森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2023.06.25
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カテゴリ: 行動のポイント
生活の発見誌の5月号に三重野悌次郎氏の記事があった。

それによると三重野氏の自戒の言葉は、 「小苦を回避して大苦を生じ、大楽を追及して小楽を失う」 であるという。

ここで小苦というのは、日常茶飯事の雑事や雑仕事のことを指している。
三重野悌次郎氏は雑事をおろそかにして人生はないと言われています。
雑事の代表は家事です。炊事、洗濯、掃除、整理など家事は雑事の集大成です。
集談会で、ときどき家事手伝いの若い女性の悩みを聞きます
「こんなつまらないことばかりしていると肩身が狭い。社会へ出て働きたい」
私は女性が、社会に出て働くことに反対ではありません。

家事は我々の本来の欲望達成のために欠かせない仕事です。
この大事な家事をつまらないという人は、社会に出て働いても、そこもまた、雑事の連続であることを見て、またつまらないと言うでしょう。
どんな仕事も雑事の積み重ねです。
その雑事に真剣に取り組めば、必ず興味が湧いてきます。
森田博士のいうお使い根性で働けば、すべてがつまらないのです。
ともあれ雑事に喜びを見出す人は幸せな人です。
(森田理論という人間学 三重野悌次郎 白揚社 83ページ)

大楽というのは、ドーパミンが大量に出るような刺激的、享楽的、本能的な快楽を求め続ける生活のことではないでしょうか。
ちなみに田舎の住職さんによると、貪欲に欲望を満たそうとする態度のことを「餓鬼」(がき)というそうです。
めくるめく快感を果てしなく追い求めていくようになりますと、一時的には幸福感に満たされます。カンフル剤的な効果はあります。
しかしすぐにエネルギー切れの状態になり効果がなくなります。

しかし同じ程度の刺激では、以前のような強い快感は得られなくなます。
そのためにさらに強力な刺激や快楽を注入する必要があります。
イタチごっこになります。
薬物療法でいえば薬の量と種類が増えていくようなものです。
薬は基本的には毒ですから、どんな薬にも副作用があります。

さらにその効果が切れた時に、イライラするようになります。
いてもたってもいられない精神状態に追い込まれます。
これは薬が切れた時の離脱症状に似ています。

刺激的な快楽を追い求めていると、そのうち欲望が暴走するようになります。
欲望が独り歩きを始めて、制御不能に陥るのです。
求めても、求めても満たされない欲望に振り回されるようになります。
精神的に不安定になります。お金と時間の無駄使いも起きます。
いつの間にか小さな楽しみや喜びは味わうことができなくなります。
最終的に生きることはつらいことだという考えが湧き上がってきます。
生きていても砂を噛むような味気なさを味わうようになる。
刺激や快楽を追い求めるよりも、凡事徹底の生活の中で、小さな楽しみや喜びを味わうような生活習慣を作り上げることが大切になると思います。





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Last updated  2023.06.25 06:38:23
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