森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2019.02.20
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カテゴリ: 身近な社会問題
この本は「ルポ 貧困大国アメリカ」などの著者である堤未果さんの最新作です。
昨年の10月に発行されましたが、12月末には10刷を重ねたヒット作です。
幻冬舎新書で定価860円+税です。
この本には、全世界でグローバル企業と政府が、自由貿易の名のもとで、規制緩和を押し進めて人間の命や暮らしを根こそぎ破壊している問題点を詳細なデータをもとに大胆に指摘されています。
水道、農地、種子、警察、消防、物流、教育、福祉、医療、土地などあらゆる分野に及んでいます。

その中から一つだけ紹介してみます。
2018年5月31日に衆議院本会議で「働き方改革法案」が可決されました。
この中に「高度プロフェッショナル制度」というのがあります。
名前は立派だが、とんでもない法律なのだ。

300万円でも400万円の年収の人にも適用できる法律なのだ。
この法律によって労働時間の規制がなくなるというのがポイントだ。
つまり、4週間で4日休ませれば、残り24日間は仮に24時間働かせても合法になるのだ。
この法律によって、2017年過労死労災請求件数は2572件だったが、今後は労災申請自体ができなくなる。労働時間の制限がなくなるからだ。
そもそもこの法律は、労働者のニーズによって作られたものではなく、大企業の人件費を抑え込みたいという要望によって作られたものなのだ。安倍総理自身がそのように語っている。
成立時点では、政府は「対象職種は法案成立後に決定します」と言っていた。
法律だけ成立させてしまえば、あとは自由に運用できるものだった。
つまり細部は省令で決められるので、国会審議なしでどんどん職種は拡大されるだろう。
1986年に労働者派遣法の対象がいつの間にかどんどん拡大されて、99年にはすべての職種に可能になったことのニの舞が起きるだろう。国民にとっては、恐ろしい改悪法案だったのだ。

政府は同じタイミングで、2025までに「外国人労働者(移民)50万人計画」を発表した。
当面介護、建設、農業、宿泊、造船の5分野に絞るようだ。

もちろん最低賃金である。これで潤うのは人材派遣会社や企業である。
安い労働力が手に入るうえ、外国人労働者を入れれば入れるほど、それらの職種で働く日本人の給料もどんどん下げることができる。
一石二鳥なのだ。一方庶民の生活はますます苦しくなる一方となる。
最低限の生活を強いられる人がどんどん増えてくるという図式が展開されるだろう。
貧困大陸アメリカと同じような状況が起きるだろう。


堤未果さんは、その実態をルポし続けてくれている。
私たちはまずその実態を知ることが大切であると思う。
この本の中で、いくつかの草の根運動も紹介されていた。
私たちは、希望を持って生きてゆきたいものだ。
ぜひご一読されることを強くお勧めしたい。





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Last updated  2024.04.07 17:05:49
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
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