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その翌日、ところで…………、あの鬼達のブログはどうなったのでしょうか?ウサギさんはすごく気になっていたので”インテックス大阪城”の作戦指令室に向かいました。そこに行くと、全てのインターネットの情報が閲覧できます。ウサギさんが作戦指令室に入りますと、そこにいた情報部の人達がざわめいていました。ウサギさんが何事かと思って、情報部の人達が表示しているモニター画面を見てみますと………、鬼達のブログが…、まだありました。そこにはウサギさんが新たに作った物と、もともと鬼達が作っていた『ぶらっでぃー通信』の両方が存在していました。ウサギ 「おっ、鬼達のブログがまだある!しかも……、更新され続けている!」情報部にも所属する沙希さんがそこに居合わせました。そしてウサギさんに言いました。沙希 「ええ、私達情報部でもその事はつかんでしました。鬼達はまだ生きているようです。不死身ですから!」ウサギ 「そっ、そんな?!あの爆発でも倒れなかったなんて!」沙希 「でも心配いりません。私達が調査した所によりますと……、鬼達は完全に……、”真人間”になってしまったようです。ですから心配いりません。都の平和は保たれます。」ウサギ 「ふぅ。」それを聞いて、ウサギさんは胸をなでおろしました。鬼達はあの鬼ガ島の残骸で、今も真人間として暮らしているようです。THE END*******************************************************これをもちまして『桃ニセアリス』は終了いたします。長い間、ご愛読ありがとうございました。以後は本編『不思議の国のアリスとニセアリス』に戻ります。機会があればまた『桃ニセアリス』も書くかもしれません。では。
2007.08.09
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その後………、夕暮れ時、”インテックス大阪城”では大々的な宴会の席が設けられました。城で一番広い部屋が会場になりました。そこには100人ぐらいの人間が楽に入れるぐらいの広さがありました。大勢の人が詰めかけていました。桃ニセアリス・アリス・ジョセフ・ミルキー・ウサギさん・ウサ子・モグモグ・女子恒星・左側の石像。それに、沙希さん・ニャア少佐・サー・ジェームス軍曹・船頭さん。さらに海兵隊員・漁業組合の男たち・”インテックス大阪城”勤務の人々がつめかけていました。城の敷地内はたいまつの灯と色鮮やかなちょうちんの光に照らし出されていました。ある一画に、これからふるまわれるであろうお酒が大量に置かれている場所がありました。桃ニセアリスはそこにこっそりと行ってお酒を拝借しようとしました。ヒシッ!しかし、アリスによって見つかり、ニセアリスがビールビンに伸ばした手をはたかれてしまいました。アリス 「駄目です!」その後、宴会場では皆会場の真ん中辺りに集まって立ちました。そして着物を着た女の人達が入って来て、皆にレインコートと水中眼鏡と耳栓が配られました。アリス達には着物姿の沙希さんが配りました。アリス 「?」女子恒星「?」ウサ子「?」ミルキー「?????」ミルキーは聞きました。ミルキー「アリスタン、何これ?」アリス 「さあ?」そして、そこにたくさんのビールビンが会場内に運ばれて来ました。まず大人たちには1本づつ”ビール”が配られました。それ以外の未成年にはコーラやラムネが配られました。会場内には簡易のマイク台が置かれて、そこにお殿様が立ちました。丈二来瑠丹「おほん!今宵は無礼講じゃ!ビールを500本用意したから、思う存分やってくれ!では始め!」アリス 「?」女子恒星「?」ウサ子「?」ミルキー「?????」それらしい説明がありませんでしたので、アリス達は何をするのわかりませんでした。アリス 「やるって?なにをですかね?」女子恒星「さあ?」ウサ子「???????」ミルキー「????????」プシューーーーーーー!プシューーーーーーー!”ビールかけ”が始まりました。プシューーーーーーー!プシューーーーーーー!皆、無礼講です……。アリス 「きゃ~~~~~~~!!!」女子恒星「きゃ~~~~~~~!!!」ウサ子 「きゃ~~~~~~~!!!」ミルキー「きゃ~~~~~~~!!!」船頭さんと漁業組合の男たちはビールを飲み、すでに出来上がってしまっていました。船頭 「ゲップ!」漁業組合の男たち「これからもしっかり働いてくださいよ。船頭さん!」船頭「ええい!”艦長”と呼べ!”艦長”と!」ニャア少佐とサー・ジェームス軍曹はビールかけの間もクールでした。ジョセフもそうでした。左側の石像は紳士的にビールかけを楽しんでいました。意外に彼はジェントルマンなのです。ウサギさんは毛並みにビールがかかるのがイヤなので、ウサ子をつれて会場から逃げ出しました。モグモグも水が羽にかかるのが嫌いなのでアッという間に会場から姿を消しました。アリス・ミルキー・女子恒星は常にビールかけから逃げ回りました。桃ニセアリスはこの混乱に乗じてこっそり隠れてビールを飲んでいました。会場はますます盛り上がりを見せていました。皆楽しそうでした。-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.08.09
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その後、皆で桃ニセアリスをさとし、ほうびのお金も皆で分ける事になりました。テレビ出演の方も皆が出る事になりました。桃ニセアリス「くそう!」桃ニセアリスはくやしそうでした。桃ニセアリス「アタシ1人が苦労して、他の者はついて来ただけと言うのに!」カメラテストではあまりに毒舌暴言を吐く桃ニセアリスはどのテレビ局からもレギュラー出演は断られました。桃ニセアリス「話が違う!」代わりにアリスはその天才的な料理の腕前をかわれて料理番組に料理人としてレギュラーとして出演する事が決まりました。さらにアリスの作るきびだんごは『アリスのきびだんご』という商品名で売り出される事になりました。それは体力回復や疲労回復などにも効果があるようです。ジョセフは機械工学の教育番組に講師としてレギュラー出演する事が決まりました。造船・サルベージ技術など、数々の技術を持っていたからです。実は鬼退治以前からオファーはそうとう来ていたのですが、ジョセフが隠居生活を望んでいたため、これまでは断っていたのです。しかし今回お殿様からの強い勧めもあって、今後はテレビ出演する事になりました。これからはその技術はテレビを通じて国民の元に配信されます。ミルキーと女子恒星とモグモグはそのおしゃべりの独特なセンスを生かされて、バラエティー番組に出演する事が決まりました。準レギュラー的な扱いです。ただしミルキーは密かに将来を期待されていました。もともとネットアイドルであり、居酒屋のアイドルだったウサ子はウサギさんとともにテレビドラマへの出演が決まりました。もちろんラブ・ストーリーのドラマです。主演はウサギさん。インテリ学生の役です。ヒロインはウサ子。アイドル歌手の役です。左側の石像は『世界ファイティングデスマッチ』という格闘番組に出演契約を結びました。そこでは世界各国から猛者が集まり、プロレスやムエタイで闘います。最強の戦士たちが[ヤラセ無し]で闘う人気番組でした。当然左側の石像も選手として出場します。沙希さんはその美貌と美しいプロポーションの為、いろいろなテレビ番組や映画会社からオファーが来ていましたが、[くのいち]という秘匿性のある職業のため、どの番組にも出演しない事になりました。ニャア少佐とサー・ジェームス軍曹にも出演依頼が来ましたが、同じく軍の秘匿性から出演を断りました。ただし、コーラのCMだけにはなぜか軍から出演許可がおりました。ニャア少佐が鬼ガ島をバックに真っ赤な紙コップに入ったコーラを飲み干し、その後、白い歯を見せてニコッ!と笑うものです。このCMのおかげで、その会社のコーラの売り上げは1.7倍にもなりました。船頭さんと漁業組合の男たちは釣り番組に出演!毎回視聴者を愉快なトークで笑わせていました。釣ったものはたいてい”漁業組合の男たちの大和”の厨房で料理されました。航空母艦[エンタープライズ2006]は作戦終了と共に江戸に帰還する事が決まっています。”漁業組合の男たちの大和”は基本的に大阪湾内に停泊し、その防衛に当たりますが、普段は洋上ホテルとして一般開放される事が決まりました。それで維持費をかせぐそうです。その広い甲板にはビヤガーデンが出来、連日超満員でした。桃ニセアリスはテレビの報道特別番組や特番の出演後にはどこからもレギュラー出演の口はなくなります。と、思ったら、一件来ました。『まむしのテレビタックル』という番組でどんなに毒舌を吐いても許されるそうです。そこに出演する事になりました。桃ニセアリス「けっ!それだけかよ!アイドル番組の出演依頼受付中!ただしギャラは超高額だよ!」しかしアイドル番組からは桃ニセアリスに出演依頼は来ませんでした。ただし、アリスには来ました。-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.08.08
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そう言ってミルキーは両手を合わせて、憧れのまなざしになりました。ミルキー「ミルキータン、一度でいいからそういう所に住みたかったんですう。」すると桃ニセアリスが!桃ニセアリス「たわけ!!オコチャマにはまだ高級志向は早すぎる。身分をわきまえよ。」アリス 「高級マンション!いいですねえ。皆でそこに住めば楽しいでしょうね。」アリスも目をキラキラさせました。アリスはこの冒険をした皆といっしょに住む事を夢見ていました。桃ニセアリス「いいや!アタシ1人が住む。第一、兎なんかとは習性が違う。”兎は穴倉”と決まっている。それに鶏!朝早くコケコッコーとわめかれては近所迷惑になる。しかも毎朝、毎朝。」ミルキー 「モグモグはまだヒヨコです。まだコケコッコーと言った事はありません。」桃ニセアリス「いんや!いんや!そのうち言うようになる!ヒヨコでそれだけのずうたいだ!大きくなったらドデカくなる!そうなったら大音響!コケコッコーとひとたび鳴けば超音波兵器になる!」アリス 「……………………。(;-_-)」ミルキー 「鳴かないモン!」モグモグ 「ピピ!」桃ニセアリス「鳴く!アタシにはわかる!」アリス 「まあ、そんな事言わずに皆でいっしょに住みましょう!皆で暮らすと楽しいですよ。」桃ニセアリスはミルキーの襟首をつかんで持ち上げました。そしてブランブランと揺らしました。それからミルキーにさとすようにブツクサ言い始めました。桃ニセアリス「ウサギは本来穴ぐらで生活するものだ。それを無理に邪魔しちゃ悪い!鶏は”ニワトリ小屋”。爆弾岩は、”洞穴の中”。ワラ人形は”公園の大きな木の幹で釘にさされたまま余生を送る。”それは決まってるんだ!人間と同居は出来ない!」ミルキー 「ウエエエエエエ~~~~~ン!!ウエエエエエエ~~~~~ン!!」アリス 「……………………。 (;-_-) 皆でいっしょに住みましょう。それがいいです。」桃ニセアリス「ヤダ。」アリス 「それがいいです。」桃ニセアリス「ヤダ。」アリス 「……………………。 (;-_-) 」桃ニセアリス「ヤダ。ヤダ。ヤダ。」ついにアリスは怒りました。アリスの目が光ります。キラ~~~~~ン!キラ~~~~~ン!キラ~~~~~ン!桃ニセアリス「ひえ~~~~~~~~えええ!!」丈二来瑠丹「その辺りの事は、あなたたちがよ~~~~~く話し合って決められよ。」お殿様はアリスの方に微笑みを向けながらそう言いました。お殿様はうまく話をまとめてくれました。桃ニセアリス「え~~~~~~!!!」丈二来瑠丹「では、ワシはこのへんで!」お殿様は真衛門をつれて、さっそくその部屋から退散しました。ササササ!桃ニセアリス「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくれえ~~~~!!!」その後、アリスが強く言って、そこでみんなでいっしょに住む事になりました。ウサギさんとウサ子もそこに住むようです。お互い手を握り合いました。左側の石像はその敷地の庭に立って暮らすそうです。桃ニセアリス「くそ!」-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.08.07
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桃ニセアリス「よってこの金はひとりじめじゃあ!!」こうして、恥をさらしまくった表彰式は幕を閉じました。真衛門 「……………………。」その後、桃ニセアリスは約束の物の現物をもらうためにお殿様の御前に行きました。[接見の間]にてお殿様に会いました。桃ニセアリスの後ろにはジョセフを始めいつものメンバーついて来ていました。桃ニセアリス「あのーーーーーーー、さっそくですが、鬼を倒したあかつきには[テレビのバラエティー番組へのレギュラー出演権1年分]ももらえるそうで!!」丈二来瑠丹「おお、そうじゃった。そうじゃった。これ!」殿は人を呼びました。すぐに沙希さんがやって来てなにやらお殿様に耳打ちを始めました。丈二来瑠丹「うむ。うむ。わかった。そうか。」お殿様は桃ニセアリスの方に向き直りました。丈二来瑠丹「コホン。えーーーーーでは、桃太郎殿。現在”桃太郎”としての出演依頼が数件来ておるそうじゃ。まずはそれに出演なされては?ただし……、”猿のような人形”、”キジのようなでっかいヒヨコ””犬のマネをするウサギ”をはじめ、鬼退治参加した全員を連れて行く事が条件じゃがな。」ミルキー 「わーーーー、私たちもテレビに出られるんだ!有名になれるよ!」モグモグ 「ピピ!!!」桃ニセアリスはあからさまに不満そうな顔をしました。桃ニセアリス「コイツラはあまり活躍しませんでした。よって………”必要ない”と思います。出演はアタシ1人で充分です。」ミルキー 「えーーーーーー?!!」モグモグ 「ピピーーーーー?!!」丈二来瑠丹「テレビ局の方から”参加した全員で出演”という依頼があったのだ。条件を満たさねば、断られてしまうだけじゃ。」桃ニセアリス「えーーーー!そっ、そんな!」丈二来瑠丹「断れば……、バラエティー番組へのレギュラー出演権1年分も失われる。」桃ニセアリス「(くそう。どうしよう?あんな何もしなかったヤツラを出演させる言われはないし。だが待てよ……。出演直前にアタシ以外のモノに睡眠薬を飲ませれば……………………。)」桃ニセアリス「わかりました!その条件で出演いたします!」丈二来瑠丹「おお、そうか!話がまとまって良かった。」桃ニセアリス「後ですね。[高級マンション一室提供]の件は?」丈二来瑠丹「ああ、そうじゃった。そうじゃった。これ!」また沙希さんがやって来てお殿様に耳打ちしました。それが済むとお殿様は再び桃ニセアリスの方に向き直りました。丈二来瑠丹「うむ、約束だからな。高級マンションの一室がすでに用意されているそうじゃ。まあ、部屋の広さは充分があるから皆で暮らすにはもってこいらしい。」桃ニセアリスはそれを聞いて、クルッと皆の方を向き直り、桃ニセアリス「あーーーーー!そんなワケだ。部屋は”1人用”だってさ。だーーーーかーーーーらーーーーしかたない!アタシが住む。一人で!」と、言いました。ウサギ 「”一人用”?今確かお殿様は”部屋の広さは充分あるから皆で暮らすにはもってこい”とおっしゃられたような?」ミルキー 「そうだよ!そう言われたよ!」桃ニセアリス「アタシは”広い所好き”なんだよ。それに”都会での1人暮らし”に憧れていた。だからアタシ1人が住むのにちょうどいい。」ミルキー「えーーーーーーーーーー!!ミルキータンも住みたいよ!」-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.08.06
