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死んでゆく ものうらやまし 冬ごもり久保田万太郎
2012.01.31
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雪へ 雪ふるしづけさにをる山頭火「雪のしづけさ(雪のさびしさではない)、雪のしヾまを感じる、それは自己観照である」
2012.01.30
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「なんでクローディアはあなたと話さないの? ・・・言って」「娘は私が性的イタズラをしたと思っているんだ。私にひどいことをされたと思い込んでる」「・・・手を出したの?」「・・・分からん」この作品を手がけたポール・トーマス・アンダーソン監督は、やっぱり天才だ。映画的センスにあふれ、観る者をグッと惹きつけて離さない、豊かな表現力を感じる。 『マグノリア』の全体からかもし出される、暗く、陰鬱な、人々のどうしようもない悲痛な嘆き。自分で自分を持て余すワケありの者たちに、一筋の光を当てている。この見事な感情の流出は、最後の最後になって、キリストの復活にも似た奇跡を起こす。 注目していただきたいのは、やはり父と子の関係だろう。どのパターンも最悪な関係で、修復など不可能に思える。だが必要なのは、修復などではなく、癒しと救いなのだということが分かる。忌わしい過去に囚われ続ける、弱く哀しい人々が、まやかしの名声やドラッグの力を借りて、生きている姿。この描写の素晴らしさと言ったらどうだ!とにかく、観る者を圧倒させる。舞台はロサンゼルスの郊外、ヴァレー。資産家で、若い妻リンダを持つアールは、すでに末期症状だった。ある時、アールは、献身的な介護士のフィルに息子探しを依頼する。アールと先妻との間に儲けた息子だが、妻子を捨てた過去を持っていたのだ。その息子は現在、フランク・T・J・マッキーと名乗り、モテない男を奮起させ、性コウイのノウハウを教えるカリスマとして人気を集めていた。一方、人気番組の司会者であるジミー・ゲイターも、ガンを宣告され、余命いくばくもない立場にあった。親子関係の悪い娘クローディアと話し合おうとして、アパートを訪ねたところ、すげなく追い返される。クローディアには、過去、父親との間に忌わしい体験があった。そんな彼女はドラッグに溺れることで、過去や今の自分から逃避するのだった。そんな彼女と出会うのが、生真面目な警察官ジム。さらに、テレビのクイズ番組で天才少年として人気を集めていたスタンリー。スタンリーは本番前にトイレに行けず、ついには本番中に漏らしてしまうというトラブルが発生。それが原因でクイズに答えることができず、控え室で待機していた父親が激怒する。様々な苦悩を抱える男女が織り成す人生模様。この作品に出演している俳優陣の力の入れようたるや、並々ならぬものを感じる。トム・クルーズもその一人なのだが、これまでのキャリアと比較しても、実に思い切ったキャラクターに挑んでいる。しかも、その役を熱演していて、驚くほど自分をさらけ出している。すごい。さらに、フィリップ・シーモア・ホフマンやウィリアム・H・メイシーの、いかにも現実味のあるキャラクターづくりは、この作品をしっかりと地に足の着いた内容に完成させている。濃厚で、灰汁が強く、一度観たら忘れられないようなインパクトがあるが、同時に、ポール・トーマス・アンダーソン監督の芸術的手腕に脱帽してしまうのだ。1999年公開【監督】ポール・トーマス・アンダーソン【出演】トム・クルーズ、ジュリアン・ムーア、ウィリアム・H・メイシーまた見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。See you next time !(^^)
2012.01.29
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雪つもりつもりつもりて哀しさよ久保田万太郎
2012.01.28
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真理真理は時に人間を前へおし出す真理は時に人間を後ろへひき戻す真理は黙って人間についている進めそして退け真理と共に関口江畔
2012.01.27
