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2008.04.02
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カテゴリ: 映画/アニメ


最近のアニメーションの傾向として、特に感じられるのは、社会問題となっている話題をストーリーの中に内包するというやり方だ。
したがって対象とする視聴者は、子供に限定せず、大人にまで範囲が拡大されている。

しかし内容によっては、下手をすると、子供には難解になってしまうおそれもあるので、“子供から大人まで楽しめるアニメーション”というコンセプトにはリスクも付きまとう。
この「ハッピーフィート」という作品も、そういう意味でかなり微妙な仕上がりになっていると思われる。
全体的にはミュージカル仕立ての、明るく陽気なアニメ映画である一方、その根底には環境問題や差別、偏見などを糾弾するテーマが秘められているため、実はかなり社会派の作品なのである。

舞台は南極大陸の冬。
皇帝ペンギンの国では卵がいっせいに孵り始めた。
そんな中、一番最後に生まれたのがマンブル。

なんと、マンブルはおそろしく歌がヘタだったのだ。
さらにマンブルは、心を伝えようとすると歌よりも足が勝手に動き出してしまい、リズミカルに踊ってしまうのだった。
皇帝ペンギンらしからぬ風変わりなマンブルは、いつもいじめられ一人ぼっち。
コンプレックスに苛まれる日々をおくる。
マンブルはいつの間にか国を出て、異国の地へ旅に出る。
そこで出会ったのは小型のアデリーペンギンのゆかいな5人組。
彼らはマンブルのリズミカルなダンスを大絶賛。
自信を失っていたマンブルは、少しずつ自分の持ち味を再認識してゆく。

世間では何事にも“事勿れ主義”で、たいていは右に倣えとばかりに個性を好しとしない風潮がある。
哀しい哉、いつの世でもマイノリティーは淘汰されてゆく運命にあるとも言える。
また、汚染されていく海、崩れゆく生態系は、もはや歯止めがかからないところまで来ている。

このアニメは正に、娯楽のみを許さないキビしさが描かれていて、とりわけ捕鯨国である日本人には耳の痛い内容も含まれているが、将来を担う子供とともにあれこれ思考をめぐらしながら鑑賞するのも一興であろう。

2006年(米)、2007年(日)公開
【監督】ジョージ・ミラー
【声の出演】マンブル・・・イライジャ・ウッド、グローリア・・・ブリタニー・マーフィ


また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。





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最終更新日  2008.04.02 06:52:36 コメントを書く
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