BLUE ODYSSEY

BLUE ODYSSEY

『アリスの大豪邸』 第2部 ACT.50



するとウサギさんは……、

ウサギ「わかりました!!これは”雪国”です!」

と言いました。

アリス「”雪国”?」

ウサギ「この写真では写っていませんが……、」

ウサギさんは別の画像をインドアネットで見つけました。
それをアリスに見せました。その建物の周辺は雪で埋まっていました。

ウサギ「先ほどのはどうやら”春”とか”夏”に撮られた写真のようです。現地は”雪国”です。この写真は先ほどの物件と同じ地方の物です。」

アリスは驚きました。アリスは雪国に住んだ経験がありません。ですのでその雪の積もり方にはとても驚いていました。
でもミルキーは、

ミルキー「ミルキータン、”雪”が好きだよ!!ねえねえアリスタン、ここに住もうよ!」

とお気楽な事を言いました。

ウサギ「雪国は大変ですよ。ホントに。
大雪が降れば建物から外に出て行く事が出来なくなります。食料さえ買いに行けなくなるのです。」

アリス「……………………。」

ミルキー「大丈夫だよ、アリスタン、食べ物は”買いだめ”しておけばいいんだよ。」

ウサギ「大雪が降れば建物の屋根に登って”雪下ろし”をしなくてはなりません。
それに”雪かき”も。”雪下ろし”は重労働ですし、とても危険な作業です。」

ミルキー「大丈夫だよ、アリスタン、毎日”雪がっせん”できるよ!」

アリス「……………………。」

ウサギ「雪国では自動車さえなかなか使えないです。それにスリップする事も多く、事故の危険といつも隣り合わせなのです。」

ミルキー「大丈夫、ミルキータン、雪の中をザクザク歩くよ。」

アリス「……………………。
これはやめておいた方がいいですね。」

ミルキー「えーーーー?!!どうして?どうしてなのアリスタン?」

ウサギ「確かに雪国といえども住んでいる人は多くいますが……、
実際には雪国の暮らしは大変なのです。」

アリスはため息が出ました。

ミルキー「アリスタン、ミルキータンがんばって住むよ!」

ニセアリスが後ろからまたチャチャを入れました。

ニセアリス「だから良いのはないんだよ!誰かみたいに”お気楽な者”は知らずにこういう所の物件を買ってバカをみる!」





ここで特別編 『アリスの大豪邸』 第2部 ACT.51


ニセアリスがミルキーのことをばかにしましたのでアリスは怒って探し続けました.
ですが……、やはり良い物件は見つかりませんでした。

アリス「……………………。」

ニセアリス「ほうれみろ!ないだろ?良いのはないだろ?
あれは本当に良い物件だった。
”雪国”に建っているのでもなければ、”離れ島”に建っているわけでもない。
鉄道の駅も街もガマンできる範囲にある。”山の上”に建っているのでなく、せいぜい小高い丘を越えるだけの所にある。周囲は田舎で空気も良い。騒音もない。
ああ、あれは最高の物件だった。
”あれ”を買い逃した責任は大きいぞ!」

