”でしたので女の子たちにはすっごく人気があります。

モグモグがステージ上に上がったので、アリスがミルキーの所にやってきました。
そう言えばアリスの姿もいままで見えなくなっていました。

ミルキー「あっ、アリスタン?!あれは”モグモグ”じゃない?!」

アリス「実は……、
モグモグは以前からゲームに参加すると言って聞かなかったんですよ!
それでモグモグの保護者としてBブロックに行ってました。」

なんとモグモグは前々からゲームに参加すると言っていたらしいのです。
でもモグモグには”手”はありません。”手”がないのでゲームのコントローラーが握れないのです。

アリス「”動物用コントローラー”を参考に、ウサギさんとタッキーさんが協力して、モグモグ用の特製コントローラーを作ったんです。それでモグモグは参加したんです。
そして、Bブロックを勝ち進みました。」

「モグモグが?!ゲームを?!」

アリス「モグモグはずっと隠れて練習してたんですよ!」

それを聞いてミルキーは大変ショックを受けました。



司会進行「では、決勝戦です!
ゲームのルールはこれまでと同じです!
制限時間は10分。
しかし決勝のみこれを2試合行います。2勝先にした方が勝ちます。
お互いに1勝ずつ勝った場合はもう1試合追加で行います。
そして勝敗が決まります。」


ニセアリスは不敵に笑いました。

くくくく!決勝に進んだのはどっちも”うちの”参加者じゃないか?
これでどっちが勝っても”ポータブルゲーム機”が手に入る!

じゃあ、アタシは家に帰ってるから!
つきあってても時間のムダだ。後はよろしく!
しっかりゲーム機だけは持って帰るんだぞ!」

アリス「ニセアリスさん!!」

ミルキー「……………………。」



その後、アリスはステージに上がり、モグモグにコントローラーを操作出来る器具を取り付けました。くちばしには特別なコントローラーを操作できる器具をベルトで装着しました。それと足元には「ボタン代わりの台」を複数用意しました。この台を踏むとボタンを押した事になります。
また羽ばたきによってボタンが押せる装置も取り付けました。
これでコントローラーと複数のボタンを同時に操作出来ます。

司会進行「では両者、ご準備よろしいでしょうか?
ステージ上に特設された時計が動き始めると試合開始です。
では時計をよく見てください。
フライングは失格です。
では試合を開始します!」

そして時計が回り始めました。
試合が始まりました。








ガチャガチャガチャ!ガチャガチャガチャ!ガチャガチャガチャ!








両者とも激しくコントローラーを動かしました。




会場「いいぞ!!!行けえーーーーーー!
”小人”!」

会場「行けえ!ピピー!!!」

女の子「がんばって~~!ピピーちゃん!」

女の子「応援してるわあ!」






小話  屋台その2  VOL.154







ガチャガチャガチャ!ガチャガチャガチャ!ガチャガチャガチャ!








ステージ中央に設置されている大型モニター。そこには”小人”がプレイしているゲーム画面とモグモグがプレイしているゲーム画面が映し出されていて、会場に来ている人たちの誰もがそこに魅入っていました。
極めてハイレベルな闘いがそこに繰り広げられたのです。

小人応援のお客「いいぞーーーーー!ガンバレーーー!小人ーーー!!!」

小人応援のお客「いけええええええええええええ!小人おお!」

お客さんは”小人応援”と”モグモグ応援”に別れたようでした。

モグモグ応援のお客「がんばってーーーーー、ピピーちゃん!!」

モグモグ応援のお客「ピピーちゃん!負けないでえ!」


プレイが進むと”小人”はよゆうの表情を見せ始めました。

小人「(ちっ!なんだよ!ゼンゼン手応えないなあ!
まだそんなところで弱小モンスターを相手にしているのか?
そんなの倒しても点数なんて入らないぜ!
もっと稼げるモンスターを倒さないと!
ふう!シロウトめ!
そんなんじゃボクに勝つのはムリだ!!)」

