BLUE ODYSSEY

BLUE ODYSSEY

『アリスの大豪邸』第2部 ACT.100


実に気持ちの良い場所でした。
もうすぐ夜になる時間帯ですが、街灯の光も明るく、とてもすごしやすい雰囲気でした。
アリスたちはお弁当を広げました。激安スーパーでおそうざいをたくさん買い込んだので食卓にはいろんな品が並びました。

アリス「豪華になりましたね。では、みなさん、いただきま……、」

アリスが「いただきます」を言いかけたその時、







ニセアリス「 ガツ!ガツ!ガツ!






すでにニセアリスはガツガツやり始めました。

由美「……………………。」

ウサギ「……………………。」

アリス「あの、ニセアリスさん、」







ニセアリス「 ガツ!ガツ!ガツ!ガツ!ガツ!ガツ!ガツ!ガツ!ガツ!







ニセアリスはパック寿司を一人占めしてガツガツやっていました。

アリスはそれを無視しました。

アリス「では、みなさん、いただきましょうか?」

こうしてウサギさん、由美、モグモグは食べ始めました。
アリスはミルキーを起こそうとしましたが……、
ミルキーは起きませんでした。

アリス「ミルキーさん!ミルキーさん!
起きてください!お食事の時間ですよ」

ミルキーの身体を揺すってもミルキーは起きませんでした。
アリスはまた心配になりました。

アリス「……………………。」

ミルキーは寝ているだけで今日一日何も食べていないようです。
アリスはミルキーの事が心配で食事も喉を通りませんでした。
そんなアリスの前に置かれたおかずにニセアリスは手を伸ばし……………、








ニセアリス「 ガツ!ガツ!ガツ!ガツ!ガツ!ガツ!ガツ!ガツ!ガツ!




ここで特別編 『アリスの大豪邸』 第2部 ACT.101


アリスはウサギさんに言いました。

アリス「やはり病院につれて行った方がいいのではないでしょうか?」

するとニセアリスが横から、

ニセアリス「”おもちゃ”は病院じゃなくて[修理工場]の方だろ?
でももうそのおもちゃには飽きた。別のを買おう!」

ウサギさんはそれを無視して、

ウサギ「昨日ミルキーさんはインターネットカフェに入ったとたんに元気を取り戻しました。
一度インターネットカフェに連れて行ってからにしてはどうですか?」

アリス「……………………。」

ニセアリス「こんな”おもちゃ”なんかどうでもいいんだよ。リサイクルショップに行ってみよう!きっと100ゴールドでくさるほど同じのが売っている!」

アリス 「……………………。 (;-_-) 」

アリスは怒りました。
でも、ウサギさんのすすめで、一応ミルキーのことはインターネットカフェに行ってからにすることにしました。






今日もインターネットカフェに着きました。
アリスはミルキーを抱きかかえながら自動ドアをくぐりました。

アリス「……………………。」

ですがミルキーは起きません。

アリス「は?ミルキーさん?」

アリスはミルキーの身体を揺すりました。
けれどミルキーは起きません。

アリス「ミルキーさん!ミルキーさん!」





ユサユサユサ!





でも反応がありません。

アリス「ミルキーさん!!」

アリスはあせりました。

その時、お店のBGMが流れ始めました。
いつも店内にはBGMが流れているのですが、アリスが入った時、ちょうど間奏のようで無音でした。それが流れて来たのです。





チャラチャラリン~~~~~♪





すると、なんとミルキーが目を覚ましました。

ミルキー「は?!」

ミルキーはランランと目を輝かせました。

ミルキー「は!







は!








インターネットカフェだあ~~~!








そう言ってミルキーはマンガの棚を目がけて走り出そうとしました。





ここで特別編 『アリスの大豪邸』 第2部 ACT.102


ニセアリスがすかさずミルキーの襟首を持って引き上げました。
ミルキーの足は床から離れ、空中に浮きました。
ミルキーはそれに気付かず、足をバタバタさせました。
ミルキー自身はマンガ目がけて走っているつもりです。





バタバタバタ!!