アリス「私たちの責任ではありません。私たちが買い逃したのではなく、ニセアリスさんがお金を払えなかったからです。」

ニセアリス「とにかく別の同じランクの物件を発見してアタシに報告するように。」

アリス「ですから、たとえ物件を探し当ててもニセアリスさんはお金を持っていません。」

ニセアリス「だから!今から作ってくるから!」

そう言ってニセアリスはお家を飛び出して行きました。

アリス「……………………。」

アリスは不安でした。ニセアリスがまたあんなやり方でお金を稼ぎに行ったかと思うと。





しかしウサギさんは涼しい顔をしていました。

ウサギ「では………、一応手続きは終わりました。そろそろまいりましょうか?」

アリス「は?”手続き”?」





ここで特別編 『アリスの大豪邸』 第2部 ACT.52


ウサギ「そうです。”手続き”です。詳しいことは汽車の中ででもお話しましょう!!」

アリス「どこへ行くのですか?」

ウサギ「”掃除”に行くのです。僕もまとめて”お休み”を取りましたから。掃除ができます。」

アリス「あのウサギさん………、どこへ掃除に行こうというのですか?」

ウサギ「私の買った”物件”へです。これからそこへご案内します。」

アリス「え?」





こうしてウサギさんはアリス・ミルキー・由美・モグモグを連れて”ある場所”へ向かいました。詳しい説明はされませんでした。

ウサギさんは大きなリュックを背負っていました。そこには掃除道具が山と入っていました。モップなどが何本もリュックの中に突き刺すように入れられていました。
そしてモグモグの背中にも大量の荷物が積まれました。それでミルキーはモグモグの背中に乗れないので「歩き」+「歩き疲れるとアリスが背負い」ました。







たっぷり4時間半かかりました。そしてなんと”あのお屋敷”に着いたのです。

アリス「ウサギさん、これはいったい?」

ウサギ「ニセアリスさんは払えませんでしたが…………、僕は買ったのです。」

アリス「え?どういうことですか?」

ウサギ「この”お屋敷”を買ったのです。」

アリスは驚きました。

アリス「え?この”お屋敷”をですか?」

ウサギ「そうです。」

ミルキー「ええ?!」

ミルキーも驚いていました。

アリス「お金はどうしたのですか?」

ウサギ「貯金から出しました。」

ミルキーは大きな目を開けて遠くのお屋敷を見つめていました。それはまだ大半が草におおわれていましたが、いぜんとして巨大であり、まさか現実にこれがウサギさんの物になったとは今でも信じられないぐらいでした。





ここで特別編 『アリスの大豪邸』 第2部 ACT.53


ウサギ「ああでも言っておかないと”あの方”はきっと”この家を売って買おう”とか
言い出しますので。」

現在アリスたちが住まわせてもらっている”お家”はウサギさんの持ち物です。タッキーたちも諸事情からウサギさんの家の内部に”黄金の家”を置かせてもらって住んでいます。
タッキーたちは別に長く住もうとは当初思っていなかったようです。悪いのでほとぼりが冷めた頃にどこかへ出て行こうかとも思っていましたが、ウサギさんと仲良くなってしまったのでそのままずっと住み続けていました。
アリスたちもウサギさんから「出て行って欲しい」とは言われた事がありません。
ただ…………、ウサギさんはニセアリスの事だけはいつも迷惑そうな顔をする時が多いです。

確かにそのニセアリスなら「あのウサギさんの家を売ってあの屋敷を買おう!」などと言い出しかねませんでした。

ミルキー「じゃあ、ミルキータンもあのお家に入れるの?」

ミルキーはウサギさんに聞いてみました。

ウサギ「ええ、入れます。どうぞ、あそこに引っ越してください。」

ミルキー「わーーーーい!わーーーーい!」

ミルキーはとても喜びました。
でもアリスは恐縮していました。

アリス「本当に良いのですか?」

ウサギ「ええ、アリスさんもどうぞ。アリスさんならかまいません。」

アリスは内心ホッとしました。





ここで特別編 『アリスの大豪邸』 第2部 ACT.54


由美はいつものように、

由美「あの……、私……、」

と言葉少なく言いました。

ウサギ「もちろん由美さんも住んでいただいてかまいません。これまでどうり。」

すると普段無表情の由美が笑顔になりました。由美が笑うのは珍しいです。由美はいつも無表情ですが、これまでのアリスたちとの暮らしが大変気に入っているようでした。
それでアリスもミルキーも喜びました。

そして………、

モグモグ 「ピィーー!ピィーー!」

モグモグがバサバサやり始めました。

モグモグ 「ピィーー!ピィーー!」

ウサギさんの前に出てバサバサやってます。




バサッ!バサッ!バサッ!バサッ!バサッ!




