森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.07.25
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カテゴリ: 森田関連図書
最近の投稿で参考にさせていただいている「怒りをコントロールできない子の理解と援助」という本の紹介をさせてもらいます。副題は「教師と親のかかわり」です。

重版を続けています。隠れた名著です。
著者は大河原美以氏です。出版社は金子書房です。
大河原氏は臨床心理士で、子供の心理療法、家族療法の専門家です。

193ページの本ですが、私が注目しているのは61ページまでの部分です。
それ以降は子どもへの対応方法が具体的に書いてあります。

61ページまでには「感情はどのようにして育つのか」が書いてあります。
第1章 感情のプロセス

2、 感情はどのようにして社会化されるのか
3、 親子のコミュニケーションと感情の発達
4、 思いやりという感情を育てるには

第2章 いまどきの親子の関係
1、 理想的な子供を求める子育て
2、 他者から見て「よい子」であることを強く願う時――叱ることをやめられない
3、 親に対して「よい子」であることを強く願う時――叱るのがこわくて叱れない
4、 子ども自身が本当の意味で「よい子」に育つことを願うには

第3章 怒りをコントロールできない子どもたちの感情の発達
1、 ネガティブな感情が社会化されないとき
2、 子どもの心の脆弱性と易トラウマ性

4、 突然きれてパニックになる子ども――小学校高学年
5、 思春期の危機
6、 大人になってからの危機
7、 感情を育てるために必要なこと
8、 「しつけ」の誤解


大河原氏は殺人事件を起こした少年少女は、一般的な子どもとほとんど変わらない。
その根本には、ネガティブな感情を受け入れられず、いびつな形で成長してきた足跡がある。
そのつけが重大な事件へと発展している。
子どもたちはどんな状況におかれても、生きつづけようと格闘する。
その生きようとする力は、時に激しすぎて、嵐を巻き起こす。
親や教師が子どもに対する関わり方を変えていけば、子どもは素直に育っていくと言われています。

これは森田理論学習でいう、感情は自然現象であり人間の意思の自由はない。
親、教師、子どもたちすべての人が、不安や恐怖等のネガティブな感情を受け入れていく。
感情の事実に服従していくということと同じことであると思う。

それを親と子ども、教師と子どもの人間関係の在り方から説明されている意味のある本だと思います。
関心のある方は森田理論を深めるために是非一読願います。





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