「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
100万ポイント山分け!1日5回検索で1ポイントもらえる
>>
人気記事ランキング
ブログを作成
楽天市場
000000
HOME
|
DIARY
|
PROFILE
【フォローする】
【ログイン】
BONDS~絆~
Last Love 3
織は深く眠っていたのか、哲の帰宅に気付かなかった。だから翌朝起床し、ダイニングに哲がいたときは正直驚いた。
「哲、帰ってたんだ」
「んあ?うん。帰ってくるつもりだったし」
「うん・・・」
「安心しろ。お前の話しは一切してないから」
「あ、そうなの?なら良かった」
「飯食ったら学校行くぞ」
「・・・うん・・・」
「あれー?いいの?か・え・り」
「あっ!行く!」
「どういうこと?織が学校に行きたいなんて珍しいわね。良い傾向だわ」
喜んでみたものの、やはり学校は行きたくない。ご褒美とはわかっていても、また昨日のようにチャラになってしまう心配もまだあった。でも、哲と一緒にいたい。織は心の中で葛藤しながら、朝食を食べていた。
「織、たらたらしてんな。行くぞ」
「待って!」
「何?」
「心の準備が・・・ね?」
「・・・わかった」
二人は玄関を出た。母親にまだ家にいるとわかったら、何を聞かれるかわからないからだ。とりあえず、外に出て、ゆっくり歩きながら織は心を決めようとしていた。
「ねぇ、哲。昨日・・・なんでもない!」
織は何も考えずに口走ったことを後悔した。昨日、哲と彼女が何をはなしていたかなんて妹の私には関係のないことだ。と織は途中で考え、聞くのをやめた。しかし、哲は織の心の中を見破っていたように話し始めた。
「冴は、俺に『別れないで』って言って来たんだよ」
「え?哲、冴さんをフったの?」
「どうして!?」
織は、哲に返事をさせる間もないほど早く、聞いた。
「どうしてだろうな。ただ、冴にはもう恋愛感情を感じなくなったっていうか・・・そんな感じなんだよな」
「他に好きな人できたの?」
「いやーそういうわけでもないんだよな。だから、昨日は、その・・・な?」
哲は言葉をにごらした。
「何?」
「そんなことより、お前、甲斐のことどうするんだよ」
「今、甲斐さんの話じゃないでしょう!」
「まぁ、いいじゃん。俺と冴のことなんだし」
織はハッとした。そうだ、哲と彼女のことなんだ。織は関係ないのだ。織はそう気が付くと、黙り込んでしまった。
「織」
「ごめん・・・」
「いや、俺が今まで冴とのこと話してきたのに急に離さなくなるのは悪いよな。ごめんな」
哲のそういった優しさはときに織を苦しめる。本当に悪いのは、私なのに、いつも哲は、俺のせいなんだと言ってくれる。ときたま、織は自分を責めて欲しいときだってあるのに。哲の優しさは本当の優しさとは少し違うような気が、このときの織にはしていた。
「じゃあ、俺こっちだから。授業頑張って出ろよ」
織は、黙って頷いて校門をくぐった。その日織は早退した。
帰宅すると、既に哲はいた。今日、哲は2時間で一時帰宅したのだ。哲は大学生だから、時間割も不規則で織は半分ヤバイと思い、半分どうでもいいやという気持ちだった。
「織!?」
玄関の戸が開く音がし、階段を昇っていく織を見て、哲は驚愕した。哲は、階段を駆け上り織を追いかけた。
「織!織!」
哲が呼んでいる声に気付いているはずの織は、哲を無視し、自分の部屋に閉じこもった。
「織?どうしたんだ?学校で何かあったのか?」
「お兄ちゃん面しないで!哲は本当のお兄ちゃんじゃないじゃない!私に気遣ってばかりで・・・そんなの・・・ちっとも嬉しくないよ!」