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桃ニセアリス「嫌じゃーーーーーー!!」アリス 「皆さんの協力があったからこそ鬼が退治できたのです。」桃ニセアリス「いんや!いんや!アタシはそうは考えんぞ!言ってみれば、アタシが中心となってアタシ1人が鬼退治を成し遂げたようなものじゃ!皆はアタシに感謝するのだ!金は全てアタシの物!」アリス 「……………………。 (;-_-) 」その様子を見に来ていた人々が引き始めました。ザワザワザワ!ザワザワザワ!ザワザワザワ!桃ニセアリス「では、今回の鬼退治における採点をする。」ミルキー「さっ、採点?」桃ニセアリス「そうだ、100点満点の採点とする。点数に応じて、金を分けてやらんでもない。」ミルキー 「ごくっ!点数に応じてお金がいただけるんですか?」桃ニセアリス「そうだ、最高100点とし、0点の場合はもらえない。1点でも多くかせぐ事じゃ!ではまず、”サル人形”から!」ミルキー 「さっ、”サル人形”?!!」桃ニセアリス「そなたは鬼に捕まるという失態を犯した。さらに鬼退治には何の貢献もしなかった。それに、自殺などしておらず、生きているウサギを”アタシのせいで自殺した”ものと言いはった。よってマイナス50点!」ミルキー 「そっ、そんなあ……。」桃ニセアリス「次、アクアラングウサギ!!」ウサギ 「”アクアラングウサギ”?!」桃ニセアリス「敵に捕まるという失態を犯し、我々の作戦を困難に導いた。また、鬼退治という崇高な任務を忘れ、”ウサ子、ウサ子”と叫び、単独行動ばかりをした。そのため、本来の作戦執行に大きな支障をきたした。」ウサギ 「そんな……。」桃ニセアリス「黙れ!チミは鬼退治より、”ただウサ子を救いたいが為に我々を利用した”だけだ!よってマイナス80点」ウサギ 「ガーーーーーん!利用しただなんて、そんな…………。」桃ニセアリス「次に”非常用食料”!!」モグモグ 「ピピッががっが!?(非常用食料?)」桃ニセアリス「鬼退治では実質的に何の役にも立たなかった。最初の計画では鬼退治の前におとりとして爆弾を抱えて突っ込む予定だったが、それをしなかった。」モグモグ 「グワグワ!ピィーー!ピィーー!」桃ニセアリス「ん~~~なに?何言ってるのかよくわからん。」ミルキー 「通訳いたしますと……、ぐっはあ!」ミルキーは桃ニセアリスによって口をふさがれました。桃ニセアリス「それに、いちいち通訳を通さねば言葉が通じなかった不便さ。そして活躍の無さ。よってマイナス30点!」モグモグ 「グワグワ!!!!」バサ!バサ!バサ!バサ!桃ニセアリス「ん~~~何言ってるのかよくわからん。さて、次、爆弾岩!!」女子恒星 「ばっ、”爆弾岩”?!」桃ニセアリス「本来の任務である自爆攻撃をしなかった。偵察用の凧としての役目以外は何も使い道はなかった。よって、マイナス10点。」女子恒星「そっ、そんなあ……。」桃ニセアリス「あーーー、ついでにその他の者もいっしょだ。”大なり小なり少し差があるっていう程度”で活躍の場はほとんど無いに等しかった。」アリス 「……………………。」ジョセフ 「……………………。」左側の石像「……………………。」桃ニセアリス「よってこの金はアタシ1人のモンだあーーーーーー!!!アタシはすごく活躍したからね。あーーー、疲れた。疲れた。やっぱ1人だけで鬼退治すると疲れる!」アリス 「……………………。 ( -_-) 」ミルキー 「……………………。 ( -_-) 」モグモグ 「……………………。 ( -_-) 」ウサギ 「……………………。 ( -_-) 」ウサ子 「……………………。 ( -_-) 」ジョセフ 「……………………。 ( -_-) 」女子恒星 「……………………。 ( -_-) 」左側の石像「……………………。 ( -_-) 」-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.08.05
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ミルキーは言いました。ミルキー「あのう……、救世主様、私も働いたので、それをわけていただけますか?」すると、ギロッ!と大きな目を見開いてミルキーをにらむ桃ニセアリス。桃ニセアリス「駄目じゃ!」ミルキー「なんでやねん?!」桃ニセアリス「これはメインで働いた者だけが手に出来る金じゃ!」ウサギ 「あ、あのう。私も近々お金が必要になるかも知れないんですよ。その………、新しい暮らしの為に。家を一軒新築したいと思っているんです。今の家は一人用なので。それをぜひとも2人用の広さにしたいと思っているんです。ですからそのう……。」桃ニセアリス「駄目じゃ!」ウサギ 「なっ、なぜです?私も鬼退治には功労を……。」桃ニセアリス「キサマが何をしたと言うのだ?何にもせんかった。それに鬼につかまってしまい、我々に迷惑をかけた!」ウサギ 「そっ、そんなあ!」壇上でこのようなやり取りが広げられました。真衛門 「……………………。」次にモグモグが自分の取り分を主張しました。モグモグ 「ピィーー!ピィーー!ピィピィぴぃ~~~~~!」ミルキー 「通訳いたしますと……、『自分も鬼退治ではここぞという時に活躍しました。変身もしましたし、鬼によって傷も負わされました。その治療費、ならびに自分はかよわいヒヨコのため、これからの人生と生活のために少しばかりお金を分けてください!』……と、言っています。」桃ニセアリス「嫌じゃーーーーー!」モグモグ 「ピィぴぴいーー!ピィーー!ピィピィぴぃ~~~~~!」ミルキー 「通訳いたしますと……、『わたしとしましてはせいいっぱい鬼退治に貢献したつもりでございます。かよわいながらもがんばりました!』……と、言っています。」桃ニセアリス「”鶏ごとき”が何を言う!連れて行ってやっただけでもありがたいと思え!本来なら……、”非常食”となって食われる運命だったんだ!それを助けてやった恩を忘れよってからに!」モグモグ 「ピピ!!」ミルキー 「ブゥ~~~~!!ブゥ~~~~!!」次に女子恒星が、女子恒星「ぼそぼそぼそ……。」なにやら、すごく小さい声で、えんりょがちに言いました。女子恒星は恥ずかしがり屋なので声が小さいのです。それでミルキーがこう言いました。「通訳いたしますと……、『あのう、申し訳ありませんが、私にも少し分けていただけませんか?絵本を出版するのに少しお金がいるんです。』……と、言っています」桃ニセアリス「たわけ!”ただ光って宙に浮いていただけ”のくせに、それで金を要求するなど言語道断!要求するのはもっと功績を挙げてからにしろ!!」女子恒星「……………………。」その時、お手洗いから帰って来ていたアリス。このみにくい有様がいっこうに終わる様子を見せないので、ついにガマンの限界が来ました。アリス 「……………………。 (;-_-) あのう桃太郎や。」桃ニセアリス「なに?!」アリス 「皆さんに分けてあげなさい。そのお金を。 (;-_-) 」-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.08.04
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真衛門 「では次ぎは、特別功労賞を授与します。沙希さん、左側の石像殿、壇上の方へどうぞ!」呼ばれてまず沙希さんが壇上の方へ向かいました。そして次に…、ズシーン!ズシーン!ズシーン!ズシーン!ズシーン!ズシーン!地響きと共に、左側の石像が壇上に向かいました。その揺れのすごさときたら………思わず会場からはどよめきが起こりました。また張られていた天幕の何枚かがささえ木もろとも倒れました。真衛門 「ウホン…………!えーーーーーー、では、両名は今回の鬼退治に多大なる貢献をしました。命をかけて桃太郎部隊に協力してくれました。よってこれを表彰します。」パチパチパチ!パチパチパチ!左側の石像は勲章を受け取ってそれを誇らしげに胸に着けました。沙希さんもその胸に勲章を着けてもらってから、深々と頭を下げました。2名が下がる時、真衛門は小声で左側の石像に「壇上から下がる時、足元をぶちぬかんように」と言いました。興奮冷めやらぬ桃ニセアリスは、式典中だというのにお殿様に”鬼退治の功労のあかつきの物”をさっそくねだりました。桃ニセアリス「あのう、お殿様……、例のお約束の物を……、鬼退治のあかつきにいただけるという例の”ほうび”を…。」この桃ニセアリスの行動にアリスは恥ずかしくなって顔を両手でおおいました。丈二来瑠丹「おお!そうであったな。これへ!」2人の大男が大きな箱を抱えて壇上に上がって来ました。それは宝箱のような箱でした。そして大男は壇上でそのフタを開けました。中には白い紙に包まれた金貨が山ほど入っていました。桃ニセアリス「おお!おおお!」桃ニセアリスはいままでで一番力が入った反応を見せました。そして、壇上に駆け上がり、両手で白い金をわしづかみにしました。それからその腕を高くかかげて金貨を会場の人々に見せびらかしました。アリスはとても恥ずかしそうでした。桃ニセアリス「あはははは!金じゃ!金じゃ!」アリス 「……………………。 (;-_-) 」桃ニセアリス「あはははは!あはははは!」ウサギ 「……………………。 (;-_-) 」桃ニセアリス「これで一生遊んで暮らせる!」沙希 「……………………。 (;-_-) 」桃ニセアリス「あはははは!あはははは!銭よ、銭!銭!この世は銭が全てじゃ!」真衛門 「……………………。 (;-_-) 」桃ニセアリス「ひゃはははは!笑いが止まらんう!」かわいそうにアリスは「お手洗いに行ってきます」と行ってその場から立ち去りました。-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.08.03
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桃ニセアリスは今が式典の最中である事も忘れ、ミルキーの所へノッシノッシと歩いて行きました。そしてミルキーを片手でつまみ上げました。ムンズ!ミルキー 「はわわわわわ!」桃ニセアリス「今、なんつった?」ミルキー 「はああああああ!!」それを見た一般来訪者席からどよめきが起こりました。「ザワザワザワ!ヒソヒソヒソ!!」アリスは桃ニセアリスにだけ聞こえるような小さな声で「ここは公の場ですよ。はやく降ろしなさい!!!」と言いました。桃ニセアリス「くっ!」しかたなく桃ニセアリスはミルキーを降ろしました。ドスン!ミルキー 「ウエエエエエエ~~~~~ン!!ウエエエエエエ~~~~~ン!!」桃ニセアリス「後で、覚えてろよ。」そう言い残して桃ニセアリスは自分の席に向かいました。ミルキーはアリスが言った”ここが公の場”と言う意味がさっぱりわかっていません。そして”ここが復讐の機会”とばかりに、再び立ち上がりました。ミルキー「どうした?それで終わりか?いつものいせいのよさはどうしたんだよ?え?桃太郎君!」と追加攻撃をかけました。クワッ!桃ニセアリスの顔が鬼のように変貌しました。そしてミルキーの身体を再びつかもうとしましたが、次の瞬間ミルキーの身柄はアリスによって確保されました。アリスがミルキーを抱き寄せたのです。ニセアリス「ぐぐぐ!」ミルキー「ベーーーーーー!」真衛門 「ゴホン!ゴホン!ゴホン!ゴホン!ゴホン!ゴホン!」真衛門は再び式典を進めようと、マイクに向かいました。真衛門 「えーーーーそれでは次に功労賞の授与を行います。ニャア少佐・サー・ジェームス軍曹・船頭さん・漁業組合の男たち・海兵隊員の皆さん!壇上の方へどうぞ!」真衛門に呼ばれたニャア少佐・サー・ジェームス軍曹・船頭さんや漁業組合の男たち・海兵隊員の代表者が壇上に上がりました。真衛門 「諸君は勇敢にも、鬼との戦闘に参加、多大なる戦勲を上げたので、これを評します。」それぞれに勲章が授与されました。ニャア少佐とサー・ジェームス軍曹はトレードマークでもあるいつものポーカーフェイスのままでしたが、船頭さんと漁業組合の男たちは皆笑みをこぼしていました。-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.08.02
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パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!モグモグ 「ピィーーーーー!ピィーーーーー!」アリス「これ!モグモグ、静かに!」桃ニセアリス「あれ?アタシは?アタシの名前が無いジャン!」真衛門 「フム、そちは特別なので、別に表彰する。今から。」真衛門は感謝状をジョセフに手渡しました。真衛門 「では、コホン!次に……、”伝説の救世主”の名の元に”犬のマネをするウサギ””猿のような人形””キジのようなでっかいヒヨコ”を連れ、それを犬・猿・キジと言い張りつつ、お供として連れて行き、いや、時には連れて行かれ………………、」桃ニセアリス「ガクッ!」真衛門 「それでも見事鬼を退治したその功労をここに評し、この”伝説の救世主”殿に感謝状を贈る物とする。」パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!桃ニセアリス「あはははは!」桃ニセアリスは上機嫌になりました。真衛門 「国を代表し、ここにこれを送ります。”桃太郎”殿!」そう言って真衛門は感謝状を手渡そうとしました。桃ニセアリス「待て!」真衛門 「は?なにか?」桃ニセアリス「そこ、間違ってるやん!」真衛門は小声で「え?どこがですか?」桃ニセアリス「アタシの名前、”プリンセス・ピーチ・ニセアリス嬢”」真衛門 「は?戸籍では確か……”桃太郎”と…………。」桃ニセアリス「変えろ!今すぐ!」真衛門 「しかし……、」桃ニセアリス「変えろ!!鬼を倒させといて、名前ぐらい変えれんのか?」真衛門 「…………………わかりました。で、先ほどの言われた名に変更するという事でいいのですね?」桃ニセアリス「そう、”プリンセス・ピーチ・ニセアリス嬢”!!いや、待て!この際、”スイーツ・プリンセス・ピーチ”嬢がいいな!」ガクッ!真衛門 「くくく………、わかりました。では、コホン!”スイーツ・プリンセス・ピーチ”嬢殿これを受け取りなされ!」真衛門はあらたまってそう言いました。そして感謝状を手渡しました。桃ニセアリス「うしゃっしゃしゃしゃーーーーー!!!」桃ニセアリスは今や絶好調です。ミルキーはウサギさんが突き落とされた復讐をここでしました。ミルキー 「桃太郎ちゃん、よかったでちゅね!」クワッ!とたんに桃ニセアリスの顔が豹変しました。-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.08.01
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それがあまりにも大歓声でしたのでアリスは手を振り返さないといけないと思い……、少しえんりょがちに手を振りました。女子恒星やウサ子も恥ずかしがって小さく手を振りました。モグモグは陽気に翼を大きく羽ばたかせました。でも、やりすぎて傷が痛み始めて、モグモグ 「ピィ~~~~!!ピィ~~~~!!」と叫びながら甲板を走り回りました。ミルキーも元気に両腕をフリフリしていました。ミルキーは少しもおくしてません。ある意味誰よりも目立っていました。ミルキー「やっほーーーー!ミルキータンだよ~~~!帰ってきましたあ~~!」沙希さんも上品に手を振り返していました。桃ニセアリスは”よゆ~~~”で人々に手を振りました。もう、アイドルのような顔をしていました。そしてどこからともなく持ち出してきたマイクを片手に歌い始めました。桃ニセアリス「はれはれや~~~~~♪!!!はれはれや~~~~~♪!!!」アリスはそれは度が過ぎていると思い、恥ずかしくなって下を向いてしまいました。そして桃ニセアリスから離れました。巨艦の横にそれと比べるとすごく小さく見えるジョセフの潜水艦が帰港して来ました。人々は最初その勇姿を見ようと我先にと堤防の端を目指して走りましたが……、その艦首にしがみ付いている”左側の石像”の姿には驚きました。ジョセフが船外マイクで周囲の人々に危険が無い事を伝えると、混乱は収まりました。人々は”左側の石像”の姿にはやはりビビりましたが………、それでもジョセフ達をたたえる声援が止む事はありませんでした。一方、ウサギさんの方はまだ気絶していて艦内の簡易ベッドで寝ていました。人々はみんな幸せそうな顔をしていました。その顔に迎えられながら、桃ニセアリス達は堤防に降り立ちました。そして出迎えた人々にもみくちゃにされました。桃ニセアリス「アタシのサインは1枚1両だよ!」桃ニセアリスの身体は胴上げされようとしていました。その様子を都のTVアナウンサーが伝えました。「さあ、いよいよ”伝説の救世主”殿の身体が宙に舞います!1回!2回!3回!4回!5回!6回!7回!7回です!7回宙に舞いましたあ!」その後、”インテックス大阪城”で盛大な感謝式典が行われました。桃ニセアリス・ジョセフ・アリス・ミルキー・女子恒星・モグモグ・ウサギさん・ウサ子が招かれ、メインの席に座っていました。そして、表彰を受けました。真衛門が大きな感謝状を持って来ました。幅1メートル。横は……巻物なのでわかりません。それをしんみょうな面持ちで読み上げ始めました。真衛門 「ジョセフ・アリス・ミルキー・女子恒星・モグモグ・ウサギさん・ウサ子。同名、鬼を討伐せんものとし、勇敢にも殿の命を受け、鬼ガ島へと向かう。そして見事鬼を退治し、世に平和と安息の日々を甦らせた功労を感謝して、ここに評する!」-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.07.31