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【ダイ・ハード4】「英雄とは何か。撃たれるだけさ。“よくやった、偉い”と背中をポン。女房とは離婚。名字も忘れられる。子供は口を利かず、飯はいつも独り。そんな奴になりたいか?」「でもやってる。」「他にやる奴がいない。やる奴がいりゃ喜んで代わるが、誰もいない。」「そうか、そこが英雄なんだ。」映画を観賞する上でいつも思うのは、それこそが基本的に大衆向けの娯楽であるから、話題となる作品には自然とその時代の有り様が反映されているということだ。例えば「ロッキー・ザ・ファイナル」では、頂点に登り詰めた男ロッキーでさえ息子との確執に苦悩し、エイドリアン亡きあと孤独感に苛まれ、それは何を持ってしても埋められるものではなかった。しかし、再びリングに上がることで過去の栄光にすがりつく老兵で終わることを拒絶したのだ。「ダイ・ハード4.0」でも類似性が見られる。それは現代社会が再び家族関係の見直し、もっとストレートに言うと親子関係のあり方を真剣に問う時期にさしかかっている証拠でもある。「そんな問題は古今東西、今さらのテーマだ」と、我々は目を背けて来た。「しかたがないのだ」と。この作品は独立記念日の前夜、FBIのサイバー犯罪部が何者かにハッキングされたことから物語が展開する。その恐るべき行為はサイバーテロで、全米の都市機能が壊滅状態となってしまう。NY市警のジョン・マクレーンの元に、近くに住むハッカーのファレルの身柄を確保し、ワシントンD.C.にあるFBI本部まで連行するよう無線が入る。ジョンがファレルのアパートまで出向き、連行しようとした矢先、何者かによって突然銃撃を受ける。作中、大型トレーラーとF-35戦闘機の対決シーンが出て来るのだが、見事な描写力。美術効果である。また、マクレーン刑事の愛娘ルーシーに「ジョン」と呼び捨てにされるシーンで、「その呼び方はやめろ」と応じるセリフは「アルマゲドン」のパロディらしく、興味深い。ジョン・マクレーンが愛娘のために捨て身でがんばっている姿を目にした時、無償の愛を感じないではいられない。ギブ・アンド・テイク主流の男女間の愛に終わりがあっても、親と子の絆は永遠である。 スイッチ一つでデータの消えていくデジタル社会の中で、愛という灯は決して絶やしてはならない崇高な魂なのだ。2007年公開【監督】レイ・ワイズマン【撮影】サイモン・ダガン【出演】ブルース・ウィリス、ジャスティン・ロング、クリフ・カーティス、マギー・Q 、ティモシー・オリファント~掲載紹介~ ダイ・ハード1はコチラダイ・ハード2はコチラ ダイ・ハード3はコチラ
2012.01.25
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ガンバレ受験生!『ロッキー・ザ・ファイナル』からGO THE DISTANCE!やり遂げるのだ!ガンバレ受験生、最後の最後まで決してあきらめるな!※ロッキー・ザ・ファイナルはコチラでご覧ください(^^)v
2012.01.25
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ガンバレ受験生!『ロッキー・ザ・ファイナル』から胸を張って挑戦して何がおかしい?ガンバレ受験生、最後の最後まで決してあきらめるな!※ロッキー・ザ・ファイナルはコチラでご覧ください(^^)v
2012.01.24
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ガンバレ受験生!『ロッキー・ザ・ファイナル』からどんなに強く打ちのめされても、こらえて前に進み続けることだ。決してあきらめずに前に進み続けろ!ガンバレ受験生、最後の最後まで決してあきらめるな!※ロッキー・ザ・ファイナルはコチラでご覧ください(^^)v
2012.01.23
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「しかし何で犯人の八重樫は立て篭もったんでしょう? 総監以下幹部12名を人質に篭城したくせに、一切交渉にも応じず、何も要求してこなかった」「確かに妙ですね」「八重樫の篭城の目的が分からない限り、事件は解決とは言えません」『相棒』シリーズは、テレビドラマとしてもう長い間お茶の間の皆に支持されて来た作品だ。劇場版として公開されたものについても、観客動員数は見事な数字を打ち出し、興行的にも大成功を収めている。主役の水谷豊は、なんと言っても昔からのコアなファンに厚い支持を受けているし、及川光博も同様だ。この二人がタッグを組んで、数字が取れないわけがないのもまた事実である。作中のキャラクター設定もおもしろい。水谷扮する杉下右京は、東大卒の頭脳明晰な刑事でありながら、どこか風変わりで、紅茶をたしなむ優雅さを備えている。