1907年アルゼンチン出身のイタリア人女流画家レオノール・フィニ。父イタリア人とスペイン人の血が流れるアルゼンチン人イタリアナポリ出身、母イタリアのトリエステ出身のドイツ人とイタリア人とスロベニア共和国の血が流れる。混血の家系。父は、アルゼンチンの牧場を持つ資産家であったが、フィニの母はその夫のもとから逃げるように母国であるトリエステ(北イタリア)へと去っていった。その後、フィニは父を知ることはなく、母のもと、自由で進歩的で洗練された環境のなかで育ってゆく。黒い瞳に黒い髪、エキゾチックな美貌と強烈な魅力をもつフィニは、異色な女性シュルレアリスム画家としてパリで鮮烈なデビューを果たします。魔女とみまごうばかりの不思議な魅力にあふれるフィニ。ときの詩人や芸術家、バタイユやエルンストらとも親交を結び、1935年以降、パリ、ロンドン、ニューヨークで絵画展、書物の挿絵、パリ・オペラ座「Le Palais de Cristal」などの舞台装置、バレエや映画の衣装、小道具、はては宝石のデザインまで手がけ、幅広い分野でその才能を発揮しました。また、作家としても活躍する傍ら、パリ社交界のカリスマとして、連日連夜、自身がデザインをした衣装や仮面をまとって舞踏会に現れました。