CATのアメリカ東海岸留学

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未認定校 学位工場 学位商法

「学位商法」 「アメリカの大学認可制度と無認可大学」 もご覧に
なることをお勧めする。また、より詳しくこの問題の日本での現状を知りたい方は、この問題に果敢に
取り組まれている 静岡県立大学の小島教授のHP を見ることもお勧めする。

アメリカ発の未認定校は州による認可(日本の常識からすれば驚くべきことだが、州による認可は
その学校から授与される学位等に普遍的実効性を与えるものではない)を前面に押し出し、後でも
述べる民間の大学認定団体に認定されていないことを隠すことが多いので、時に未 認可 校と言われる
こともあるが未 認定 校といったほうがより実態を表していると思われる。

さて、アメリカと日本の大学システムの決定的な違いを知っている人は意外に少なかったりする。
日本では文科省のお墨付きをもらっていなければ大学という名称は使うことはできないし学位を
授与することもできない。ところが アメリカの連邦政府は大学の許認可に直接かかわっていない。

州レベルでの大学の許認可は存在するが、認可基準の甘い州による認可は一般に「認可」という
言葉から受ける印象よりもむしろ登記(存在を「登録」するだけ)という感覚に近い。
そして驚くべきことにその学校から授与された学位等が一般的に通用するかどうかはむしろ
地域ごとに存在する 民間の認定団体(accrediting association)に認定されているかによる のだ。

わかりやすく言えば州の認可はあくまでも「形」としての大学に対するもので(繰り返しになるが
この認可基準は驚くほど低い)大学としての「内容」は以下にあげる アメリカ教育省 (US Depart
ment of Education)や 高等教育認定委員会 (the Council on Higher Education Accreditation)に認め
られた、民間の認定団体の基準をクリアするものでなければならない。

NY州などをカバーしている Middle States Commission on Higher Education
マサチューセッツ州などをカバーしている New England Association of Schools and Colleges
コロラド州などをカバーしている The Higher Learning Commission
ワシントン州などをカバーしている Northwest Commission on Colleges and Universities
ジョージア州などをカバーしている Southern Association of Colleges and Schools
カリフォルニア州などをカバーしている Western Association of Schools and Colleges

これらの認定団体のうちいずれかに認定されていない「大学 (College もしくは University)」と
名のつく団体から卒業してもまるで役立たずになってしまったり、途中で他校に転校しようとしても、
単位が転校先の学校で認められなかったりする場合がある。

余談になるが、分野によっては分野ごとに民間の認定団体が認定を行っていることもあり、たとえば
MBAの場合は AACSB もしくは IACBE に認定されていなければ卒業しても学位が紙くず同様に
終わってしまう可能性がある。

ちなみに日本ではこれらの認定団体に 認定されていない アメリカのMBA校と称する学校が活発に
活動しており、知ってか知らずか大手新聞社などがバックアップしていたりするものもある。

話は未認定大学に戻るが、例えばある州で認可された大学という名の下に運営されている団体から
授与された学位が他州で「学位として認定不可」とされてしまうケースもある。わざわざ「うちでは
これらの大学からの学位は認めません(違法)」というリストを公表しているところ( オレゴン州
テキサス州 メイン州 )もある。また、ミシガン州の様に 高等教育認定委員会 の発表している資料を
参考に、 同州内で認められない学校のリスト を公表しているところもある。

この日本とは根本的に違う大学の認定システムを知らないがためにトラップにはまってる人を何人も
見てきた。 留学斡旋業者から未認定校に送り込まれていた り、日本で「アメリカの通信教育大学院で
勉強しています」と言ってる人が 大学院だと思っていた学校が実は未認定校だった り(未認定校は
通信教育にビジンネスチャンスを見いだしていることも多い)、 某高専の助教授が未認定校ビジネスに
精をを出していた
り、中には 追い詰められたところで開き直ってしまっている人 などもいた。

実はそのような学校の(英文)HPにはけっこう正直に「未認定」であることが書いてあったりするが、
たいていわかりにくいところに書いてあるし、そこらへんはいわゆる悪徳商法と手法は同じである。
英文なので日本の人はそこまで読まないだろう、とタカをくくられている面もあると思う。

地雷をふんじゃった人たちで「学位の問題じゃない。そこに至るまでに積み重ねた 『努力』にこそ
価値がある
んだ」とかいうことを言う人もいるだろう。(そしてこれは痛いところをつかれた時の
未認定校の典型的な言い訳でもある。)それはそれでいい。 自己満足は個人の問題 だから。ただその
「努力」が公には認知されづらいという事実はかわらない。

また日本では、この日本とは違うアメリカの事情があまり認知されていないために、「未認定校から
授与されたアメリカの大学の博士号」などをふりかざすコンサルタント、医師を含む医療関係者や
大学教授、TVに出演しているコメンテーターなどを見かけることがあり、またTV制作スタッフの
スタッフロールや雑誌の記事、本の著者名などに関係者の名前を見かけることがあるが、知っている
者から見れば滑稽でしかたがない。

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(2007年8月31日更新)

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