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鬼退治のニュースはすぐにネット配信で都中に流されました。またテレビやラジオ、新聞でも大きく取り上げられました。鬼退治の成功は都の人々を大いに喜ばせました。その頃、桃ニセアリス達の乗った航空母艦は一路都の港を目指していました。ミルキー「アンタがあの時、ウサギタンを突き落とすからいけないんだあ~~~~!!」ミルキーは桃ニセアリスがウサギさんを海中に突き落とした事をまたいさめていました。桃ニセアリス「やかましい!もう済んだ事だ。くどくど何回も言うな!」ミルキー「ウサ子タンがすごく心配したんだよ!あんなヒドいことしていいの?!」桃ニセアリス「やかましい!無事だったからいいだろう!」桃ニセアリスはいつものようにミルキーをつかんで空中に浮かせました。そしてふり回しました。桃ニセアリス「ブウン、ブウン!ブブブブブブブブブブ!」桃ニセアリスはまるで飛行機のミニチュアを扱うように、ミルキーを空中でもてあそびました。ミルキー 「ウエエエエエエ~~~~~ン!!ウエエエエエエ~~~~~ン!!」2隻の巨艦は無事港へと帰って来ました。都の人々は鬼退治を成功させた船と伝説の救世主を一目見ようと港に集まって来ました。港の堤防はあふれんばかりの人だかりで賑わいました。それを見越して、そばには屋台も出没していました。そして早くもいろんなアイテムが売られ始めました。『祝!鬼退治成功記念まんじゅう!』『祈願の鬼退治達成!記念せんべえ発売中!』そして、『鬼退治記念コイン発行!』『伝説の救世主記念切手販売開始!』さらにテレビでは、『緊急特番!鬼退治の全容!』『すばらしき鬼退治の世界!その裏側!』『戦いの全機記録!丈二来瑠丹殿の苦境!』等が放送されました。さらに『伝説の救世主殿写真集発売決定!』のニュースも流れました。都は祝賀ムード一色です。大勢が見守る中、巨艦がそのわき腹を岸壁に近づけました。わきでそれを牽引をするタグボードが小船のように小さく見えます。まず”漁業組合の男たちの大和”が入港。続いて航空母艦[エンタープライズ2006]入港。その甲板に桃ニセアリス達の姿がありました。都の人々「わーーーーーー!!」多くの人々がいっせいに桃ニセアリス達に手を振りました。-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.07.30
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【ついに平和が! 編】”漁業組合の男たちの大和”の甲板では歓声が続きました。それは途切れる事がありませんでした。そして喜びあう男達の姿であふれていました。サー・ジェームス軍曹「ニャア少佐!伝説の救世主殿らを乗せた救助ヘリコプターが本艦に帰艦します!」アリス達が乗ったヘリがニャア少佐のいる航空母艦に着艦しました。キュンキュンキュンキュンキュンキュン!たちまち航空母艦の甲板でも歓声が沸き起こりました。そして護衛のガンシップも次々と着艦していきます。皆無事でした。救助ヘリのハッチが開き、タラップが降りました。そして、まず桃ニセアリスがそこに姿を現しました。桃ニセアリス「やあやあ、皆さん!アタシをたたえて!たたえて!」甲板にいた大勢の乗組員達は笑顔で拍手を送りました。パチパチパチパチパチパチパチパチ!ニャア少佐とサー・ジェームス軍曹も空母のブリッジの窓からその様子を見ていました。ニャア少佐「我々はついに鬼退治を成功させた!」サー・ジェームス軍曹「はい!」サー・ジェームス軍曹が力強く答えました。普段笑わないサー・ジェームス軍曹にも笑顔がこぼれました。真衛門 「桃太郎部隊は作戦任務を完了したもようです。今通信が入りました。救助ヘリコプターは空母に無事着艦。”伝説の救世主”殿、アリス殿、ミルキー殿、女子恒星殿、沙希殿、そして救出されたウサ子殿の生存を確認しました。なお、ジョセフ殿とウサギ殿、そして途中で味方になった……1名が乗った潜水艦も帰途につきました。」お殿様は手に持っていた扇子をパッと開きました。丈二来瑠丹「あっぱれ!あっぱれじゃ!やはり桃太郎殿は伝説の救世主だった!伝承通り鬼退治がなされたのだ!これで都に平和が戻る!」作戦司令室にも歓声が沸き起こりました。”漁業組合の男たちの大和”ではブラッディー・カサンドラが炎に包まれているのを見届けていました。船頭 「これは全員の勝利だ!これでこの辺りの海域も平和になる。依然どうり漁もできるようになる。良かった。本当に良かった。直ちに転進せよ!母港へと向かう!」漁業組合の男たち「了解!進路変更!90度回頭!両舷半進!回頭後、全力運転へ!」真衛門 「殿!航空母艦と”漁業組合の男たちの大和”の2隻が帰還します。」丈二来瑠丹「うむ、帰ったらすぐワシのところへ顔を出させるのだ。」そして、お殿様は改まった表情で作戦司令室の全員に向かって告げました。丈二来瑠丹「これにて”MOMO計画”作戦の終了を宣言する!」-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.07.29
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ジョセフは潜水艦に戻りました。そしてウサギさんの身体を大急ぎでタオルで拭いてから毛布を巻きました。そのウサギさんの身体を倒したリクライニングシートの上に寝かせました。そして自分は潜水艦の操縦席に座りました。それから潜水艦を発進させ、サメと共に沈んだ左側の石像のところまで行きました。ゴゴゴゴゴ!水中マイクで左側の石像に呼びかけました。ジョセフ「船体につかまってください!」それで左側の石像はサメを放り出して潜水艦の船首部分につかまりました。潜水艦は全速力を出し、間もなく海面に浮上しました。そして浮上航行でブラッディー・カサンドラから急速に離れて行きました。アリス達は潜水艦が無事に鬼ガ島から離れて行く姿をヘリから見つけました。アリス 「あっ!助かったんだわ!」沙希さんはニャア少佐に通信しました。沙希 「こちら、沙希です!ジョセフ殿は潜水艦で島から離れていきます。私達も現場から離れているところです。」ニャア少佐「了解!」漁業組合の男たち「桃太郎部隊が全員島から離れたという報告がありました!」船頭 「そうか……………、よし!これで、心おきなく島全体を砲撃できる!」漁業組合の男たち「はっ!砲撃角度修正!」船頭 「鬼達からの反撃には充分注意しろよ!前回は酷い目にあったからな!では砲撃続行!!」ドッコーーーーーーーーーーーーーン!ドッコーーーーーーーーーーーーーン!ドッコーーーーーーーーーーーーーン!ブラッディー・カサンドラに大きな爆発が起こりました。島には次々と火の手が上がりました。爆発の炎が火球となって島全体に飛び散ります。鬼ガ島の海岸線からは動く石像の姿は無くなりました。それらは吹き飛ばされるか、海面に落ちたのです。島は炎に包まれました。船頭 「ついに、成功したぞ!ついに!やっと鬼退治が出来た!!この日をどんなに待っていたことか!」”漁業組合の男たちの大和”の甲板に乗組員達が詰め掛けました。みんな涙ながらに鬼ガ島の方を見ています。参謀 「成功です!大成功です!鬼達からの反撃もありません!」漁業組合の男たち「やったぞ!!!」-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.07.28
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漁業組合の男たち「射撃角度修正!砲塔旋回微調整よし!」漁業組合の男たち「射撃準備よし!」船頭 「総員、ショックと爆風に備えよ!……………発射ああああああ!!!」漁業組合の男たち「発射ぁーーーーーー!」ドッコーーーーーーーーーーーーーン!”漁業組合の男たちの大和”の主砲が発射されると、水面に大きな波紋を残しました。ごう音が周囲に響き渡りました。爆発したかのような形の水柱が水面に上がりました。ヒュルルルルルルル~~~~~~!!!ドッカーーーーーーン!!!!砲弾がブラッディー・カサンドラの大地に着弾すると、島全体に地響きが走りました。岸壁の縁に立って遠投していた石像はその衝撃で何体かがバラバラと海に転落して行きました。とにかくものすごい衝撃なのです。右側の石像「あーーーーーーーー!!」右側の石像がビビりました。ザブーーーーーーーン!!!ザブーーーーーーーン!!!ニャア少佐「救助ヘリコプターとガンシップを早く島から退避させろ!爆風に巻き込まれるぞ!」サー・ジェームス軍曹「救助ヘリコプターとガンシップに次ぐ!ただちに現場を離れろ!繰り返す!ただちに現場を離れろ!危険だ!」その時!サメはどうやらジョセフを発見したようです。島に強烈な地響きが起こっているのに、サメはまったくそれをものともぜずにジョセフとウサギさんの方に向かって来ました。それを見ていたアリスは「はやく!あそこへ!」と言って指を射します。救助ヘリのパイロットはいったんそちらを見ましたが………、沙希 「退避命令が出たわ!これより危険地域から退避します!」アリス 「そんな!目の前にいるのよ!」沙希 「でも、ここにいたら砲撃の巻き添えになるかも知れないわ!」ドッゴオーーーーーン!!!!ドッゴオーーーーーン!!!!その時、サメがジョセフ達を飲み込もうと大口を開けました。その開いた口の長さは1メートルもあります。非常に大きなホホジロザメでした。ゴーーーーー!!!!ジョセフのすぐ目の前にサメが来ました。ジョセフはウサギさんを抱いているため、両手がふさがっており、どうにもできません。あわや………………、アリス 「きゅあ~~~~!!!!!」その時!何者かがサメの前に立ちはだかりました。石像です。あの”左側の石像”でした。左側の石像はサメの鋭い歯をもろともせずに、その口につかみかかりました。左側の石像「はやく!今のうちに逃げてください!!」左側の石像はサメと格闘しています。サメの歯の部分に直に手をかけていました。そして石像は重いので、サメをつかんだまま沈み始めました。ジョセフはその場から離れ、なんとか潜水艦が沈んでいる海面まで行きした。まだ気絶しているウサギさんをわきにかかえているので必死でした。ジョセフが潜水艦のイモビライザーのリモコンを取り出してそれを押すと、潜水艦からブイが打ち上げられました。そのブイが海面に顔を出したので潜水艦がいる位置がわかりました。そのブイには特殊なワイヤーと取っ手があり、それをつかむと自動的にジョセフ達の身体は潜水できました。こうしてジョセフ達は潜って潜水艦の底部のハッチにたどり着きました。そのハッチから中部に進入しました。-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.07.27
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【救助を! 編】ジョセフはすばやく海に潜りました。そしてその手は”毛皮”をつかみました。ジョセフはそれを放さず、海面まで必死で泳ぎました。海面から顔を出すと、その毛皮はやはり”ウサギさん”である事がわかりました。このようにすぐにウサギさんの身体をつかめるとはまさに奇跡でした。ウサギさんは目を閉じていました。ジョセフ 「ウサギさん!」呼びかけにも応じません。それでやむなくほほを叩きましたが、ウサギさんは起きませんでした。その時!ジョセフは少し離れた海面に黒い三角の物が動いているのを見つけました。それはサメのヒレでした。何匹かのサメが付近を周回しているのが見えました。ジョセフは急いで潜水艦まで行こうとしましたが、ウサギさんが気を失っているようなので、潜って行くわけにはいきませんでした。その頃、救助ヘリでは沙希さんを引き上げて収容しました。機内ではミルキーがさっそく桃ニセアリスに食ってかかっていました。ミルキーは大変怒っていました。ミルキー「アンタがウサギタンを退けるからいけないんだあ~~~!!」桃ニセアリス「やかましい!」アリス 「もめるのは後で!」アリスはジョセフ達のいる海面を指差しながらヘリのパイロットに言いました。「あそこまで行ってロープを下ろしてください。」かなりの数のサメがジョセフとウサギさんの方へ近づいて行きます。その時、ジョセフの目の前に水柱が上がりました。ジョセフを発見した石像達が海岸線から投石を始めたのです。ジョセフ「!」アリス達の乗っている救助ヘリの方にも野球のボールぐらいの岩が飛んで来ました。石像達が岸壁に立ち並び、遠投を繰り返していました。ものすごい数の石が飛んで来ました。それは救助ヘリのすぐそばをかすめて飛んで行きます。右側の石像「もっとしっかり狙わんかい!」右側の石像もその列に加わって指揮を取っていました。しかし未完成の石像達は正確には遠投できませんでした。ニャア少佐「攻撃ヘリは?!」サー・ジェームス軍曹「全機、弾薬とミサイルがつきました!」ニャア少佐「いかん!”漁業組合の男たちの大和”へ連絡だ!」”漁業組合の男たちの大和”でも、桃ニセアリス達の状況の報告を受けていました。船頭 「危険じゃ!島の中央に向かって砲撃開始!」参謀 「しかし!!まだ救助ヘリは現場から離れていません。不十分です。それに、ジョセフ殿とウサギ殿が海に入ったという連絡がありました。」船頭 「かまわん!射撃するんじゃ!!正確に狙えよ!腕の見せ所だ!」-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.07.26
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攻撃ヘリのミサイルはなんとか石像達の接近を抑えていました。パイロット「石像の数が多すぎます!」ニャア少佐「……………。」ジョセフ「ミサイルが尽きる前に全員が救助されないと!さあ、急いで!」次にモグモグがロープに吊り下げられる事になりました。桃ニセアリス「え~~~~~?!”食料”が先に行くのかよ?!そんなの後でいいジャン!食料がやられたら、また肉屋で別のを買えばいいんだよ。アタシが先に行く!」ジョセフはそんな桃ニセアリスの言葉を無視して、モグモグの身体にわっかを巻きました。ジョセフ 「モグモグはケガをしているので先に行かせる必要があります。」わっかを巻かれるとモグモグは少し痛がりました。ジョセフはヘリに向かって腕を上げて合図しました。モグモグの引き上げが始まりました。石像は攻撃ヘリに向かって岩を投げつけます。石像と攻撃ヘリの激しい戦闘が続きました。ヒュ~~~~~~~~~~~!!!ドカッ!パシューーーーーー!!パシューーーーーー!!モグモグの体をヘリ内部に収容してからロープがまた下がって来ました。ジョセフ「次ぎはウサギさんが行ってください!」桃ニセアリス「だぁーーーー!!今度はアタシが行く!」桃ニセアリスはウサギさんの身体を体当たりで押しのけました。実はそれはいつもの冗談のつもりだったのですが………、ウサギさんは疲れてボロボロの身体でしたので、その不意のアタックによって意外に大きくよろけました。ちょうどその時、石像たちが投げた岩の一つがウサギさん目掛けて一直線に飛んで来ました。ヒュ~~~~~~~~!!!!ウサギさんは慌てました。そしてよろけながらも、その岩に当たらないように逃げました。しばらく走ってから飛んで来た岩の方を振り返ると、運悪くウサギさんはその岩の落下地点ドンピシャの位置にいる事がわかりました。それでもなお必死に逃げようとしたのですが、目の前が崖である事を忘れていて、ウサギさんは足を滑らせて海に転落しました。ウサギ 「うわーーーーーーーーーー!!」ウサ子「きゃーーーーーーーーーーー!!!」ドボン!その様子をヘリから見ていたウサ子は叫び声を上げました。アリス・ミルキー・女子恒星・モグモグもヘリの窓からその様子をまのあたりにしました。ミルキー「ウサギタ~~~~~~~~~ン!!」ジョセフは沙希さんに「先に行っててください!」と言い残して海に飛び込みました。ちょうどその時、ウサギさんを押しのけた桃ニセアリスがヘリに収容されました。その次のロープが沙希さん目の前に来たので、沙希さんはロープにつかまりました。もう、岸壁にいるのは沙希さんしかいません。そしてロープの引き上げと共に救助ヘリは現場から離れました。ロープに吊り下げられながら、沙希さんはジョセフが飛び込んだ海を心配そうに見つめていました。-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.07.25
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ヘリ目掛けて岩が飛んで来ました。ヒュ~~~~~~~!!!ヒュ~~~~~~~!!!それはいくつもいくつも飛んで来ました。アリス達のすぐ横を岩は通過して行きました。アリス達は生きた心地がしませんでした。アリス 「……………………。」ミルキー「はああああ~~~~!!」女子恒星 「きゃああああ!」それでもしばらくガマンした後、アリス・ミルキー・女子恒星はなんとか無事にヘリ内部に引き込まれました。それを下から見ていたジョセフは一度あんどの表情を浮かべました。ジョセフ 「ふう。さあ次だ!」次にウサ子を行かせる事にしました。ウサギ「さあ、ウサ子さん、先に行ってください!」ウサ子「いいえ、あなたがお先に。」ウサギ「僕は後でいいのです。さあ、あなたが先に!」それでもウサ子は自分が先に行くのをためらいました。ジョセフ「急いでください!」ジョセフがそう言ったのでウサ子は先に行く事を決めました。ウサギさんがウサ子の身体にわっかを回しました。ウサ子「ありがとうごさいました。上でおまちします。」ウサギ 「ええ!」そしてウサ子の身体は空中へと引き上げられました。と、そこへ!ヒュ~~~~~~~~~~~!!!ドカッ!石像たちが放った岩がまた飛んできましたウサ子「きゃーーーーーーーーーーー!!」ウサギ 「ウサ子さん!」サー・ジェームス軍曹「ニャア少佐!救助ヘリコプターが攻撃を受けました!」ニャア少佐「ガンシップ(攻撃ヘリ)に連絡!援護させろ!」サー・ジェームス軍曹「ガンシップに告ぐ!ガンシップに告ぐ!直ちに敵を攻撃せよ!援護射撃を行え!」パイロット「ラジャー!」何機かの攻撃ヘリが姿を現しました。バババババババババ桃ニセアリス「うひょう!」攻撃ヘリから石像達に向けてミサイルが放たれました。パシューーーーーー!!パシューーーーーー!!ミサイルは石像たちがいると思われる地点に命中しました。ドガン!ドガン!ミサイルは石像に命中します。石像の身体の一部が破壊されました。そのミサイルの援護のおかげでウサ子は無事ヘリの中に収容されました。その後ウサ子はヘリの窓から心配そうに下を眺めました。そこにはまだ、ウサギさん、桃ニセアリス、ジョセフ、モグモグ、沙希さんがいました。-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.07.24
