森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2013.07.30
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生活の発見誌平成25年8月号より。集談会で雑談が苦手という話をよく聞く。

雑談というのはもともとどうでもいい話。意味のない話。目的のない話。価値のない話。役に立たない話。いい加減な話。面白い話。スキャンダラスな話。面白半分の話である。
責任を負わなくてもよい話。まとまりのない話。気のおけない話である。
つまり親しい人とリラックスして、相手をけなしたり、自分がけなされたりして、たわいのない話をすることである。もともと楽しい会話のはずであるが、神経質者にかかると反対になる。

むしろかしこまった話の方がやりやすい。将来を左右するような話。契約の話。賛成か反対か意思表示を求めるような話。会議での発言。仕事上の話。交渉事。利害が絡んだ話。
普通の人はこちらの話の方が難儀をする。

私もそうだか、なぜなんだろうか。どうして普通の人と反対になるのだろう。
答えは生活の発見誌の中に書いてあります。
苦しみの最中にある人は、認められたい、拒絶されたくないという欲望が強すぎる。雑談には相手の本音の断片が否応なしに入ってきます。自分が相手に認められたいという強い願望とは反対に、つらい現実に直面してしまうことになるのです。また他人は自分勝手に不機嫌にもなりますので、我々にしてみれば拒絶されたと勘違いしてしまうかもしれません。自分が症状で苦しんでいる時は相手に不快感を与えるというのが恐怖につながるのかもしれません。


人からよく思われたいという気持ちが強すぎて、自分の弱みや欠点、ミスや失敗をつまびらかにすることができないのである。
雑談の場は、強みや長所、幸運や成功の話よりは、弱みや欠点、ミスや失敗がよく似合う。
すると我々は、いつとばっちりが自分にくるかも分からない。そうした場を避けるのである。
嘘だと思うなら、他人の雑談を耳を澄まして聴いてみるがよい。相手をこき下ろしたり、自分がこき下ろされたりしても、それをネタにして楽しむ余裕がある人たちである。自分を守る必要なんて考えもしない人たちなのである。なんとうらやましい人たちなのだろう。

この問題を森田ではどう考えたらよいのか。人からよく思われたいという欲望が人一倍強い人間だと認めることだと思う。否定したり、卑下する必要は全くない。
その強い欲望の裏返しとして、雑談の場を避けているのである。
森田ではこういう場合、人からよく思われたいという欲望にしたがって、「生の欲望」を発揮してゆきなさいといっています。
雑談の場を避けている自分を否定していてはなにも問題は解決しません。欲望に従って行動することしかありません。





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Last updated  2013.07.30 22:11:09
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