権力に屈しないし、組織の中では同調しないから煙たがられる存在だが、そういう孤高な生き方に視聴者はたまらなく惹かれてしまうわけだ。相棒となる神戸尊も、クールでセレブな雰囲気で周囲を圧倒する存在感を発揮する。バランスの取れたパートナーなのだ。舞台は警視庁本部。特命係の神戸尊は、エレベーターに乗ろうとしていた。すると拳銃を手にした男が、女性職員を捕まえているのに気付き、咄嗟に助ける。その後、男は会議室に直行し、警視総監を始めとする12名の警視庁幹部を人質に取る。 だが犯人の動機は分からず、身代金等の要求もないことで手をこまねいていた。会議室が機動隊とSITによって包囲される一方で、犯人の特定が出来ずにいたが、杉下右京の奇策によって会議室内をデジカメで撮影することに成功。鑑識の米沢が調べたところ、犯人は元警視庁公安の八重樫哲也だと判明した。今回の劇場版2での見どころは、小野田官房室長(岸部一徳)の動向だろう。ポーカーフェイスなだけに、言動だけではどうにも計り知れない野望が見え隠れするのもおもしろい。ヒロイン朝比奈圭子に扮する小西真奈美も、お嬢様キャラから脱却して、精神力の強い女性を見事に演じている。脚本もまずまずで、ドラマチックさにやや欠けるものの、全体的にまとまっていて、安心して楽しめるサスペンスドラマに仕上げられていると思った。2010年公開【監督】和泉聖治【出演】水谷豊、及川光博また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。See you next time !(^^)
2012.01.22
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大寒の 埃の如く 人死ぬる高浜虚子大寒の今日も常と同じく念じる姿を見るに「常住不滅」を感じるのでした。大寒や 来し方行く末 ひた念じご粗末...
2012.01.21
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極楽の 近道いくつ 寒念仏蕪村
2012.01.21
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やぶ入を 守る子安の 地蔵尊与謝蕪村
2012.01.20
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「彼は生まれて初めて自分に体臭がないことを知った。彼は誰にとっても“無”の存在だったのだ。“自分が誰の記憶にも残らない”という恐怖。この世に生きた証がないのと同じだ」18世紀のフランス、パリのセーヌ河沿岸に並ぶ魚市場でジャン=バティスト・グルヌイユは誕生した。彼は何キロ先の匂いも嗅ぎ分ける超人的な嗅覚を持っていた。成人して皮なめしの職人となったグルヌイユは、配達途中でプラム売りの赤毛の少女と出会う。彼女の放つ香りをグルヌイユの嗅覚は捉えて放さず、激しく鼓動した。彼はその香りを我が物にしたいと欲した。犬のように付きまとうグルヌイユに怯えた少女は悲鳴を上げる。彼は夢中で少女の口をふさぎ、過って死なせてしまう。しかし、少女の放つ香りに至福の悦びを覚えて、思わずその衣類をはがし、首筋から乳房、腹部から股にかけて鼻を押し付けるようにしてその匂いを記憶する。この作品は、すでに最初の数分のシーンにおいて成功している。パリの群衆が、冷酷な殺人者の処刑を待ちかねて騒然とする場面から入るのは定石だが、プロローグとしては最も興味を掻き立てられ、作品の核心へと触れていくに相応しい幕開けなのだ。人が人として生きる権利を全て剥奪されてしまったような劣悪な環境の中で生き抜いて来たグルヌイユは、感情表現が乏しく、口数も少ない。その能面のような無感動さを表現した演技力は、まるでヒッチコック作品の「サイコ」に登場するノーマン・ベイツを彷彿とさせる。猟奇殺人を題材にした作品の根底に流れるもの。それはおおむね、母親への異常なまでの渇望、言い方を変えれば、女性への偏った愛情表現。すなわち「執着」である。この作品においても例外ではなく、主人公のグルヌイユは、若く美しい女性の発する香りの虜となり、次々とその身を手にかけ、香りを捉えておくために冷浸法で抽出するのだ。誰からも愛されたことのない彼に、人の愛し方などわかるはずもなかった。ただ己の欲するものを必死に手中に入れようと執着するのみ。その手段など選ばない。それは幾重にも歪んだ自己主張、あるいは愛情表現だったのかもしれない。余談であるが原作はパトリック ジュースキントの「香水―ある人殺しの物語」である。実はこの翻訳が凄い!ドイツ文学者 池内 紀氏のペンにより、原作以上の「作品」に仕上がったといっても過言ではあるまい。ゲーテを身近に据えてくれた池内氏の翻訳を、是非ともご一読されたし。2006年公開【監督】トム・ティクヴァ【出演】ベン・ウィショー(グルヌイユ)、ダスティン・ホフマン(バルディーニ)、アラン・リックマン(リシ)また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。See you next time !(^^)
