森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.09.01
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カテゴリ: 身近な社会問題
最近、老人の孤独死、墓終、少子化、コミュニティーの崩壊、家族の崩壊などと言う話を聞くようになりました。敗戦前までの日本では全く問題にならない現象でした。
敗戦から75年になりますが、日本はその道を突き進んできたように思います。
このままでいけば、日本の将来は暗澹たるものになるのではないか。
大家族、子孫繁栄、地域の絆、日本の誇りが失われていくのではないか。

このような惨状を生み出してきた原因を考えてみたいと思います。
私は戦後の日本が、平和主義を国是としてかじ取りをとり続けてきた結果ではないかと思っています。このことをもう少し説明してみたいと思います。

戦後の日本は自立することを放棄して、アメリカに依存して、自分たちの生活を維持していこうという安易で楽な道を選択したことだと思います。
その最たるものが、国防に対する考え方です。安全保障に対する考え方です。

平和主義とは、他国との利害対立が、武力衝突(いわゆる戦争)にいたることなく調整・解決されている状態を何よりも重要とみなし、この状態が維持されることに最大の価値を見出す立場を言います。武力に訴えてでも、日本の安全と国益を脅かすような国はないはずだという考え方を持ち続けてきたのです。 (平和主義は貧困への道 佐藤健志 kkベストセラーズ 39ページ)


今の日本の現状を見れは一目瞭然です。
経済力、武力、情報、交渉力など、ありとあらゆる手を使って、日本を従属しようとする国にとっては、格好のカモに見えます。
カモがネギを背負っているようなものですから、こんなにやりやすいことはありません。

日本はいままでアメリカの庇護のもとに、平和を享受してきました。
アメリカに依存した平和は別の意味で問題です。
アメリカの顔色を窺い、アメリカの強引な要求を受け入れなければ存続できないからです。
日本はアメリカに服従することで何とか生きながらえることが許されているのです。
窮屈です。本当の意味で自由ではありません。

つまり戦後の日本は、自立して主体的に生きていく道を放棄してきたのです。
外国に依存して、生き延びていくという道を選択してきたということです。
親の年金や財産、遺産をあてにして生きている子供のようなものです。


自分たちが自立して主体的に生きていかなくても、政府が自分たちを豊かにしてくれるはずだ。
政府に任せておけば、国民の生活は豊かになるはずだと思い込まされてしまった。

ところが政府は財政均衡政策を打ち出し、増税、規制緩和、自由化、民営化、グローバル化を推進してきました。この政策は国民の生活を豊かにするものではありませんでした。
国民生活はどんどん苦しくなっていったのです。

GDPの伸び率は世界最低で、国民の所得は増えるどころかどんどん減少して、生活はどんどん苦しくなりました。年収200万円以下の人が1000万人を超えるという国になってしまったのです。このような貧困化の中で孤立化、家族の崩壊、地域コミュニティーの崩壊、政治への無関心化が起きているのです。現在は個人が生き延びていくことで精いっぱいです。


この状況に至っても、国民はなすすべもなく、政治・経済、他国の侵略に対して無力です。
森田理論では自分のできることは、安易に他人に依存するような生き方は問題だと言っています。自分のできることは、どんなに面倒できついものであっても、自分で手掛けることを基本姿勢として持つことが大切だといいます。

それが自立と主体性の発揮の基盤となり、次につながるものです。
現状や事実を直視する姿勢を無視したとき、私たちの存在理由は根こそぎ骨抜きにされてしまうのだと思います。森田先生がもし現在の世に生存しておられたら、政治、経済、外交問題について、事実唯真の立場から鋭い意見を投げかけておられるだろうと思います。





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Last updated  2024.04.07 20:13:37
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