宇江佐真理

宇江佐真理

彼女の描く世界はどれも温かで安心して読めます。
どの作品もハズレがほとんどないのも魅力☆

作家としての力量、素晴らしいと思うのですが・・・・・
これまでオール讀物新人賞や吉川英治文学新人賞、
中山義秀文学賞など受賞してるのみ。

もっと大きな賞をもらってもいいのに~(`ε´)と、ファンとしては
少々もどかしいです(^^;
【髪結い伊三次捕物余話シリーズ】
「幻の声」
「紫紺のつばめ」
「さらば深川」
「さんだらぼっち」
「黒く塗れ」

髪結いをしながら町方同心のお手先をつとめる伊三次を主人公に
辰巳芸者の女房のお文や、回りを取り巻く江戸庶民の季節や
営みを鮮やかに描いていて「お、粋だねぇ~」と思わず声を
かけたくなる艶やかさを感じるシリーズです。

最初の頃は、伊三次やお文の独特の江戸っ子風いいまわしに
違和感を覚えたものの、読み進むにつれて、彼らの気風の良さや、
その裏にある情の深さみたいなものに愛着を感じて、最近では
一番お気に入りの作品群です(o^v^o)

とりあげる事件は、江戸を舞台にしているとはいえ、今現在の
物騒な世相を反映した現代感覚も盛り込まれていて新鮮です。

シリーズ5弾の「黒く塗れ」では、ついに伊三次も「テテオヤ」に!^^
これから、どんな父親ぶりを発揮してくれるのか楽しみ~♪
『幻の声』はオール讀物新人賞受賞作
☆☆☆☆




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『深川恋物語』 
こちらは江戸深川を舞台の6つの短編集。
どれも切なさあふれる清清しい恋物語です。
第21回吉川英治文学新人賞受賞作。
☆☆☆☆

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『雷桜』
雷雨の晩に何者かにさらわれた庄屋の一人娘遊が、その
15年後に“狼少女”として帰還・・・・
運命の波に翻弄されながら、凛として一途に生きた女性を描いています。

宇江佐さんの他の作品は江戸の小市民的な柔らかさを感じる
ものが多いような気がしますが、コレは一転して、力強い作品!
運命に流されず、自分の生き様を貫く遊の凛とした姿には
とても感銘をうけました。
☆☆☆☆

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『あやめ横丁の人々』
婿入りの祝言の席上、妻に思い人のあることを知った旗本の
三男坊、紀藤慎之介は逆上して間夫を斬り捨て。
妻も自害してしまったため、婚家につけ狙われ、本所「あやめ横丁」
に匿われる。が、この町の住民はみな何やら訳ありで…。。。と
某新聞に連載掲載された、この作品、実にたくみに構成されていて
、次を読みたい気持ちが↑↑
あっというまに1冊、読みつくしてしまいました。

「あやめ」といえば、当然、花の「あやめ」を連想しますよね?
ところがどっこい・・・・おっとネタバレなので秘密~^^;

人情味たっぷり、温かくて、切なくて・・・彼女の持ち味あふれる
この作品、ダントツお気に入りの作品です

ご本人の後書きに「この作品は時代小説というより
ファンタジーと捉えていただければわかりやすいかと思います」
と書いてあるとおり、設定が少々荒唐無稽かも。
でも「・・それでも敢えて書いてしまったのは、人があまりにも
簡単に殺されている世の中だからです」という彼女の痛切な
思いが、しみじみと伝わってきます。

以前は時代小説を手にとること、ほとんどなかった私ですが、
最近は、すっかり虜に~☆
ニュースを聞くたびに耳を疑うような殺伐とした事件が多発の
今日この頃。
時代小説の中には現代人が忘れ去ってしまった「人情の
温かみ」があるから心惹かれてしまうのかもしれません。
☆☆☆☆☆

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「寒露梅」  

おとせというお針子の目を通して描かれる、吉原の艶やかな世界と
その裏にある切ない人情の世界を描いた作品。
廓の四季折々の年中行事に沿いながら話を進めているので、
季節感たっぷりだし、吉原で人気のあったお菓子の話題なども
あって興味深く読みました。
全編、いかにも宇江佐さんらしい細やかな目配りが行き届いている作品
☆☆☆

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「おぅねぇすてぃ」 

彼女にしては珍しい明治モノ。
題材は明治初期、通訳を目指して英語を学ぶ男性、という面白い観点
なんですが・・・・・・・・
話がイマヒトツ広がらなくて、残念!と感じました
☆☆

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「涙堂 琴女癸酉日記」 

う~~ん・・・これまた、ちょっと私的には、ちょっと物足りなかったかも^^;
同心と死別した妻女琴が浮世絵師である息子と一緒に町人長屋で
過ごすなか、巷で起こる珍事や事件をユーモラスに綴った作品です。
昨今の現実世界を暗示させるような事件を憂える琴の姿は
たぶん宇江佐さんの心情を反映させているんだと思われます。
☆☆★

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「斬られ権佐」 
宇江佐さんの作品のなかでは一番お気に入りのものです♪

惚れた女を救うため、身体に八十八箇所の刀傷を持つ権佐。
いつ燃え尽きるかわからない命を、家族を守り、仕事をまっとうするために
捧げる権佐の男意気・・・・んも~~、惚れ惚れします(//∇//)

女医をしている妻あさみは、今で言うキャリアウーマンといえるかも。
その彼女を陰になり表になり支える権佐の、家族を思いやる
気持ちの熱さ!
これって、仕事をもつ女性にとっては理想の男像かも~?(^_-)

家族に心を残しながらも死ぬ間際、娘に残す言葉・・・くぅぅ~
泣かせられましたよ~~!!(;O;)
でも、読み終わった後の清涼感と満足感はピカイチ☆
☆☆☆☆☆

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