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漁業組合の男たち「本艦右側面!ニャア少佐の部隊の救助ヘリが通過します!」バババババババ!!ローターの音をとどろかせて大型へリが通り過ぎて行きます。”漁業組合の男たちの大和”の甲板にいる者はその姿を見送りました。漁業組合の男たち「……………………。」砲撃長「砲撃準備完了!命令を待ちます!」船頭 「うむ!連絡あるまでそのまま待機!」桃ニセアリスが救助ヘリを発見しました。その頼もしそうな勇姿に桃ニセアリスが思わず声をあげました。桃ニセアリス「おおお!!」バババババババ!!沙希さんはヘリに向かって信号弾を打ち上げました。プシューーーーー!パイロット「むっ!岸壁に信号弾確認!繰り返す!こちら救助へり、島に信号弾確認!沙希殿の救助信号の可能性が高い!これより現場に向かいます!」サー・ジェームス軍曹「沙希殿の信号をキャッチしました!」ニャア少佐「うむ。慎重に接近せよ!ブラッディー・カサンドラからの攻撃に気を付けろ!」ヘリは一直線に桃ニセアリス達のところへ向かいます。バババババババ!!救助ヘリが桃ニセアリス達のいる岸壁のすぐ真上に到達しました。桃ニセアリス達は下からヘリの大きなお腹を見上げました。桃ニセアリス「デカい!」ヘリは空中で浮いたまま救助用のワイヤーを降ろし始めました。それはロープの先にクッションに巻かれた”わっか”がついた物でした。バババババババ!ジョセフは空中でフラフラと舞う”わっか”をしっかりとつかみました。石像たちが接近して来ました。彼らはまだジョセフ達の姿を直接発見してはいません。ちりじりに分かれて島中を捜索しているだけです。誰か一体がジョセフ達を発見すればおそらく彼らは密集してここへやって来るでしょう。ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!地面が揺れているのがわかります。大勢の石像たちが歩いているせいです。石像たちが歩いた後は草や木がなぎ倒されて”道”のようなものが出来ていました。ジャングルに何本もこのような道が通っていきます。ジョセフ「まず、君が先に行け!ミルキーさんと女子恒星さんを抱きかかえて!」アリス 「はい!」アリスが最初にヘリに引き上げてもらう事になりました。しかし右側の石像は近くの大きな岩の上に登り、この様子をしっかりと見ていました。右側の石像「くそ!やつら逃げる気だな!皆、岩を投げるんだ!」右側の石像は未完成の石像たちにそう命令しました。それが聞こえた石像たちは手に手に岩を持ちました。アリスの引き上げが始まりました。アリスの身体が中に浮きます。その身体はフラフラと不安定に空中を漂います。怖いです。ミルキー 「アリスタ~~~ン!怖いですう!」女子恒星 「あああああ…………。」その時!ヒュ~~~~~~~!!!ミルキー「きゃ~~~~~~~~~~!!」-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.07.23
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その頃、ニャア少佐は自分の航空母艦のブリッジで待機していました。そこへ…、大男が鉄のドアを開けて入って来ました。サー・ジェームス軍曹「ニャア少佐!MOMO計画発動を受信しました!」ニャア少佐「来たか!」サー・ジェームス軍曹「”漁業組合の男たちの大和”もオーバーホールされ、すでに出航したもようです!」ニャア少佐「うむ。我々も出遅れるな!で、現在の本艦の位置は?」サー・ジェームス軍曹「目標の島の海岸線から南へ約8キロの地点です。」ニャア少佐「よし。補給の方は万全か?」サー・ジェームス軍曹「航空機不足には不安が残りますが………、”インテックス大阪城”より備蓄の弾薬と燃料の補給を受けました!」ニャア少佐「よし!作戦可能なようだな。発進する!」サー・ジェームス軍曹「はっ!」勇者ギルドの受付「ニャア少佐の航空母艦”エンタープライズ2006”の発進を確認!」”勇者ギルドの受付”もモニター席に座っていました。真衛門 「これで両艦の発進を確認した!さあ、これから忙しくなるぞ!」お殿様は作戦司令室の奥の小さな椅子にどっかりと腰掛けていました。そして、戦の時に護身用としていつも持っている刀を立てて、その上に両手を置いて、作戦司令室全体を凝視していました。丈二来瑠丹「たのむぞ………。」サー・ジェームス軍曹「目標の島に接近!2キロ手前です!」ニャア少佐「救助ヘリコプター発進!」サー・ジェームス軍曹「分かりました!飛行甲板に告ぐ!ただちに救助ヘリコプター発進せよ。ただちに救助ヘリコプター発進せよ。」パイロット「ラジャー!」その頃”漁業組合の男たちの大和”の艦橋では…、航海長 「ブラッディー・カサンドラまで後1.5キロです。本艦の後方に”エンタープライズ2006”が来ました!」船頭 「本艦はニャア少佐の航空母艦のたてとなる!今こそ防御力がアップした本艦の底力を見せるのだ!」漁業組合の男たち「わかりました!」漁業組合の男たち「島の内部に多数の動く石像確認!情報部の報告どうりです!」船頭 「よし!先制攻撃の必要あり!砲撃準備に入れ!!」漁業組合の男たち「測的開始!!」漁業組合の男たち「仰角合わせ!射撃準備!」船頭 「面舵いっぱい!1番、2番、3番の各主砲塔旋回!射撃位置へ!」真衛門 「間もなく、”漁業組合の男たちの大和”の射撃準備が整います!」丈二来瑠丹「うむ!桃太郎部隊の方の安全はどうだ?桃太郎部隊が被弾しないように今一度確認するのだ!」真衛門 「はっ!」-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.07.22
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その頃、ある舟の通信室では……、漁業組合の男たち「はっ!来た!通信が届きました!”MOMO計画、発動せり!!”繰り返します!!”MOMO計画、発動せり!!”」漁業組合の男たち「うむ。待ち望んでいたものがついに来たか!さっそく”船頭さん”に報告だ!」筋骨流々とした男達が大勢で狭めの通路を駆け抜けて行きました。ダダダダダダダダダダ!ガチャ!男達は重い鉄の扉を勢いよく開けました。そこは大型船の艦橋でした。広い艦橋には大勢の人間が詰め寄っていました。そして………、艦長席には”あの船頭さん”が座っていました。漁業組合の男たち「船頭さん!”インテックス大阪城”より通信です!”MOMO計画発動せり”!」船頭 「うむ…………。」その頃、作戦司令室では、丈二来瑠丹「ついに間に合ったか!”MOMO計画”!漁業組合の男たちの大和”のサルベージ作業には苦労したが……、さすがジョセフ殿の持っていたサルベージ技術は絶品だ!見事あの沈められた巨艦を浮かび上がらせた!」真衛門 「まったくです!やはりジョセフ殿は天才です。あの方の計画指示書どうりの作業をしましたが、1人のけが人も出さずにサルベージは成功しました!」丈二来瑠丹「うむ!ジョセフ殿には感謝せねばな!」真衛門 「”漁業組合の男たちの大和”の修理もほぼ間に合いました!先の鬼の攻撃により大破した部分は全て修復しました。上部甲板・側面装甲・艦首装甲板・側面バルジ・後部装甲板!さらにジョセフ殿の改良設計図により、舟の補強を行いました。前回に比べ対弾性能は約2倍となっております!」丈二来瑠丹「でかした!でっ、肝心の艦長の病の方はもういいのか?そちらの方が心配じゃ!」真衛門 「はっ!艦長は”船が直った”と聞き、嘘のように回復しました!通常どうりの指揮が可能と思われます!」丈二来瑠丹「うむ!さすが!それでこそ、海の男よのう!頼もしいわ!」船頭さんはおもむろに艦橋要員に向かって言いました。船頭 「では、本艦はこれより発進する!進路そのまま!ブラッディー・カサンドラに向けて全速前進!」航海長 「は!進路直進!ブラッディー・カサンドラに向けて全速前進!」真衛門 「”漁業組合の男たちの大和”の発進を確認!」丈二来瑠丹「ニャア少佐の方はどうだ?」真衛門 「たった今ニャア少佐の機動部隊にも連絡しました!戦闘機等の搭載兵器は前回の戦闘時の損失のため数がそろいませんが、弾薬と燃料は我が”インテックス大阪城”の備蓄を提供しました!」丈二来瑠丹「うむ、ご苦労!それで兵員たちの精神面での治療はどうだ?」真衛門 「再度の鬼達との戦闘の事を告げると、兵員たちは元の元気を取り戻しました!士気も高いです!皆、鬼退治に闘志を燃やしています!」丈二来瑠丹「うむ!では問題なしか!頼むぞ!両艦とも!」-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.07.21
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【MOMO計画発動! 編】その頃、”インテックス大阪城”では………、真衛門 「海岸地帯に人影らしきもの発見!」丈二来瑠丹「何?!」真衛門 「ジョセフ殿と思われるシルエットや、アリス殿、またウサギ殿のシルエットらしき姿もあります!」丈二来瑠丹「なんと!やはり生きておったか!で、”伝説の救世主”殿は?!」真衛門 「おられるようです!」丈二来瑠丹「無事か!」お殿様は喜びました。真衛門 「しかし……、桃太郎部隊のおります海岸の海面には多数のサメのヒレが確認できます。」丈二来瑠丹「なんと!」真衛門 「大型で凶暴な人食いザメと思われます。」丈二来瑠丹「くーーー!」真衛門 「それに島の内部に大きな動く石像の姿を何体も確認しております!」丈二来瑠丹「なに?!」真衛門 「辺りの木々をなぎ倒しながら前進しています。このままでは桃太郎部隊のいる地点に達するのは時間の問題でしょう!」丈二来瑠丹「く………。」真衛門 「”伝説の救世主”殿は海岸で身動きが取れぬようです。海には大きなサメ、内陸には石像が待ち構えております。挟み撃ちにされております!ピンチです!」丈二来瑠丹「く~~~~~!しかたない!真衛門!こうなったら、今すぐMOMO計画を発動する!」真衛門 「え?いますぐにですか?」丈二来瑠丹「そうだ!」真衛門 「足並みがそろうかどうかわかりません。」丈二来瑠丹「かまわん!やってみろ!桃太郎部隊を救う事を最優先にしろ!」真衛門 「はっ!ただちに!」お話戻して、絶対絶命のジョセフ達は……。ジョセフ達がいる崖を目指して石像達はなおも前進してきます。ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!桃ニセアリス「くわああああ!」さすがの桃ニセアリスも顔色が変わりました。その時です!!ガサガサガサ!すぐ脇の草木の生えたところが、ガサガサ揺れました。ジョセフ「は?」そこから………忍者の格好をした人物が現れました。前身黒づくめでした。ジョセフ「誰だ?!」ジョセフは腰に下げていたボーガン引き抜いて構えました。その忍者の格好をした人物が、顔に巻いていた布のおおいを取りますと……、なんと、それは沙希さんでした。アリス 「沙希さん!」ミルキー 「沙希タン!沙希 「どこかの洞窟に身を隠してください!まもなくMOMO計画が始まります。」桃ニセアリス「なんだよ?その”MOMO計画!って?」沙希 「急いでください。今は説明している時間がありません!!」桃ニセアリス「敵に知られている洞窟に隠れても意味が無いだろ?!」ジョセフ「僕らが開けたトンネルに逃げ込みましょう。あの鉄格子を突破する際に開けた穴があるんです!さあ、そこに行きましょう!!」それで皆、いっせいに走り始めました。桃ニセアリス「おい!ところで”MOMO計画”ってなんだよ?!」桃ニセアリスがまた聞いていました。-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.07.20
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ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!皆はとにかく海岸まで走りました。ウサギ 「はぁはぁはぁ……。」桃ニセアリス「急げえ!」そしてやっとの思いで崖っぷちまで来ました。そこから下を見ますと海面が広がっていました。ここから海面まで15メートルほどの高さがありました。ここからだと飛び込めなくはないです。桃ニセアリス「ううむ…。」ミルキー 「怖い!」その時、目の前の海面を何かがよぎりました。それは黒い背びれでした。何匹かのサメの背びれがスーーーーーと桃ニセアリスが見ている前を行き過ぎて行きました。桃ニセアリス「……………………。」ミルキー「はわわわわわわ~~~~~!」アリス 「サメだわ!」ジョセフ 「くっ!」そのサメの背びれは黒くて、異様な感じでした。また海面にはうすっらとサメの身体も透けて見えました。それは巨大でした。体長4メートルはあるでしょうか?ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!一方、石像の軍団は今や島中にあふれていました。軽く50体近くはいそうです。桃ニセアリス「絶対絶命だな?いずれ見つかってしまう!」ジョセフ「船を呼ばないと!」ジョセフは携帯電話をポケットから取り出しました。桃ニセアリス「はあ~~。ここにも時代を間違えている方がおられた。」ジョセフは番号を入力しました。それは”インテックス大阪城”への電話番号でした。しかし!ガーーーーー!ピーーーーー!ものすごいノイズ音だけが響きました。ジョセフ「だめだ!ジャミング(電波妨害)されてる!」桃ニセアリス「はあ?この時代にジャミングだって?!いやはや………。」-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.07.19
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ガサガサガサ!その後、ジョセフが草むらの中から姿を現しました。そしてウサ子も。アリス 「ああ!」アリスはジョセフの姿を見ました。そして思わずジョセフに抱きつきました。ミルキー 「はあ~~~~。」女子恒星 「うっとり…………。」ミルキーと女子恒星は重なった2人の姿をうらやましそうな目で見つめていました。ジョセフ 「無事で良かった。」アリス 「あなたも。」ウサギさんとウサ子さんも感動の再会を果たしました。ウサ子 「……………………。」ウサギ 「ウサ子さん…………。」2匹はゆっくりと近づきました。そして思わず……………、お互いの耳と耳を重ねました。ウサギ 「ああ、ウサ子さん!」ウサ子 「ウイリアムさん!」そしてお互いに抱きつきました。ミルキー 「はああああ!」女子恒星 「……………………。」ミルキーと女子恒星はやっぱりうらやましそうな目で見つめていました。こうしてアリス達は無事ジョセフ達と合流できました。しばらくの間、感動の気分に浸りました。アリスの服はすでにボロボロで、おまけに連日の岩運びで土ぼこリがたまっていました。ジョセフはそれを丁寧に取りのぞきました。ミルキーはその様子を指をくわえてうらやましそうに見ていました。ミルキー 「……………………。」その後、ミルキーはアリスによって服についたほこりを払ってもらいました。その後、ウサギさんが皆に言いました。ウサギ 「サメが放されたそうです。この海域で!」ジョセフ「なんだって?!じゃあ、この島からは出られないのか?!」皆泳いで、それから潜って潜水艦まで行こうというつもりでしたが………、それは無理なようでした。ジョセフ「潜水艦まで行けない!」ジョセフは腕を組んでいい脱出案を考えようとしました。その時!ウサ子 「待って!なにか音がします。」不意にウサ子がそう言いました。皆、驚きました。桃ニセアリスは急いで地べたに耳を着けてみました。すると、大きな地響きが起こっているのが分かりました。桃ニセアリス「象の軍団がこっちに向かって歩いて来る!」アリス 「は?象?」最初皆は桃ニセアリスが何を言ってるのかわかりませんでした。ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!しばらくすると、それは大地を揺るがすような地響きになりました。ジョセフ「なっ、なんだこれは?!」ジョセフは木の上に登って望遠鏡をのぞき、それがたくさんの石像によるものだと知りました。ジョセフ「大変だ!逃げないと!」同じく木に登って来た桃ニセアリスも双眼鏡をのぞいて言いました。桃ニセアリス「やべえ!やばすぎ!」-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.07.18