織の部屋を叩いていた音が消えた。織は、哲を傷つけたような気もしたが、今は怒りを鎮めることに精一杯だった。
翌朝、哲は既に登校していた。
「今日からは、織一人で学校に行くの?」
「うん」
生気の無い返事だった。織は朝食をしている時も、授業中も昨日、自分が哲に発した言葉を頭の中で繰り返していた。クラスメートは織はいつもそんな感じだろうと思っていたし、常に織に対して何も思ってこなかったから、織の変化には気づかなかった。
放課後、校門の所に、甲斐がいたことで、織は少し我に返った。
「良かった、帰ってなくて。ちょっと良いかな?」
はじめは驚いたが、きっと哲の差し金だろうとすぐにまたうつろな表情へと戻っていった。
「はい」
「元気ないね、どうしたの?」
「・・・哲から聞いたんじゃないですか?」
「え?何のこと?」
「いえ・・・何でもないです」
織の頭は少し混乱していた。哲の差し金ではないとしたら、甲斐はいったい何をしに校門にいたのだろうか。
「哲と何かあったの?」
「・・・」
義理とは言え、兄弟内のことなので、甲斐に話す必要な無いだろうと想い、織は黙り込んだ。
「話したくないのなら、いいよ。俺は、この前の埋め合わせをしようと思ってきたんだ」
「埋め合わせ?」
「うん。この前、俺仕事入ってお茶ちゃんとできなかっただろ?」
「あぁ・・・そんなわざわざ良かったのに」
「織ちゃん。俺でよかったら話聞くよ?何だか、見ていられない」
織は少し心が揺らいだ。涙も出そうだった。二人は、この前と同じ喫茶店に入った。織はホットミルクティー、甲斐はホット珈琲を注文した。
「・・・織ちゃん」
「昨日、哲に・・・お兄ちゃん面しないでって言っちゃったんです」
「そっか・・・哲は何か言った?」
「いいえ。何も言わないで部屋に戻っていって、朝起きたらもう家にいませんでした」
「きっと、哲は織ちゃんのことを本当の妹だと思っているんだね」
「あたしも、あたしも・・・哲のことお兄ちゃんとしてみてたと思っていたのに・・・昨日あんなことを自分で言ったなんてまだ信じられなくて・・・。どうしよう・・・」
「織ちゃんが心配しているのは、哲とのこれからの関係?それとも、自分が哲にどう接すれば良いか?」
「両方です」
「きっと今迄通りがいいと思う」
「でも!このままじゃ・・・あたしは哲のことお兄ちゃんとしてみてないって言ったままになっちゃう・・・」
「俺は織ちゃんじゃないから、織ちゃんの本当の気持ちはわからないけど、哲は傷ついたってのはわかるよね?でもね、哲が朝いなかったのは、きっと自分で心の中を整理しようとしているからなんじゃないかな。もし、昨日織ちゃんが言った言葉について『俺は兄貴じゃないんだ』って哲が思うようじゃ、哲は織ちゃんのことを自分の妹としてみてないってことになると思うんだ。もし、俺だったら『織は義理とはいえ俺の妹なんだ。兄貴面して何が悪い!きっと、織は昨日は悩んでいて八つ当たりしただけだ』って結論付けると思うな。そういった結果を出すのに、今哲は考えているんだと思うよ。アイツは人の心の痛みをわかるやつだから、織ちゃんが学校に行きたくない気持ちとかも変えようとすることが出来るんだ。そう言う兄貴をもてて幸せじゃない?織ちゃんが今出来ることは何だろ?」
「・・・・なんだろう・・・待つこと・・・かな?」
「俺もそう思うよ」
「甲斐さん・・・有難うございます。かなり気楽になりました」
「いいえ。力になれてよかったよ。さ、飲んで」
織は、甲斐に対して今迄とは違った、『好き』という気持ちとは別な感情も生まれてきた。それが何なのか、今の織には理解出来なかった。
2時間くらい喫茶店でおしゃべりしてから、甲斐がそろそろ哲が戻ってくる頃じゃないかと言い、サヨナラすることにした。
