国の取り組みは少子化を進めているようにみえる。国民の大半は年間所得700万以下。年々重くなる税金と控除の廃止はたくさんの人を苦しめている。
子どもを産み育てる世代は、正社員になれず子どもどころか結婚も諦めている人も多いはず。その一方、自宅以外にもセカンドハウスを持つ人々も増えている。完全な2極化。富める者はますます豊かに、貧しいものはその日の食事にも事欠く。
ゆとり教育が導入される以前は、教育が富へのかけはしのように思われていた。今は教育の水準も下がり、豊かではない家庭の子どもは教育を受ける機会さえ奪われている。勉強する気になればいつでも出来ると言う人もいるだろう。朝から晩まで働き、くたくたになって本を読むことはとても大変だ。給料が少なければ休みも返上でひたすら働くしかなく、つましく暮らすのが精一杯ではないかと思う。
少し前、美術展で若いカップルがこんなことを話していたことを思い出す。「美術館にくるなんてセレブって感じ」 。昔と違って展覧会の入場券も一枚1000円以上する。心のゆとりが大切だと思っても生活にはかえられない。
食事や生活にゆとりが生まれて、文化を大切にする心が生まれる。そんな気がする。