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辺り一面石像の山です。周囲全てが”石の色”に染まっていました。大量の石像がひしめき合う姿は不気味でした。それにほとんどの石像の顔に鼻や目や口がまだ掘られてなかったので、のっぺらぼうでよけい気味悪く見えました。右側の石像はその未完成の石像達に向かって命令しました。右側の石像「手始めにヤツを踏み潰せ!」そう言って右側の石像は左側の石像をしっかりと指差しました。ピシッ!左側の石像「うう!」未完成の石像達はその全てがいっせいに右側の石像の命令に従いました。まるで映画の中のゾンビが歩くようなカッコウで腕を前に伸ばしたまま、左側の石像目掛けて向かって来ました。左側の石像「うっ!」さすがの左側の石像もこの群集の数には恐ろしさを感じました。ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!一方、右側の石像がいなくなったので、ウサギさん達はアリスの足にからみついていた草を必死ではがしました。ガサガサガサ!パッ!ウサギ 「とれたあ!」モグモグ 「ピピ!」ウサギ 「急ぎましょう!」モグモグが走りながら皆をジョセフ達の所まで案内します。モグモグ 「ピピピピピピピピピピピピ!」皆は調子良く逃げました。ミルキー 「やっほーーー!」しかし!ドタ!今度はモグモグが道に生えていた長い草にからまってコケてしまいました。そのひょうしにモグモグの背中に乗っていた女子恒星はゴロゴロと道の先の方へ転がって行きました。ゴロゴロゴロ…………。地面に投げ出されたミルキーは泣きました。ミルキー 「ウエエエエエエ~~~~~ン!!ウエエエエエエ~~~~~ン!!」と、その時!ガサガサガサ!何か音がしました。ミルキー 「は?!」その時!倒れたモグモグに飛びかかって来る者がありました。「ガオーーーーーー!!!」草むらの中から怪物のような大きな口が飛びかかって来ました。そして、その者はモグモグにかみ付きました!ガブ!モグモグ 「ピピーーーーーーー!!!」アリス 「きゃーーーーーー!!!」よく見るとそれは……………、桃ニセアリスでした。桃ニセアリス「がぶう!」モグモグはやっとそれに気が付きました。そしてジト目で桃ニセアリスをにらみました。モグモグ 「……………………。」ミルキーもにらみました。ミルキー 「……………………。」でも桃ニセアリスはかみつくマネをまだやり続けました。それでミルキーに”軽べつの眼差し”を送られました。ミルキー 「ジーーーーーーーー!」面白くないので、桃ニセアリスは大きな口を開けたまま、「はあ~~~!」と熱い息をモグモグの背中に吹きかけました。モグモグはたまりません!モグモグ 「ピガアアアアアア!!!!」-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.07.17
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しかしその時、アリスの足が地面に生えて道をふさいでいた長いつる草にからまりました!アリス「あっ!」アリスは地面に倒れました。アリスは足にからまった草を必死に取り除こうとしましたが……、取れません!アリス 「あああ!」もがくアリスを右側の石像は踏みつけようとしました。アリス 「きゃーーーーー!!!」その時!「待て!」右側の石像は声のする方を振り向きました。そこには、左側の石像が立っていました。左側の石像 「……………………。」左側の石像は右側の石像をにらみつけました。右側の石像「また、オマエか!!どうせ、俺とオマエは一身同体。戦ってもまったく力は互角だ。戦っても決着のつかないまま、時間が過ぎていくだけだ!」左側の石像「戦いと言うものはやってみなくちゃわからないものだ!」右側の石像「どうしてもこれ以上俺の邪魔をすると言うのなら……、”アレ”を出すぜ!」左側の石像「なに!」左側の石像に焦りの表情が見えてきました。左側の石像「”アレ”はまだ未完成の筈だ!」右側の石像「ふふふ、知らないのか?”アレ”はもう動けるぐらいに完成しているぜ!」左側の石像「なんだって?!」言うが早いか右側の石像はクルッと左側の石像に背中を向けて走り始めました。左側の石像はそれを追いかけましたが…、2体はまったく同じ足の速さなので追いつけません。距離がまったく縮まらないのです。ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!そして右側の石像は島の中腹にあるあの大きな観音開きの扉がある洞窟までやって来ました。右側の石像は観音開きの扉の前に着いて「はぁはぁ」と大きく息をした後、腰に吊るしていた大きな鍵を持ち出して来て、そこにある錠前を開きました。そして扉を開放して、その奥に向かって大きな声で叫びました。右側の石像「おい!お前たち!時は来た!今こそ”俺たちの創造主様に造ってもらった恩”を返す時だ!俺たちの創造主様を”真人間”に変えてしまったヤツラを捉えて、踏み潰すのだ!」その時、左側の石像はやっとその扉の前に到着しました。ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!扉の奥からは不気味な地響きのような足音が聞こえて来ました。その音はここが洞窟のせいで何重にも重なっているように聞こえました。左側の石像「……………………。」ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!やがて洞窟の奥からは何十体もの”石像”が現れました。それは右側の石像や左側の石像と同じ大きさでした。それが、皆、まったく同じ歩調で歩いて来ました。左側の石像がよく相手の石像の群集を見ますと……、作りかけの物が多数ありました。顔がまだ掘られていない物がほとんどでした。それでも、左側の石像の所に向かって来ました。ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.07.16
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【最後の戦い 編】タッタッタッタッタッタッ!!その時、先を急ぐアリス達も目の前に………、ガサガサガサ!草をかきわけ、”右側の石像”が突如として現れました。ウサギ 「はああああ~~~~!!」右側の石像「ぐへへへへ!待ってたかいがあったぜ!」アリス 「きゃああ!!」ミルキー 「きゃあああああ!!!」女子恒星「きゃああああ!!!」モグモグ 「ピィーー!ピィーー!」右側の石像「お前たち!俺の”お頭”に何をした?!」ウサギ 「へ?」右側の石像「”真人間”になってしまったぞ!許さん~~~~!大それた事をしてくれたな!」ウサギ 「………………。」ウサギさんはひそかに笑いをこらえました。右側の石像「このう!俺がお頭に代わってお前たちを踏み潰してやる!」右側の石像の巨体が迫って来ました。ズシン!シシン!ウサギさんはアリス達に言いました。ウサギ 「逃げて!」ウサギさん達は走りました。アリス 「はぁはぁ!」ウサギ 「うわあぁ!!」右側の石像は結構足が速いです。アリス 「海岸線に逃げましょう!」ウサギ 「え?」アリス 「そこに潜水艦があります!」ウサギ 「そうですか!それに石像は海の中は泳げないかも知れません!重くて沈んでしまうので!」それでアリス達は海に向かって走り始めました。右側の石像「逃げても無駄だぜ!海にはお頭のペットであるサメをたくさん放しておいた。今頃、この島の周辺をウロウロしている。泳いでは逃げられんぞ!」ウサギ 「……………。」それでもウサギさんはとにかく皆に走るように言いました。-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.07.15
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その様子を遠くから望遠鏡で見ていたジョセフ。ジョセフ「すぐ、迎えに行きましょう!」桃ニセアリス「うん!」桃ニセアリス・ウサ子・モグモグもすぐに合流地点と思われる場所に向かう事にしました。やっと脱出に成功し、木々が生い茂った場所を一目散に逃げるアリス達。もうみんなヘトヘトなのですが、それでもがんばって走りました。アリス「海岸へ出ましょう!!潜水艦のいる所へ。」ウサギ「でも……………、道に迷いました。どっちが海岸方向だったのかもわかりません。鼻もききません。疲れてしまって何も匂わないんです。」アリス「そんな!」辺りは見渡す限り密林のようなジャングルでした。草木が進路を見えなくしていました。周囲は背の高い木々で多い尽くされていたのです。アリスとウサギさんは呆然として立ち尽くしていました。そこへ、一筋の太陽の光のような”黄金の光”がさして来ました。アリス 「は?」ウサギ 「は?」見上げて見ますと………、なんと頭上に”黄金に光る大きな鳥”が現れました。それはまばゆい光の中にいて、正確な形がわかりません。大きな翼を羽ばたかせてゆうゆうと空を泳いでいるように見えました。アリス 「あれは?」それは急降下して来て、アリス達の目の前に着陸しました。ウサギ「気を付けてください!敵かも知れません!」それは”黄金のキジ”でした。黄金の光に全身包まれて発光していたのです。キジは首をヒョイと横に向けました。そして翼の間から袋を取り出しました。その中にはパセリをきざんだ物が入っていました。キジはそれを食べました。不意にその黄金のキジは白い光に包まれました。アリス 「ああ!」そして変身が解けました。光が消えた時、中から現れたのはやはり”モグモグ”でした。ミルキー「モグモグぅ~~~~!」ミルキーはアリスの腕の中で暴れました。そこでアリスはミルキーをそっと地面に降ろしました。ミルキーは走って行ってモグモグに抱きつきました!ミルキー「モグモグぅ~~~~!」モグモグは翼の傷がいえてないのか、抱きつかれた時ちょっと痛がりましたけど。ミルキー 「よかった。よかった。」モグモグ 「ピィーー!ピィーー!」ウサギ 「感激の再会ですが……、時間がありません。すぐにモグモグに案内してもらいましょう。道を知っているはずです。きっと僕達を導くために来てくれたのでしょう!」コクコクとモグモグは大きくうなずきました。ミルキーはモグモグの背中に飛び乗りました。女子恒星もその前に座らせました。モグモグはパワーがありますので重い女子恒星も運べました。しかし……、まだ包帯は取れていませんでしたが。ミルキー「ハイヤーーーー!」ミルキーはまるで馬にまたがったような掛け声を出しました!モグモグは駆け出しました。そしてウサギさん・アリスもその後に続きました。そしてアリス達はジョセフらのもとへ走りました。-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.07.14
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青鬼「はははは!そうでしょう!やっぱりうまかったんでしょう!」そう言って青鬼もまたさらにカクテルを飲みました。ゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴク!!!!!青鬼 「ぷはぁ~~~~~~~~!」赤鬼「……。」そして飲み終えた青鬼の瞳はひときわキラキラと輝き、まっすぐな目線になっていました。青鬼「たしかにおっしゃる通りですね。新鮮な果物を取れたてのまま発酵させたんです。そのため鮮度が封印されて大変おいしく仕上がっています。最低でも6年ねかしているためか、マイルドな感じに仕上がっています。」赤鬼は腕組みをして、ウンウンうなづきました。そしてミルキーやアリスに目を移しました。赤鬼 「あれ?あそこで女の子やウサギが重そうな岩を積んでいますが……、いったい何をしているんでしょう?」青鬼 「本当です。大変そうですね。」赤鬼 「すぐにやめさせなければ!あんなかよわい女の子達が岩を運ぶなんて、無理です!」赤鬼はもはや目付きが”純粋な少年の目”に変わっていました。それを見たウサギさんはすかざずウサギ 「あのう……、すぐに止めさせてもいいですか?」と言いました。青鬼 「もちろんいいです!あんな女の子達に岩を運ばせるなんて、いったい誰があんなヒドい事を?!」ウサギさんは早速アリスたちの所まで行きました。そして岩運びを止めるように言いました。ミルキー「ふう。」それを聞いたミルキーは力が抜けてバタンと横に倒れました。アリスも尻もちを着きました。緊張が解けたのです。女子恒星は力が抜けた拍子に地面に転がって、その辺に置かれている岩に混じってしまいました。ウサギさんはその3人に近づき、小声で、ウサギ 「今だ!逃げましょう!」と言いました。鬼達からは凶暴性が消えていました。そしてまだ心配そうな目付きでウサギさん達を見ていました。ウサギさんは”キッチン”から拝借した果物ナイフでアリス・ミルキー・女子恒星に付けらていた縄を切りました。そして………、全員その場を逃げ出しました。タタタタタタ!!!赤鬼 「あの人たちは誰か悪い人たちにつかまっていたでしょうか?」青鬼 「さあ?でももしかするとそうかも知れませんねえ。でも逃げ出せて本当に良かったですね。」赤鬼 「ええ、まったく!」鬼達はアリス達を見送りました。ウサギ 「はあはあはあ!」ウサギさんは女子恒星をかかえて走りました。アリス 「はぁはぁはぁ!」アリスはミルキーを抱きかかえて必死に走りました。そして走り続けました。鬼達の姿が見えなくなるまで。ウサギ「成功だ!」-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.07.13
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ウサギさんはさっそくキッチンに戻りました。そして今度は大量のカクテルを作りました。シャカシャカシャカ……。シャカシャカシャカ……。シャカシャカシャカ……。そしてレモンをたらしたり、氷を入れたり、果物をさしたり、工夫をこらしました。さらにカクテルを綺麗なクリアブルーの色に染めました。ウサギさんは結局ビールの大ジョッキいっぱいのカクテルを作りました。それを持って鬼達の所へ行きました。赤鬼 「なんだ!遅いぞ!」ウサギ「大量に作ってましたので。」ウサギさんは冷えたジョッキを差し出しました。実によく冷えていて、水滴がグラスの周りにいっぱい着いていました。それはとてもおいしそうに見えました。青鬼 「おお!こんなに大量に!」赤鬼はそのおいしそうなカクテルを見て、一度唾を飲み込みましたが……、赤鬼 「なんでビールジョッキなの?」と聞きました。さっきまではグラスだったのです。ウサギ「はっ?!」赤鬼 「さっきまでは小さなシャンパングラスだったのに、今回はなぜ?」とウサギさんに疑問をぶつけました。ウサギ「(はああああ~~~~!)」すると青鬼が、青鬼「まあ、いいではありませんか?動物をいじめてはだめですよ。大きなジョッキに入れて来たのはきっと気を効かせての事ですよ。」と言いました。赤鬼 「おい、なんか口調が変わってるぜ。いつもと。」青鬼 「気にしないでください。それよりカクテルを飲んでみてください。味にうるさいんでしょ?一度キチンとした批評をしてくださいよ。」赤鬼は批評にはうるさい方でした。赤鬼 「よし、飲んでやる!俺の出す評価にケチは付けるなよ!」そう言って赤鬼はイッキ飲みしました。ゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴク!!!!!赤鬼 「ぷは~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!」青鬼 「どうです?ん?」赤鬼 「……………………。」青鬼は赤鬼の言葉を待ちました。すると……、赤鬼 「とてもおいしいですね。シャンパンの甘さと炭酸が効いています。ウサギの造る酒は新鮮な果物などを原料としてますが、このお酒もそれにもれずとてもフルーティーな仕上がりを見せています。」と言いました。口調が変わってました。-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.07.12
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【魔法のシャンパン 編】赤鬼 「ちょっと待て!」ウサギ「はっ?(ギクッ!)」赤鬼 「今、”ホッ……。”って言わなかったか?」ウサギ「いいえ。」赤鬼 「いや、確かに聞こえたが。」ウサギ「ヒック!ヒック!」ウサギさんは急にしゃっくりの真似を始めました。赤鬼 「なんのマネだ!おい?」ウサギ 「はっ! Σ( ̄□ ̄;) 」赤鬼 「急にしゃっくりのマネなんかして!」ウサギ 「いいえ、急にしゃっくりが出ただけです。」赤鬼 「オマエ、催眠状態から覚めてるんじゃないのか?!」ウサギ 「うう…。」そこへ青鬼が、青鬼 「まあいいじゃないか?疑うのはカクテルを作らせてからにしろよ。一度飲んでみるといい。格別だぜ!きっと驚くと思うよ。」赤鬼 「俺は酒の味にうるさいんだぜ!」青鬼 「フフフ、それは俺も同じだぜ!あのカクテルは酒にうるさい俺が認めた味だ。」赤鬼 「本当か?!」青鬼 「じゃあ、かけようか?!そのカクテルを飲んで”うまい”と言ったら、赤鬼の負けだ。」赤鬼 「よし、いいだろう!何をかける?」こうしてウサギさんはまたカクテルを作らされました。アリスたちは依然として、その間も”岩を組んで壁を作る作業”をさせられていました。もうミルキーがヘトヘトになって、隠れて地面に大の字になって寝ていました。シャカシャカシャカ……。シャカシャカシャカ……。ウサギさんはまた慣れた手付きでシェイクを完了させ、出来上がったカクテルを持って行きました。ウサギ 「お待たせしました。」ウサギさんはお盆の上のグラスを差し出しました。赤鬼 「ジロ!」ウサギ 「(はっ! Σ( ̄□ ̄;) ) 」赤鬼はウサギさんをにらみつけています。赤鬼 「こんなのが本当にうまいのかよ?」青鬼「まあ飲んでみろよ。」赤鬼 「フン!俺はそんじょそこらの味じゃビビらねえぜ!」ゴクッ。飲みました。赤鬼 「ひえええええ~~~~~!!うめえ~~~~~!!」青鬼 「あははは!みろ!賭けは俺の勝ちだな。」赤鬼はもう賭けの事などどうでもよくなっていました。赤鬼 「すぐに”おかわり”を持って来るんだ!!」とウサギさんに言いました。ウサギ「はいはい、ただいま!」-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.07.11