自宅に戻ると、哲はまだ帰宅していなかった。
ダイニングに向かうと、母が話し掛けてきた。洗濯機を回しているらしい。
「お帰り、哲今日帰って来ないらしいわ」
「そう・・・」
「甲斐君のところかしらね」
「さぁ・・・」
「あ、お風呂沸いてるわよ」
「うん、入る」
「どうしたの?元気ないわよ」
「えっ?そんなことないよ!ご飯の前に入っちゃうね」
「あ、そう?じゃあ、少し待ってね。あと少しで干し終わるから」
母親が干し終わるのを待ちつつ、織は玄関の扉の開く音を待っていた。しかし、音は聞こえず、織は浴槽へつかった。
「帰って来ないって言ったじゃん」
そう呟いた言葉が風呂場で反響し、織は少しの孤独を感じた。湯船から上がり、体を洗ったり、頭を洗ったりしていても、織は聞こえるはずのない玄関の扉の音を無意識的に待っていた。風呂からあがると、織は驚いた。
キッチンのテーブルはご馳走で埋め尽くされ、哲もいた。
「・・・?」
織は絶句した。頭の中は混乱状態だった。
「ハッピーバースディ!織!」
「ハッピーバースディ!」
「誕生日おめでとう、織」
「・・・うん。あ、誕生日?そうだっけ?」
「織ちゃんは幾つになったんでちゅかぁ?」
哲だ。いつもの哲。織はそう確信すると、ホッとして涙が出た。
「えっ、織?何ないてんだよー」
「織ちゃんは、18歳になりまちたー」
織は、哲の赤ちゃん言葉に付き合った。
「ささ、座って」
ケーキには、18本の火がついた蝋燭が立てられ、キッチンの電気は消された。真暗な中、織は向かいにいる哲と一瞬見つめあい、ふーっと蝋燭の火を消した。その瞬間、けたたましいクラッカーの音がなり、織の顔から笑みが消えることは無かった。
「織、蝋燭消すとき何かお願いしたか?」
「したけど、教えないよーだ」
「可愛くねー」
「可愛くなくて結構~」
二人の会話には愛がこもっていた。ご馳走も食べ終え、織に少し眠気がさしてきたころ、哲が部屋に呼んだ。
「何?」
「いいから、早く」
哲の部屋に入ると、そこにはプレゼントがあった・・・というか、いた。
「・・・甲斐さん!」
お前が風呂入ってる間に連れてきたんだ」
「どうして・・・!?」
「ハッピーバースディ!織ちゃん!実は昨日、哲とゴタゴタがあったのは、聞いていたんだ。俺にも何か出来ることはないかなと思って、校門で待ち伏せして、プレゼントに迷っていた哲の手助けをしてたってわけ」
「・・・プレゼント?」
「ところがどっこい、お前が何欲しいかなんてわかんないからさ。何が1番喜ぶかなと思ったら・・・・ってわけよ」
織は哲から1枚の紙を受け取った。その紙にはこう記されていた。≪一日、甲斐を好きに出来る券≫織はこれを見て思わず吹き出した。
「下も見ろよ?」
下の米印にはこう記してあった。≪その一日次第で、一日から永遠に近いほど好きに出来るかも?!≫
「な訳ないじゃん」
そう冷めた様子で言った織の表情や、哲のリアクションを見て、甲斐は大笑いしていた。
「あはは!本当の兄弟じゃん、お前ら」
織にとって、最高の言葉だった。きっと、哲も同じだろう。
「だって、兄弟だもん。な、織?」
「うん!」
また、この前みたいにいざこざが起こるかもしれない。けれど、それは仕方のないこと。お互いを想い、お互いを大切にしている証拠。切っても切れない関係。例え血が繋がっていなくても同じ。それが兄弟ってヤツ。
「それじゃあ・・・織。その券はいつ使うのかな?」
「・・・うん・・・」
「その券なんて書いてあるの?」
「えっ・・・それは・・・」
「渡しちゃえ!」
哲のその言葉に背中を押され、織は券を持っていた両手を甲斐の前に突き出した。
