森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.07.01
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カテゴリ: 身近な社会問題
私たちは森田理論学習によって、欲望と不安のバランスを維持しながら生活していくことが重要であると学びました。
不安を取り去ることを第一目的とするのではなく、生の欲望の発揮を第一目的とする。
ただし欲望を暴走させてしまうことはまずい。
その際、不安を活用して、欲望を制御していく生き方を目指していくことが肝心です。
森田理論は、このようなバランスのとり方を教えてくれました。

これは日本の経済政策についても同じことがいえることが分かりました。
経済動向を見ると、インフレ基調とデフレ基調が繰り返されています。
インフレ基調というのは、供給に対して需要が大きいという状況です。
日本の高度経済成長期がまさにそうでした。

物価は上昇し、金利も高止まりしていました。
国民所得が増えて、1億総中流家庭といわれていました。
金利も高く10年間金融機関にお金を預けていると、元金は2倍になっていました。
今考えると信じられないようですが、1970年代80年代はまさにそうでした。

ところが1990年代になると、急にデフレ基調に大転換しました。
潮目が変わったのです。需要が激減し、物価が下がる時代に突入しました。
物を作っても売れない。モノ余りといわれる時代に突入したのです。
この状況は2020年の現在でも続いています。
もう30年にわたりデフレ状況が続いているのです。

100均などもできて、物が安くなったと喜んでいたのですが、それ以上に景気が悪化して、企業の倒産、吸収合併、リストラ、所得の減少などが問題になりました。
この間、失われた国民一人当たりの所得は6500万円に上るという試算もあります。

物価が安くなっても、所得が下がり続けてばかりでは生活できなくなります。
夫婦が二人してめいっぱい働かないと、子供も作れない時代になりました。

政府による経済政策というのは、時代認識を正しく行うことが大切であると思います。
現在インフレ基調にあると判断すれば、増税、公共事業を削減し、国債発行を抑え、社会保障費削減などで景気の暴走を抑える政策を実施する必要があります。
そうしないと、どんどんインフレが進行して生活が苦しくなります。


減税を行う。国土強靭化の公共事業を拡大する。赤字国債を発行する。社会保障費を増額する。
つまり政府支出を増やして、景気を刺激する政策を矢継ぎ早に打つ必要があります。
個人や企業はできませんから、政府主導で行う必要があります。

現在はデフレですから、減税や積極的に財政出動する政策を行うべき時なのです。
ところが1997年の橋本政権誕生のころから、増税と緊縮財政のオンパレードになっているのです。第二次安倍内閣の1年目を除いて、いまだ政策転換は行われていません。
つまりインフレの時代に行うべき政策を、デフレ下の今行っているのです。
これが国民生活を窮地に追いやっている最大の原因です。

現在日本のGDPは550兆円ぐらいですが、デフレ基調の時代認識と経済対策を行っていたならば、GDPは1000兆円をこえていたのではないかという人もいます。
世界第2位の経済大国であり続けたわけです。
そうなっていたら、日本と日本の国民は豊かであり続けることができたのです。

しかし、実際には消費税の増税と緊縮財政策をとりました。
そして規制緩和、自由化、民営化、グローバル化の推進です。
デフレ下においてインフレ時に行う政策を推進しているのです。
麻生財務大臣も、総理大臣の時はプライマリーバランスは一時棚上げにするといわれていました。
経済の立て直しを優先するといわれていました。
いつの間にか、財務省、経済界、御用学者の影響を受けて考え方が変わってしまったのです。

政府による経済政策のかじ取りの間違いは国民生活の悪化に直結します。
また国力の弱体化を招きます。日本の経済が弱体化してしまうと、発言力もなくなります。
勢いを取り戻すのは時間がかかりますが、落ち込むのはあっという間です。
その時点で慌てふためいても後の祭りです。

新型コロナウィルスの影響を受けて、GDPが100兆円、150兆円と減少してきた場合、政治の責任は極めて大きいといわざるを得ません。3割は減るといわれていますので300兆円台に落ち込むことが高い確率で現実のものとなります。GDPの減少は、国民所得の減少です。
そうなれば国民の生活はますます苦しくなります。

懸命に頑張っておられる国会議員の人もおられますが、いかんせん少数派です。
是正するためには、世論の高まりがすべてだと思います。
国民が政治や経済の動向から目をそらさないようにしたいものです。
そのためにはSNSやyou tubeなどで、正確な情報をつかむことを忘れないようにしたいものです。例えば、sakura so TVというyou tubeを活用した討論番組などを視聴されることをお勧めします。今国民のなすことは、行動を起こすのではなく、政治、経済、外交政策、日本の自立などの真実を知るという面に力を入れる時だと思います。
政治や経済に無関心という姿勢が、自分たちの生活を苦しくさせ、私たちの子孫にそのつけを先送りしていくのだということを忘れてはならないと考えています。





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Last updated  2024.04.07 20:00:51
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
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