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2013.12.06
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テーマ: コラム紹介(119)
カテゴリ: コラム紹介
20131206

【産経新聞 産経抄】

元タイ大使の岡崎久彦氏は、長く防衛庁の情報担当局長や外務省の情報調査局長をつとめた。ものものしい肩書で、国家の最高機密を全て握っていたのかと思ってしまう。だが実際には「本当の機密はひとつも教えてもらっていない」という。

岡崎氏自身が『明日への選択』12月号のインタビューで明かしていることだ。役所の文書にはしばしば、「マル秘」や「極秘」の判子を押した。だがどれも漏らしたところで犯罪にはならない情報だった。特定秘密保護法ができても、誰も指定はしない類いだったという。

では本当の機密はどんなものかといえば、例えばレーダーの性能であり、軍艦の甲板の厚さなどである。漏れれば国の安全にかかわる情報だ。しかしそれは外務省の局長でも手が届かない。一般の国民や新聞記者がつい入手し、漏らしてしまうような代物ではない。

ただ岡崎氏によれば、そうした本当の機密に当たる技術は米国が優れている。それが漏洩(ろうえい)すれば、米国の国家機密を漏らすことになり、日米の安全保障の対話ができなくなる。だから秘密保護法が必要なのだ。どこかストンと腑(ふ)に落ちるような気がした。

だが民主党や一部のマスコミの方には、ストンと落ちないらしい。徹底して特定秘密保護法案を廃案に追い込む考えのようだ。法案の中身に関係のない石破茂自民党幹事長の「テロ発言」をも足を引っ張る材料にする。一方で廃案にすることで失われる国益にはお構いなしだ。


(12月4日)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『すべては茶番の中なのだ、政治と言うものはむかしからそうだった。』
先日、八十六歳になった老父はテレビを見ながらそう呟いた。現役時代は地方新聞に身を捧げた父である。
そして父は、昨今の新聞を見るにつけ、忸怩たる思いを抱かないではいられなかった。側にいる私は、その思いを痛いほど感じた。

テレビは咆哮するデモ隊に映像が移り、父はまた口を開いた。
『大衆に理論は通じない。あるのはムードだ。それを操れるものが大衆をリードする。』

思いは異なれど、デモ隊に咆吼する動物を思い描いたのは、どうやら私だけではなかったようだ。

さて、それはそれとしてご参考までに記事にある『石破茂自民党幹事長の「テロ発言」』の全文を添える。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

今も議員会館の外では「特定機密保護法絶対阻止!」を叫ぶ大音量が鳴り響いています。



主義主張を実現したければ、民主主義に従って理解者を一人でも増やし、支持の輪を広げるべきなのであって、単なる絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらないように思われます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

原発反対も特定機密保護法絶対阻止も一時のTPP反対も「気持ち」はわかる。
よく言うではないか。「君の気持ちはわかるよ・・・」と。しかし「わかる」の後に「・・・」がつくのだ。

「反対か賛成か」はさておき、概ね人は犬が好きか猫が好きかに別れる。それと同じで、つまりは「感情的」なことがらなのだ。だからどうこう言ってもはじまらない。


渦中の方々にしてみるとお祭り気分でいるのかもしれない。老父は正鵠を射る。『大衆に理論は通じない。あるのはムードだ。それを操れるものが大衆をリードする。』
だがしかし、そこに何の主義も見出せない人、或いは意を唱える人にとって、あの「原発反対」「特定機密保護法絶対阻止」の騒ぎは暴力以外のなにものでもない。
何の因果か、私は何度か遭遇しているが、あの乱痴気騒ぎにはもううんざりだ。

念のために、ここでもう一度記すのだが「反対か賛成か」ではない。その方法の問題を述べている。

騒ぎの首謀者(と見られる)が言っておられた。「手続きを踏んでおり合法的である」
なるほど。法的な根拠はあげられたが、でも道徳的な配慮はあげられない。

たとえば、子供がたくさんいる公園で、煙草をパカパカ吸って人は憚らないのか。吸殻を砂場に捨てても法はおかしていないはずだ。それでいいのか。

それと同じ事だと思うのだが・・・
自己実現を達成するために周囲を犠牲にしていい、そういう考えなのであろうか。
国会同様、その茶番に気づいてほしい。

ときに『石破茂自民党幹事長の「テロ発言」』について。

この一件は論旨のすり替え以外の何物でもない。
これはおかしい。
石破幹事長はデモを否定することはひと言も触れてはいないし、その意図を行間からでも読むことはできないはずだ。

『単なる絶叫戦術』

をして

『テロ行為』

と断じているわけで、これは正論だ。

デモ隊とマスコミの方々は言う。
「石破氏はデモを否定する!」

何が恐ろしいかといって、意図的に歪曲された世論ほど恐ろしいものはない。
しかも今回はペンの力でそれがなされた。腕力をもってそうなった方がまだ救われる。

かつてマスコミに奉じた老父は忸怩たる思いを抱き、私は近来稀に見る危機感を覚えるものである。

哲学者の適菜収氏は歴史認識に関する小論文でこう指摘する。

『より正しい歴史認識のためには、殊更に「正しい歴史認識」を言い立てる人間の背後を研究する必要がある。』

さて、この理論をあてはめてみると、なにが見えてくるか。どす黒く汚れた暗黒の闇の正体は何か。

それにつけても、最後の砦は産経新聞だ。マイノリティーの分を堅持し、強敵に立ち向かってほしい。

「産経新聞には気骨のある記者が、まだいる」老父はそう言った。

20130124aisatsu





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最終更新日  2013.12.06 06:39:39
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