するといつもと違ってウサギさんはちょっととぼけた感じになりました。

ウサギ「は?何か?」

モグモグ 「ピィーー!ピィーー!」

ミルキー「ねえねえ、モグモグも”いっしょに住みたい”って言ってるよ。
モグモグもいいんでしょ?」

ウサギ「う~~~~~ん、どうしようかなあ?」

珍しくウサギさんがモグモグに対して冗談を言いました。
まあ女性3人がいるのでその場を和ませようとした軽い気持ちでした。
しかしモグモグはとたんに叫び声を上げました。







モグモグ 「ピィピィーーー!!」






そして”つぶらな瞳”を向けて自分も住まわせてもらえるようにこんがんしました。

ミルキー「ねえねえ、モグモグもいいんでしょ?」



ウサギ「う~~~~ん。モグモグかあ…、」



モグモグはバサバサと大きく羽ばたき周りをうろうろとしました。






バサッ!バサッ!バサッ!バサッ!バサッ!バサッ!バサッ!バサッ!バサッ!!!





そして”踊り”のようなものを踊り始めました。
「自分にも何か出来る」ということをアピールしたいようです。
それはヒヨコにしてはおかしな踊りでした。
しかしモグモグは真剣で、そして涙目でした。

ウサギ「ははは、ジョーダンですよ。モグモグも住んでかまいません。」





モグモグ 「ピピーーー!!」





モグモグは泣いて喜びました。

ウサギ「ちょっとジョーダンがすぎましたかね?」

どうやらこれまでどうりアリスたちも住まわせてもらえるようです。
アリスは内心ホッとしていました。





ここで特別編 『アリスの大豪邸』 第2部 ACT.55


アリス・ミルキー・由美はお屋敷を見ました。それはまだここから広い庭を隔てた所にありました。植物に隠されて一部しかみえませんが、イギリス風の古い建築物に似せたデザインの堂々とした建物でした。

アリス「……………………。
あそこに住めるなんて夢のようですね。」

ミルキー「ホントに絵本の中のことみたいだよ。あの中に住めるんだね。」

由美「……………………。」

アリス・ミルキー・由美はしばらくこうこつの表情でした。その胸の中は大きく夢で膨らんでいました。

ミルキー「ミルキータン、がんばって毎日あの中を走り回って遊ぶよ!」

すると由美が笑いました。そしてアリスも。

アリス「まあミルキーさん、遊んでばかりではいけません。お勉強もしなくては。」

ミルキー「お勉強はモグモグがするからいんだよ。
ミルキータンは遊ぶから。」

それを聞いてアリスたちは笑いました。

ミルキー「ねえねえ!はやくあの中に入ろうよ!ミルキータン、中が見たい!」

アリスも中を見てみたいと思っていました。

アリス「そうですね。中を見ていろんな家具を置くことを考えなくてはなりません。
きっと広いお屋敷でしょうね。」

するとウサギさんが、

ウサギ「でも今、お屋敷のカギは持っていません。」

と、言いました。

アリス「え?」

ミルキー「え?」

由美「え?」

アリス「カギがないのですか?」

ウサギ「はい。」

アリス「では中に入れないのですね?」

ウサギ「はい、カギはタッキーさんが届けてくれる事になっています。
今、あのセールスマンの所に行ってもらってますから。
我々はその連絡を待つということで。
とにかくお屋敷の玄関まで行きましょう。」



こうしてアリスやウサギさんは敷地の門をくぐり、お屋敷の玄関まで行きました。
お屋敷の玄関まで少し歩かなくてはなりません。
ちょうど玄関に着いた頃タッキーから電話がありました。

ウサギ「はい、もしもし!!ごくろうさまです!
え?なんですって?そんな?

