Clarte Coaching Office

Aug 11, 2004
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カテゴリ: cinema
まずは、感想。

興味深いという意味で面白かった。

銃に親しんで育ち、自ら全米ライフル協会の永久会員である
マイケル・ムーアがアメリカの銃社会について切り込むというところ。

ムーアの純粋な好奇心で問題を追求したにしては、
ひどく全てが計算づくで、確信犯的なあざとさをムーアの外見の無邪気さで
カムフラージュした(実際はカムフラージュされてなくて、見てる人にたまに疑問を残す)
ような作りになっていて、そこが、ドキュメンタリーなのに


問題の提起の仕方や、それによって起こる議論を見透かして
火をつけちゃった、これまた確信犯的なところがマイケル・ムーアの真骨頂?!

まんまと引き付けられて、一緒に考えてしまうのです。
「なぜ、コロンバイン高校銃乱射事件は起きたのか?
なぜ、アメリカで銃犯罪が多発するのか?こんなアメリカに誰がした?」 と。

始まりはこうです。

アメリカは旧ユーゴスラビアのコソボ紛争における最大規模の爆撃を敢行した。
その1時間後、あのコロンバイン高校銃乱射事件、別名トレンチコートマフィア事件が起きた。

私が一番強烈に腹がたったのは、
この爆撃後のクリントンの「被害は最小限に抑えた」といって、
何の罪も無い民間人居住区を爆撃して、その被害者(運が悪かったとしか思えない)は


銃は必要悪。
やられるのは、大きな大儀のもとで起きてしまった聖なる犠牲であって
運が悪かったとしか思えない。

という、コロンバイン高校の事件やアメリカ銃社会へ疑問の発端に向かう
導入部分のように思えてきて、ムカつきはじめる。


、私たちをもっと身近でわかりやすい対象へ誘導する。

ムーアの疑問はこうだ。
ビデオゲームは日本の方がよほど進んでいる、
家庭の崩壊はイギリスのほうがひどい、
失業率はカナダのほうがはるかに高い。
なのになぜアメリカだけ銃犯罪が突出しているのだ?
なぜ、アメリカだけが銃社会の悪夢から覚めることができないのか?

コロンバイン高校銃乱射事件の2人は、ハードロック歌手のマリリン・マンソンを聴いていた。
そして乱射事件の朝、彼らは、ボウリングをして学校に向かった。


「マリリン・マンソンのライブを禁止するのなら、なぜボウリングも禁止しないのか?」


マリリン・マンソンへのアポなしインタビューはとても興味深かった。

マリリン・マンソンはメディアについて言及する。
「……洪水、エイズ、殺人……
メディアは恐怖と消費の一大キャンペーンをつくりだす。
そしてこのキャンペーンは、人々を恐がらせることによって
消費へと向かわせようとする発想に基づいている。
その恐怖心が人を銃に向かわせるのだ。」

これは、なるほどもっともだ。


全米ライフル協会会長 / チャールトン・ヘストンは銃を所持する理由について

「憲法補正第2条で国民が銃を持つ権利が認められているからさ。
それに銃を持っているというだけで安心感を得ることができる。」と語る。
「なぜ、アメリカから銃がなくならないのか?」ムーアに問われたヘストンの答えはこうだ。
「アメリカの歴史は血にまみれた歴史だからさ。
それに他の国に比べたらアメリカというのは人種のるつぼだろう?」

全然答えになってない。

『サウスパーク』原作者 / マット・ストーンのこの映画のための
銃社会アニメのできばえはすごい。
誰でもこれを見たら、なんでこんなに精神的によわっちいんだ!アメリカ白人!
と思ってしまう。


これを観た後、考えることは、アメリカについてではなく、
現在の日本。これからの日本についてのことだった。

賛否両論はあるけれど。マイケル・ムーアは政治に巻き込まれて利用されないといいなと思うけれど
一抹の不安を残しながらも
このドキュメンタリーは、一度観た方がいい映画だと思います。



ボウリング・フォー・コロンバイン









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Last updated  Aug 12, 2004 11:31:22 AM
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