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室生犀星は腰に一本刀を落し差しにして、文学の世界の広い原っぱに一人、風に向って立っていた。【ほめられた:室生犀星 ほめた:森 茉莉】~~~~~~~~『ほめ言葉大事典』著者の清水義範氏は言う。ほめられれば、人は成長し、子供はよい子になり、奥さんは優しくなる。わかっているのだが、でも人をほめるのは難しいのだ。人をほめるというのは、プラスのエネルギーがいることである。ほめるよりけなすほうが絶対に楽だ。ほめるには実際の行動がともなう。しかも我慢や無理を強いられるというわけだ。でも、人が成長し、子供がよい子になり、奥さんが優しくなるならおおいにほめようではあるまいか(^o^)~~~~~~~~清水義範氏の感想はこうだ。『すごい言い方である。めちゃくちゃ格好いいではないか。森鷗外の娘の茉莉が、室生犀星を孤独な侠客のようにほめた。』「侠客」は傑作だ。その解説がある。「一本刀はやくざ者の特徴なのだ。」そう、室生犀星は武士ではないのだ!つまり森茉莉は犀星を、鍬(くわ)や鋤(すき)を手にする農民にたとえることなく、二本差しの武士にたとえることもなく、まして妙相なる聖にたとえることもしなかった。そして、いわば落としどころとして、斜にかまえるやくざ者にたとえたわけだ。だとすると、これってほめ言葉?文藝の香りと格調が漂うひと言ではあるのだが・・どうも森茉莉さんのオホホ顔が目に浮かぶなぁ。ときに清水氏の作家論はこうだ。『悲しみの中の力強さのようなものがあった。』コチラ、清水義範氏のニヒルな笑いが浮かびます。どうやら「ほめ言葉」は、額面どおりでなくそこに垣間見える上質なる皮肉も見なければならない、そういうことなのだ。
2013.06.11
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あなたのものは大変大変面白いと思います。【ほめられた:芥川龍之介 ほめた:夏目漱石】~~~~~~~~『ほめ言葉大事典』著者の清水義範氏は言う。ほめられれば、人は成長し、子供はよい子になり、奥さんは優しくなる。わかっているのだが、でも人をほめるのは難しいのだ。人をほめるというのは、プラスのエネルギーがいることである。ほめるよりけなすほうが絶対に楽だ。ほめるには実際の行動がともなう。しかも我慢や無理を強いられるというわけだ。でも、人が成長し、子供がよい子になり、奥さんが優しくなるならおおいにほめようではあるまいか(^o^)~~~~~~~~芥川龍之介の『鼻』を読んだ夏目漱石は、こうしたため手紙を送ったそうだ。『あなたのものは大変大変面白いと思います。』芥川と夏目、野球で言ったら高校球児と松井秀喜、サッカーで言ったら高校イレブンと香川真司といったところか。グランドで黙々と投球練習に励む球児が、あの松井さんから「君のカーブは大変大変効果的だと思うよ。」そう言われたら、きっと彼は最後までカーブを投げ続けるかもしれない。芥川にとって夏目は、それくらいの人であった。「上品な趣があります」「文章が要領を得て能く整つてゐます」手紙が一部であり、また読みにくいので文献を紐解いてみた。すると手紙にはさらに漱石のほめ言が羅列されており、さながらほめ言葉のデパートといったところなのだ。漱石の社交家ぶりを垣間見るようで興味深い。それにつけても芥川の狂喜乱舞を想像するに難くはない。いの一番は菊池寛。芥川は意気揚々と伝えたことであろう。「おい君、菊池君。夏目先生から僕の『鼻』をほめる手紙をもらったよ!」芥川は、ひと言ひと言かみしめるように漱石の手紙を読み上げた。人のよい菊池は、友人の武勇を目の当たりにして、感涙にむせんだことであろう。さめざめと泣いた後で、芥川の手をとりこう言うのだ。「芥川君、これで君の将来は約束された!」文学の本道を目指す芥川と、ビジネスに道を見出しつつある菊池の、根本的なずれを想像するのは楽しい。それにしても、夏目漱石はほめ上手なのである。夏目門弟から一角の人物が多出した所以であろう。人はほめるべし。おおいにほめるべし(^^)そういうことなのだ。ほめられれば、人は成長し、子供はよい子になり、奥さんは優しくなる。ときに先日の話。野球中継を見ていて途中でやめた。試合に興味がなかったわけではない。解説者に閉口したのだ。いわく「ここがダメ」「あそこがダメ」選手のマイナス面ばかりを語るのだ。とどめは「だから勝てない」まことにもって興醒めした。(※参考まで、私はどちらのチームを応援しているわけでもない。)解説者には選手を貶すつもりはないであろうが、貶していると感じた人もあったであろう。ほめ言葉と反対に貶し言葉は聞き苦しい。ほめられ、のせられ努力を重ねる人はあろうが、貶されて発奮する人は少ないはずだ。やはり人を育てるにはほめるに限る、おおいにそう思った。
2013.05.28
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お前は一番になれる。絶対になれる。世界一になれる。【ほめられた:高橋尚子 ほめた:小出義雄】~~~~~~~~『ほめ言葉大事典』著者の清水義範氏は言う。ほめられれば、人は成長し、子供はよい子になり、奥さんは優しくなる。わかっているのだが、でも人をほめるのは難しいのだ。人をほめるというのは、プラスのエネルギーがいることである。ほめるよりけなすほうが絶対に楽だ。ほめるには実際の行動がともなう。しかも我慢や無理を強いられるというわけだ。でも、人が成長し、子供がよい子になり、奥さんが優しくなるならおおいにほめようではあるまいか(^o^)~~~~~~~~Qちゃんことマラソンの高橋尚子さんは小出監督に褒めちぎられて実力を発揮したという。『お前は一番になれる。絶対になれる。世界一になれる。』きっと耳元で呪文のように言われたのだろう。そして外にむかってはこう言ったそうだ。『この子は並の選手とは違うんです。絶対に優勝できます、そう決まってるんです。』Qちゃんスイッチはそうして切りかわったのだろう。親御さんは一度試す価値あり!かもね(笑)ただし清水氏がいうには『毎日のように言わないといけない』ということです(^o^)
2013.05.21
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