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rose_chocolat @ Re[1]:2015年my映画ランキング:元気にしています(01/02) みえこ55さん こちらこそレス遅くなりす…
2011.01.02
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鑑賞劇場 : ユーロスペース

『海炭市叙景』 公式サイトはこちら。




いくつもの文学賞候補(芥川賞5回、三島賞)に推されながらも遂に受賞はならず、
1990年に自死した函館市出身の作家・ 佐藤泰司 氏の作品。 「遺作であり、未完の短編小説」ということである。(wikiより)
東京国際映画祭でもコンペティション に出てたんですが、
チケットが完売ということでやむなく一般公開まで待ちました。
待望の鑑賞。
予告で谷村美月ちゃんが出てて、
今までの彼女のテイストとは全く違う雰囲気に惹かれました。




最も原作では18ものエピソードですので、ここで取り上げたのはほんの一部です。
邦画のオムニバスというのは今まで何本か観ているんですが、
洋画と違って、1つ1つのエピソードがやたら大仰なものが多く、
印象に残ったものがあまりないのです。
果たして本作はどうでしょうか。


「海炭市」という架空の都市(モデルは函館市と思われる)を舞台に繰り広げられる人間模様。
どんよりとした分厚い雲と、今にも泣き出しそうな灰色の空が迫ってきそうな風景の中に
展開される話は、そのビジュアル通り、重たく湿っている。
その背景にあるものは、不景気と、それが直撃する地方都市の現状に他ならない。
例えばこれが都会であったら、何となく非正規でも仕事があって、
それなりに命をつなぐこともできるのかもしれない。 しかしながら、

それまで懸命に自分の居場所を守ってきた人たちでさえも、時勢の波に呑まれてしまえば、
そこには何も残るものがない。
こんなに非情な現実なのにも関わらず、ここに出てくる人たちはどこか、観念しているように見えてならない。
肚をくくっている、というか、くくりきっている、と表現した方が正しい。


これらのエピソードの中では、「まだ若い廃墟」の兄妹の暮らしが切なかったです。

そして「裂けた爪」。
加瀬くんはこういう役、うまいです。
ただ暴力はよくないかな。 誰に対しても。 自分より弱いものに対しては特に。
という綺麗事が通用しないほど、彼らの心が荒んでる訳です。
理由はそこから推測するしかないんですけど。


実際に今まで基盤としてきたもの、例えば仕事だとか家族だとか住居だとかを
失くす時、それがやってきた時はショックを受けてしまうけど、
その状態を受け入れざるを得ないとなった時にはもう、人は観念してしまうんだと思いました。
そしてそこから、どうやっていったらいいのかを探し始めます。
ある者は新天地へ、そしてある者は故郷に帰り、ある者はその場所で動かずに今までどおりの生活を送る。
「人はどんな状況に置かれても、生きていかねばならない」などという言葉がそれこそ、空回りしそうな現実。
そこから目を背けたくても、もうどこにも行くあてもない。 それが現実なんですね。
重苦しくても心が折れそうでも、そこに留まる人々のありのままの表情をあぶり出す良作でした。






今日の評価 : ★★★★☆ 4.5/5点
















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Last updated  2011.01.16 04:41:49
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