2012.01.19
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ひごろにくき烏も雪の朝哉松尾芭蕉
2012.01.18
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寝ならぶ やしなのの山も 夜の雪心から しなのの雪に 降られけり雪ちるや しなのの国の 這入口小林一茶日本海側の地域では、大雪で難儀を強いられているようです。幸い、今日明日の予報は穏やかなようで、雪片づけが進みますことを心より祈念いたします。雪も俳句で詠んでいるうちですね。いわく、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」
2012.01.17
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一念の 祈り結びし 受験願吟遊映人アレコレ問題はあったようですが、なにはともあれセンター試験が終わりました。受験生もそのご家族も、今が皆、正念場でしょう。皆さんの願いが御仏にとどきますよう、陰ながら祈念いたします(^人^)ガンバレ受験生、最後の最後まで決してあきらめるな!
2012.01.16
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「その証言が誤認だったら?」「証人を疑ったら裁判にならない」「だが誤認かも」「証言台で宣誓したぞ!」「人は間違いを犯す。もしも誤認だったとしたら?」この作品は、過去に何度も映画やテレビなどで製作、放映され、その度に話題を呼んだらしい。サスペンスドラマなどで度々目にするのは、法廷で検事と弁護士が火花を散らし、新たな事実や意外なアリバイが判明して、逆転無罪を勝ち取るという展開だ。ところがこの作品は、12人の陪審員たちが別室であれこれ討論し、有罪か無罪かを評決するという、ただそれだけのドラマである。そういう意味では、いわゆる“法廷モノ”とは多少色合いが違うような気がしないでもない。作中では、それぞれの登場人物に名前があるわけでなく(たとえあったとしても、名前で呼び合うシーンはない)、それぞれが1,2,3・・・と番号順で席に着いている。その陪審員1~陪審員12までのキャラクターには、様々な背景があり、抱えている問題がある。その中で、一人の人間を極刑にするか否かを討論するプロセスが、重厚に描かれている。 スラム育ちの18歳の少年が、父親殺しの罪に問われていた。日ごろ、父親から虐待を受けていた少年には動機もあり、ナイフを購入した証拠も挙がっていた。さらに、近隣住民の目撃証言もあり、少年が犯行に及ぶところを列車の通過越しに見ていたというものまであった。12人の陪審員たちは別室に通され、ほとんど皆が有罪であるかに思えたところ、たった一人の陪審員が無罪を主張するのだった。作品のテーマはとてもはっきりしていて、とにかく“疑わしきは罰せず”の鉄則を強調するものに仕上げられていた。それだけに、人一人の命を左右する評決の重みを感じ、いいかげんな態度では望めない陪審員のあり方を問うものだった。登場した俳優陣の顔ぶれは、これまた見事で、テレビ向けに作られたとは思えないほどの存在感と重厚さをかもし出していた。ジャック・レモンの冷静で客観的な問いかけには、演技を超えた孤高の魂さえ感じた。 また、ジョージ・C・スコットの際立つ存在感には、目を見張るものがあった。裁判員制度が導入されて間もない日本では、一見の価値がある作品だと思う。1997年(米)公開 ※日本では2003年にNHKBS2にて放映 【監督】ウィリアム・フリードキン【出演】ジャック・レモン、ジョージ・C・スコットまた見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。See you next time !(^^)
2012.01.15
