吟遊映人 【創作室 Y】

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2010.12.21
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カテゴリ: 映画/アクション

「ええ、あんたはバカ」
「俺は生きてて奴は死人」
「あんたが死んだ後、誰がお墓参りに来てくれる? 母親でも来ないわ。でもグレースランドには100年後も・・・」
「イカれた女だぜ!」

ジョン・マッデン監督がメガホンを取り、しかもミッキー・ロークにダイアン・レインという出演者の顔ぶれからして、作品が不出来なわけがない。
とは言え、ジョン・マッデン監督のこれまでの作品からすると、かなり毛色が違うことは確かである。
代表作である「恋におちたシェイクスピア」などを念頭に置いたファンからすれば、ちょっと残念な演出かもしれない。
本作「キルショット」は、マフィアの殺し屋アーマンドが、ひょんなことから知り合ったチンピラのリッチーと係わることで、様々なトラブルに遭遇する。

吟遊映人が一箇所、納得がいかなかったのは、リッチーの女のアパートでアーマンドも世話になった後、アーマンドとリッチーは出て行くことになった場面だ。
さて二人が車に乗り込み出発しようとしたところ、リッチーが忘れ物を取りに再び女のところへ戻る。
実はこれは、女を殺害するためなのだが、アーマンドの表情からしてリッチーがこれからしようとしている行為に気付きながらも止めないのだ。
エルヴィス・プレスリーが大好きで、根は悪気のない女だった。
だがリッチーは、自分が懇意にしていた女であるにもかかわらず、顔を見られていることから殺害してしまう。
また、アーマンドもそれを暗黙のうちに実行させてしまう。
この演出は、他の監督ならいざ知らず、これまでのジョン・マッデン監督的に果たしていかがなものだろう、と考えさせられてしまった。

組織の依頼で、ある男の殺しを引き受けたアーマンド(ブラック・バード)は、殺しの手引きをした女も殺害してしまう。
アーマンドが相応の報酬の催促をしたところ、マフィアのボスの女を殺したことで、逆に追われる身となってしまう。
ある日、アーマンドが飲み屋から出て来たところ、チンピラのリッチーに絡まれる。
リッチーの目的は、アーマンドの乗っているキャデラックにあったのだが、アーマンドがプロの殺し屋であることを知ると、リッチーは「二人で組もう」と誘いをかけて来るのだった。


本作のおいても、主人公アーマンド役はハマリ役で、カーメン役のダイアン・レイン共々、見事なキャスティングであった。
演技に関しては無論申し分なく、非の打ちどころがなかった。
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暗く、陰鬱になりがちな犯罪モノであるが、最後の場面で別居中のカーメンとウェインが抱擁するところで救われる。
乾いた描写の中に、一筋の光が射し込むような作品であった。

2009年(米)公開 ※日本では劇場未公開 

【出演】ミッキー・ローク、ダイアン・レイン

また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。
See you next time !(^^)





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最終更新日  2010.12.21 20:15:34 コメントを書く
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