はい。

はい。

そうですか。わかりました。」

アリス「タッキーさんはなんと?」





ここで特別編 『アリスの大豪邸』 第2部 ACT.56


ウサギ「カギがないそうです。相手の売り手は現在カギを紛失中だそうです。」

アリス「え?そんな。じゃあどうなりますか?」

ウサギ「まあ、そのう………。カギが見つかるまで中には入れません。」

アリス「……………………。では、お掃除はどうしますか?」

ウサギ「……………外側から掃除を始めるしかないですね。」

アリス「外からですか?」

ウサギ「はい。もうしわけないですが。」

アリス「いえいえ、ウサギさんがあやまることはないです。」

ウサギ「引き続き、タッキーさんはカギを探してくれるそうです。」

アリス「わかりました。それをお待ちします。では外からお掃除を始めましょう。」

ミルキー「え~~~~!ミルキータン、中が見たかったのにぃ。」

ミルキーがアリスのスカートのすそを握りしめながらそんな事を言いました。残念そうです。

アリス「とても広いお庭のようですが、まず”草刈り”をしなくてはなりません。」

うっそうと茂った草。それは2メートル近くにも伸びていました。
そのため視界は遮られ、本当はお庭がどのくらいの広さかわかりません。
それでもアリスのかけ声でみんなはいっせいに草を刈り始めました。

アリスは”カマ”を持ちました。でもミルキーには渡しません。まだ危ないので。ミルキーは手で草を抜くことになりました。
ミルキーはおぼつかない手付きで草を抜いていきます。そしてうまく抜けずに尻もちをついてしまいました。




ドスン!




ミルキー「あいててて…………。」

アリス「ミルキーさん、気をつけてくださいな。」

由美は無言で黙々と草を抜いていきます。マジメです。
ウサギさんも同じように丸っこい手でカマを持って草を刈っていきます。





そのまま1時間ほど草を抜く作業をしていました。
でも抜いても抜いてもきりがありません。
それぐらいお庭は広かったのです。アリスたちがやったのは玄関からせいぜい5メートルぐらいの距離までの草を刈っただけです。

ウサギ「これは人力ではとても無理ですね。”機械”がいります。」

アリス「そうですね。」

するとミルキーはモグモグに話をしました。
モグモグはいままでは草をついばんでいただけでしたが…………、
ミルキーが”草刈り”を教えますとモグモグはそのくちばしと力でもって草刈りを始めました。それはまさに”コンバイン”のようでした。





ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!





ウサギ「すごい!」

アリス「ほんとにすごいですね、モグモグは!」





ここで特別編 『アリスの大豪邸』 第2部 ACT.57


その言葉をモグモグはしっかりと聞き取りました。
そしてますますはりきりました。








ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!







アリス「ホントにモグモグがいると助かりますね。」

ウサギ「ホントですね。これはもう”マシン”と言えるレベルでしょう!!」








ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!







そしてあっと言う間に2時間がたちました。
モグモグの力でかなりの草が刈り取られ、そこに広い敷地が現れました。
やはりお庭は広々としていました。

ミルキー「うわあああ!この広いお庭が本当に今日からウサギタンの物なの?毎日ここで遊べるの?」

アリス「ここで暮らすようになればそうでしょうね。毎日”かけっこ”して遊べますね。」

ミルキー「うわああ!」

ミルキーは喜びました。そしてはしゃいでお庭をかけ回りました。

ミルキー「わーーーーーい!わーーーーーい!」




モグモグはまだ草刈りを続けていました。




さらに1時間が経ちました。

アリス「もうそろそろ休憩してはどうでしょうか?いくらモグモグといえども疲れていると思います。」

ウサギ「そうですね。」

ウサギさんは大声でモグモグに休憩を取るように言いました。
しかしモグモグはやめませんでした。








ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!






ウサギ「……………………。」

アリス「モグモグ!!もうそろそろいいのではありませんか?休憩しましょう!!」

今度はアリスがそう言いました。けれど、








ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!








モグモグはいまや「働く人」になっていました。
モグモグはウサギさんの冗談を真剣に受け止めてしまっていました。
だから止めません。








ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!