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いくたびも 雪の深さを 尋ねけり正岡子規合掌(-人-)
2012.01.15
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耳を通じて耳を通じて心がうらぶれたときは 音楽を聞くな空気と水と石ころぐらいしかない所へそっと沈黙を食べに行け 遠くから生きるための言葉が 谺してくるから清岡卓行
2012.01.14
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我好て 我する旅の 寒哉一茶
2012.01.13
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万葉の 歌に後なき 寒さかな河東碧梧桐本日、快晴なれど大寒なみの寒さなり(>_
2012.01.12
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「僕を助けてくれ。人間に戻りたいんだ」「どうやって?」「ここに僕が入る。君はあっちだ。そこで解体されて・・・向こうで融合されて出る。君と僕と子どもと・・・皆一緒だ」ホラーというジャンルにもいろんなパターンがあって、例えば『13日の金曜日』シリーズや『エルム街の悪夢』など、殺人シーンを山場にした作品が多数あるが、『ザ・フライ』はそういうホラーとは一線を画す。もっと人間的な悲哀で覆われた、SFホラーと言って良いだろう。端的に言うと、研究に情熱を燃やす科学者が、自分が実験台となり、ふとした過失で蝿男になってしまうという物語だ。この作品を鑑賞して、ついつい思い出されてしまったのが、『オペラ座の怪人』や『シラノ・ド・ベルジュラック』などの戯曲だ。容姿の醜い男が、一人の女性に恋焦がれ、どうしようもない運命の定めに翻弄されていくプロセス。これこそが物語の要である。『ザ・フライ』の作中でも、主人公が醜い蝿男になりつつあるにもかかわらず、恋人のヴェロニカは嘆き哀しみながらも彼を抱きしめるのだ。このシーンは、どんなロマンチックなラブ・ストーリーよりも崇高で美しい。数あるホラー映画の中に、このような悲哀を盛り込んだシナリオは少ない。テレポーテーションと遺伝子組換えの研究をしている科学者のセス・ブランドルは、学会の会場で女性記者のヴェロニカ・クエイフと知り合う。ブランドルは、ヴェロニカを研究室に招き、研究中のテレポッドを見せる。テレポッドは物質転送装置で、科学雑誌の記者であるヴェロニカにとっては、ぜひともスクープにしたい画期的な発明だった。一方、ヴェロニカは、編集長であり元恋人のボランズに愛想を尽かし始めていた。というのも、ブランドルの真面目な研究態度に惹かれ、いつしか男女の関係になっていったからだ。『ザ・フライ』の悲哀が最もピークを迎えるのは、やはりラストだろう。主人公が蝿男となりながらも、最後の人間らしさを振り絞って、ヴェロニカに銃口を自分に向けるようなしぐさを見せるシーンがある。蝿男として生きながらえたとして、一般社会ではとうてい受け入れてもらえない。人間としての生態というよりは、もはや蝿としての機能が強く、醜くなるばかりの自分に絶望していく様子。グロテスクで恐怖を感じさせる点では疑いようもなくホラー映画なのに、なぜか格調高いものを感じてしまう。80年代を代表する傑作ホラーと言っても過言ではないだろう。1986年(米)、1987年(日)公開【監督】デヴィッド・クローネンバーグ【出演】ジェフ・ゴールドブラム、ジーナ・デイヴィスまた見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。See you next time !(^^)
2012.01.11
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冬空に 雄叫びひとつ 寒鴉吟遊映人またまたおそまつ(汗)
2012.01.10
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『ザ・タウン』から【翻訳】これでやっと、過去と訣別できる人生を変えようとも罪からは逃れられない。俺の行く道は長いでもいつか会えるここか あの世で【英語】Maybe if I go I can stop looking.No matter how much you change...you still have to pay the price for the things you've done.So I got a long road,But I know I'll see you again.This side or the other.吟遊映人の『ザ・タウン』ブログはこちらです。