「ん?」
織は券を右手で持ち、左手で下の文を指した。哲はその様子を見て、甲斐に言った。
「断るわけないよな?」
「ははっ。そうだな。長年の恋が実ったって訳だ」
「へ?」
「甲斐はな・・・」
「俺が言うよ。織ちゃん、初めてこの家で織ちゃんを見たときから、俺は織ちゃんのことずっと好きだったんだ」
「甲斐さん・・・」
「甲斐、織はな・・・」
「あたしがいう!甲斐さん、あたしもそうなんです。ただ、あたしは中学のときのアルバム見ちゃって、そのときから甲斐さんのこと・・・なんですけどね」
「そうなんだ、じゃあもっと早く言えばよかったかな」
「あとは、若い二人で好きにしてくださいなっ」
いじけながら自分の部屋を出て行こうとする哲を織と甲斐は同時に止めた。
「哲!」
「哲!」
「止めてくれるのは嬉しいんだけどさ~・・・二人で同時に言うなよ!」
「妬くなよ、兄貴」
「うるせーよっ!」
「哲もまだまだ子供だなぁ」
「お前には言われなくないなあ、織ちゃん」
「なんだとぉー!」
「まぁまぁ、二人とも・・・」
「甲斐は黙ってて!」
「甲斐は・・・って・・織」
「織ちゃん・・・」
「やっぱダメ!?ダメだったっ??」
「すげー慌ててるよ、甲斐」
「うん。可愛い。ダメな訳ないじゃないか。織」
「はい!バカっぷる誕生~」
「バカっぷるでいいもーん、ね?」
「お前は悔しいだけだろ」
「はいはい、んじゃあゆっくりしてろよ」
出て行こうとする哲を織はまた引き留めた。
「何?また戻ってくるよ?」
「有難うね・・・うん。有難う、最高のプレゼントだよ」
「あぁ。うん・・・どういたしまして」
「照れてやんの。でも、俺からも有難うだな」
「それ以上言うな!お幸せに!」
大きな音でドアを閉めながら哲は出て行った。きっと真っ赤かだろうと予想していた二人は、くすくす笑っていた。その日、笑いが途切れることはなかった。
5年後、織が大学卒業してから、二人は間もなく結婚した。
☆THE END☆
ジャンル別一覧
出産・子育て
ファッション
美容・コスメ
健康・ダイエット
生活・インテリア
料理・食べ物
ドリンク・お酒
ペット
趣味・ゲーム
映画・TV
音楽
読書・コミック
旅行・海外情報
園芸
スポーツ
アウトドア・釣り
車・バイク
パソコン・家電
そのほか
すべてのジャンル
人気のクチコミテーマ
アニメ!!
【予告】退職金をもらう前に、51歳の…
(2026-08-01 10:48:18)
漫画で日記を描こう
マンガ1568伊勢むくブログ 走る馬と…
(2026-08-09 06:40:50)
読書
消えていく書店
(2026-08-09 21:26:39)
© Rakuten Group, Inc.
X
共有
Facebook
Twitter
Google +
LinkedIn
Email
Design
a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧
|
PC版を閲覧
人気ブログランキングへ
無料自動相互リンク
にほんブログ村 女磨き
LOHAS風なアイテム・グッズ
みんなが注目のトレンド情報とは・・・?
So-netトレンドブログ
Livedoor Blog a
Livedoor Blog b
Livedoor Blog c
楽天ブログ
JUGEMブログ
Excitブログ
Seesaaブログ
Seesaaブログ
Googleブログ
なにこれオシャレ?トレンドアイテム情報
みんなの通販市場
無料のオファーでコツコツ稼ぐ方法
無料オファーのアフィリエイトで稼げるASP
ホーム
Hsc
人気ブログランキングへ
その他
Share by: