BLUE ODYSSEY

BLUE ODYSSEY

特別編 『アリスの大豪邸』 ACT.40




ウサギ「ところでタッキーさんは?」

テーブル席にはタッキーの姿は見えませんでした。

ミッチー「まだお家(黄金の家)の中でパソコン相手になにかやっています。」

もしかするといつもタッキーはミッチーをほったらかしてパソコン相手に何か調べ物をしているのかもしれません。ミッチーの言い方にはどこかトゲがあるように思われました。

ウサギ「そうですか。タッキーさんもいっしょに食べればいいのに。」

ミッチー「声をかけてみます。」





ニセアリス「 ガツ!ガツ!ガツ!!





ニセアリスは食べながら誰かれなしにうっぷんをぶつけました

ニセアリス「あんないい話はなかったのに!
ああ、もったいない!もったいない!!

ガツガツガツ!」

そしてウサギさんをにらみつけ、

ニセアリス「セールスマンには言っておいただろうな?」

と言いました。でもウサギさんは涼しい顔で、

ウサギ「だから、”別の方が買われたの”です。」

ニセアリス「なぜ押さえとかなかった?あんな物件一生に一度あるかないかだぞ!
チミたちの目は”フシアナ”なんだ!あれは”奇跡の買い得物件”だった!

ガツ!ガツ!ガツ!」

ニセアリスは口の中に食べ物をつめこみながらそう言いました。

ウサギ「あの物件が”超お買い得”だったことは我々も知っていました。」

ニセアリス「だったらなぜ押さえとかなかった?!
あんなセールスマンなんか口でなんとでも言えただろう?

ガツ!ガツ!ガツ!」

ウサギさんはそれには答えず、テーブルの上にあったミックスジュースに口をつけました。

ウサギ「ウップ!」

それは想像をはるかに超えたおいしさだったのでウサギさんは思わず喉につかっえてしまいました。ウサギさんは驚いた表情でミックスジュースを見つめました。それもミッチーが作ってくれた物でした。

アリス「では私たちもいただきましょうか?ミルキーさん?」

ミルキー「……………………。」

ミルキーはいつもならニセアリスにくってかかる場面ですが、今日は無言でした。
そして”ミルキーのお家”の中に行きました。
それからそこに引きこもってしまったのです。

アリス「ミルキーさん?ミルキーさん?」





ここで特別編 『アリスの大豪邸』 ACT.41


アリスもミルキーのお家に入りました。
そこの床には本が広げたまま置いてありました。

アリス「ミルキーさん、ご本が出しっぱなしです。」

その本はいつぞやニセアリスがミルキーに同調を求めるために渡した本でした。
それをよく見てみますと「家の売買の広告が載った無料配布の本」なのですが、ボロボロになっていました。
ミルキーが何度も見ていたようです。
確かに広告に載っている家はどれも広々としていて素敵でした。

アリス「……………………。」

それはいろんな家が数多く載っていましたから、イメージとしては人をひきつける魅力がありました。


ミルキーは枕に顔をうもれさせてうつぶせになって寝ていました。

ミルキー「……………………。」

アリス「ミルキーさん、ちゃんとした姿勢で寝ないといけませんよ。」

ミルキーは身体を丸め、ふとんを頭からずっぽりとかぶってしまいました。

アリス「……………………。」






その夜、ミルキーは泣きました。

ミルキー「ミルキータン、大きなお家に住みたかった。」






その後、アリスはミルキーが眠ったのを確かめてからミルキーのお家から出ました。

テーブル席にはウサギさんだけが残っていてミッチーと由美とモグモグは食事を終えたようです。言うまでもなくニセアリスはもうそこにはいませんでした。

ウサギさんは新聞を読んでいました。

アリスはウサギさんにあいさつをしてから、自分も眠りにつくことにしました。





その夜、アリスは夢を見ました。
あのお屋敷がアリスたちの物になったのです。
初めて入る屋敷の中。そこはとても広々とした空間でした。
長い廊下の奥の奥まで見えます。
日光が建物全体に差し込み、とても明るい場所でした。












『アリスの大豪邸』 第1部


THE END






***************************************************************************




引き続き第2部がスタートします。




© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: