「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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BLUE ODYSSEY
『アリスの大豪邸』 第2部 ACT.80
アリス「そうですね。前にも言いましたが、ニセアリスさんだけ”仲間外れ”と言うワケにはいきません。
それにニセアリスさんは確かにあんな文章を書いてきましたが、ぜんぜん怖くありませんよ。あれはただの文章です。」
ウサギ「それはわかっています。
あの方が怖いのではありません。
あの方がまた”いちゃもん”をつけてこられて、今の掃除などの作業が大幅に遅れたり、スケジュールを狂わされる事が怖いのです。」
アリスは確かにそうだと思いました。毎回ニセアリスには手を焼いていましたから。
ウサギ「今我々がインターネットカフェに泊まっている状況についてですが、すみやかにカギを見つけて建物の中に入らなくてはなりません。そしてその中で泊まれるようにならなければいけません。
確かにインターネットカフェの料金は今は安いですが、何日も泊まり続ければ合計するとかなりのお金がかかる事になります。だからできるだけ早く建物に入りたいです。」
アリスはこのウサギさんのこの言葉によってインターネットカフェはやはりお金がかかっていて、それがウサギさんの負担となっていると知りました。ウサギさんはインターネットカフェの料金を安いとは言っていましたが、インターネットカフェへの宿泊が続くとやはり負担となるのです。
ニセアリスがもし何かを言ってきて、建物に入るのが遅れますとその分ドンドンお金がかかる事になるのです。
ウサギ「途中であの方のジャマが入るとこのプロジェクト全体に支障が出ます。」
アリス「”プロジェクト”?」
ウサギ「そうです。”プロジェクト”です。あの建物に関する全てのプロジェクトです。
[建物の外や内部の掃除]、[建物の修理]、[部屋の模様替え]……、などなど、いろいろしなくてはならない事がたくさんあります。それがあの方の”いちゃもん”によってスケジュールに支障が出る恐れがあるのです。最悪、作業を止めてしまうかもしれません。
ああ……、どうしよう?」
そう言ってウサギさんは頭を抱え込みました。
ウサギさんが困っているのでアリスは、
アリス「まずはニセアリスさんにメールを打ってみましょう。なんとかうまく言うのです。」
ウサギ「できるかなあ?」
それでアリスがメールを打つことにしました。
***************************************************************************
ニセアリスさんへ。
お元気ですか?体調はよろしいですか?
私たちはワケあってまだ帰る事ができません。
食べ物はお家にあるものを食べておいてください。
ニセアリスさんも今度いっしょにここに来ましょう。
アリス。
***************************************************************************
するとすぐに返事が返って来ました。
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オ~~~マ~~~エ~~~たちがどんな人間だかよくわかったああああ~~~~~!!
今後はそれなりの対応をさせてもらうぞおおおおお~~~~~!
覚えていろ~~~~~~~~!!うらめしや~~~~~~~!
***************************************************************************
アリスはため息をつきました。
ここで特別編 『アリスの大豪邸』 第2部 ACT.81
ウサギ「ほら!やっぱりひともんちゃくありそうです!」
アリス「……………………。」
アリスはそれでもあきらめ切れずにニセアリスにメールを打ちました。
***************************************************************************
ニセアリスさん、今私たちはインターネットカフェに泊まりに来ています。
明日ニセアリスさんもこちらにおこしになりませんか?
***************************************************************************
しかし待っても何も返信はありませんでした。
アリス「……………………。」
ウサギ「しかたありません。そのことは後にしませんか?
