森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2018.07.30
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カテゴリ: 身近な社会問題
早稲田大学の中野佳裕研究員は「成長至上主義」は限界にきていると指摘されている。
地球環境の破壊や格差拡大、大規模な金融危機、原発事故など、厄介な問題が同時多発的に起き、人類の生存の危機が叫ばれています。
しゃにむに経済成長を追求してきた社会の仕組みが問われているのです。
物質的な豊かさを追求する考え方は、産業革命期の欧州で生まれました。
それまで豊かさには、人々の幸福感や健康も含まれていましたが、資本主義の発展に従い、もっぱら物質的な豊かさの増加を意味するようになりました。
長い人類史から見ると、たかだか250年ほど前からの発想です。
産業革命以前は、世界の多くの地域で、森や海の資源を過剰に消費しない循環型で節度ある生活を維持してきました。
コミュニティーの隣人と食べ物屋生活用具を分かち合う経済も日常的に存在していました。
今後は社会関係や自然環境にマイナスとなる経済活動は見直すべきです。

(中国新聞  2018年7月4日の記事より引用)

私はこの考え方に賛成です。
成長至上主義の資本主義社会の矛盾点は、現在あらゆる分野で目に見える形で表面化しています。
その中に、地球環境問題があります。二酸化炭素の増加により、地球は温暖化しています。
異常気象が頻発し、南極や北極の氷が溶けて海水面が上昇しています。
南極ではオゾンホールが拡大し、紫外線によるガンが多発するようになっています。
南米のアマゾンでは大規模な森林が伐採されています。
昔のアマゾンと今のアマゾンの衛星写真を見れば一目瞭然です。
森林の減少によって地球全体が砂漠化の傾向にあります。
このままいけば火星のような不毛の地になることだって考えられます。
化石燃料の使用により、酸性雨も問題になっています。


それにもかかわらず、物質の豊かさを最大限に目指す成長至上主義の考え方は、なんの疑いもなく全世界を覆いつくしています。
物質至上主義、拝金主義が唯一絶対的な人類が目指すべき正しい方向であると考えられています。
テレビ等を見ていますと、経済学者や政治家は、経済成長は今後もどんどん進めていかなくてはならないといいます。政府も日本経済の成長なくして日本人の生き延びる道はないといいます。
先進工業国として、世界を相手の貿易戦争を勝ち抜いていくことが必須であると考えられています。
カジノ法案もその一つでしょう。


それを放置すれば、世間の常識は、人類史から見ると非常識になりかねません。
これを森田理論で考えると、欲望の追求と抑制力のバランスが崩れているように思います。
例えば太陽と惑星の関係は、太陽の引力と惑星との遠心力の釣り合いがとれているから、双方が存在できているのです。
もしこの絶妙なバランスが崩れて、惑星の遠心力が太陽の引力よりも大きいということになると、惑星は太陽系から飛び出してしまいます。
居場所がなくなり、宇宙をさまよっていつかは他の天体と衝突してしまうのです。

そうならないためには、自分たちの欲望の追及一辺倒に突っ走るのではなく、バランスや調和を保つにはどうしたらいいのかというところから出発しなければなりません。
そのためには、もっともっと地球環境の破壊、格差拡大、大規模な金融危機、原発事故などの問題点を日ごろからよく学習しておくことが欠かせません。そして抑制力を働かせないといけません。
また、人間が生きるとは何か、人類の豊かさとは何か、人間関係はどうあるべきなのか、子孫に何を残していくべきなのかをみんなで考えてゆかなくてはなりません。
成長至上主義、物質至上主義、拝金主義が破滅的状況を迎えるのを手をこまねいて待っているということは、現代に生きている私たちにとっては許されないことなのではないでしょうか。
放任すれば、それを信じて疑わない人たちの食い物にされてしまいます。
何よりも問題なのは、このかけがえのない地球と人類の将来を破滅の方向へと誘導してしまうのです。





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