2012.01.09
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冬空に 雄叫び凍みる 寒鴉吟遊映人おそまつ(汗)
2012.01.09
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冬空に 鴉キラめく 寒の入吟遊映人おそまつ(汗)
2012.01.08
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晴天も 猶つめたしや 寒の入杉風
2012.01.08
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正月や辻の仏も赤頭巾 一茶
2012.01.07
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正月や 梅のかはりの 大吹雪一茶
2012.01.06
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正月の心の上を戯れて走ると見ゆるひる過ぎの雪 与謝野晶子
2012.01.06
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初夢二句はつゆめのせめては末のよかりけりはつゆめやおぼえてゐたきこと一つ久保田万太郎
2012.01.05
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「一体何者なの? 自由自在になりすますなんて」「彼らは・・・いや、我々は暗殺団だ。今夜王子が殺される。私が仕掛けた爆弾で・・・私は死ぬべきだった」「・・・問題は今からどう行動するかよ」久しぶりにサスペンスの王道と出合った気がする。やっぱりこれぐらい筋が一本通っていると、ミステリー小説を読んでいるのと同じかそれ以上のスリリングな気分を味わえる。主人公のマーティン・ハリス博士役に扮したリーアム・ニーソンも、枯れてますます演技にメリハリがついて来たし、見ていて安心感が持てる。“強い男”を演じる時の、鋭い眼光とか内に秘めた荒々しさみたいなものを、抜群に発揮できるのもスゴイと思った。さらに、チョイ役だがブルーノ・ガンツも出演。旧東ドイツの秘密警察のメンバーという過去の経歴を持つ役柄だったが、何気なくコーヒーに青酸カリを入れて自死するシーンは見ものだ。こういう場面がところどころに散りばめられることによって、よりミステリアスでスリリングな構成になっていく。アメリカの植物学者マーティン・ハリス博士は、妻のリズと一緒にベルリンにやって来た。学会で発表することになっていたからだ。夫妻は、宿泊ホテルに着いたものの、マーティンがカバンを空港に忘れたことを思い出し、タクシーで急遽引き返す。ところが事故でタクシーは、凍てつく川に突っ込んでしまう。運転手のジーナが、懸命にもマーティンを救出するが、その後マーティンは病院で四日間も昏睡状態に陥る。目が覚めて無理やり退院すると、記憶の断片をたどりながら妻のいるホテルに戻るが、妻であるはずのリズは、別人のマーティン・ハリス博士と名乗る男と一緒にいるのだった。ボスニアからの不法移民でしたたかに生きるジーナ役を、ダイアン・クルーガーが好演。 下品になりすぎず、かといって女優であることを忘れていない堂々とした演技はすばらしかった。このように、ストーリーもさることながら、役者それぞれが体当たりの演技を見せてくれると、視聴者である我々もグッと惹き付けられてしまうから不思議だ。サスペンスとかミステリーなどに区分される作品は、はいて捨てるほど存在するが、どんなに奇を衒った斬新な作風でも、首尾一貫していなければ完成度は低くなる。定番中の定番と言われようが、『アンノウン』のように筋が一本通った安定感のある作品は、鑑賞後も程よい気持ち良さを味わえるのだ。2011年公開【監督】ジャウム・コレット=セラ【出演】リーアム・ニーソン、ダイアン・クルーガーまた見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。See you next time !(^^)
2012.01.04