もう眠られた方がいいと思います。メールが返ってこない以上どうにもなりませんから。」
アリス「そうですね、今日はとにかく寝ましょう。ニセアリスさんにはこの場所を教えて来てもらうようにしましょう。」
ウサギ「ここを教えるのですか?」
アリス「しかたありません。いつまでも”仲間外れにされている”と思われてはいけないと思います。」
ウサギ「……………………わかりました。では”明日、こちらに来られる”と言う事で。」
それだけ言いますと、ウサギさんは急にテンションが下がりました。
そして向こうを向き、そこに横になりました。寝る事にしたようです。
ウサギ「ふう……………。」
アリスも急に気が重くなりました。それで眠ることにしました。
眠る事に決めたのでミルキーの方を見ますと……、
ミルキー「ルンルンルン♪」
まだマンガを読んでいました。しかも寝そべって楽しそうに足を揺らしていました。
アリス「ミルキーさん!もうお時間がたちましたよ!さあ、眠りましょう!」
しかしミルキーは聞いていませんでした。ミルキーはマンガに夢中でした。
ミルキー「ルンルンルン♪」
アリス「ミルキーさん!」
ここで特別編 『アリスの大豪邸』 第2部 ACT.82
アリスが何度注意してもミルキーは聞き入れません。
アリス「さあ、ミルキーさん!もういいかげんにしてくださいな!」
時刻はもうそろそろ”深夜”と呼べる時間にさしかかりました。アリスはついにミルキーのマンガ本をつかみました。そして取り上げようとしました。
グイッ!
ミルキー「あっ!イヤンイヤンイヤン!」
しかしミルキーはマンガ本をしっかりつかんではなしません。
アリス「ミルキーさん、そんな聞きわけのないことを言わないでください。さあ、もう眠らないと!」
ミルキー「イヤンイヤンイヤン!」
アリスはマンガ本を力任せに横に引きました。しかしミルキーはマンガ本をしっかりつかんではなしませんので、ミルキーの身体はマンガ本にひきずられて付いて来ました。
アリス 「……………………。 (;-_-)
さあ、ミルキーさん、もう寝ましょう!明日が辛くなりますよ!」
ミルキー「ミルキータンは明日はがんばってずっと起きているから大丈夫だよ!」
アリス「そんな事を言ってまたミルキーさんは…………、」
アリスは無理にミルキーから今読んでいたマンガ本を取り上げました。
そして頭上高く持ち上げました。
すると…………、
ミルキー 「うっ、うっ!」
ミルキーは目にいっぱい涙をためました。
そして……、
ウエエエエエエ~~~~~ン!!ウエエエエエエ~~~~~ン!!」
ミルキーは大きな声で泣き始めました。
ミルキー 「ウエエエエエエ~~~~~ン!!ウエエエエエエ~~~~~ン!!」
アリス「ミルキーさん、そんなに泣かないてください。ではもう寝ましょう!」
ミルキー 「ウエエエエエエ~~~~~ン!!ウエエエエエエ~~~~~ン!!」
ミルキーは泣き止みません。大声で泣いたままです。
ミルキー 「ウエエエエエエ~~~~~ン!!ウエエエエエエ~~~~~ン!!」
アリス「さあ、ミルキーさん!」
するとお店の人がアリスたちのブースに飛んで来ました。
ウエイトレス「あの、お客様………、すみませんが大きな声を出さないようにしてください。
他のお客様の迷惑になります。」
アリス「ミルキーさん、泣くのはやめてください!」
ミルキー 「ウエエエエエエ~~~~~ン!!ウエエエエエエ~~~~~ン!!
ぜいぜいぜい!
ウエエエエエエ~~~~~ン!!ウエエエエエエ~~~~~ン!!」
アリス「……………………。」
ウエイトレス「あの、お客様、静かにしていただけないのでしたら…………、」
しかたなくアリスはミルキーにマンガ本を渡しました。
するとミルキーはピタッと泣き止み、マンガ本を読み始めました。
もはや周囲のことを気にしてません。夢中になってマンガ本を読み始めました。
ミルキーが泣き止んだのを見てお店の人は帰って行きました。
アリス「ふう…………。」
しかたなくアリスはミルキーが寝るまでつきそうことにしました。
アリス 「……………………。 (;-_-) 」
ミルキーはマンガの世界にぼっとうしており、ぜんぜん寝る気配がありません。その内、アリスには睡魔が襲ってきました。アリスは日中はずっとミルキーの事を心配していたので疲れが溜まっていたのです。
コクッ!コクッ!
