森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2018.10.27
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カテゴリ: 身近な社会問題
日本政府は、国民の食料を自給するという考え方は持ち合わせていないようだ。
米を除くほぼすべての食料は輸入によってまかなうという方針だ。
その米も外米の輸入を迫られて、存続が危うくなっている。
この考え方は非常に危険であると思う。

世界の人口が90億人台に増加することが見込まれており、いずれ食料は世界中で奪い合いになる。
そうなれば食料は高騰する。しかも、天候不順などにより不作になれば、農産物生産国でも輸出に回すことができなくなる。こうなれば、日本は黒字倒産のような状況になる。
つまり、いくら外貨を持っていても食料が買えないという事態に陥る。
現在は食うものに困る人はほとんどいない。飽食三昧である。
それが突然食糧難になる時代が来ることを今のところ誰も予想していない。

戦後の食糧難の時代がやってくることに思いを馳せる必要がある。

そうなったとき、政府は責任を取ってくれるのか。
多分、自己責任の問題で片付けられるのではないだろうか。
多くの餓死者が出る事は、近い将来の事実である。
本来食料は命を再生産する大事なものであるが、食糧危機が起きると、生産国が非生産国を支配するという事態に陥る。いとも簡単にアメリカや中国に思いのままに支配されるようになるだろう。
日本はいくら経済力があると言っても、食糧で首の根っこをつかまれてしまうと、経済大国、自立国家として存続することはできない。

そんな折、今年「主要農産物種子法」国会で廃止された。
これは戦中から戦後にかけて食糧難の時代を経験した日本が、 「食料を確保するためには種子が大事」ということで、 1952年戦後間もなく制定された法律であった。
ここには、国が二度と国民を飢えさせない。
国民に食料を供給する責任を負うという国の明確な意思が示されていた。
この法律が廃止されると、国の保護はなくなり、種子の確保や保管は民間企業に移ることになる。


気を付けてもらいたいことは、日本の種苗会社に民営化されるということではないのだ。
現在、野菜などの作物では、圧倒的な技術力と資本を持つアメリカの多国籍企業が中小の育苗会社を次々に買収し、世界中にシェアを拡大しています。モンサント社のような会社です。
いずれ農産物の種子は、すべてアメリカなどの多国籍企業に握られてしまうでしょう。

これらの企業は、 F1品種(2年目以降収量が激減する種子)や、 「ターミネーター種子」という遺伝子組み換え種子(翌年には発芽しない種子)を作り上げているのです。
これらの改悪品種の独占販売で、巨額の利益を生み出そうとしているのです。

いったんその仕組みが作られてしまえば、農産物の種子は武器よりも強い、他国を攻撃する武器になってしまうのです。これは考えてみただけでもぞっとするようなことです。

このようにして自分たちで種子を作ることはできない時代が訪れようとしているのです。
種子によって支配被支配の関係が生まれようとしているのです。
日本の「主要農産物種子法」の廃止は、アメリカの種苗会社の片棒を担ぐことになるのです。

この点についてもっと知りたい人は、 2017年4月5日、 2017年4月24日の投稿記事をご覧ください。
そして日本は、農産物生産の首根っこをつかまれて、身動きできない状態に陥ってしまうのです。
これは国民を幸せにするのではなく、不幸のどん底に突き落とすことにつながるのではないでしょうか。
これは森田理論で言うと、精神交互作用で神経症の蟻地獄に落ちてしまうようなものです。
それを防ぐ道はないのか。私はまず問題点を国民全体が自覚することが大切なのではないかと思うのです。(中国新聞 2018年9月29日 食料主義と種子 西川義昭氏記事参照)





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Last updated  2024.04.07 13:12:54
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