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チェコ 0-1 ポルトガル
チェコのビーレク監督は試合前、攻撃にいきたい気持ちは抑えてカウンターを狙いたいと話していた。その作戦は開始15分で実を結びそうになる。21歳のブラディミル・ダリダが右サイドを疾走し、この試合が代表の公式戦で初出場とは思えぬ見事なクロスを入れる。しかし滑り込んだミラン・バロシュは、わずかに届かなかった。しかし、チェコの選手たちの関心は自分たちのプレーには向いていなかった。彼らが最も神経をとがらせていたのは当然ながらロナウドだ。このポルトガルのエースが最初に突破を図ろうとした際には5人のチェコ選手が取り囲んだ。前半の終了間際には、マーカーたちを逃れたロナウドがミハル・カドレツを鮮やかにかわしてシュートを放ったが、GKペトル・チェフの左手側のポストに弾かれた。しかし後半の開始早々に絶好機をつくる。左サイドを駆け上がったラウール・メイレレスが、負傷のエウデル・ポスチガに代わって入ったウーゴ・アウメイダにピンポイントのクロスを合わせる。しかしヘディングシュートはクロスバーを越え、チェフの手を煩わせることすらできなかった。さらに直後のロナウドのFKも、ポストの外側をかすめていく。均衡が保たれていたのは運もあったかもしれないが、チェフはまだセーブらしいセーブを見せていなかった。その状況を変えたのはナニだったが、チェコの守護神は枠に飛んできたシュートにきっちり対応。直後のモウチーニョの強烈な一撃も阻止してみせた。手の込んだ攻撃をすべて阻まれたパウロ・ベント監督率いるポルトガルは、この辺りからよりダイレクトなプレーを選択するようになる。ロナウドへのロングボールはその典型だったが、続くメイレレスのシュートが大きく枠を外れると、ポルトガルの選手たちは頭を抱える。さらにナニのシュートもカドレツが伸ばした足に当たってクロスバーの上へ飛ぶと、試合はますます白熱。問題はいつチェコの守りが崩壊するか、あるいははたして崩壊するのかだった。そして、ついにその瞬間が訪れる。右サイドでナニからパスを受けたモウチーニョがクロスを入れると、これにDFの後ろから一瞬で回り込んだロナウドが合わせ、強烈なヘディングを叩き込んだのだった。スタンドで観戦していたエウゼビオ氏とルイス・フィーゴ氏(ロナウドに譲った背番号7番のユニフォームを着込んでいた)が、この試合で初めて喜びを爆発させる。残りの時間を守り切ったポルトガルは、27日にドネツクで行われる準決勝で、スペイン対フランスの勝者と対戦することになった。
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