森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2019.02.16
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石原加受子さんが確認行為を何度もする人に次のように言われている。
(もっと自分中心でうまくいく ごう書房 35ページ)

家を出る時に何度も何度も鍵を確かめずには居られない人がいる。
それは小さい頃、親が自分の心に無断で侵入してきたから、心の鍵をかけておかずには居られなかったからだ、という解釈をしたらどうだろう。
一般的に、一見マイナスに見える状態や症状は、あたかもそれを極悪人のごとくに否定したり、拒否したり、責めたりしがちである。
しかし、このような解釈をすれば、 「何度も鍵を閉める」と言う行為は、自分を守るための純粋な行為だと言える。
「何度も何度も鍵を閉める」ことで、自分を安心させていることになる。
それは言い換えれば、 自分を「何度も何度も、愛してあげている」ことである。
自分を愛するために、自分を守るために、そうしているのだ。


面白い見方だと思う。これによると、子供のころの親との付き合い方に問題があった。
親があまりにも干渉しすぎて、親のいわれる通りに行動してきたツケが確認行為という形で表面化してきているということだ。
親が子供を自分の所有物のように思っていて、何でもかんでも口をはさむ。
指示命令して親に服従させてしまう。そういう育て方をされていると、他人の思惑が気になり、自分の感情や気持は感じられなくなってしまう。
自分が「こうしたい。ああしたい」という意志は育たなくなる。
注意や意識が常に他者に向けられて守り一辺倒の人間になってしまう。
こういう人間にならないように、親は子供の側にいるとき、できるだけ子供の自由にさせて、子供の行動を見守るという態度が必要なのだと思う。

ではそのように育てられて、大人になってしまった人はどうすればよいのだろうか。
確認行為自体を止めるためにいろいろと対策をとることも必要だろう。
でもそれだけでは、次にガスの元栓が気になったり、電気の切り忘れが気になったりと収拾がつかなくなるのではないだろうか。
一番は石原さんが言われるように、遅まきながらも「自分中心の生き方」に変更していくことではなかろうか。つまり自然に湧き起こってきた感情を認めて受け入れていく。自分の気持ちを大切にしていく。

これは森田でいうと「かくあるべし」を少なくして、事実本位に生きていくということである。





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Last updated  2019.02.16 06:46:13
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