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2005/10/23
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森江春策は新聞記者出身という変わった経歴を持つ弁護士で,素人探偵という「副業」をもつ。

芦辺拓の「三百年の謎匣」

は,その森江春策のシリーズの1作(今の時点で最新刊のはず)である。

シリーズとはいっても,「順に読んだほうがいい」とか「前作を読んでいないとつらい」ということはない。
本拠地が大阪であることと,森江春策がかなり「のほほん」とした性格であることを抑えていればじゅうぶんなのだが,それも,本を読むうちに次第にわかってくる。

今回は(も,というべきか)作者のサービスいっぱい。
彼の事務所に訪れた人物の「密室状態」での死を,アシスタント役の新島ともかが目撃し,森江がその事件を解決するのに先立ち,1709年から1937年にわたる6つの話を読んでいくことになる(海賊話あり,西部劇あり,ナイル上流の幻の王国ありで楽しい)。

途中の話が現在の事件を解く鍵になると思い,かつ,最初の挿話「新ヴェニス夜話」の舞台がわかってしまったため,関連をつかもうとむきになって読んでしまったが,これが失敗!!

もっと気楽に1話ずつを楽しむべきだった!!
いや,楽しかったことは楽しかったのだが,ついつい, アヘンが鍵か 「匣」に隠されている意味,つまり隠し場所であること に気づかなかったのだ。

森江春策は,過去の話から 「二重」 というキーを見つけて現在の事件を解決するのだが,話の運びとしては, 「逆転」 というのも(ある意味では同じかもしれないが)あった。
依頼人 として登場した人物が実は偽物であったり ,エキゾチックな美人と, 設定が逆転していくことで,密室の謎も解決していく ことになる。

ええ,まあ,おもしろかったですよ。

この人の作品については,京極夏彦の「百器徒然(風)」に関連して「時の誘拐」を紹介したことはある( →日記はこちら )が,「安心して」読める作家のひとりであることは間違いない。

芦辺拓の他作品についての日記は,フリーページ  読了本(日本)  (芦辺拓)からごらんください。

次の日記も読ませていただきました。
本格ミステリと旅の写真(☆かよさん)
酔眼漂流記さん


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Last updated  2007/01/20 03:48:13 PM
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