よ ば ちょうらい こ が はっ ゆくゆ き り ふ さいそう うた
輿馬 朝来 古河を発す 行 く聴く 里婦 采桑の歌
へいでん きょくもく ぼう さい てんまつ せいら つくば え
平田 極目 茫として際なく 天末の青螺 筑波を得たり
詩文説明
朝早く、馬を買って、古河を出立した。道すがら、里の女が桑を摘みながら唄を歌っている。見渡せば、どこまでも田園がつづいて、のどかな景色である。地平線の彼方、青く霞んで見える山はこれぞ筑波山であろう。
作者
頼春水
江戸中期の儒者。父は惟清、頼山陽の父、春風、杏坪の兄。名は惟完、字は千秋、通称弥太郎。号は春水、別に霞崖、和亭、拙巣がある。延享3年安芸竹原(広島県)に生まれる。明和3年、31歳の時大阪に遊学、片山北海の混沌社に入り、葛子琴、西山拙斎、尾藤二洲らと交わる。安永2年(1773)家塾を大阪江戸堀に開いて、青山者と名付ける。天明8年43歳の時広島藩の儒員になり大いに学政を整え、傍ら昌平黌の教壇にも上り、松平定信に説いて、朱子学振興に尽くした。人となり謹厳方正、節義を重んじ、高山彦九郎を心友とした。混沌社の時代、既に詩豪といわれていたが、書も一家を成した。文化13年広島に於いて病没享年71歳。
1、頼春水早朝馬を買って古河を発つ。
2、筑波山付近で土地の婦人たちが歌を歌いながら桑の葉を摘んでるのに出会う
3、見渡せば何処までも田園が続いてのどかな景色で安らぎを感じた。
1.遠く彼方に霞んで見える山は筑波山であろうか
2.現在の筑波駅前から筑波山口に向かうバスが出ている。
3、筑波神社近くのつくば道の道しるべ。