アリスは眠りに落ちそうになりました。
アリス「は?!がんばって起きていないと!」
しかし……、
コクッ!コクッ!
アリス「……………………。」
アリスが目を開けますと、見た事もない場所にいました。
そこは何かの建物の通路のようです。
ここで特別編 『アリスの大豪邸』 第2部 ACT.83
アリス「ここは?」
そこにはいくつかのオレンジがかった明るいランプが灯っていました。”長い通路”で、その所々に照明のランプがついています。そこに灯った光に照らし出された通路は独特のムードがありました。ここはどこかの建物の中のようです。
アリス「は?ミルキーさんは?」
アリスはミルキーのことを思い出しました。でもそこにいるのは自分一人で、ミルキーの姿は見えません。
アリス「
ミルキーさん!
」
アリスは大声でミルキーを呼びました。しかし返事はありませんでした。
アリス「
ミルキーさん!
」
すると通路の奥からライトの光が揺れながら近づいてくるのが見えました。
おまけに「ヒタヒタ」という音が聞こえたような気がしました。
アリスはビクッとなりました。
しかしそれは”ウサギさん”でした。ウサギさんは息を切らしながらアリスの元まで走って来て……、
ウサギ「大変です!ミルキーさんの姿がどこにも見えません!」
アリス「そんな!」
ウサギさんもミルキーの姿を探していたようです。
アリス「もっと探して見ましょう!」
ウサギ「わかりました。」
こうしてウサギさんといっしょに捜し始めました。
長い通路が奥の方まで見えます。照明のライトが通路にあるものの、少しうす暗いです。
時刻は”深夜”のようでした。辺りは音もなくひっそりとしていましたし、磨りガラスの窓から見える外は真っ暗で”夜”のようでした。
通路にはいくつかのドアがありました。
ガタッ!
その内の一つから”物音”がしました。それはドアの向こうから聞こえました。
アリスは驚きましたが、勇気を出して扉を開けました。
ギーーーーーー!!
不気味な音がしました。
ドアの向こうは”部屋”で中に人が立っていました。その人物は向こう向きで、こちらに背中を向けていました。
少女のようです。暗い部屋の中で、ライト片手に突っ立っていました。
なんだかその少女はあまり生気がないようにも見えました。
アリス「誰?」
その少女が振り返ると……………、”由美”でした。
アリス「はあ、由美さん、驚きました。
こんなところでいったい何を?」
由美「ミルキーちゃんの姿が見えなくなったので探していたの。」
やはり、ミルキーがいなくなったようです。
アリスが由美をつれて通路に戻りますと、通路奥から誰かが近づいて来るのが見えました。
ズンズンズン!
誰かが肩を怒らせながら、大股、いえ、”ガニマタ”で歩いて来ます。
それは……………、
”ニセアリス”でした。
ここで特別編 『アリスの大豪邸』 第2部 ACT.84
アリスの所へ近づいて来たニセアリスはなぜかすごく冷めたような表情をしていました。
アリス「ニセアリスさん、ミルキーさんを知りませんか?」
ニセアリス「あんなヤツのことなんてどうでもいいんだよ!いなくなろうが知ったこっちゃない!」
アリス「まあ、そんな言い方って!ミルキーさんはここからいなくなったのですか?」
ニセアリス「だいたいあの”役立たず”がいなくなったのはアンタのせいだ!
”マンガを読ませてもらえない”とか言いながらここから出て行った!」
アリス「え?」
ウサギ「”外”へ出て行ったのですか?建物から外へ?
