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2009.03.27
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カテゴリ: 映画/ラブ

「(それは)残念だったね」
「この一年はつらかった。父が亡くなり・・・夫は・・・(ため息をつく)・・・娘は私を嫌うし・・・。人生って、ラクじゃないわね」
「ああ、まったくだ」

寸分の隙もないシナリオというのは、こういうものを言うのだろうか。
アメリカ映画はさすがだと唸らされた。
原作はストーリーテラーのニコラス・スパークスだと知り、なるほどと思った。
スパークス作品は、映画化されたものが多く、有名なところで「きみに読む物語」や「メッセージ・イン・ア・ボトル」などがある。
どれも大ヒットしたことは、今さら言う間でもない。

もちろん、そうだ。
もっと口幅ったく言えば、そこに辿り着くまでの共鳴が我々の心のひだを震わせるのかもしれない。
なにしろ、ティーンエイジャーの見境ない恋愛ごっことは全く質が違うし、いい大人のシラけるような不倫とも一線を画す。
酸いも甘いもかみ分けた、熟年の恋愛なのだ。

恋は、ノース・カロライナの田舎町、ローダンテの海辺にある小さなペンションで始まる。
ペンションのオーナーである、親友のジーンから留守番を頼まれたエイドリアンは、別れた夫から切り出された復縁の件や、今後の自分の身の振り方を考えていた。
夫の浮気、思春期に突入した娘の反抗的態度、ぜん息の発作を度々起こす息子。
全てのことに疲労困憊ぎみのエイドリアン。
季節外れのリゾート地に客は皆無だったが、たった一人だけ予約が入っていた。
ポールと名乗る客で、実は高名な外科医であった。

吟遊映人は、正直、ラブストーリーには厳しい価値判断を持っている。


この作品なら、自信を持っておすすめできる。(ただし、この作品に共鳴できるのは、ある程度社会経験を積んで、それなりの山や谷を乗り越えて来られた方々かもしれない。)
ストーリー的には悲劇で、決して手放しでハッピーな気分にはならないかもしれない。

だがラスト、主人公エイドリアンはミラクルを体感する。
海辺をさまよい歩く彼女は、希望の光、ファンタジーの世界に包まれる。
それは、夢や幻などではなく、リアリティそのもの。

吟遊映人が認める、近年稀に見る良質なラブストーリーなのだ。

2008年公開
【監督】ジョージ・C・ウルフ
【出演】リチャード・ギア、ダイアン・レイン

また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。
See you next time !(^^)





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最終更新日  2009.03.27 06:25:23 コメントを書く
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