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5月4日(木)に宿泊した時の出来事。
食堂で、6名の客で、夕食を食べていた。
ご主人と、女将さんも加わり、お遍路の話題で、盛り上がっていた。
客は男性ばかりで、変に気を使わなくても良いので、雰囲気よし。
食事も終わる頃、遅れてご夫婦がやって来た。
奥様は、やけに若い。不倫のお遍路さんかと、間違うほどの歳の差に見える。
まぁ、あの純真無垢と信じたい笑顔美人が、お遍路の途中で年寄りとくっつく様を、
身近で見て来たので、然もありなん、と感じた次第であります。
しかし、その人が言い出した言葉に、一瞬、食堂の空気が凍りついたようであった。
宿のご主人 :「30キロも歩いて、疲れたでしょう」
男性 :「いや、大した事は、ないのですが、貧血気味で、それが気になります。」
男性 :「実は、抗がん剤を服用しているので、それが影響しているのです。」
男性 :「こう言うこと、言って良いのか・・・。実は、末期癌なんです。」
一同 :「・・・」、無言。
もうあちこちに転移していて、駄目らしい。
ご主人 :「そんな状況なのに、あなたは明るいなー、そうは見えない」
この言葉に、食堂の空気も緩み、癌の話になった。
「びわの種」が癌を治すって、民宿:とうべやのご主人に教えて貰ったので、それを
話すと、彼曰く、「そんなのは、100種類以上ありますよ、何が効くかなんて、
分かりはしない。」と。
食事は終わっていたので、途中で抜け出してきたが、明るい顔で、明るい声で
話していても、気が滅入ります。生きてこそ、ですね。何があっても。
と思わされます。
癌の末期であると言うのに、歩きお遍路を、しかも、それに比べれば、大した事
ない、僕の病気なのに、僕よりも多く歩いている。相当の精神力なのでしょう。
見習わねばならないと思うけど、自分がそうなったとしたら、同じように、出来る
かなー、と、考えると、とても、信じがたいほどの、頑張りである。
凄いなー、と、ただただ、感心している。
僕より、だいぶ早く出発したと思うが、88ヶ所の最高峰、雲辺寺で、追い付き、
お二人に出会った。連休で多くのお遍路さんがおり、座る椅子がなかった。
それを見ていたお二人は、自分達が、それだけの重大な病気を持ちながら、僕に
席を譲ってくれようとした。
何とも、素晴らしい、思いやりではないか。
ただただ、感服している。そして、これだけ強い精神を持っていたら、自力で癌を