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青鬼 「ひえ~~~~~~!!うっ、うまい!!!」それは、今まで青鬼が飲んだどんなお酒よりもうまいカクテルでした。青鬼はグルメであり、また世界のお酒にも精通していました。しかしウサギさんの作ったカクテルはそれらと比較すると破壊的なケタ違いなおいしさがありました。兎の造るお酒がおいしいのと、青鬼は”真人間”の味が気に入っていたので、当然と言えば当然でした。青鬼 「こっ、これは何と言うカクテルだ?」ウサギ 「はい。このカクテルは通称”平和の伝道師”と呼ばれております。」青鬼 「”平和の伝道師”?なんだか、好きになれそうにない名前だなあ。とにかく”おかわり”を作れ!」ウサギ 「はい!ただいま!」ウサギさんはまたキッチンに立ちました。シャカシャカシャカ……。シャカシャカシャカ……。そしてシェイカーに氷を入れてよく冷やしました。青鬼 「今日は暑いなあ!」ウサギ「お待たせしましたあ!」青鬼 「おお!来たか!待ちわびたぞ!」青鬼は奪い取るようにそのグラスをつかみました。そして………、ゴクゴクゴクゴクゴクゴク!青鬼 「ひえ~~~~~~!!激ウマ!!!」青鬼は一気飲みしました。これでかなり”真人間のシャンパン”は青鬼の胃の中に入りました。青鬼 「また作れ!」ウサギ 「はいはい、ただいま!!」調子良く事が運びそうです。と、そこへ!「待て!」赤鬼が帰って来ました。赤鬼はウサギさんにその大きな顔を近づけました。そしてじっとウサギさんの顔を見ていました。赤鬼 「君、ホントにまだ催眠状態?」ウサギ 「ええ。」赤鬼 「ホントに?」ウサギ 「ええ。」赤鬼 「……………………。」ウサギ「……………………。」赤鬼 「よし、いいだろう!”バーテン”!俺にも青鬼と同じカクテルを作れ!」ウサギ 「(ホッ……。)わかりました!」青鬼 「俺の分も忘れるなよ。」ウサギ 「はいはい!ただいま!」-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.07.10
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夜が明けました。次の日、ウサギさん達はまた再建作業に借り出されました。ミルキー 「うんしょ、うんしょ。」女子恒星 「はあ、はあ……。」アリス 「ううう……。」アリスはミルキーや女子恒星をかばいながら働いていたので、クタクタでした。それでもがんばります。実はミルキーや女子恒星はあまり力が無いのでほとんど重い物を運べないのでした。それをカバーする為にアリスは1人がんばっていたのです。青鬼 「しっかり働けよ。一番働かない者から”食材”にするからな!」青鬼はビーチベッドに寝そべっていました。横にはビーチパラソル。派手なアロハシャツを着て、サングラスに麦わら帽子。さらに真っ白いビーチサンダルを履いていました。そして、アリス達の監督をしながらグラビア雑誌を読んでいました。青鬼 「おい!」青鬼は作業中のウサギさんを呼びました。青鬼 「カクテルを作れ!”バーテン”!」ウサギさんは催眠術にかかったフリをしながら、なかば再建されたキッチンに行きました。ここは、だんだんと元の形を取り戻しつつありました。ウサギさんはそのキッチンに立って、さもバーテンらしく銀色のシェイカーにお酒を注ぎ始めました。まずリキュール。そして、ウサギ達の酒場から奪って来たお酒[耳の味]・[ニンジン酒]、それからワイン[ボジョレーヌーボ]を加えました。そして、こっそり”真人間のシャンパン”を入れました。これは青鬼が一本キッチンの下の戸棚に隠していたものです。ウサギさんはあざとくそれを見つけていたのでした。全部一度に飲ませたいのですが……、それをすると味でバレる恐れもありました。それでバレない程度の少量をカクテルに加えました。そしてウサギさんはすまし顔でシェイクを始めました。シャカシャカシャカ……。シャカシャカシャカ……。慣れた手付きでシェイクします。そして曲芸のように2~3回空中にシェイカーを投げてから受け止めました。ウサギ 「~~~~~♪」そのシェイクの様子を青鬼はサングラスを下に下げて満足気にのぞいていました。ウサギさんは出来上がったカクテルをグラスに入れて、うやうやしく鬼達の所へ持って行きました。ウサギ 「お待たせしましたあ!」ウサギさんは鬼にそう言いました。青鬼 「ちょうどのどが渇いて来たところだ。なぜかウサギの造る酒はこの世で一番ウマいからな。ウサギの作るカクテルもきっとウマい筈だろう!もしマズかったら……、タダじゃすまさないぜ!俺はグルメなんだよ!ハンパな味じゃ満足しないぜ!」青鬼はそう言ってグラスに口をつけました。ウサギ 「(ゴク!)」-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.07.09
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深夜、またジョセフ達がそこにやって来ました。鉄格子の向こうには桃ニセアリス・ジョセフ・モグモグ・ウサ子が立っていました。アリス 「ああ!」アリス達は喜びました。桃ニセアリス「さあ、また”きびだんご”だよ!」ミルキー「わーーーーい!」ミルキーは両手の拳を握りしめて喜びました。桃ニセアリス「水もあるよ。」そう言って桃ニセアリスはペットボトルに入った水を見せました。アリス 「”ペットボトル”?せめて”竹筒の水筒”に入れて来てください。時代考証がなされてません。」桃ニセアリス「”潜水艦”から持って来たんだよ。そもそもあれが時代考証と合ってないと思うが……。」アリス 「………………。」ミルキーは”きびだんご”と水を早く渡すように、桃ニセアリスに手招きしました。クイクイ!桃ニセアリス「ええと、こっちの”きびだんご”は1個1両。ペットボトルは1ビン5両だ!」ミルキー「……………………。」こうしてきびだんごと水は差し入れられました。ミルキーは”きびだんご”をガツガツ食べました。ウサギさんは水をがぶ飲みしました。ゴクゴクゴク!ウサギ「ぷは~~~~~~!うまい!ああ、生き返る!」あまりにウサギさんがおいしそうに水を飲んだのでミルキーはそれをマネしました。ゴクゴクゴク!ミルキー「ぷは~~~~~~!うまい!ああ、生きかえるぅ!」水ときびだんごをもらって、皆の元気は回復しました。ジョセフは青鬼が持って来た雑草を袋に詰めて持って帰る事にしました。これはウサギさん達が「食べた」と見せかけるためです。これが減ってないのに、ウサギさん達のお腹がふくれていては不信に思われます。ジョセフ「もうしわけないんですが……、”トンネル掘り”の方は全然進んでません。この辺りはやはり地下まで岩が多いので。やはりあの”真人間のシャンパン”を鬼に飲ませるしかありませんねえ。それに、あれについて少しわかりました、あれは一度に大量に飲ませないと効果がないんですよ。少量だと酔いが覚めると同時に効果が消えてしまうんです。完全に”真人間”にさせるには………、一度に大量に飲ませるしかないんです。ある一定以上飲ませれば、”真人間”となったまま効果は消えないそうです。」ウサギ 「なんと!」アリスもその話をよく聞いて心に刻み込みました。それからジョセフ達はトンネル堀りの作業を始めました。桃ニセアリス「しんどいなあもう!」今夜は”左側の石像”が来ていました。その怪力を使ってトンネルを掘ってくれました。やはりパワーが違います。鬼並のパワーがあります。異常な速さでトンネルを掘って行きました。-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.07.08
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鬼のちょうやくはアリス達にとってはいい迷惑でした。そのたびに岩が揺れてアリス達はバランスを崩しました。アリス「きゃーー!」ドサッ!ドサッ!ドサッ!せっかくカゴに入れた岩が全てこぼれてしまいました。アリス達はその日1日中働かされて、ヘトヘトになりました。ウサギさんはスキを見て何とかあの”真人間のシャンパン”を盗もうとしましたが…、なかなかチャンスはやって来ませんでした。青鬼と赤鬼は交替で、一方がアリス達の見張り、もう一方が島の捜索をしていました。そしてハートプリンスのゴーストライターと言われる”伝説の救世主”を探していました。右側の石像も鬼達に言われて、捜索を手伝っていました。鬼達は時々、この島で一番大きな岩山に行きました。それは島の中腹にありました。高さは50メートル以上。非常に大きくて高い岩山です。その下、ふもとの所には洞窟の入り口が開いていました。鬼達はその入り口から洞窟の奥へと入って行きました。そこから20メートルほど地下に降りた所に…、非常に大きな観音開きの扉が設けられていました。それはお寺の門のような大きさがありました。この扉を開けて鬼達はさらに奥へと入って行きました。中で鬼達が何をしているのかはわかりませんでした。ウサギさん・アリス・ミルキー・女子恒星は夜はまた、あの鉄格子付きの洞窟に入れられました。ドサッ!ドサッ!ドサッ!ゴロ!ゴロ!ゴロ!ゴロ!乱暴に洞窟の奥へと放り投げられました。青鬼 「飯だけは食わせてやる!」そう言って、青鬼は木の器に植物が入った物を置いて行きました。そして、重い重い鉄格子の扉を閉めて行きました。ドガッ!ミルキーはとてもお腹がへっていたので、それを食べようと思いましたが………。ウサギ 「これはただの雑草ですね。」とウサギさんに言われました。ミルキー 「食べられるの?」ウサギ 「兎でも食べません。食べるとお腹がいたくなります」ミルキーはそれでしょんぼりしました。昨日桃ニセアリスが持って来たきびだんごはあまりにお腹が空いていたので全部食べてしまったのです。と、思っていたら…、アリスは洞窟内に隠していた昨日の残りの”きびだんご”を取り出して、ウサギさんとミルキーと女子恒星に一つづつあげました。アリスは自分の分を食べたフリをして少し残しておいたのです。ミルキーはむさぼるようにそれを食べました。ミルキー「アリスタン、のどがかわいた!」少しだけお腹がふくれて気分が良くなったミルキーが今度は飲み物を要求しました。アリス 「ここには水がありませんねえ………。」洞窟内には多少の湿気はありましたが、比較的風通しが良かったため、水はありませんでした。ミルキー 「ミルキータン、のどがかわいた!」アリス 「困りましたねえ。」アリスが入り口の方へ目を移すと、洞窟の鉄格子はしっかりと閉まっており、とても動きそうにありませんでした。アリス 「……。」ミルキー 「ミルキータン、まだお腹空いてる。」アリス 「困りましたねえ……。」-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.07.07
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ウサギさんたちはまた起き出して来ました。そしてアリスや女子恒星・ミルキーも起こして皆で”きびだんご”を食べる事にしました。ミルキー 「ミルキータン、お腹減ったよ~~!」ムシャムシャムシャ!すると……、ウサギ 「これはすごい!生き返る!力が甦るようだ!」まったくすごい回復力でした。”きびだんご”を食べると全身に力が沸いて来るような感じでした。ミルキーはガツガツときびだんごをほおばりました。そして……、喉をつまらせアリスに背中を叩いてもらいました。ミルキー 「ゴッホ!ゴッホ!ゴッホ!ゼーーーーーーーー!!ゼーーーーーーーー!!」アリス 「まあまあ、ミルキーさん、そんなに急がなくても!まだまだきびだんごはいっぱいありますよ。」次の日の朝。ウサギさん達がいる洞窟へ、また鬼達がやって来ました。そして鉄格子の扉を軽々と持ち上げて開きました。よく見ると”鍵がかかっていなかった”ようです。しかし鬼達のパワーがないとこの鉄格子を退かす事はとうてい不可能でした。赤鬼 「ようし!出るんだ!今日も”家”の再建作業に従事してもらう!」そして……、ウサギさん・アリス・ミルキー・女子恒星は洞窟から連れ出されました。そして、またもや”家の再建”が始まりました。今日は最初から全員が石運びをさせられました。”アリスとウサギさん”、”ミルキーと女子恒星”がそれぞれ一組になって岩を運びました。2人で棒を使って運ぶのです。棒の間につるしたカゴに岩を入れて少しづつ運びました。赤鬼 「さあ、しっかり働けよ!おらあ!!」青鬼 「あはははは!」アリス達は”鬼達がすれば5分で済むような岩運び”を何時間にも渡ってさせられました。アリス達につらい仕事をさせておいて、赤鬼はラジオを点けました。ラジオ「ラジオ体操、第一ぃ~~~~~~~!よお~~~~~い!はい!まずは手足を伸ばして背伸びの運動から。」赤鬼はその声につられてラジオ体操を始めました。ズシーーーーン!ズシーーーーン!赤鬼が運動するたびに大地が揺れました。ラジオ 「では、今度はその場で跳躍します。」ズシーーーーン!ズシーーーーン!ズシーーーーン!ズシーーーーン!ズシーーーーン!ズシーーーーン!ズシーーーーン!ズシーーーーン!まるで地震でした。-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.07.06
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その時!ウサ子の耳がそば立ちました。ピン!ウサ子「誰か来ます。」ジョセフ達はいっせいに振り向きました。背後に広がる暗闇。そこから誰か来るようです。気配がします。草のすれる音や、かすかな足音が聞こえます。ジョセフ達は急いで付近の草むらに身を隠しました。一方、ウサギさん達は寝たフリを始めました。ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!ジョセフ・桃ニセアリス・ウサ子・モグモグは上手く隠れました。ウサ子 「誰でしょう?鬼達はこの時間はもう寝ている筈です。」時刻は深夜になっていました。見上げると三日月がまばゆい光を放ちながら夜空に浮んでいました。ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!月明かりが照らす暗闇の中から”右側の石像”が現れました。右側の石像「まったく!”お頭”も人使い、いや、”石像使い”が荒いんだから!こんな深夜に巡回なんて!」左側の石像と壮絶な格闘戦を繰り広げ、あの時は見事にのされてしまった右側の石像です。右側の石像はウサギさん達を入れてある洞窟の鉄格子の前まで来て、電気カンテラを洞窟の中向けて当てました。そして中を点検しました。ウサギ 「グーーーーー。グーーーーー。」ミルキー 「すーーーーー。すーーーーーー。」女子恒星「すーーーーーう。すーーーーーーう。」アリス 「……………………。」右側の石像「働きつかれてぐっすり寝ているか……。」ミルキー 「キュ~~~~~~ぐるぐるる~~~!(腹の根)」突然、ミルキーのお腹の音が静まり返った洞窟内に響き渡りました。右側の銅像「むっ?!」ミルキー 「……。」ミルキーは滝汗をかき始めました。右側の石像「……。」右側の石像がミルキーに電気カンテラを当てて様子をうかがっています。それでミルキーは寝言を言うマネをしました。ミルキー 「ああ、おなかへった……。」右側の石像「ちっ!腹がへっただと!食材の分際で生意気な!それに俺なんか何にも食べなくても生きていけるのに!」石像というものは食べなくてもお腹がへりません。ミルキー 「ああ、チョコレートにアイスクリーム、キャラメールにケーキ、お好み焼きにたこ焼き……。ああ、食べたいな……。」右側の石像「ちっ!勝手にほざいてろ!異常なし!」ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!ズシーーーーーーン!右側の石像は帰って行きました。-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.07.05
