森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2019.08.26
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メキシコオリンピックで1500mでケニア人初の金メダルを獲得した選手がいた。
キブチョゲ・ケノイ選手である。

この選手はそれまでのレースでは、最終400mでいつも激痛を感じていた。
いいところまで行くのだが最後に抜かされてしまうのだ。

ルー・タイスという人に相談しました。
ルー・タイスは彼に聞きました。
「レースのポイントに差しかかったとき、何を考えているのか?」
彼は、「あと400mも走らなければいけないと考えます」と言いました。
「では走るのを止めたらどうだね」

彼は怒りました。そしてむきになって言いました。

「僕が何のために走っていると思っているんですか。
オリンピックで勝てたら、牛がもらえるからです。
ぼくの国では、それでずいぶんお金持ちになれるんです。
家族は、ぼくをアメリカの大学に送るために、自分たちの生活を犠牲にしてきた。
だから、家族のためにも、国のためにも、絶対に金メダルを獲りたいのです。」

これは森田理論でいうと「かくあるべし」の考え方です。
オリンピックで何が何でも優勝しなければならない。
もし優勝できなければ家族にも、国にも顔向けできなくなる。
失意のうちにケニアに帰ることだけは絶対に避けなければならない。
そういったプレッシャが、彼に重くのしかかっていたのです。


「君は無理して走る必要はない。レースを走りきる必要もない。いつだって走るのを止めてもいいのだよ。それでも走りたいのか」

彼ははっとして次のように言いました。
「僕は小さいときから走るのが得意で、とにかく走ることが大好きなんです。
走るのを止めてしまったら、ぼくがぼくでなくなってしまいます。
走ることだったらどんなつらい練習でも苦にならないんです。

そうだ、ぼくの夢はオリンピックに出場して優勝したいんだ。」

「よく分かった。じゃ、そのことに気持ちを集中させなさい。」

ちなみに彼は1500mで金メダルを獲得したほか、5000mでも銀メダルを獲得したそうです。

「かくあるべし」から出発することと、自分の本心の部分から取り組むことは、その後大きな差となって現れるということだと思います。





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Last updated  2024.04.08 23:50:37
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