森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2013.01.12
XML
岩井寛さんが昭和64年1月号の発見誌に書かれた記事を紹介します。
見た目は色白でスタイルのよい、実にういういしい奥さんがいました。こんな人がどうしてと思うのですが、この奥さんが自分の容姿に対して強い劣等感を抱いているのである。特に彼女は人前で顔が赤くなるということを劣等感としている。
この奥さんが、ある日、中小企業の経営者である夫がヨーロッパ旅行をするので社員とともに羽田まで見送りに行った。しかし、若奥さんは親戚の人たちが夫を見送る間、ついに車から一歩もおりなかったのである。なぜに車から降りなかったのかと私が彼女に質問すると、「もし見送っている時に、私の顔が赤くなったらどうでしょう。会社の人や親戚の人が私の顔を見て、あの奥さんは何と変な女だと思うでしょう。私はそんなことで夫に恥をかかせたくなかったのです。」というのだった。このことを考えてみると、まず彼女の主観は我々が感じる客観性と正反対である。彼女の態度は、客観性を無視し、夫を無視し、社員を曲解した上に成り立っているのである。彼女は自分の赤面恐怖の、不安のことばかり考えていて、他者を無視してしまっているのである。おそらくこの奥さんは、客観的には「冷たい女性」「愛情のない奥さん」としか映らなかったことでしょう。

神経症でとらわれてしまうと、はたから見るとそれは常識では考えられないような行動ととらえられます。でも本人はそうとは知らず、自分の主観の世界で苦しくて、どうにも抜け出せないであえいでいるのです。
私は、この例は森田理論学習によって「かくあるべし」と「事実に従う」という学習と生活態度の転換を身につけることによってよくなる事例だと思います。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2013.01.12 10:50:42
コメント(0) | コメントを書く
[森田神経症のタイプ] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

森田生涯

森田生涯

Calendar

Comments

森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
軸受国富論@ Re:森田の正道を歩むとはどういうことか(06/05) かの有名なドクターDXの理論ですね。ほか…

© Rakuten Group, Inc.

Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: