ちからたろう

秋3ちからたろう秋3ぶん:いまえよしとも え:たしませいぞう


ちからたろう


       ちからたろうは本名をこんびたろうと言います。
       こんび、というのは垢のことです。
       お風呂になんかめったに入らない貧しいおじいさんとおばあさんが
       無理してお風呂をわかして、
       自分たちの垢で作った人形をこんびたろうと名づけたのです。

       ・・自分の垢で人形を作る!・・そのきたなさがもう、子供には大受け。

       で、この真っ黒けのきたないこんびたろう、
       寝たまんまで、ほぎゃあとも言わないんだけど、
       ご飯だけは パクパクよく食べます。
       「自分たちが食うや食わずのくせに」と
       じいさま、ばあさまは馬鹿にされるのだけれど
       「なんと言われても大事な息子」と歯を食いしばって何年も辛抱します。

       ・・・ここで私はじ~んときます。なんと美しい無償の愛。

       で、ある日、突然、こんびたろうは口をききます。
       それも、かなり横柄に。
       「おらに百貫目の金棒をつくってけろ。」

       ・・・この言葉使い!
       桃太郎なら、「どうかきび団子をこしらえてください。」と
       礼儀正しく正座して、
       敬語を使って話すはず。

       それからはまあ、お決まりの昔話のヒーローよろしく
       次々に家来を携え、悪者退治に大活躍。

       それで、最後がいいんです。
       お城から召抱えたいとお誘いが来るのですが、
       「おらたちは、村で暮らすほうが気楽じゃ。」と相手にしないんです。
       ・・・これって現代なら大企業からの条件の良いオファーを蹴って、
       田舎暮らしを選ぶようなもの?

          * * * * * * * * *

       マイペースで自然体。
       お宝や地位に目がくらんだりしない、自分の価値観を持っている。
       こんびたろう、いいなあ。好きだなあ。

       話は変わりますが、この間、韓国式垢すりを体験しました。
       まあ、出るわ、出るわ、
       わたしもこんびたろうが作れそうなほどでした。(赤面)
       ちゃんと、毎日お風呂に入ってるんだけどなあ。





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