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2012.10.19
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カテゴリ: 名歌と遊ぶ
20121019


阿耨多羅三藐三菩提の仏たち

我立つ杣に冥加あらせ給へ

(あのくたらさんみゃくさんぼじのほとけたち わがたつそまにめかあらせたまえ)


           伝教大師 最澄


最澄は、いまだ弱冠の頃、比叡の山で気炎を揚げました。
眩いほどの気負いは、時代を経ても読む人の心に活力を与えるものです。

そして明治三十五年、病の床で正岡子規はこう詠みました。

伝教賛
此杣や秋を定めて一千年

命終わらんとするに至り、子規は天上の最澄がはっきり見えたのかもしれません。

なお、子規逝かんとする明治三十五年は、他にも宗祖賛の句を詠んでいます。


法然賛
念仏に季はなけれとも藤の花

弘法賛
龍を叱す其御唾や夏の雨


御連枝の末まて秋の錦哉

日蓮賛
鯨つく漁父ともならで坊主哉


斜に構えた姿が堂に入った子規ではありますが、最後のよりどころは御仏に尽きたのでしょうか。
それでも微塵にも弱気を感じさせる子規ではありません!
句には最後までそのスピリッツを読むことができ、骨の髄まで俳句人であったことを感じるのです。

たしか落語のマクラに「神様仏様、キリスト様、アラーの神様 云々」とあったような気がするのですが、子規の念もそれに近いのかもしれませんな(笑)





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最終更新日  2012.10.19 06:42:29
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