吟遊映人 【創作室 Y】

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2013.12.04
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カテゴリ: 名句と遊ぶ
20121206

いそがしく

時計の動く

師走哉



          正岡子規

もう一句。

板橋へ

荷馬のつづく

師走哉



師走は子規のところもたいそう多忙のようだ。師匠たる所以か。
ただ門弟はそうでもない。

能を見て

故人に逢ひし

師走かな


          高浜虚子

動機はさておき、暮れに「能見物」とはゴウキの至りではないか。

ときに句集を紐解くと「師走」を詠んだ句は多い。しかも、多くは暮れの繁忙を詠んだものだ。
どうやら「忙しい忙しい」とぼやきながらも句作に励んでいるのだ。
少し滑稽な気がして微笑ましい。


さて、此方は世情などどこ吹く風の与謝野晶子である。
相変わらず独特のスタンス。そして艶があり誠に綺麗な歌なのである。
サスガだ。

墨の色

霧降るたびに

東京へ

沁み入る如き

師走となりぬ


           与謝野晶子


ときに我が私淑の師は曰く、「のんびりせよ!」
また曰く「のんびりするには勇気がいる、知恵がいる、我慢がいる。」

師が走っても泰然自若として慌てるな、つまりそういうことであろう。
勇気を出し、知恵を絞り、我慢をしながら、師走を過ごそうと思うのである。
のんびりするのも大変だ。

20130124aisatsu





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最終更新日  2013.12.07 06:01:04
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