ミルキー「はぁはぁはぁはぁ……………………。」

ニセアリス「まだカウンターに言ってないだろ?」

アリスはミルキーにかけよって抱きしめました。

アリス「ミルキーさん、良かった!心配しましたよ!」

ミルキーはアリスの心配がわかっていないようです。

ミルキー「?」

ウサギ「やれやれ……、
でもホッとしました。」

ウサギさんはさっそくカウンターで今夜のブースを決めました。
今夜も運良く大きなブースが空いていたようです。

一方ミルキーは早くマンガの所へ行きたくてたまらないようです。
またかけだそうとしました。
アリスの腕の中でバタバタしました。それはまるで猫が腕の中で暴れるのに似ていました。

アリス「ミルキーさん!落ちついてください!」




ミルキーはアリスの腕を抜けて床に落ち、その後マンガの棚目がけて走り始めました。
ニセアリスがまたもやその襟首を持ってつまみ上げました。
ミルキーはまったく気付いていません。
空中で足をバタバタさせました。

アリス「……………………。 (;-_-) 」

そして疲れてしまいました。

ミルキー「はぁはぁはぁ……、
あれ?どうして行けないんだろ?」

とにかくアリスはそんなミルキーをまた抱きしめてブースまで行きました。





ここで特別編 『アリスの大豪邸』 第2部 ACT.103


とにかく「まったく正常に元気なミルキー」をつれてアリスたちはブースに行きました。
そしてみんなでブースに腰を降ろしました。
ここに着くとやはりみんなはホッとするようです。





落ちついたので、さっそくニセアリスがいつものようにミルキーにちょっかいを出し始めました。

ニセアリス「”マンガ、マンガ”って、
何の役にもたたんヤツがマンガを読むだって?
はっ!!ぜいたくなもんだな!」

その言葉を聞いて、とたんにミルキーの「楽しい気持ち」が半減しました。

ミルキー「……………………。」

ニセアリス「はあ~~~~、まったく!
マンガなんて読ませてるから、いつまでたっても大人になれないヤツが出て来るんだよ。」

アリス「ニセアリスさん!!」

ニセアリス「最近”子供のまま”の大人が増えた。マンガばかり読んで暮らしているとそうなるんだ!」

ウサギさんは白い目でニセアリスを見ました。
そして「コホン!」とワザと大きな咳払いをしました。

ニセアリス「”食っちゃ寝、食っちゃ寝”の生活を続け、起きたらマンガばかり読むからそうなんるんだよ!」

アリス「あのーーー、ニセアリスさん、いったい何のお話をしているんですか?」

そうです。
”食っちゃ寝、食っちゃ寝”の生活は実はニセアリスがしていることです。
なぜ自分の事をこんなにも見事に棚に上げれるのでしょうか?

ウサギ「はあ~~~。まったく!
”鏡のない世界に住んでおられる方”もいらっしゃる(ボソッ!)」

ニセアリス「そこ!何か言ったか?」

ウサギ「いいえ………。」






ニセアリスはその後、この大人数用ブースにひとつしか置かれていないパソコンの前に座って占領しました。そしてなにやらインドアネットに接続して一人だけで楽しみ始めました。

ウサギさん、アリス、由美、モグモグといった”マジメなメンバー”は今日一日の労働の疲れが溜まっていました。インターネットカフェのレザーのようなカーペットを見ると眠くてたまらなくなりました。

でもウサギさんは眠る前にインドアネットを使ってタッキーにメールをしておきたかったのですが、ニセアリスにパソコンを占領されていてできません。
それでウサギさんは眠そうな目で、

ウサギ「やれやれ、ネットサーフィンが唯一の仕事って方もいらっしゃる。
あれは一日中やってもまったく疲れませんから(ボソッ!)」

と、言いました。

ニセアリス「……………………。そこ!何か言ったか?」

ウサギ「いいえ………。」





ここで特別編 『アリスの大豪邸』 第2部 ACT.104


アリスはとても眠くなって来ました。
それで自分が眠る前にミルキーを寝かしつけておこうと思いました。

アリス「ミルキーさん、そろそろ眠りましょうか?」

しかしミルキーはいままで眠っていたのでランランと目が覚めていました。

ミルキー「アリスタン…、ミルキータン眠くならないよ。」

アリス「でも眠らないと明日働けませんよ。
ミルキーさんにも草刈りを手伝ってもらわないと…、」

それをパソコンをしながら聞いていたニセアリス、
パソコンの画面を見つめながら振り向きもせずにこう言いました。

ニセアリス「そうだ!
今日はみんな草刈りをしていたのに、一人だけ何もせずにグウスカ寝ていたヤツがいるんだ!
他のみんなに仕事させといて自分だけ寝ていたヤツが!まったくいい気なモンだ!」

