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9・経験価値マーケティング 満足から感動


 サービスマーケティングによって問題解決をはかり不満を満足の状態に高めた後は、その認知的課題よりも高い次元における感動や共感、そして驚きといった経験価値を創造する経験主義アプローチが必要となり何度も経験することによって顧客とチームの関係性やロイアルティが高まるのである。
ウィングスタジアムと新潟スタジアムのシートの快適性やトイレの美しさはそれほど大きな差ではない。
ところが「経験という経済的オファー」(注1)はクラブにとって差別化することが容易である。
 例えばアルビレックス新潟の、スタジアムを満員にするために無料券を配った戦略もこれにあたるのではないかと思う。
私も野球観戦での体験談になるのだが、ガラガラのYAHOO!BBスタジアムで観戦した時と甲子園で満員のスタジアムで観戦する経験価値の差は全く違うからである。
満員のスタジアムによって感じる雰囲気も経験価値なのである。
またヴィッセル神戸のスーパーツアーパックも紹介したように、普段できることのない貴重な経験を得られるために8000円という高価格でも売り切れるのだと思った。
だからこの経験価値マーケティングは、クラブ側が観戦者に対してどのような経験価値をもってほしいかを明確にし実行することが重要になってくると思う。

*注1 経験という新たな経済価値に注目し、それを「経験経済」として理論化したパインとギルアは現代ビジネスにおいては「商品」と「サービス」だけでは十分ではなく、それらを経済的価値のある「経験」へと変化させる努力が必要であると指摘した。
すなわち「経験」を独自の経済的オファーとして認識することが新たな富を生み出し、それが経済成長に不可欠であるという主張である。

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