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【救出作戦 編】その時、また別の音がしました。ガサガサ!ウサギさんの耳はまた驚きました。それは桃ニセアリス・ジョセフの後方から聞こえました。そして後の草むらからウサ子さんとモグモグが現れました。モグモグは所々に包帯を巻いていました。ミルキーはモグモグの姿を見て、また大声を出しそうになりました。ミルキー「はーーー!モグモグぅ~~!もがっぐはあ!」ミルキーはウサギさんによってまた口をふさがれました。大声を出すと鬼達に聞こえます。そして……、ウサギ 「うっ…、ウサ子さん!」ウサ子 「ウイリアムさん!よくご無事で!」そう言ってウサ子は涙を流しました。そして鉄格子によりそって手をかけました。ミルキー「もがっ!ぐはあ!」一方ウサギさんの方は、ミルキーがまだ暴れていましたので、その口を押さえているしかありませんでした。2匹はお互いに傷付いた体でボロボロでした。でも、お互い目を潤ませていました。ウサ子の目には涙がたまっており、それが月の光を受けて輝いていました。ウサ子 「かならず、ここから救い出します。」ウサギ 「でも、それはあまりにも危険です。」2匹の間にはとても動きそうにない重そうな鉄格子が横たわっていました。ジョセフ「昼間、鬼達の様子を見ていましたが……、”真人間”というシャンパンがあるようですね?」ウサギ 「ええ、その正体は魔法がかかったポーションです。それを飲むと……、その者を”真人間”に変えてしまうのです。」ジョセフ「うわさには聞いた事がありましたが……、まさか実在しているなんて思いませんでした。ところで、なんとか鬼にそれを飲ますように出来ませんか?」ウサギ 「やってみます。」ジョセフ 「では僕達は鬼達の目を盗んでここに”脱出用のトンネル”を掘る事にします。すぐに作業にかかりますが、いったいいつ完成するのかわかりません。この辺は岩が多いですから。」ウサギ 「わかりました。待ちます。ところで何か食料をもらえませんか?」桃ニセアリスは腰につけた”きびだんご”を出しました。それは袋の中にいっぱい入っていました。桃ニセアリスはそれを鉄格子の隙間から、ひとつひとつ渡して行きました。ウサギ 「おお!これだけあれば……!ありがとうございます、救世主殿!ご恩は一生忘れません!」桃ニセアリス「1個につき1両だ!」ウサギ 「……………。 (;-_-) 」桃ニセアリス「それと、非常の場合はこれ!」桃ニセアリスは何かネンドのような塊を出しました。そしてそれをウサギさんに差し出しました。ウサギさんはやっとおとなしくなったミルキーを手から放して、それを受け取りました。ウサギ 「なんです?これは?」桃ニセアリス「プラスチック爆弾。」ウサギ 「……分かりました。非常の際はこれでここの扉を爆破するんですね?」桃ニセアリスは起爆装置もいっしょに渡しました。桃ニセアリス「いや、非常の際はこれで自爆しろ。かならず鬼達を巻き込んで吹き飛ばすんだぞ!それで全て終わる。」ウサギ 「……………。 (;-_-) 」とにかくウサギさんはそれを受け取りました。-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.07.04
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アリスや女子恒星はまだ寝ているようでしたが、ミルキーの方は物音に気が付いて目を覚ましました。ミルキー「はあああああああ!」怪しい人影が近づいて来るのが見えました。しかし、周りが暗いのでシルエットだけしか確認できません。そして鉄格子の向こうからその人影は不意に、「しーーーーーーーーーー!」と言いました。よく見ますと、それは頭から草が生えている生物でした。ミルキー「きゃあああああああああ!!!」……と思ったら、ヘルメットを被った人間でした。ヘルメットに草をさしていたのです。カモフラージュの為に草をさしたヘルメットをかぶっていたのです。そしてその人物とは……、ジョセフと桃ニセアリスでした。ミルキー 「ああああ!!!」ミルキーは嬉しくなって、思わず「あーーーーーーーーーーー!」と大声で叫びそうになりましたが…………、後から手で口をふさがれてしまいました。ミルキー「もがはっああーーー!!もごもご………。」ミルキーの口をふさいだのは………、ウサギさんでした。ミルキー「????」ジョセフ「みんな、無事か?!」ジョセフが鉄格子の向こうから呼びかけました。桃ニセアリス「やっ!元気ぃ?」桃ニセアリスが”かあるく”呼びかけました。ウサギさんは小声で答えました。ウサギ 「一応みんな元気です。何も食べさせてもらってませんが…………。」女子恒星「あら?催眠術は?」女子恒星が起きて来て、ウサギさんに聞きました。ウサギ 「とっくに覚めてましたが…………、演技をし続けたのです。その方が鬼達にとっても面白いでしょうし。”そうしておけば命がながらえるだろう”と思ってかかったフリを続けていたのです。」女子恒星「まあ、そうだったんですか!」ウサギさんはミルキーの口から手を放しました。ミルキー 「ぷはぁーーーーーー!!」-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.07.03
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一方その頃”インテックス大阪城”では………、夜間ですが、作戦司令室の灯火はいっこうに衰えていませんでした。多数のモニターがこうこうと輝いていました。お殿様が作戦司令室に入って来ました。真衛門はさっそくお殿様の所に報告に行きました。真衛門 「あれから”桃太郎部隊”は目立った動きがなくなったようです。」丈二来瑠丹「なんだと?!」真衛門 「非常にマズい状況と思われます。戦車からのトレーサー信号が途絶えました。あるいは戦車が破壊されたと思われます。」丈二来瑠丹「なんと!」真衛門 「部隊の生存を確認できません。」丈二来瑠丹「こうなっては仕方が無い!!コマンドを派遣して、桃太郎部隊の様子を探らせるのじゃ!!」真衛門 「はっ!ただちに!」お殿様は心配でいつになく緊張していました。その口調がじんじょうではありません。どうにか平静を保とうとしているものの…、あせりが感じられました。丈二来瑠丹「ところで……、”MOMO計画”はどうなっておるか?!」真衛門 「はっ、作業は困難を極め……、もっかのところ何も予定が立っておりません。」丈二来瑠丹「くそうぅーー!」お殿様は思わず腕組みをしました。ウサギ 「ぐーーーーーー!ぐーーーーーーー!」ウサギさんのはイビキではなく”腹の虫の鳴き声”のようです。ウサギさんはずっと何も食べさせてもらえずにうちわをあおぎ続けたので、特にお腹が空いているようです。他の皆も同様で何も食べさせてもらってません。ミルキーと女子恒星は背中と背中(後頭部)を合わせて座った姿勢のまま眠りにつこうとしていました。女子恒星は重いのでアリスの膝に乗れません。そこで女子恒星は小さな岩の上にチョコンと座り、ミルキーはアリスの膝の上で背中だけ女子恒星とつき合わせて眠りにつきました。しばらくすると…………、鬼達が深く眠ったのか、イビキがやみました。そして……、ウサギさんの耳がヒョコンと立ちました。これは周囲を警戒しての事です。催眠状態の筈ですが、ウサギさんが無意識の内にこのように耳だけ動く事は珍しくありません。本能的にこのようになっているのでしょうか?ウサギさんの耳がレーダーのように旋回を始めました。ヒュン!ヒュン!ヒュン!ヒュン!耳は洞窟の外の方に方角が向きますと、そこで止まってじっとしました。ガサガサ!ギクッ!急に耳が2本とも驚いた動きをしました。やがて、洞窟の入り口の向こう側に何かが現れました。ウサギさんはねっ転がったまま、顔をそちらに向けましたが、催眠状態なのか目はまだ閉じたままでした。ガサガサ!ガサガサ!ガサガサ!ガサガサ!-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.07.02
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赤鬼は青鬼を井戸のところまで引っ張って行きました。ズルズルズル!そして無理矢理井戸の水を飲ませました。青鬼 「いや、僕は飲みたくない。」でも無理に飲ませました。ゴクゴクゴク!青鬼 「ブッハッ!ゴホッ!ゴホッ!ゴホッ!」赤鬼 「どうだ?目が覚めたか?!!」青鬼 「???何をするんだ?!!」赤鬼 「”真人間”を飲んだんだ。正気に戻ったか?!」青鬼 「はっ?!”真人間”?」それから…………、アリス・ミルキー・女子恒星・ウサギさんは2人の鬼達によってまた”家造り”をさせられました。そして、鬼ガ島にも夜が訪れました。鬼達は眠りました。赤鬼 「ぐはーーーーーーーーー!!!」青鬼 「ぐおーーーーーーーーー!!!」鬼達の大きなイビキはまるで地をはうような感じでした。その頃、アリス達は鉄格子付きの洞窟に閉じ込められていました。それは”鬼達の家”の再建現場から少し離れた岩山の中腹にありました。ここはかつてウサギさんが閉じ込められていた場所です。鬼達のイビキはしっかりとここまで届いていました。赤鬼 「ぐはーーーーーーーーー!!!」青鬼 「ぐおーーーーーーーーー!!!」大きなイビキの音はアリス達の睡眠を妨げます。それでもアリスとウサギさんはぐったりしていて、すぐに寝込んでしまいました。アリスの服は岩を運んだせいでボロボロになり、腕には擦り傷がいっぱいありました。ウサギさんにはまだ意識がありません。ずっと催眠状態のままです。ウサギさんの毛並みも不ぞろいになっていて、アチコチ傷だらけです。おまけに意識がないので毛づくろいをする事も無く、ひどい毛並みのまま倒れるように寝ていました。ウサギ 「ぐーーーーー!ぐーーーーー!」女子恒星は髪の毛がグシャグシャで、おまけに頬には涙を流した跡がはっきり出ていました。ミルキーも自慢の髪の毛がグシャグシャになっており、服はボロボロでした。そしてその小さな手は傷だらけでした。ミルキーはアリスの膝元で寝ていました。ミルキー「うう……、ウサギタン……。アリスタン……。」ミルキーは思わず涙ぐみました。涙でアリスのスカートをぬらしていました。女子恒星はそんなミルキーの肩にそっと手を置いて慰めました。そして、自ら発光して真っ暗な洞窟内をすこしだけ明るく照らしました。そして何と……、アリス達は鬼達から何も食べ物は与えられていませんでした。今晩はお腹が空いたまま眠らなくてはならないようです。-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.07.01
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赤鬼「あっははは!あっははは!あっははは!あっははは!」赤鬼は上機嫌で笑っていました。すると…、そこへ青鬼がやって来ました。そして、「おい、やめろよ!そんな風に働かすなよ。」と言いました。赤鬼 「はあ?なんだって?」驚いた赤鬼は青鬼の顔を見ました。青鬼「”そんな風に働かすな”って言ってるんだよ!」青鬼は普段なら赤鬼の顔を見ながら話すのですが………、今は赤鬼の方は見ずにアリス達の方を向きながら喋っていました。赤鬼 「おい!いったい何を言い出すんだ?」青鬼 「その人達にひどい事するなよ。俺が代わって”家”の再建をやるよ。」赤鬼 「はあ?」そう言って青鬼はアリスが運ぼうとしていた岩を片手でヒョイと持ち上げて運びました。アリス 「?」鬼のパワーを持ってすれば、その程度の岩など”おにぎり一つ分ぐらいの重さ”にしか感じません。そして、青鬼はウサギさん・アリス・女子恒星・ミルキーを休ませておいて、自分1人で家を作り始めました。ドカッ!ドサッ!ドカッ!ドサッ!ドカッ!ドサッ!重い岩が次々に運ばれて、アッと言う間に岩の壁が作られていきます。赤鬼 「………………。」青鬼は熱心に作業を続けました。赤鬼 「……………………。」赤鬼は腕組みしたままジッと青鬼のこの行動を見つめていました。赤鬼 「おかしい。何かおかしい………。はっ?!」赤鬼は気付きました。そして青鬼のもとへ走り寄りました。赤鬼 「おい!オマエ!また”真人間”を飲んだな?」青鬼 「へ?」赤鬼 「アレを飲むなと言っただろう?!」青鬼 「……。」赤鬼 「危険だ!井戸の水を大量に飲め!それで酔いを覚ますんだ!」一方その頃、海岸線までやって来た桃ニセアリスやジョセフ達は…………、とりあえず潜水艦まで泳いで行くより先に、まずここに背の高い木がはえていたのでそれによじ登って偵察をしました。ここからは”鬼達の家”がなんとか見えます。さっきから鬼達がアリス達に無理矢理家の再建をさせているところや、青鬼がそれを手伝っているところなど、一部始終を見ていました。ジョセフはその様子を望遠鏡で眺めていました。ジョセフ「……………………。」桃ニセアリスも双眼鏡で眺めていました。桃ニセアリス「……………………。」ウサ子「……………………。」モグモグ 「……………………。」ウサ子やモグモグもアリス達の事を心配していました。-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.06.30
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赤鬼 「ああ、いいとも!オマエにも持たせてやる!」赤鬼はニンマリ笑いました。そしてアリスが代わりに持つ事になったのですが……、アリスでも大変でした。確かにミルキーよりは力がありましたが………、それでもフラフラしながらうちわを持っていました。アリス 「うう……………。」アリスは苦労してうちわを水平に持ちかえて、なんとかあおぎ始めました。バサア~~~~~、フラフララ~~~~~。赤鬼 「くくく…………。」そこへ青鬼がやって来て、「おもいろいな!もっとあおがせろ!」と言いました。アリスは「ミルキーの代わりに」と一所懸命あおぎ続けましたが……、悲しいかな10分もするとすぐに疲れてきました。慣れない動作で力がいるのです。赤鬼 「しっかりあおがんかあ?!」アリス 「うう……。」バタッ!かわいそうにアリスは倒れてしまいました。赤鬼 「あはははは!」赤鬼 「ようし!”ハートえせプリンス”とその仲間!!今度はきさま達が破壊したこの”家”を…………、再建させてやる!」そう言って赤鬼はアリス達に岩造りの”家”の再建を命じました。ウサギさんは催眠状態だったので、さっそく言われた通り岩造りの家を再建を始めようとしました。ところが…、まず手始めにその辺に転がっていた小さな岩を持ち上げようとしましたが……、力が無いので持ち上がりません。ググググ!赤鬼 「どうした?どうした?そんなんじゃ一生かかっても”家”は完成できないぞ!あはははは!」青鬼 「まったくだ!あははははは!」また鬼達は笑っていました。赤鬼は今度はアリスにも”家”の再建を手伝わせようとしました。アリスは気合を込めて小さな岩を持ち上げようとしましたが………、でももちろん岩は持ち上がりません。アリスにはそれだけの力がありませんでした。アリスが最初に持ち上げて移動させようとした岩は直径20センチ程度の物です。それでもビクともしませんでした。アリス 「う~~~~~~~ん。ううう……。」青鬼 「あははは!」青鬼は気分が良くなりました。そして、さっき食料庫から1本拝借してきたシャンペンを出して、岩の陰に隠れてゴクゴクと飲みました。それはさっき「飲むな」と赤鬼から注意された物でした。青鬼 「ぷは~~~!!!」そのボトルのラベルにはやはり”真人間”とのロゴが印刷されていました。青鬼 「ぷは~~~!!!」赤鬼は今度は女子恒星にも手伝わせようとしました。しかし女子恒星にも岩は持ち上げられません。力が無さすぎでした。女子恒星 「う~~~~~ん!」それでもけんめいに小さな岩を持ち上げようとしました。その姿を見て赤鬼は、赤鬼 「”岩”が岩を持ち上げようとしている!あっははは!」と言って笑っていました。-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.06.29
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【”真人間” 編】その頃、桃ニセアリス達は………、ジョセフが強く発言していました。ジョセフ「皆を救出しに行こう!!」桃ニセアリス「でもどうすんの?武器ないじゃん!武器は戦車の中だよ!」ジョセフ「潜水艦に戻ればいい!武器はあの中にあります。さあ、急ごう!!」そして、桃ニセアリス達は海岸を目指しました。一方………、ウサギさんはまぶたを閉じているものの………、いっしょうけんめいうちわで鬼達を扇いでいました。鬼達は折りたたみ式のソファーを持ち出して、その上に王様気分で寝そべっていました。ウサギさんは休まずにうちわをあおぎ続けていましたが…………、ついに倒れました。ドタッ!アリス 「あ・あ・あ・あ!」アリスが心配して声を上げました。ウサギさんは体力が続かなくなって来たようです。うちわが重過ぎるのです。しかし、ウサギさんは倒れたまま、ヒクヒクとうちわをあおいでいました。催眠術下ですので無意識に「命令には従おう」としているのです。かわいそうにウサギさんは横になりながらも必死にうちわをあおいでいました。うちわの端は地面にすれ、砂ぼこりを舞い上げ始めました。それを見てまた赤鬼は大笑いしていました。赤鬼 「あはははは!あはははは!あはははは!あはははは!あはははは!あはははは!あはははは!あはははは!」アリス「何てひどい事を!」ミルキーはアリスの膝の上で気が付いていました。正義感の強いミルキーはまた鬼達に向かって言いました。ミルキー 「いいかげんにやめろ!この悪魔が!」赤鬼 「ジロ!」鬼は地獄耳です。今度もまたアリスがミルキーを止めに入ったものの、さっきの言葉はしっかりと鬼達に聞かれていました。赤鬼は表情を険しくさせてまたミルキーの所までやって来ました。そしてミルキーを自分の顔の高さまで持ち上げました。ズッ!赤鬼 「また、なにか喋ったな?」ミルキー 「ビクン!ビクン!ビクン!」赤鬼 「今度はお前があおげ!」鬼用のうちわは、うちわの羽の部分だけで1メートル。柄の部分も入れると2メーター近くになります。それに大変重たい代物でした。赤鬼はそれを無理矢理ミルキーに持たそうとしました。アリス 「あっ!」ドタン!うちわを持ったままミルキーは横に倒れました。赤鬼は倒れたミルキーを立たせて、もう一度うちわを持たせました。そしてそっと手を放しました。ミルキー「ぐぐぐぐ!」ミルキーはなんとか持ちました。いえ、”持ちこたえ”ました。顔が真っ赤です。ミルキー「ぐぐぐぐ!」アリス 「ミルキーさん!」赤鬼 「あおげよ」しかし、仰ぐ事ができません。ちょっとでも動かそうものなら、また倒れてしまいます。ミルキーはウサギさん以上に力がありませんでした。うちわを支えているだけで精一杯なのです。動かす事などできませんでした。アリスが「私が代わります!!」と言いました。-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.06.28