小人はやや気合いを抜きました。”手抜き”が始まります。

小人「(よゆーーーーーだぜ!)」

それに引き替え、モグモグは必死です。

モグモグ「!!」

モグモグは羽を羽ばたかせ、必死でくちばしを動かしています
モグモグは全身を使ってコントローラーを操作せねばなりませんでした。その分負担がかかります。それでもモグモグは気を抜かずにがんばり続けました。
ここまで勝ち進んできたモグモグはこれまで緊張の連続でした。それでもモグモグは最後まで気を抜きません。









バッサッ!バッサッ!バッサッ!バッサッ!バッサッ!バッサッ!バッサッ!









モグモグは必死でした。
”小人”は横で目そのモグモグを見ています。
ですが自分に勝算があるような余裕の表情をしました。

小人「(まーーーーー、せいぜいがんばってくれ!)」

”小人”の本当の性格がだんだん表面に出てくるようになっていました。
それに対戦相手に対してはやさしくありません。

小人「(フン!)」



女の子「きゃ~~~~~!小人さん!がんばって~~~!」

女の子「絶対優勝よ~~~!小人ちゃん!」

女の子「私が応援しているわあああ!小人さん!」

女の子「ガンバレ~~~!!」



司会進行「現在得点は小人さん 20万5000点!
ピピーさんは 18万4000点!」

モグモグは今のところ負けていました。

小人「(フッ!!しょせんボクの敵じゃないなあ!)」

司会進行「まだまだ勝負の行方はわかりません!両者がんばってください!!」

ミルキーはもうどちらを応援していいかわかりませんでした。
ミルキーはモグモグと”小人”の両方を代わる代わる見ていました。
しかし、そこにいたのはいつもモグモグではありません。
モグモグはもう全てをかなぐり捨ててゲームに勝つことだけに集中してました。

一方”小人”は余裕を感じていました。

小人「(楽勝だなあ。準決勝より楽だ)」

負けているモグモグは切迫していました。

小人「(これはボクが”優勝”だな?間違い無い。)」

しかし、会場はそんなゲームひとすじのモグモグに向かって、

女の子「かわいいわあ!ピピーちゃん!」

女の子「ピピーちゃんのその真剣な姿がス・テ・キ!」

女の子「がんばって、ピピーちゃん!勝ったらデートとしましょう!」

小人「(なんだよ?!もう!あんな黄色まんじゅうのどこかいいんだ?!!
チェッ!
ようし!ここはひとつがっちり観客の心をつかんで有名になっておくか?)」

”小人”はパフォーマンスを見せました。

小人「(あらっよっと!)」

台の上で立ち上がって方手で、レバーやボタンをさばいて見せました。
ポーズの加えながら操作します。
ですが、会場からはあまり評価はありません。
声援に変化はありませんでした。

小人「(くくくく!こうなったら!)」

”小人”はワザとくるしそうな顔をしました。

小人「うう!」

司会進行「どっ、どうされました?」

小人「いえ、大丈夫です。
いままで真剣に連続で戦って来たのでそろそろ疲れて来たのです。
ああ!目が!目がかすむ!」

司会進行「このままプレーを続けて大丈夫なんですか?」

”小人”のそれはウソでした。
しかしそのウソに逆にモグモグにスパートがかかりました。
モグモグはがんばります。





バッサッ!バッサッ!バッサッ!バッサッ!バッサッ!バッサッ!バッサッ!






モグモグはコントローラーで操作するためにくちばしを大きく動かしたり、足や羽を動かさないといけません。そしてここまで勝ち上がるのに何度もそれをしてきました。
モグモグはすでにかなりの体力と気力を消耗していました。
そんなモグモグが”小人”の点数に追いついて来ると、”小人”は

小人「あれれ?なんだか急に体力が戻った!」

なんて言ってモグモグをまた引き離しにかかります。






モグモグ「ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」






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