思えば遠くへ来た私

思えば遠くへ来た私

欧州15カ国を貧乏旅行した記録



サンタと私
〈フィンランドのロバニエミにあるサンタクロース村にて〉


二十歳も半ばになったある日、ヨーロッパ鉄道旅行に行こうと思い立つ。
今考えてみれば、本屋にはその手の本がいっぱい並んでいて、それに触発された所もあるように思う。
それ迄一人旅をして来たが、そのつまらなさを痛感していた私は、旅雑誌で知り合ったYさんと一緒に、西ヨーロッパを5ヶ月まわる計画を立てた。

Yさんは私より5歳年上だったが、個人旅行は初めてだったので、少し不安はあったが、何とかなるだろうと一緒に行く事にする。

一応、出発する前に何度か会っておいた方がいいという事で、2回ほど近場を一緒に旅行した。
ちょっと頼りない所はあったけど、何より私より年上だし、旅行回数は私より上だしで、結局決行。

途中で喧嘩もしたし、別々で行動しようか、と本気で思った瞬間もあったけど、なんとか二人一緒に帰って来れたのは、短気な私に対して我慢強かったYさんのおかげだと、今は本当に感謝している。

低予算で旅行したので、いつもスーパーで買ったパンを持って歩いたり、たまに泊まったホテルで補充した小さなジャムを大事に持ち歩いたり、米が食べたくなったら中華レストランでチャーハンだけ食べたり、たまの贅沢はマクドナルドだったりして、旅行中たいした物は食べなかったが、そんな事も楽しかったのは、まだ若かったからだろう。

幸い危ない目には遭わなかった?が、5ヶ月もさまよっていたので、本当に色んな事があった。
少しずつ思い出しながら、旅の記録を綴ろうと思う。


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