外は今”大雨”と”強風”と”洪水”です!」
言われてアリスは背筋が寒くなりました。
慌てて窓に駆け寄り、窓ガラスを開こうとしましたが、力を入れても開くことができません。窓ガラスはビクともしないのです。外はやはり”大雨”のようです。真っ暗で何も見えませんが。
ウサギ「無理に開けない方がいいですよ!大量の雨と風が吹き込んで来ます!」
アリス「でもミルキーさんが!」
ウサギ「外は今かなりの大雨です!窓も開けられません!」
アリス「外に出て行ったのは確かなのですか?」
ニセアリス「ああ、アタシが見た。ヤツは泣きながら出て行った。」
アリスはすぐにこの建物の”玄関”に向かいました。
ウサギさんがすぐ後を追いかけて来て、
ウサギ「玄関や窓のあらゆる出入り口が開きません!外は強風なのです!風圧がかかっていて開きません。」
アリス「でもミルキーさんを探しに行かなくては!」
ここで特別編 『アリスの大豪邸』 第2部 ACT.85
アリスは玄関にたどり着いてドアを開けようとしましたが開きませんでした。
まったくドアは動かないのです。
その内ニセアリスがゆっくりとした足取りでやって来て、
ニセアリス「アンタが自分で追い出したんじゃないか?!!」
と言いました。
アリス「ああ、そんな………、
こんな事になるならミルキーさんにマンガを読ましてあげるんだった………。」
アリスはそう思いました。分厚いドアを通して、外の大雨がドアに当たっている音がかすかに聞こえた気がしました。
ここで特別編 『アリスの大豪邸』 第2部 ACT.86
本日もあわただしい朝のインターネットカフェのようです。まったくもってナイトパックの切れる前というのはいそがしいです。
ですがウサギさんは時間を1時間半取っていましたので、昨日に比べると比較的ゆっくりできそうでした。
モグモグは今日は元気でした。ぐっすりと眠れたようです。そのおかげで普段通りのモグモグになっていました。
由美も元気そうです。さすがに2日目ともなるとインターネットカフェにも慣れて来たようです。由美もよく眠れたようでした。
逆にアリスは昨日は途中までミルキーに付き合っていたので睡眠不足でした。今日もアリスはつらそうです。でもがんばってアリスは起きました。そしてできたてのモーニングを口にしました。焼きたてのトーストやポテトは実においしです。
それにくわえてスープもドリンクバーから取って来ていました。これが温かくてとても口当たりの良いものでした。それが喉を通る時、みんなは満足しました。
その後、ウサギさんは洗面所に行って、毛並みをクシで整えました。
ウサギ「さあ、みなさん、用意はできましたか?では出ましょう!」
こうして本日も「ナイトパック」が切れる直前の午前8時の少し前にインターネットカフェを出ました。
今日は天気が良くて温かでした。ポカポカした陽気です。今は冬場なのでこの温かさは身に染みます。
アリス「早くカギが見つかるといいですね。冬の寒さはこたえますから」
ウサギ「そうですね。本日は建物のどこかが開いていないか調べて見ましょう!どこか窓のカギが閉め忘れていて、そこから入れるかもしれません。」
こうして長い道のりを行きました。その間、ミルキーはぐっすりと寝ていました。アリスはミルキーを背負っていました。
アリスは昨日見た夢の舞台は「あのお屋敷の中」ではないかと思いました。
夢を思い出してみますと、あの中は居心地が良い感じでした。アリスは実際のあのお屋敷の中もあんな感じだったら良いのにと思いました。
建物に着きました。門を入って玄関に行きますと………、そこに誰かいるではありませんか?
