コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~

PR

Profile

風とケーナ

風とケーナ

Free Space

温かい応援、いつも本当にありがとうございます♪
にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説へ
にほんブログ村 (1日1回有効)

Comments

kopanda06 @ Re:コンドルの系譜 第十話(151) 遥かなる虹の民(07/24) New! こんばんは。 いつもありがとうございま…
jun さん @ Re:コンドルの系譜 第十話(151) 遥かなる虹の民(07/24) New! 今日は15:00から ヘルパーさんが2時間来…
紅子08 @ Re:コンドルの系譜 第十話(151) 遥かなる虹の民(07/24) New! おはようございます! いつもありがとうご…
いわどん0193 @ Re:コンドルの系譜 第十話(151) 遥かなる虹の民(07/24) New! ●すみません、これご覧になってたらもう一…

Favorite Blog

9月27日 記事更… New! 紅子08さん

決まる日だ:巻き込… New! エム坊さん

27日のアニメ番組… New! かつブー太さん

もう、笑うしかないw New! 千菊丸2151さん

--< 板塀のお屋敷 >-… New! いわどん0193さん

エビチリ・‣… New! セミ・コンフィさん

Freepage List

これまでの主な登場人物


登場人物イメージイラスト


物 語 目 次


頂き物のイメージイラスト


これまでのストーリー


第一話 ビラコチャの神殿


第二話 邂逅(1)


第二話 邂逅(2)


第三話 反乱前夜(1)


第三話 反乱前夜(2)


第三話 反乱前夜(3)


第三話 反乱前夜(4)


第三話 反乱前夜(5)


第三話 反乱前夜(6)


第四話 皇帝光臨(1)


第四話 皇帝光臨(2)


第四話 皇帝光臨(3)


第四話 皇帝光臨(4)


第五話 サンガララの戦(1)


第五話 サンガララの戦(2)


第五話 サンガララの戦(3)


第五話 サンガララの戦(4)


第六話 牙城クスコ(1)


第六話 牙城クスコ(2)


第六話 牙城クスコ(3)


第六話 牙城クスコ(4)


第六話 牙城クスコ(5)


第六話 牙城クスコ(6)


第六話 牙城クスコ(7)


第六話 牙城クスコ(8)


第六話 牙城クスコ(9)


第六話 牙城クスコ(10)


第六話 牙城クスコ(11)


第六話 牙城クスコ(12)


第六話 牙城クスコ(13)


第七話 黄金の雷(1)


第七話 黄金の雷(2)


第七話 黄金の雷(3)


第七話 黄金の雷(4)


第七話 黄金の雷(5)


第七話 黄金の雷(6)


第七話 黄金の雷(7)


第七話 黄金の雷(8)


第七話 黄金の雷(9)


第七話 黄金の雷(10)


第七話 黄金の雷(11)


第七話 黄金の雷(12)


第七話 黄金の雷(13)


第七話 黄金の雷(14)


第八話 青年インカ(1)


第八話 青年インカ(2)


第八話 青年インカ(3)


第八話 青年インカ(4)


第八話 青年インカ(5)


第八話 青年インカ(6)


第八話 青年インカ(7)


第八話 青年インカ(8)


第八話 青年インカ(9)


第八話 青年インカ(10)


第八話 青年インカ(11)


第八話 青年インカ(12)


第八話 青年インカ(13)


第八話 青年インカ(14)


第八話 青年インカ(15)


第八話 青年インカ(16)


第八話 青年インカ(17)


第八話 青年インカ(18)


第八話 青年インカ(19)


第八話 青年インカ(20)


第八話 青年インカ(21)


第九話 碧海の彼方(1)


第九話 碧海の彼方(2)


第九話 碧海の彼方(3)


第九話 碧海の彼方(4)


第九話 碧海の彼方(5)


第九話 碧海の彼方(6)


第九話 碧海の彼方(7)


第九話 碧海の彼方(8)


第九話 碧海の彼方(9)


第九話 碧海の彼方(10)


第九話 碧海の彼方(11)


第九話 碧海の彼方(12)


Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

2006.01.17
XML
カテゴリ: 第2話 邂逅


フェリパ夫人の優しさを感じ、コイユールの胸はあたたかい気持ちに満たされた。
「入ろう。母上が、君の例の治療を待っているんだろう。」
アンドレスは、そっとコイユールを館の門の中に促した。
大理石でできた玄関先では、フェリパ夫人が待ちかねたように二人を迎え入れた。
「アンドレス、お帰りなさい。コイユール、よく来てくれましたね。」
「ただいま、母上。」

腕を広げたフェリパ夫人の胸の中に素直に抱かれて、少年は母親の喜びに応えた。
フェリパ夫人の瞳にかすかに涙が光っている。
夫人にしてみれば、愛息子を「学校」という名目でスペイン人によって人質にとられているようなものであろう。
息子の無事な姿に、どれほど安堵しているか想像は難くなかった。

コイユールはそんな二人をまぶそうにみつめた。
母親の腕に抱かれたのはもう何年も昔のことだ。
そして、これからもそんな日はもう戻ってこないだろう。

「さあ、コイユール、中に入ろう。」
アンドレスはゆっくりと母親の腕から離れ、コイユールを部屋の中へ導いた。
コイユールはだんだん自分がいることが申し訳ない心境になっていた。
せっかくの親子みずいらずの再会なのだ。
「でも…。」
「コイユール、さあ、入ってちょうだい。」
「あの、私、いいんでしょうか…。」
「もちろんよ。あなたに来てほしくて、呼んだのですから。」
夫人の上品で優しい笑顔に促され、コイユールはおずおずと豪奢な部屋の中に入っていった。

「今日はお呼びくださり、どうもありがとうございました。お加減はいかがですか。」
「まあ、コイユール、そんなに難しい話し方をしなくっていいのよ。」
夫人は微笑んで、コイユールにソファを勧めた。
そして、3人分のコカ茶をいれながら、夫人は腰の辺りに手を当てた。
「冬の間からずっと痛んで困っていたのです。もともと冬場は痛みやすいのですけれど…。あなたに手を当ててもらったら、楽になるように思うの。」
コイユールは頷いて、夫人にうつ伏せになるよう頼んだ。
そして、服の上からそっと夫人の腰の辺りに片手を添えた。
「この辺りですか?」
「ええ、お願いするわ。」
夫人はうつ伏せになったまま、静かに目を閉じた。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008.12.17 03:03:07
コメント(4) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: