世界の原生林



●世界の原生林 ー7つの地域にひろがる脅威ー

GREENPECE JAPAN より

◇アマゾン

世界に残された最大の熱帯雨林地域アマゾンは、ブラジル国内を中心にひろがり、世界の気候や生態系システムのバランスを保つ役割を果たしています。ここには、およそ6万種の植物、1,000種の鳥類、300種以上の哺乳類が生息するといわれ、さらに先住民族の人々をはじめとする2,000万人の人々がこの原生林に依存しています。この地域では、1970年代以来、フランス面積に匹敵する広さが、すでに破壊されてしまい、現在でも、この地域の木材供給の80%は、違法伐採によるものであるといわれています。

◇アフリカ

ゴリラ、チンパンジーなどの類人猿が多く生息するアフリカの熱帯雨林は、中央アフリカ、カメルーン、ガボン、コンゴなどに残されています。コンゴの地域だけで、1,000種以上の鳥類がおり、哺乳類は400種以上も生息しているのです。しかしながら、その生物の実態の多くが明らかにされないまま、この地域の原生林85%は、すでに消失されてしまいました。いまでも破壊的伐採は行われ、莫大な量の木材が輸出されています。

◇北アメリカ

北アメリカには、カナダおよびアラスカに原生林がひろがっています。人里離れた地域で未踏の地として残っており、クマやオオカミなどの生息地となっているのです。森林保護地は最近になって、増加してきていますが、それはまだ、わずかにすぎません。一方、米国内では、すでに94%5555原生林が失われ、国際条約である生物多様性条約の締結を拒みつづける上に、他国から大量な木材購入を続けています。

◇南アメリカ

チリ南部とアルゼンチンには、わずかな湿帯雨林が残されています。すでにこの地域の主要な部分は、消失したか、破壊されてしまっており、沿岸に残るわずかな原生林だけが、この地域特有の動物を支えているのです。そこには、珍しいカエル、シカ、キツネなどが生息しています。しかし、この原生林を保護する活動は、未だほとんどなされていません。

◇ヨーロッパ

ヨーロッパには、ロシアに隣接したスカンジナビアの地域に残された原生林があります。フィンランドとスウェーデンでは、原初にあった原生林のうちの、1~3%が残っているだけなのです。ヨーロッパの他の地域では、すでに人手のついていない原生林が消失してしまったなかで、この地域の原生林だけが、絶滅寸前のワシやミミズクの生息地となっているのです。この原生林でさえも、商業目的の伐採による深刻な脅威にさらされています。

◇アジア・ロシア

サハリン東北部を含む北極帯から中国東北部にひろがるアジア・ロシア地域では、北は北方林、南は湿帯雨林などでしめられ、多様な樹木に富む地域です。ここには、危機に瀕したトラ、ヒョウ、クマなどが生息しています。しかし、この地域でも、多国籍伐採企業が伐採をはじめだし、産出された木材は、中国、韓国、そして日本の市場へ多く輸出されています。

◇アジア・太平洋

アジア、太平洋地域では、主にインドネシアとパプアニューギニア、そして群島からなる多様な熱帯雨林が存在します。ここには、30,000種近い植物、500種以上の哺乳類、1,600種以上の鳥類などの生物に富み、1,000以上の言語を生み出した人々の生活、文化を支えています。この貴重な生息地は、すでに原初あったうちの65%が失われ、いまだに破壊の脅威が迫っています。このまま破壊が続けば、今後10年以内に、この原生林は消失するであろうて予測されています。


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