アリス「モグモグ!!少し休まないと身体をこわしますよ。」

ミルキー「モグモグ、もういいよ!」

しかしモグモグはやめませんでした。





ここで特別編 『アリスの大豪邸』 第2部 ACT.58


ウサギ「ああ、僕があんな冗談を言ったばっかりに………。」

ウサギさんは反省しました。

ウサギ「モグモグ、あれは”冗談”だった。一度休憩を取ろう!」

しかし………、モグモグは草刈りをやめませんでした。








ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!






ウサギさんとアリスはモグモグの身体をつかみました。しかしモグモグは止めませんでした。
いっしんふらんに草刈りを続けていました。








ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!







アリス「モグモグ、もういいですよ!」

そこで由美が止めに入りました。
すると…………、
モグモグはやっと止めました。

アリス「よかったわ。」

由美は普段無口なので、そんな由美が言ったから止めたようでした。

モグモグはウサギさんの前で得意のポーズを何パターンもやってみせました。

モグモグ 「ピィ!ピィ!」

アリスたちはモグモグのご機嫌を取る為にモグモグの頭をなでました。

アリス「モグモグはホントに役にたちますね。」

ウサギ「ああ、モグモグは最高です。」

ナデナデナデナデ……。

するとモグモグはますます得意になりました。
実際いつもモグモグは役に立つのですが、あんな冗談を言ってしまったためにこうなったのでした。いつものモグモグは「荷物運び」や「買い物」、そのしゅんそくをいかした「伝言」などに活躍していました。

ウサギさんは今や、ふかあく反省していました。




その後、時間がたったのでみんなで食事を取ることにしました。
お屋敷の玄関の扉はいぜんとして開きません。
玄関の前には一段高くなった場所がありました。

アリス「ここに腰かけて食べましょう。」

こうしてアリスが作ってきたお弁当をみんなで食べました。
それはとても美味しかったのです。広々としたお庭で食べるそれは最高でした。





ここで特別編 『アリスの大豪邸』 第2部 ACT.59


モグモグのおかげである程度綺麗になったお庭。以前は塀の近くにだけ植物を植えていたようです。あとは芝生だったのかもしれませんが、今は痕跡しか残っていません。土があるだけです。そしてアリスたちが腰かけているそれはタイルが貼られていました。それはもう新品の感じはどこにもなく、多少色あせていましたが、とても良い感じに風化していました。
回りは田舎で自然の光景が広がっています。空気はとてもおいしいです。

アリスはここは良い所かもしれないと思いましたが、まだ「良いところですね」とはみんなに言えませんでした。まだ全てを知ったわけではないので何が起こるかわからなかったからです。


そしてミルキーとモグモグはその広い庭でかけっこしていました。

アリスは急にここにいないニセアリスのことを思い出しました。
ニセアリスは今日はお家を出てどこかに行ってしまいました。最近「かぜぐ」と言っては夜まで帰らないことが多いです。
ですが、今頃は家に帰って来ているかもしれません。
そして誰もいないので「昼飯はどこだ?」とどなり散らしているかもしれません。

アリス「でも……………、ニセアリスさんには何と言いましょうか?」

ニセアリスにはまだ何も話してません。ここに来ていることも話していませんでした。
ウサギさんは目をつむって頭をかかえました。

アリス「お掃除はまだ何日もかかりそうですね。」

ウサギ「そのようですね。まだまだ時間がかかります。
”家具を入れたり”、”建物の修理”まで入れるとかなりの日数がかかります。
ごまかし続けることは不可能ですね。
まあちゃんと話してここへ連れてくるしかないでしょう。」

アリス「そうなってきますと、たぶんあの人のことですからまたいろいろ言うと思います。」

ウサギ「そうですね。」

ウサギさんは覚悟しました。

ウサギさんが上空を見上げると日の光がとてもまぶしく差し込んでいました。
そしてなんと上空から人間が下りてきたのです。
それは………、”タッキー”でした。







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