ウサギさんはまたニセアリスを白い目で見ました。

ウサギ「……………………。
確かにみなさん働いておられたようですが…、もう”子供ではない方”で”見物”が主な仕事だった方も一名おられます。(ぼそっ!)」

ニセアリス「そこ!何か言ったか?」

ウサギ「いいえ!!」





アリス「とにかくミルキーさんは寝てください。」

アリスはすでに横になっていました。もう眠くてたまりません。

ミルキー「うん、わかった。」

ミルキーはアリスの言う事をすなおに聞きました。
ウサギさんは無料の毛布を借りてきてみんなに配りました。

ウサギ「ここは暖房が入っていますから寒くなる事はありませんが、毛布をかけて眠ると温かですよ。」

アリスはウサギさんにお礼を言いました。そしてミルキーの分の毛布も受け取ってミルキーの身体にかけました。

ニセアリスはまだパソコンの前に座っていました。そのまま背中に毛布をかけました。
ウサギさん、由美、モグモグも毛布をかけて眠るたいせいに入りました。
アリスもミルキーの横で寝ています。
それでミルキーも横になって目を閉じました。
しかし…………、

ミルキー「……………………。」

ミルキーはしばらくすると起き上がりました。
それに眠りかけのアリスが気付きました。

アリス「ミルキーさん、寝てくださいな。」

ミルキー「目がギラギラする。」

アリス「ミルキーさん!」

ミルキーはそう言われて眠ろうと再び横になりました。
しかし…………、あれだけ寝ていたのですから眠れるハズはありません。

ミルキー「眠れないよお!!」

アリス「……………………。」

ミルキー「ねえねえアリスタン、一冊だけマンガ読んでもいいでしょ?
そうすれば眠れると思うの。」

アリス「……………………。」

確かにさっきまでぐっすり寝ていたミルキーがこのまま眠れるとはアリスも思いません。

アリス「…………しかたないですねえ。一冊だけですよ。」

するとミルキーはとても喜びました。そしてマンガを取りに行くことになりました。





ここで特別編 『アリスの大豪邸』 第2部 ACT.105


アリスは重い身体を起こしました。

アリス「ふう。」

疲れが溜まっています。一方ミルキーはすぐにブースを飛び出しました。

アリス「ミルキーさん!!」

アリスはあわててミルキーを追いかけました。
ミルキー一人で行かせることはやはり心配です。

アリス「ミルキーさん、待ってください!」

ミルキーはマンガコーナーに走って行きました。
アリスがたくさんあるマンガコーナーを探し回ってやっとミルキーの姿を見つけた時、ミルキーはまるで瞬間移動するように動いて、どのマンガを読もうかといろいろな棚のマンガを見ていました。そして、何冊かのマンガを取りました。

アリス「ミルキーさん、1冊だけのお約束でしたね?」

しかたなくミルキーは1番読みたい1冊だけ取りました。

ミルキー「でもアリスタン、これの2巻も取って置きたいの。」

アリス「ミルキーさん!」

ミルキー「明日朝に読もうと思うの。でも誰か他の人に取られたら読めないから!」

それでしかたなく”2巻”も取らせました。しかしミルキーはついでに3巻4巻も取りました。

アリス「……………あの、ミルキーさん!」

ミルキー「3巻4巻は読まないけど、そばに置いておきたいの!」

アリスはため息が出ました。

ミルキー「読まないけどせめてそばに置いておきたいの!」

アリス「では”3巻4巻は読まないという”お約束ができますか?」

ミルキーは頭をコクコクとさせてひっしでうなずきました。

ですがアリスは「そんな約束は守れないのでは?」と思っていました。でもしかたがないので3巻4巻も持たせました。アリスが眠り込んでしまってミルキー1人でマンガを取りに来るよりはマシだと思ったからです。
こうして4冊のマンガを持ってブースに帰りました。




さっそくミルキーは寝そべってマンガを広げました。
そしてマンガを読み始めました。またしても楽しそうに足を揺らしました。

ミルキー「ルンルンルン~~♪」

アリス「ミルキーさん、1巻を読み終わったら寝てくださいね。」

そう言ってアリスはミルキーの背中に毛布をかけ、自分も横になりました。

ミルキー「はいはい。」

ミルキーはアリスの方も見ずにそう言いました。すでに”マンガの中の世界”に入りこんでいます。その返事にはいいかげんさがみられました。
これでミルキーはしばらく眠れないかもしれません。でも4冊もあるのですから、読み終えるまでにはだいぶ時間がかかります。
アリスはこれでやっと少し眠れると思いました。
毛布をかけているととても温かで良い気持ちになりました。