アリス「……………………。」
アリス「……………………。」
アリス「?」
アリスは目を覚ましました。
アリス「は?」
どうやら知らぬ間に眠り込んでいたようです。そこは…………、
インターネットカフェのブースの中でした。ここは夜でも照明の光が点いているので大変明るいです。そして目の前にはなんとミルキーが横たわっていました。
アリス「は?ミルキーさん!!」
ミルキーはうつぶせになっていました。開けたままのマンガ本を枕代わりにしていました。
アリスはおもわずミルキーの身体をつかみました。
でもミルキーは寝ているようで、反応がまったくありません。
アリス「ミルキーさん!!」
アリスはミルキーの身体を持ち上げて揺らしました。
でもミルキーはぐったりしていました。
アリス「ミルキーさん!」
その時、目覚ましの小さな音が鳴り、ムクリとウサギさんが上半身を起こしました。
そして立ち上がりました。
ウサギ「さあ、”無料のモーニング”を食べましょう!」
そう言ってウサギさんはパソコンの所に行って何かの操作をして、
ウサギ「今、5人分のモーニングを注文しました!」
と言いました。
ウサギ「ただいま午前6時半です。
あと1時間半以内にここを出なくてはなりません。」
ここで特別編 『アリスの大豪邸』 第2部 ACT.87
その人物は腰に手を当て”仁王立ち”をしていました。
それは…………”ニセアリス”でした。
アリス「ニセアリスさん!」
ニセアリスがここに来ていました。ついにここがかぎつけられたようです。
アリスはあわててニセアリスにかけよりました。
ニセアリスの表情は珍しく”ポーカーフェイス”でした。
ニセアリス「……………………。」
アリス「ニセアリスさん!
あのう、言おうと思っていたことがあるんですが…、」
アリスはなんとかニセアリスに状況を説明しようとしましたが、
ニセアリス「ここは………、
アタシの”家”だあああああああああああああああ!!!!
」
ニセアリスはすごい大声を出してそう言いました。
目がマジでした(笑)。
アリス「ニセアリスさん、アナタはこのお家を買えなかったではありませんか?」
ニセアリス「
ここはアタシの家だあああああああああああああああ!!!!
アタシが買ったああああああああああああああああ!!
オマエたちは出て行けええええ!!!
」
ウサギさんはため息をつきました。
ウサギ「ああ、やっぱり…、」
ウサギさんは思わずそうもらしてしまいました。
ニセアリス「”そこ”!!何か言ったか?」
ウサギ「いいえ。」
アリス「ニセアリスさん、けっきょくウサギさんが買われても同じではありませんか?」
するとニセアリスはウサギさんをにらみつけました。
アリス「今でも私たちは”ウサギさんのお家”に住まわせてもらっています。
それと変わりないのではありませんか?」
ニセアリス「いいや!
”これ”はアタシが買ったものだ。だから”アタシの物”だ!
誰にも触らせない!」
ウサギさんは一際大きなため息をつきました。
ウサギ「はあああああああ~~~~~~~~。」
ニセアリス「そこ!何だそれは?」
ウサギ「いっ、いいえ、別に!」
ニセアリス「とにかくここはアタシのモンだ!
お前たちは出て行け!」
アリス「……………………。」
しかし、アリスはニセアリスを無視する形で、
アリス「ではみなさん、今日も”草刈り”を始めましょうか?」
と言いました。
それで少しの間ニセアリスは沈黙しました。
ニセアリス「……………………。」
モグモグがアリスに答える形で
モグモグ 「ピィーー!ピィーー!」
と言いました。モグモグは草刈りを始める気です。
由美も背負ってきたリュックを地面に起きました。
どうやら草刈りをするようです。
ウサギさんは物置に掃除用具を取りに行きました。
その様子を見て、ニセアリスはこぶしを握りしめました。
アリス「さあ、みなさん、お掃除を始めましょうか?!」
ここで特別編 『アリスの大豪邸』 第2部 ACT.88
アリスはさっさと掃除を始めました。
ニセアリス「……………………。」
残されたニセアリスはみんなの姿を目で追いました。
アリス「さあ、モグモグ、今日も頼みましたよ。」
モグモグ 「ピィーーーーーーー!」
モグモグは元気でした。
由美も草刈りを始めました。由美はマジメで、もくもくと地味な作業をこなしていきます。
アリスは今日もミルキーを背負ったまま作業を始めました。
アリス「……………………。」
そしてウサギさんも草むしりです。
今日はニセアリスが登場しなければ、屋敷に出入り口がないか調査する予定でした。
ニセアリス「……………………。」
ニセアリスはしゃがんで何か造り始めました。
そして、
トンカントンカン!トンカントンカン!トンカントンカン!トンカントンカン!