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しんしんと寒さがたのし歩みゆく星野立子
2012.01.03
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しなのぢの 山が荷になる 寒哉 一茶
2012.01.02
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煩悩は 百八減つて 今朝の春夏目漱石
2012.01.01
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元朝や 経の声する大寺にかげろふもゆる 軒下の土与謝野晶子
2012.01.01
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わが住める山の続きに 神達のあるここちする 元日の朝 与謝野晶子
2012.01.01
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「どうした? 手を貸そうか?」「今週は最悪の1週間で・・・」「・・・分かるよ。俺もネイルサロンで泣くんだ。彼女たちにつらい思いを聞いてもらうんだよ。君はコインランドリーでかい? ・・・飲み物をおごるよ。小銭がなかったお詫びだ」あけましておめでとうございます。今年も張り切って、映画作品その他諸々ご紹介して参りたいと思いますので、よろしくお願い致します。明けて平成24年元旦の記事に選んだのはコレ、『ザ・タウン』だ。犯罪を重ねて来た主人公が、どうにかして人生を変えたいと切に願う姿が感動を呼ぶ内容となっているので、あえてこの作品にしてみた。監督はベン・アフレックで、『ゴーン・ベイビー・ゴーン』に続く2作目の監督作品である。吟遊映人は、『ゴーン・ベイビー・ゴーン』はまだ鑑賞していないが、かなり評価の高かった作品のようだ。そんなこともあって、『ザ・タウン』も視聴者にはとても期待を持たせる宣伝になっていたらしい。そういう外からの情報を全部シャットアウトして鑑賞したわけだが、ストーリー展開としては申し分ないおもしろさだと思う。朴訥とした無愛想な演技のベン・アフレックだが、この作品ではとてもしっくりとくるキャラクターで、視聴者の同情や共感を一心に集めていた。名優であるマット・デイモンの活躍に触発されるようにして、ベン・アフレックも『アルマゲドン』や『パール・ハーバー』で一躍脚光を浴びることとなったが、マット・デイモンに比べると、どうもイマイチの評価なのは否めない。だが、監督という立ち位置のベン・アフレックを眺めた時、その才能の行く末を期待せずにはいられない。強盗多発地帯であるボストンのチャールズタウン。強盗団のリーダーであるダグは、3人の仲間たちとケンブリッジ銀行に押し入る。綿密な計画を練り上げ、一つの証拠も残さない完全犯罪を成し遂げて来たが、その日は女性支店長のクレアを人質に取った。後日、ダグはコインランドリーで偶然を装い、クレアに近付いて、自分たちの正体に気付いていないかどうか試みる。クレアは、ダグの正体には全く気付かず、かえって優しい言葉をかけられたことでダグに惹かれていく。同様に、ダグ自身もクレアの純粋さや素朴さに惹かれていくのだった。全体を通して、とても筋の通ったサスペンス作品だ。銃撃戦あり、カーチェイスあり、ロマンスありで、最後まで話の展開をドキドキハラハラしながら楽しむことが出来る。また、一方でFBI捜査官のプロ、片や犯罪者のプロ、プロとプロの巧みな駆け引きが上手に生かされた演出も好感が持てた。さらには、ダグの強盗団仲間であり、親友でもあるジェムという凶暴で見境ない危険な人物というキャラクターを、ジェレミー・レナーが好演。『ハート・ロッカー』でもこういう危うい役を演じていたが、ここでもその演技が実に生かされている。アメリカというお国柄なのか、たとえ重大な罪を重ねて来た犯罪者と言えども、ラストではヒーロー的な扱いで、ややもすれば成功者に収まってしまいそうなくだりが、いく分気になるが、それでも人生を変えたい男の物語として捉えたらすばらしい作品に思えた。2010年(米)、2011年(日)公開【監督】ベン・アフレック【出演】ベン・アフレック、レベッカ・ホールまた見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。See you next time !(^^)
2012.01.01
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