でも、ミルキーはすぐに起き上がりました。

ミルキー「ジュースとってくるね。」

アリスは慌てて毛布の中から出ました。





ここで特別編 『アリスの大豪邸』 第2部 ACT.106


アリスはミルキーの後を追いかけて『フリードリンク』のコーナーに行きました。
そこでミルキーは気に入ったジュースを選びました。それをアリスが代わりに取ってあげました。
そこへニセアリスもやって来て飲み物を取り始めました。手始めにコーラを取りました。
いくつもまとめて取るようです。グラスも何個も取りました。
アリスはもう眠るつもりだったので取りません。




そしてアリスとミルキーは先にブースに帰りました。
ミルキーはまたブースの中で寝そべりました。ミルキーにとってここはとても居心地の良い所のようです。

ミルキー「ルンルンルン~~♪」

アリスはまたミルキーのそばに寝そべりました。
ちょうどドアが開き、ニセアリスも帰って来ました。
そのドアが閉まるとアリスは安心しました。

アリス「ふう。」

みんなそろっているとやはり安心感があります。
ニセアリスはまたパソコンの前に座っています。頼りにはなりそうにありませんが、一人でも起きていますとずいぶん違います。やはりここは多くの人や動物たちが利用するインターネットカフェなのです。それにドアにはカギがありません。用心は必要です。

そしてアリスは眠くなりました。
アリスはミルキーの背中に腕を置いて眠りました。





アリス「……………………。」





うとうとしたアリス。
次に再び気付きますと………、
目の前の光景はアリスが眠る前となんら変わっていないようでした。ミルキーは一心不乱にマンガを読んでいます。
最初時間があまり経ってないようにも思いました。
ですが、ミルキーはたしか右側にマンガ3冊を積んでいたハズですが、それがなくなっていました。

するとミルキーは今読んでいるマンガを読み終え、

ミルキー「あーーーーあ!4巻まで読んじゃった!」と言って起き上がりました。

そして……、なんとブースを出ようとしたのです。
アリスはあわてて身を起こしました。

アリス「ミルキーさん、どこへ行くのですか?!」

ミルキーはビックリしました。
てっきりアリスが寝ていると思っていたのでしょう。後ろから声をかけられて驚いていました。

ミルキー「ううう、ミルキータン、ちょっと…………、」

アリス「”ちょっと”、なんですか?」

ミルキー「そのう、マンガを返しに行こうと思ったの。」

ミルキーはとっさにそんな事を言いました。

それでアリスは「それは私が返して来ます」と言いました。

するとミルキーは、

ミルキー「5巻も取って来ていい?」

と聞きました。

アリス「ダメです!ミルキーさん、”1冊だけ読んだら眠る”というお約束でしたね?」

ミルキー「5巻読んだら眠るから!どうしてもつづきが気になるの!」

アリス「ミルキーさん!」

アリスはブースの中にある時計を見ました。
もう午前2時を回っていました。

アリス「ミルキーさん!そろそろ眠らないと!もうマンガは充分読んだでしょう!」

ミルキー「イヤンイヤンイヤン!
どうしても5巻が気になるの!4巻の終わりで主人公が海に飛び込んじゃうんだよ!
そのつづきがみたいの!」

アリス「それはまた次の機会にしましょう!」

するとミルキーは





ミルキー 「うっ、






うっ、







ウエエエエエエ~~~~~ン!!ウエエエエエエ~~~~~ン!!」







と言って泣き出しました。
眠っているウサギさんの耳がピョンと起き上がりました。





ここで特別編 『アリスの大豪邸』 第2部 ACT.107


”ウサギさんの耳”がまるで潜望鏡のように旋回してミルキーの方向を向きました。

ウサギさんの耳「ジーーーーーーー!」





ミルキー 「 ウエエエエエエ~~~~~ン!!ウエエエエエエ~~~~~ン!!





ウサギさんの耳「ビクン!ビクン!ビクン!!」

”ウサギさんの耳”がミルキーの大きな声にビビリました。







ミルキー 「 ウエエエエエエ~~~~~ン!!ウエエエエエエ~~~~~ン!!








