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「シモン殿!!
本当に、このまま行ってしまうのですか?!」
馬の手綱を手に、シモンはイポーリトに背を向けたまま、さっさと軍門に向って歩き出す。
「本当も何も、元々、ここにはリマへの通行証をもらいに立ち寄っただけだ。
さんざん引き止められて、こっちも時間が足りなくなっているんだ。
その上、こちらの命まで危うくさせられては、たまらん」
「そんな……!!」
イポーリトは、シモンの前に回り込むと、必死の形相でそこに立ちはだかった。
「僕たちを見捨てるのですか?!
シモン殿!!
あなたは、そんな人ではないはずだ!!
今、あなたの元には7~8百の兵がいると言いましたよね?
合流してくれれば、敵の3千に対して、僕たちも2千5百近くになれる!
もしあなたが援軍になってくれれば、どんなに心強いか……!!」
【登場人物のご紹介】 ☆その他の登場人物はこちらです☆
≪トゥパク・アマル≫(インカ軍)
反乱の中心に立つ、インカ軍(反乱軍)の総指揮官。
インカ皇帝末裔であり、植民地下にありながらも、民からは「インカ(皇帝)」と称され、敬愛される。
インカ帝国征服直後に、スペイン王により処刑されたインカ皇帝フェリペ・トゥパク・アマル(トゥパク・アマル1世)から数えて6代目にあたる、インカ皇帝の直系の子孫。
「トゥパク・アマル」とは、インカのケチュア語で「(高貴なる)炎の竜」の意味。
清廉高潔な人物。漆黒長髪の精悍な美男子(史実どおり)。
≪イポーリト≫(インカ軍)
トゥパク・アマルとミカエラの第一子(反乱幕開時12歳)。なお、二人には他に次男マリアノ(10歳)、末子フェルナンド(8歳)がいて、イポーリトと同様、現在はミカエラの元にいる。
両親に似て、凛々しくも天使のような愛らしい皇子たち。
≪シモン≫(白人の革命軍)
植民地生まれの白人(クリオーリョ)の革命分子を束ねるリーダー。
ただし、一般的に貧しいクリオーリョたちとは異なり、当地生まれでありながらも富裕層に属するらしきスペイン人。
トゥパク・アマルの反乱に乗じて、スペイン本国による植民地支配を瓦解させる機会を狙っている。
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