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赤鬼 「おっと!」赤鬼は”釣竿”を引き上げました。ミルキー 「はう!はう!はう!」ミルキーはジタバタと暴れました。アリス 「ミッ、ミルキーさん!!」すると赤鬼はまた縄をたらしました。ふたたびミルキーの身体は海面すれすれに降ろされます。そして水面が大きく膨らみ始めました。ミルキー 「ああああ!!!」ザッバーーーーーーーーン!ミルキー 「ぎゃあ~~~~~~!!」水面のふくらみから巨大な歯を持つサメの口が顔を出しました。そしてミルキーを丸飲み……、アリス 「ミッ、ミルキーさん!!」と思ったら、危うくミルキーはひっぱり上げられました。カキン!スレスレでサメが口を閉じました。ミルキー 「はう!はう!はう!」ミルキーは無傷です。しかし口から泡を吹きました。ミルキー 「はう!はう!はう!」ジタバタ!ジタバタ!アリス 「止めてください!私が代わります!」しかし赤鬼はヘラヘラと笑いながらまた縄を垂らして同じ事をしました。まるで屋台のウナギ釣りでも楽しんでいる感じです。10分ほど遊んで、ミルキーが気絶して完全に動かなくなると、赤鬼は縄を引き上げました。その後、ミルキーはアリスの膝元へ放り投げられました。ミルキーはぐったりしています。アリス 「何てひどい事を!」赤鬼 「これは良い遊び道具だ。明日またしよう!」アリス 「……………………。」鬼達は”鬼達の家”に戻りました。そこは破壊されていましたが、もともと床下収納庫に収納されていたシャンパンが奇跡的に1ケース丸々無事でした。そこで、青鬼は何気にケースの中にあったシャンパンを1ビン取り出しました。青鬼は喉が渇いていたので、ビンを開けてそのままラッパ飲みでゴクゴクやりました。ゴクッ!ゴクッ!ゴクッ!ゴクッ!青鬼 「ぷはぁ~~~~~!!!」そのボトルのラベルには”真人間”とロゴが印刷されていました。赤鬼がそれを見て顔色を変えました。赤鬼 「おい!”マズいぞ!実はな………、それは魔法アイテムのポーションなんだ!飲むと、その”ラベルに書かれた”通りになってしまうんだ!」青鬼 「は?」すでに青鬼はだいぶ飲んでいました。そして、少しボ~~~~となってきました。赤鬼は青鬼の手からビンをひったくりました。青鬼 「なにをするんだ?!!」赤鬼 「あぶねえ!とにかくもう飲むな!”真人間”になっちまう!」そう言って赤鬼はそのビンをケースにしまいました。そしてケースごとシャンパンを穴倉の倉庫にしまいに行きました。-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.06.27
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青鬼 「駄目だ、ボカァ(僕)”真人間”になりつつあるのかなあ?」赤鬼 「何をバカな事を言ってるんだ?!俺達は真人間なんかじゃねえぜ!根っからの悪人!”鬼”だ!」今度は代わって赤鬼がミルキーの身体をつまみ上げました。ミルキー 「きゃあ~~~~~~!!!」赤鬼 「くくく………、さっきの言葉、聞き逃さなかったぜ!」ミルキー 「ビクン!ビクン!ビクン!」赤鬼 「俺は口先だけのヤツは嫌いなんだ。口だけでほえるヤツがな。本当に強いヤツが好きなんだよ。強いと言えば……、サメをたくさん飼っているんだ。特にどう猛で強いヤツをな。」ミルキー「ブルブルブル~~~。」赤鬼 「それは…………、!人食いザメだ!」ミルキー「ブルブルブルブルブルブル~~~。」赤鬼 「オマエをそいつのエサにしてやってもいいんだぜ!」ミルキー「きゃーーーーー!!」アリス 「ミルキーさん!」赤鬼 「ふふふふふ!」赤鬼はミルキーをすぐそばの”水槽”と呼ばれる場所に連れて行きました。そこは大穴の開いた”水貯め”みたいな所でした。大きな穴が岸壁に開いているのです。直径はなんと20メートル。プール並です。今、鬼達が立っている場所から下の水面までの高さは5メートルありました。赤鬼 「下の方まで降りて行ける階段もあるんだが…………、エサはいつもここから投げ入れている。」アリス 「きゃーーーーー!!」ミルキーと同じくつれて来られたアリスが叫び声を上げました。赤鬼 「くくく………。」赤鬼はミルキーを縛っている縄にさらに追加して縄を結びました。そしてその先を”釣竿”と呼ばれる棒に結び付けました。アリス 「止めて下さい!!」そしてミルキーは穴の底の水面に向かってゆっくり下ろされて行きました。ミルキー 「ウエエエエエエ~~~~~ン!!ウエエエエエエ~~~~~ン!!」穴の中は少し薄暗く、不気味な感じがします。赤鬼 「くくくく……………………。」ミルキーの身体は水面近くまで下ろされました。とたんにミルキーのすぐ近くの水面の色が変化しました。そして波が異様にたち始めました。そう、下に”何かいる”のです。ミルキー 「きゃ~~~~~~!たすけて~~~~~!!アリスタ~~~~~~ン!!」アリス 「ミッ、ミルキーさん!」下の水の中に巨大な何かが動いているのがはっきりとわかりました。アリスのいる位置からは特によくわかります。それは巨大なサメです。水の中をゆうゆうと泳いでいました。そしてフイにサメは大口を開けて水面に顔を出しました。ザッバーーーーーーーーン!ミルキー 「ぎゃあ~~~~~~!!」アリス 「ミッ、ミルキーさん!!」-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.06.26
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一方その頃鬼達は……、女子恒星は”ボーリングのボール代わり”にして鬼達に遊ばれていました。女子恒星「きゃーーーーーー!!!」鬼達はボーリング好きです。女子恒星をわしづかみにして……、ムギュ!女子恒星「いったーーーーーーーい!」そしてレーンの向こう側に立たせてある”ピン”に向かってほうり投げました。赤鬼「どりゃああああああ!!!」ゴロゴロゴロ………!!女子恒星 「いやああ~~~~~~!!!」ドッカーーーーーン!!青鬼 「ストライク!!!」ピンは何と戦車に積んでいた”大砲の弾”です。金属製で当たるととても痛いです。ヘタをすると爆発の危険だってあります。アリス 「まあ、何て酷い!!!」ミルキー 「グスッ!グスッ!女子恒星タ~~~~~~~ン!!!ウエエエエエエ~~~~~ン!!ウエエエエエエ~~~~~ン!!」赤鬼 「あはははは!あはははは!」ウサギさんはまだ催眠状態です。青鬼はウサギさんに向かってささやきました。青鬼 「さあ、いいですか?まずは目の前にある”うちわ”を持ってください。」言われた通り、ウサギさんは目の前に置かれている大きなうちわを取りました。それはウサギさんの身長より長いうちわでした。青鬼 「さあ、それを持って我々をあおいでください!」ウサギさんは言われた通り、うちわでそそくさと鬼達を扇ぎました。しかし、あまりに大きなうちわ。それに比べて体重の軽いウサギさんはフラフラふらついていました。フラ~~~~~~~ン!フラ~~~~~~~ン!ミルキー「なんてヒドい事を!この悪人が!!!」ミルキーは思わず鬼達に向かってそう言ってしまいました。アリス 「ミッ、ミルキーさん!!」アリスは慌てて止めようとしたものの………、しっかりと鬼達には聞かれていました。青鬼はミルキーの所へ行って、その体を摘み上げました。ミルキー「きゃ~~~~~~!」アリス 「止めてください!!!!」青鬼は自分の頭のすぐそばにミルキーを持って行きました。ミルキーは地上から3メートルぐらいの高さの所に吊り下げられました。アリス 「止めてください!」青鬼 「チミ、何者?」ミルキー「ミッ、”ミルキー”です!」青鬼 「”ミルキー”?あーーー、それ名前ね?いや、そうじゃなくて………、キミ何者?”人間”じゃないよねえ?」ミルキー「ミルキータンは”かわいい女の子”です。」青鬼 「は?」ミルキー「とっても”かわいい女の子”なのです。」青鬼 「??????」青鬼はミルキーをいじめる気が失せました。さすがにこのようないたいけな少女をいじめる気にはなれませんでした。鬼にも良心はあるのです。そしてミルキーをそっと地上に降ろしました。アリス 「ミルキーさん!!」ミルキーは無事でした。-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.06.25
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ウサ子「まあ、やはり”ハートプリンス”様は他にもおられたのですね?」桃ニセアリス「その”やはり”と言うのはどういう意味かな?」ウサ子「いえ、別に特に深い意味は………。」桃ニセアリス「はっきり言ってみろよ。」ウサ子「いっ、いえ、あのう……………。」桃ニセアリス「”はっきり言ってみろ”って言ってるんだよ!!!」ウサ子「あっ、あの……、コメントの文章の感じから、やはり”違う方”かと思ったんです!」桃ニセアリス「”文章の感じ”だと?!どういうことだ?」ウサ子「あっ、あの、その………。」桃ニセアリス「”はっきり言え”って言ってるだろ!!!」ウサ子「あっ、あの文章があまりにも丁寧だったもので…………、それで、何と言いますか、今のあなたの喋り方と一致しないなと…………。」桃ニセアリス「……………………。なんだと?!それはいったいどういう意味だ?!はっきり説明しろ!」ウサ子「あ・あ・あ……………。」ジョセフが止めに入りました。ジョセフ 「まあまあ、その辺で。」ジョセフが中に入ってやっと収まりました。そしてウサ子は改めてジョセフと桃ニセアリスに言いました。ウサ子「助けてください、”ハートプリンス”様を!お願いします!」ジョセフ 「……………………。」ジョセフは腕組みをして下を向きました。ジョセフのけわしい表情を見ると、それが困難である事はひと目でわかりました。ウサ子 「……ところで、さっきのお話の”桃太郎”さんという伝説の救世主様は今どこに?」桃ニセアリス「はあ?何言ってやがる。それに……、”桃太郎”と言う呼び名は間違いだ!正確に言うと………、”プリンセス・ピーチ・ニセアリス”と呼ぶのが正しい。」ウサ子「え?”プリンセス・ピーチ・ニセアリス”様?では……、もしかすると………、あなたが、”桃太郎さん”ですか?」ウサ子は大変驚いている様子でした。桃ニセアリス「ちょっと待て。今頃何を驚いている?」ウサ子「え?でも、まさか?”伝説の救世主”様があなたのようなお方だったなんて……。」桃ニセアリス「おい!」-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.06.24
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【桃太郎を探せ! 編】その頃………、ジョセフ・桃ニセアリス・ウサ子・モグモグは森の中を進みました。あり合せの物で”たんか”を作って、そこにモグモグを乗せて運びました。ちょうど”桃太郎”の垂れ幕でたんかは簡単に作れました。そして細心の注意を払いながら、鬼達と出くわさないように進みました。桃ニセアリス「うんしょ、うんしょ。重たいなあ。」モグモグはぐったりしていて歩けません。桃ニセアリス「歩けよ!自分で。」桃ニセアリスはたんかを運びながら、モグモグに声をかけました。モグモグ 「……………。」しかし、返事はありません。桃ニセアリス「”重い”って言ってるんだよ!少しは運ぶ方の身になって考えろよ!ああ、これだからかさばる携帯食料はダメなんよ。もっと簡単に運べるレトルトパックの食品にすべきなんだ。」モグモグ 「……………。」桃ニセアリス「”重い”って言ってるんだよ!自分で歩けよ!出ないと…………、半分食っちまうぞ!」モグモグ 「ピィ~~~~~~~!!!」ジョセフ達はけんめいにアリス達の乗った戦車の姿を探しましたが………、いつまで経っても戦車と合流できないので、ジョセフは心配していました。そこで島の高台のような岩山のてっぺんに登り、そこから望遠鏡で周辺を捜索しました。すると同じく双眼鏡で島を探索していた桃ニセアリスが、戦車が”鬼達の家”の爆破解体現場にある事を見つけました。ジョセフも望遠鏡をのぞいてそれを確認しました。ジョセフ「戦車が横倒しになっている!みんなはどうしたのだろう?!」そんな時、赤鬼がマイクを握りました。すると島の各所に設置されたスピーカーから音声が流れました。赤鬼 「あーーーーー!桃太郎に次ぐ!桃太郎に次ぐ!すぐに出てきなさい!そうすれば悪いようにしないから。うっしししし……………!あ、いやいや……。とにかくこっちには人質がいる。まずは”アリス”という少女。次に”そしてボーリングの玉(女子恒星の事)”。さらに”ちっちゃいボロい人形(ミルキーの事)”。」これでアリス・女子恒星・ミルキーが敵の手に落ちたことがわかりました。ジョセフ 「……………………。」赤鬼「そして…………、さらに……………、”煮込み用のお肉”だあーーーー!」桃ニセアリス「煮込み用のお肉?はっ?ヤツだ!催眠術で眠りこけている”ハート兎肉プリンス”だ!」ジョセフ 「……………。」ウサ子「!!」その事を聴いてウサ子は大変驚きました。ウサ子「”ハートプリンス”というのはあなたの事ではなかったのですか?」桃ニセアリス「そうだよ。アタシの事だよ。しかし、彼は時々アタシの代わりに”ハートえせプリンス”の代筆をする。いわば”ハートえせプリンス”のゴーストライターだ!」-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.06.23
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ウサギさんはまだ目を閉じたままでした。赤鬼は素早くウサギさんの耳をつかんでその身体を空中に持ち上げました。その状態でもウサギさんは空手や格闘技かと思われる技を繰り出しましたが………、赤鬼は腕を横に伸ばしていましたので、もちろん赤鬼の身体まで届く筈はありませんでした。シュッシュッ!サッサッ!!ドシュ!ドシュ!ドシュ!ウサギさんはパンチやキックを繰り出し続けました。ウサギ 「たあ!たあ!たあ!」アリス 「……………………。」ミルキー 「……………………。」女子恒星 「……………………。」赤鬼はウサギさんをさっきの壁の残骸の上に置きました。そしてその顔に自分の顔を近づけました。実に大きな顔です。ウサギさんの身体ぐらいはありました。赤鬼 「おい!”ハートえせプリンス”!!オマエに聞くが……、”ハートえせプリンス”のゴーストライターは誰だ?!この中にいるのか?」アリス 「はっ?!」ウサギさんは催眠状態にあるのでスラスラと喋りました。ウサギ 「いいえ。この中にはいません。”ハートプリンス”のゴーストライターは……………………、かの有名な、”伝説の救世主”殿です。」赤鬼 「”伝説の救世主”だと?」青鬼 「何だ?それは?」ウサギ 「はい、桃太郎殿の事です。この地に伝わる”いにしえの伝説”によりますと……、そのお方は、鬼を退治できる唯一のお人です。」それを聞いて赤鬼は激しく怒りました。そして拳を力強く握りしめました。腕の筋肉の筋が浮いて来ました。赤鬼 「桃太郎だと?!!!!俺達を退治するだと?!」赤鬼は興奮しましたが、大きな声を出した後、少し落ち着きを取り戻しました。赤鬼「………くくくく!面白い!で、その桃太郎とやらもこのブラッディー・カサンドラに来ているのか?」ウサギ 「はい。」アリス 「(あーーーーーー!)」ウサギさんは全て喋ってしまいました。赤鬼 「くくくく………。桃太郎か……。いいとも勝負してやるぜ、桃太郎!今度はあの時のコメントのようにはいかないぜ!」青鬼 「そうとも!いいように料理してやる!そして本物の料理のダシとして使ってやるぜ!」アリス 「あ・あ・あ・あ………。」アリスは焦りました。-----------------------------------------------------------→『桃ニセアリス』 登場人物等の紹介 。→『桃ニセアリス』 前半のあらすじ。→今までの『桃ニセアリス』の連載はこちらから。
2007.06.22
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