アスペルガーの子どもとともに

アスペルガーの子どもとともに

小学校5年生



【児童相談所】
子ども家庭センター、まだ児童相談所と言われていた時代です。私は児童相談所でテストを受ける事に決めました。

9月、WISC-3テスト。類似15,組合14、符号5。10才で、類似は15才レベル、符号は5才レベルと解釈してくださいと言われました。15才レベルと5才レベルを持ち合わせているので本人としても文字が書けないことにもどかしさを感じているだろうと言われました。処理速度が遅いので、学習障害もあると言われました。2つ以上の作業(楽譜を見ながら指を動かしリコーダーを吹く、なわとびのように回しながら飛ぶ)が苦手、似たような符号が区別がつかない(un dbp hn WM )のでローマ字も覚えていない、漢字は似たような字を書くが正解が出てこないなど、該当することが多くありました。予測(帰るしたくをしなさいといわれて、具体的にはどうしたらよいか)が苦手な事も該当しました。

【診断結果】
平成17年、療育センターの児童精神科の医師に「アスペルガーかな?」と言われました。平成19年、中1で再び同じ医師に「アスペルガーです」と診断されるのですが、不思議なものです。平成17年には、私の周囲にも、診断名をいただく子はほとんどいない時代でしたから、こういう結果になったのでしょうか?

【中学受験への思い】
児童相談所の先生からふと言われたことで、「お母さん、大学進学をお考えなら字が書けなくても、マークシートっていう方法もありますよ」この言葉をきっかけに、中学受験を頑張ってみようと思いはじめました。今考えると、この頃はアスペルガーと診断されていなかったので、療育より進学の方を優先して考えていたと思います。

【受験を意識した転塾】
友達に影響され、なんとなく4月から塾へ通いました。集合クラスで勉強していましたが、自分のペースで進めないことが不満だったので、9月から個別指導の塾へ転塾しました。初めての環境や、特に知らない人の中に入ることが苦手だったので、模試になるとたくさん人が集まるので「緊張する、集中できない、行きたくない」と泣きながら言いました。個別指導の塾では、個別に模試を受ける事が可能なので、最初は、人とは時間をずらして模試を受けました。模試に慣れたら、個別ブースの教室で、それに慣れたら大きい会場で、と人慣れする事にも対応していただきました。目的は、受験本番までに知らない人の中でもテストを受けることが出来る、という事で、講師と親の共通認識を持ってすすめました。家では、時空先生のドリルサイトで、毎日1枚、プリントをさせました。

【学校の先生へ報告】
学校の先生に、児童相談所でのテスト結果を話し理解してもらいました。先生と相談して、とりあえず忘れ物をしてもよいので、自分で明日の時間割をそろえる事から始めました。時間割をそろえるには連絡帳を見なくてはいけないのですが、前から順にノートを使うという事が出来ないので、書いた所を探すのに苦労しました。だから連絡帳は前日までの所をホッチキスで留めて開かないようにして今日書くべきページがいやでも出るように工夫しました。

【学習態度】
5年になると難しい漢字が増えて、苦痛になりました。漢字ドリルを見て、ノートに書き写す事が難しいので、蛍光ペンで私が書いた上をなぞらせました。学校のノートやワークや教科書が増えて、自分で管理しきれなくなり、先生が授業中に出すように言われても、カバンに入れているにもかかわらず、探せず「忘れた」で済ますことが増えました。

【新たなこだわり】
5年になって「普段と違うことを恐れている」事に気がつきました。先生から聞いたのですが、社会見学で遠方に行くとき、そわそわして落ち着かず、何度もトイレに行ったそうです。そう言えば、家族でドライブに行く時に「あと何分?」を連発する事に気がつきました。目的地と時間などの予定をはっきり知らせると落ち着くことがわかりました。

【保健室登校】
担任の先生は優しかったのですが、児童同士のトラブルが増え、先生も解決に追われる毎日で、クラスは荒れていました。それに加え、嫌いな運動会の練習も始まって、不登校ぎみになりました。保健室の先生に事情を話していたので、保健室登校の日が続きました。息子いわく「嫌なことがあると落ち着かない。落ち着く場所を求めて逃げる。」

【地方在住と特別支援】
特別支援が始まったといいますが、地方に住んでいるので、始まっているという実感は全くありませんでした。市の相談機関でも「特別支援?療育?よくわからないなあ」と言われたりすることも多かったので、アスペルガー・ADHDの療育関するについての講演会をたくさん聞きに行きました。誰も頼る人がいないので、私自身が本を読んだり講演会で聞いて、息子に何が出来るか、一生懸命に、ない知恵をしぼって考えました。

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