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2006年11月23日
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カテゴリ: 海外文学
King 呪われた町





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最終更新日  2007年02月13日 21時45分58秒


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20年以上前の作品ですが面白かったです。後に書いた「ニードフル・シングス」の原型とも言え,キング作品の集大成「ダーク・タワー」シリーズでも登場するキャラハン神父が主要人物のひとり。

キング作品は、『キャリー』『デッド・ゾーン』『ファイア・スターター』など超能力を扱った作品が比較的多く、それらの方が有名で人気も高いでしょう。そうした中で『呪われた町』はブラム・ストーカーの『ドラキュラ』の影響を受けた、古来より受け継がれた吸血鬼伝説を忠実に踏まえた伝統的スタイルの恐怖小説。たしかに『呪われた町』に登場する吸血鬼は、通常のイメージ通り。(吸血鬼にイメージ通りと言う表現も変ですが。)人の血を吸って仲間を増やし、十字袈やニンニクを恐れ、日中は眠って過ごすという生態でわかりやすい。ストーリー展開も町の人物たちを場面場面で切り取って描く手法で、キング手法だなーという感じ。前半はなんの事件もなくて、退屈気味でしたが、中盤から面白くなりました!


■キングの影響を受けたホラー

日本でもキングの影響は大きく、ジャパニーズ・ホラー小説の代表作の一つ、小野不由美の『屍鬼』にセイラムズ・ロッドが出てくる。「呪われた町」のオマージュとのこと。(また、宮部みゆきの「クロスファイヤ」は、キングの「ファイヤスターター」へのオマージュ。)
その他
・「ダレン・シャン-奇怪なサーカス」ダレン・シャン 
・「バトル・ロワイアル」高見広春
・ディーン・R・クーンツ
・ロバート・R・マキャモン
・「トーテム」デイヴィッド・マレル
・「ボルネオホテル 」景山民夫
・「あやかし」 高橋克彦

■「ダーク・タワー」シリーズ

「ダーク・タワー カーラの狼」では、キャラハン神父の自伝部分にページを割いてます。神父は吸血鬼に詳しく、タイプ1~3と見分けられる力が備わっていて、神父の人生は信仰と酒と吸血鬼との戦いのようです。(正直言って、この部分はちょっと退屈だった。キャラハン神父のキャラにいまいち興味が持てなかったせい)吸血鬼に関する能力が何故、どのように神父に身に備わったのかが、『呪われた町』を読んで、きっかけはここにあったのね、と思いました。20年前に『呪われた町』を読んでいたファンの方には、神父の登場はうれしいものだったのでしょう。『呪われた町』で神父の世話をしていた家政婦が神父を褒めちぎるシーンは、なにがなし感動しましたから。

また、『呪われた町』でキャラハン神父とがマーク少年が、吸血鬼のボスと対峙するシーンは、「ダーク・タワー」でジェイク少年とキング・クリムゾンの手下どもと、様々に戦いに臨む場面と重なりました。


『呪われた町』単独でも、とってもおもしろいし、「ダーク・タワー」に通じる部分を意識して読んでも楽しめました。ただ、「ダーク・タワー」シリーズは巻を追うごとに難解に感じてるので、『呪われた町』の方がはシンプルに楽しめ、読みやすかったです。キング初期の他作品をまた読み返したくなりましたね。


そうそう、野球のバットの材料、トネリコの木に、吸血鬼にトドメを刺す効能があるとは、雑学的に為になりました。彼らを倒すには、日昼眠っている間にトネリコの杭を心臓に打ち込むべし。


■実写版


「セイラムズ・ロット -- 死霊伝説」
監督(製作スタッフ): マイケル・サロモン
出演者: ロブ・ロウ、ダン・バード、ロバート・マンモン、サマンサ・マシス、ジェームズ・クロムウェル、ドナルド・サザーランド、ルドガー・ハウアー

”ラストが原作とは違うけど、怖くて悲しい物語の締めとして自然な感じだった” との評など、実写DVDは3時間と長いのに好評のようですね。


今年よんだキング作品 感想
「骨の袋」 スティーブン・キング 
・「ローズ・マーダー」  スティーブン・キング
「ザ・スタンド」    スティーブン・キング
・「回想のビュイック」 スティーブン・キング
「ダーク・タワー」    スティーブン・キング
「IT」         スティーブン・キング
「ランゴリアーズ」   スティーブン・キング
・「ニードフル・シングス」 スティーブン・キング
「呪われた町」 スティーブン・キング













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