アリス「ミッ、ミルキーさん!!静かにしてください!!」

アリスたちがいるブースにお店の従業員の女の子が飛んで来ました。

ウエイトレス「あのお客様………、
すみませんが静かにしていただけませんでしょうか?
別のお客様の迷惑になってしまいます。」

アリス「すみませんでした。」

アリスはすぐに謝りました。店員が来た時だけミルキーは泣き止んだのですが、店員が帰ってしばらくしますと再び泣き始めました。

ミルキー「うっ、







うっ、








ウエエエエエエ~~~~~ン!!ウエエエエエエ~~~~~ン!!」







ミルキーはまた泣き始めました。

アリス「しかたありませんねえ。」

するとそれを聞いたミルキーが目の色を変えました。

アリス「では”5巻”だけですよ!」

ミルキーがピタッと泣き止みました。

ミルキー「わあい!わあい!」

ミルキーはすごく喜びました。

アリス「ふう。」

アリスは苦労が絶えません。





ここで特別編 『アリスの大豪邸』 第2部 ACT.108


アリスはミルキーの手を取っていっしょにマンガコーナーに行きました。

ミルキー「ルンルンルン~~♪」

アリス「……………………。」

そしてミルキーは5巻を捜し始めました。
けれど……、

ミルキー「あれ?5巻がないよ!」

アリス「え?」

ミルキー「5巻がないよお!」

アリス「それはなんというマンガですか?」

ミルキー「『イニシャルデンデンの恋物語』だよ」

アリスは棚を見てみました。

アリス「ホントだわ。
ミルキーさん、”5巻”がないようです。”6巻”はありますが。
では諦めて寝ましょう。」

ミルキー「そんな!ミルキータンどうしても『イニシャルデンデンの恋物語』の5巻が読みたいんだよ!」

アリス「でも5巻はありませんよ。ミルキーさん。」






ミルキー 「ウエエエエエエ~~~~~ン!!ウエエエエエエ~~~~~ン!!」







アリス「ミルキーさん、泣かないでください。お店の人に聞いてみましょう。」

それでアリスはミルキーを連れてカウンターに行きました。
そして『イニシャルデンデンの恋物語』の5巻のことを聞きました。

ウエイトレス「そのマンガは”返却コーナー”にまだ来ておりませんので、今誰か借りられているようですね。」

ミルキー「しょぼん……。」

アリス「でもミルキーさん、”6巻”があります。これを先に読んではどうですか?」

ミルキー「イヤンイヤンイヤン!
このマンガは6巻で終わりなんだよ。
先に読んじゃったらお話つまんなくなるよ!!」

アリス「………………困りましたねえ。
しかたないです。ミルキーさん、代わりのマンガを借りてはどうですか?」

ミルキー「そんなあ………、」

それでもミルキーは別のマンガを取りに行きました。






『お山のタヌキマン』






ミルキー「でもこれぜんぜんおもしろくないんだもの。」

アリスはそんなミルキーをつれてブースに戻りました。

ミルキー「はあ~~~~。」

ミルキーはため息をつきながらブースのカーペットに座りました。

ミルキー「つまんないな。」

ミルキーがふと気づきますと……………、ニセアリスがマンガを読んでいました。
それは『イニシャルデンデンの恋物語』の”5巻”でした。






ミルキー「はああああ!!!」





ここで特別編 『アリスの大豪邸』 第2部 ACT.109


アリス「ミルキーさん、大きな声を出さないでください。」

ミルキー「アリスタン、あれ!あれ!」

ミルキーが指さした方向を見てみますと、ニセアリスが寝そべってマンガを読んでいました。
そのマンガをよく見てみますと……、

アリス「は?」

アリスはニセアリスに声をかけました。

アリス「ニセアリスさん、それは『イニシャルデンデンの恋物語』の”5巻”ではありませんか?」

ニセアリス「ん~~~、そうかもしれん。」

アリス「それはミルキーさんが4巻まで読んでいたマンガです。」

ニセアリス「あっ、そう!」

アリス「それをミルキーさんに貸してあげていただけませんか?」

ニセアリス「イヤだ!」

アリス「どうしてですか?
それになぜニセアリスさんはそのマンガの”5巻”だけ読んでいるのですか?」

ニセアリス「ん?アタシが”5巻”を読んじゃいけないとでも?」

アリス「いえ、どうして”5巻だけ”読んでいるのか聞きたかったのです。」

ニセアリス「アタシが ”5巻だけ” を読んじゃいけないとでも?」

アリス「まさかミルキーさんにイヤガラセをするためにワザと”5巻だけ”読んでいるのではありませんか?」

ニセアリス「これはアタシが純粋にマンガを読みたくなったから読んでいるだけだ。」

アリス「では1巻から4巻までどんなお話だったか話してもらえますか?」

ニセアリス「ああ、いいぞ。

主人公は”これまでスペースシャトルに乗るためだけ”に生活してきた。
そして家庭を犠牲にしてまでスペースシャトルに乗ったんだ。
だがスペースシャトルは危険な乗り物だ。
帰還間近かになって異常事態が発生。主人公は墜落直前のスペースシャトルから命からがら脱出した。」





ミルキー「ぜんぜん違うよおお!!
そんなお話じゃないよおおお!!!」






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