出来上がって見ますと、それは”立て札”でした。
***************************************************************************
ここはニセアリスの”私有地”だ!
関係のない者は立ち入るべからず。
***************************************************************************
アリス「……………………。」
ここで特別編 『アリスの大豪邸』 第2部 ACT.89
しかしアリスはその立て札を無視しました。
他のみんなも同じく無視しました。
するとニセアリスは立て札をトンカチの枝でバンバンとたたき、
ニセアリス「この立て札が見えんのか?」
と、言いました。
それでもアリスたちは無視し続けました。
ウサギさんはワザと大げさに草むしりをしました。鼻歌を歌いながら。
ウサギ「フッフフ~~~~ン♪」
ニセアリス「キーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
ニセアリスはかんしゃくを起こしました。
ウサギさんは草刈りをしながら「後ろ向き」に進みました。
やがてウサギさんのお尻はニセアリスの立て札に当たり、立て札は倒れました。
ウサギさんはワザとらしく、
ウサギ「あーーーーー、なんだろう?こんな所に立て札が?
意外だなあ。こんな所に立て札なんてなかったのに。
あーーーーあ!壊してしまった!」
ニセアリス「くくくく!!」
ウサギさんはその立て札を手に取ろうとしました。その時、ワザと転びました。
立て札はウサギさんの背中の下じきになって壊れました。
バキバキバキ!
ニセアリス「くーーーーーーーーーーー!!!」
ウサギ「ああ、しまった。転んでしまった。
ああ!立て札が壊れてしまった!!これはもう使えないな。
しかたない。”ゴミ”として処理しよう。よっこらせっ!」
ウサギさんは立て札の残骸を持ち上げ、草刈りで刈り取った草が山積みにされている場所にそれを持って行きました。
ニセアリス「……………………。」
すると今度はニセアリスはこの敷地内に生えていた雑草の木を切り始めました。
何本も切っていきます。
アリス「まあ、ニセアリスさん、手伝っていただけるんですね?!」
ニセアリスはその切った木を組み合わせて”バリケード”を造りました。
お屋敷の玄関の周囲にはりめぐらすようにバリケードが作られました。
アリス「まあ、ニセアリスさん、これは何ですか?!」
比較的細い木でバリケードは作られていました。
ニセアリス「いいか!この屋敷はアタシのモンだ!
ここから入るな!」
するとコンバインのごとくハイスピードで草刈りをしていたモグモグがそのバリケードにワザと突っ込みました。バリケードはたちまち壊されました。
バキバキバキッ!
ニセアリス「くくくく!!!」
モグモグ 「ピィーー!ピィーーーーーーー!」
ニセアリス「
食っちゃる!この”食料”めが!
待てえええええええ!!!
」
モグモグは音速を超える速さ(?)で逃げました。ここは広いお庭がありましたのでモグモグはすごいスピードで逃げて行きます。ニセアリスはモグモグに追いつけません。
ニセアリス「はあはあ……、」
その間にバリケードの残骸はアリスたちによって全て撤去されました。そしてその木は一箇所に集められました。綺麗になった玄関前の様子に気付き、ニセアリスが戻って来ました。
ニセアリス「おい!」
ニセアリスはアリスたちに向かって声をかけましたが、アリスたちは無視しました。
ニセアリス「……………………。」
アリスたちはもくもくと草刈りをし続けました。
すると今度はニセアリスは貼り紙を作りました。
そこには……、
***************************************************************************
ここはニセアリスの”所有物”だ!
関係のない者は立ち入るべからず。
***************************************************************************
と書かれていました。
ニセアリスはテープでそれをお屋敷の玄関にはりました。
するとモグモグがその貼り紙にアタック!
貼り紙は一瞬ではがされました。
そしてはがれ落ちた貼り紙はモグモグの足元でその足にからみつきました。
モグモグはその貼り紙をくちばしでビリビリにやぶりました。
ビリビリビリビリ!!
ニセアリス「キ~~~~~~~~~~~~~~~~!!!」
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